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2007/10/07

10/2 新国立劇場開場10周年記念 ガラ公演

新国立劇場開場10周年記念 オペラ・バレエ ガラ公演

主催:文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場
2007年10月2日(火)19時 新国立劇場オペラ劇場(オペラパレス)
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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■プログラム

・ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より「前奏曲」

▲第1部 バレエ「セレナーデ」

振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・チャイコフスキー(「弦楽のためのセレナーデ」ハ長調 作品48)
指揮:渡邊一正

新国立劇場バレエ団
ソリスト:寺島まゆみ、厚木三杏、西山裕子、逸見智彦、森田健太郎

「セレナーデ」を見るのは本当に久しぶり。そして、プロポーションが美しく良く揃っている新国立劇場バレエ団にはとても合っている演目だと思った。幕が開き、青白く幻想的な照明の中、右腕を高く上げて六番ポジションで立っている17人のバレリーナたち。一斉にゆっくりと1番ポジションに足を動かす時の陶酔感。ひとつの美の極致。(それにしても、弦楽のためのセレナーデをCMに使った馬鹿は死んででいいと思う)

通称ジャンピングガールという、ジュッテで何度も横切る役を踊るのは、寺島まゆみさん。彼女の跳躍力には驚嘆するばかり。ふわっと高く浮かび上がるように踊る。ものすごい体力を使いそうなのに、最後までスタミナ切れをすることなく、美しく舞っていた。厚木さんは、ラインの美しさにうっとり。3人のダンサーが交差するところでのアラベスクは、完璧だった。西山さんは、途中で転んでしまう難しい役。繊細かつエモーショナルな演技で、パ・ド・ドゥもとても印象的。逸見さんのダイナミックで伸びやかな踊り、森田さんのサポートのうまさ、それぞれのダンサーの美質が生かされていてとても素敵なパフォーマンスだったと思う。ガラにしては少々地味な演目で、オペラファンにはちょっと受けが悪かったようだけど、夜の闇に溶けてしまいそうな、夢のようなバランシンワールドを堪能できた。また機会があれば近いうちに上演して欲しい。


▲第2部 オペラコンサート

指揮:フィリップ・オーギャン
エレナ・ツィトコーワ
アルベルト・クピード
大村博美/林 美智子/渡辺敦子/中村恵理/村上公太/町 英和
新国立劇場合唱団

・ワーグナー《タンホイザー》より「歌の殿堂をたたえよう」新国立劇場合唱団
・J.シュトラウスⅡ世《こうもり》より「僕はお客をよぶのが好きだ」ツィトコーワ
・ヴェルディ《アイーダ》より「清きアイーダ」クピード
・レオンカヴァッロ《道化師》より「鳥の歌」大村博美
・ロッシーニ《セビリアの理髪師》より「今の歌声は」林美智子
・モーツァルト《フィガロの結婚》より「恋とはどんなものかしら」ツィトコーワ
・ヴェルディ《リゴレット》より四重奏「美しい乙女よ」渡辺敦子/中村恵理/村上公太/町 英和
・ビゼー《カルメン》より「行進曲と合唱」新国立劇場合唱団
・ビゼー《カルメン》より「ハバネラ」ツィトコーワ
・プッチーニ《蝶々夫人》より「ある晴れた日に」大村博美
・プッチーニ《トスカ》より「星は光りぬ」クピード

▲アンコール
・プッチーニ《トゥーランドット》より「誰も寝てはならぬ」クピード
・ヴェルディ《椿姫》より「乾杯の歌」大村&クピード

オペラに関しては、私は完全に素人なのだけど、素人にもわかりやすい有名なアリアばかりを持ってきたので、とっても楽しむことができた。新国立劇場は、まずコーラスのレベルがかなり高い。「カルメン」の合唱は大変な迫力だった。歌い終わった瞬間に客席から「うまい!」という掛け声が出たほど。一番受けていたのは、豊かで艶のある声のクピード。「星は光りぬ」が感動的だった。ビヴラートが効いており、ずっとフォルテッシュモで歌っているので、ちょっと好き嫌いはあるでしょうが、オペラのアリアを聴いた、ということを実感させてくれる。歌手としての力量だと、大村博美さんが艶やかで素晴らしかった。林美智子さんはとても可愛らしい歌い方をする人。そしてエレーナ・ツィトコーワは、とてもスリムな美人。「こうもり」での黒いパンツスーツもかっこよかったけど、「カルメン」での波打つ金髪と、同じ色のドレスが、女優のように色っぽくて華やか、絶世の美女風。視線の使い方にはぞくぞくした。ガラでもしっかりと役柄を演じており、メゾソプラノの歌声も安定していた。「リゴレット」の4重唱も楽しく、この演目にしか出ない歌手の方の独唱も聞いてみたいと思った。

アンコールの「誰も寝てはならぬ」は、トリノオリンピックのパヴァロッティを思い出して少ししんみりしたけど、クピードのスケールの大きな歌声に包まれて胸が熱くなったし、ラストの「乾杯の歌」でガラに相応しい華やかさ賑やかさを感じ、満足感いっぱいで会場を後にした。それにしても、オペラのブラボーってバレエの時の10倍くらい出るものなのだね。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

ガラのお客様は、オペラファンが多かったのかもしれないですね。
バレエというと、チュチュでフェッテしたりというのを想像していたら、ちょっと違う演目だったのかもしれません。
でも、今の新国立バレエ団の女性達の揃ったコールドとソリストのそれぞれの良さが際立っていたので、作品としてはとても良い出来だったと思います。
オペラも、分かり易いアリアばかりで、オペラ研修生出身の方もいて、観客には馴染みがあったのでしょう。
オペラ好きの方は、合唱や声楽を習う方も多いので、ブラボーの声も通る良い声です。

ボリショイ×マリンスキーのNHKの芸術劇場の放送で、復刻オペラで大村博美さんが出演され、嬉しかったです。

くみさん、こんばんは。
相変わらずお返事が遅くすみません!
これで5000円とは本当にお得でしたね。私は実はバランシンはあまり得意ではないんだけど、前に上演したシンフォニー・イン・Cやテーマとバリエーションを並べてのバランシン・ガラはよい考えだと思います。足音が小さく、プロポーションの良い新国立のダンサーにはバランシンが向いていると思います。
大村博美さんは良い歌手ですね。新国立はオペラも比較的リーズナブルなので、また見て見たいとおもうのですが年末に大出費があるので、アイーダまでお預けかな?

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