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« 「真夏の夜の夢」初日簡単な感想 | トップページ | NHKニューイヤー・オペラコンサート »

2007/10/28

10/24東京バレエ団「真夏の夜の夢」/「バレエ・インペリアル」

東京バレエ団
「真夏の夜の夢」/「バレエ・インペリアル」

2007年10月24日(水)19:00開演  ゆうぽうとホール

「バレエ・インペリアル」
吉岡美佳‐木村和夫
田中結子
大嶋正樹‐中島周  乾友子‐高木綾
ピアノ:志田明子 (「バレエ・インペリアル」)

幕が開くと斜めに舞台を横切るように男性ダンサーと女性ダンサーのコール・ド(群舞)がポーズしている。まず思ったのが、男性コール・ド、ちっちゃい・・・・。何しろ女性コールドより小さく見えるくらいなのだから。中には野辺さんのように背の高い人もいるにはいるのだけど・・・みんなプロポーションも悪いし髪形も変だし、つま先は汚いし。反面、女性群舞は統率が取れていて良く揃っているし、プロポーションもきれいな人が増えてきた。ただ、音に合わせようとするあまり踊りが小さくまとまってしまった感じがあったのが惜しい。全体的には、女性群舞はとても綺麗で良かったのではないかと思う。

ソリストは田中結子さん。うーむ、ちょっと踊りがパキパキしすぎていてあまり良くなかったのではないかな。ポアントの音はあまりさせていないのだけど、腕の使い方が直線的過ぎだし、音楽が聞こえてこない(26日の奈良さんのほうがよほど良かった)。吉岡さんが出てきて実感したのだけど、やっぱりその点吉岡さんはポールドブラが美しいし、繊細で透明感がある。少々不安定なところがなくもないのだけど、それがどこか儚い美しさにつながっていくのだ。木村さんは相変わらずつま先から脚のラインが素晴らしくきれい。それにしても、この間の「レ・シルフィード」もそうだったけど、いつもすごい悲壮感を漂わせて、切ない表情で女性ダンサーを追いかけているのね、木村さんは。夢なのか現なのか、とてもドリーミーな空気をまとって、彼女はどこに行ってしまったのか、と吉岡さんが去っていったあとをうっとりと追っていく木村さん。その後で4人の女性のコール・ドが登場してバランスしているのだけど4人のうち2人がぐらつく・・・。

田中さんと男性ダンサー二人のパ・ド・トロワ。中島さん、大嶋さんとプリンシパル二人を投入しているのに、この二人が踊っている時間がすごく短くてもったいなかった。しかも、この二人の美質が生かされたような振付ではなかったし。カブリオールは二人ともきれいだった。

木村さんの終盤のソロは、5番と2番のアントルシャ・シスを繰り返すもの。この辺の脚捌系はお手の物。華やかで素敵な舞台だったけど、でも東京バレエ団に向いている演目かどうかはちょっと疑問を感じた。振付にあまり魅力を感じないのだ。チャイコフスキーのピアノ協奏曲2番を使っているのだけど、演奏にミスが多かったことも残念。


「真夏の夜の夢」
タイターニア:アリーナ・コジョカル
オベロン:スティーヴン・マックレー

パック:古川和則
ボトム:高橋竜太
ハーミア:西村真由美
ライサンダー:平野玲
ヘレナ:井脇幸江
デミトリアス:高岸直樹
村人:野辺誠治、松下裕次 、横内国弘、氷室友、長瀬直義
エンドウの花の精:高村順子
蜘蛛の精:長谷川智佳子
カラシナの精:乾友子
蛾の精:佐伯知香

指揮:デヴィッド・ガーフォース
オーケストラ:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:TOKYO FM 少年合唱団 (「真夏の夜の夢」)

ロイヤル・バレエから借りてきたという、深い森を表現した舞台装置が美しい。妖精たちが登場。ものすごく足音がばたばたしているのにはちょっと興をそがれたが、でもこういうばたばたした妖精っていうのもありなのかも。薄緑色の衣装はとっても可愛い。舞台奥でポーズをとるのが、オベロン役のスティーヴン。上半身の使い方、姿勢や腕のポージングがとても様になっている。貫禄すら感じさせるほどで、とても初役は見えない。

そこへ、インド人(実際には日本人だけど)のお小姓を伴ったアリーナのタイターニアが登場。小柄で愛らしいアリーナは妖精そのもので、金髪の巻き毛もよく似合うのだけど、オベロンと対峙する姿はとてもセクシーで、"女"の部分を感じさせると同時に、気の強さも現れている。いつものアリーナとはちょっと違った魅力。女王の貫禄がある。テクニック面はとても強く、前と後ろにバットマンを繰り返すところでも、驚くほど柔らかい背中と高く上がる脚のインパクトが強い。タイターニアという役では、こんなに脚を高く上げなくてもいいのでは、とも思うけどこれがぴったりと音に合っているところがすごい。二人でしばしお小姓の取り合いをする。対抗するマックレーのオベロンは、さすがにアリーナと比較すると若い感じなのだけど、少なくとも気概はアリーナには負けていなくて堂々と渡り合っている。マックレーは背は大きくないのだけど、腰の辺りから脚、特に太ももにかけてのラインがほっそりとしていて非常に美しい。身体能力に優れているようで、脚がきれいにすっと高く上がって気持ちいい。視線の送り方、見得の切り方も魅力的で、若草のような色気を感じさせる。あごに手を置くポーズも、背中を客席に向けながら腕を後ろに引くポーズも、どれもゾクゾクするほど素敵。

今日のパックは古川さん。明るくいたずらっぽくてひょうきんなキャラクターはパックにぴったり。よく体が動いていて楽しそうにぴょんぴょん跳ねているし、マックレーの演技への掛け合いやレスポンスが良い。会心の演技を見せてくれたと思う。開脚ジャンプも、脚が180度以上開いて高く跳んでいる。

そして2組の恋人たち―西村さんと平野さん、井脇さんと高岸さん。この4人の芸達者振りが素晴らしい。日本人のダンサーはコミカルな演技が苦手ということは、パックとこの4人にはまったく当てはまらないのが判る。特に女性陣二人は最高!踊りながらも演技をするというのはなかなか難しいことだと思うのだけど、それを見事にこなしているのが、この4人プラス1人なのであり、日本のバレエ界の至宝といってもいいくらい。個人的には、とっても可愛らしく、しょぼんとしたり、ふくれたり、驚いたりする表情が豊かな西村さんが特に素敵だった。踊りはいつものふんわりと鷹揚で美しいままなのに、笑える演技も達者なのよね。平野さんは、あんなにさわやかなハンサムで、踊りだって端正なのにいつもはキャラクテールが多いけど、久しぶりに二枚目半の役柄が見られて嬉しい。

キャラクテールで絶対に忘れてはいけないのが、ポアントを履いて踊るロバ、ボトム。身体能力が優れていて芸達者な高橋竜太さんだったので、安心して見ていられた。音に合わせてリズミカルに踊ったり跳んだりする姿が可愛い。しかも、今回のロバのかぶりものは、動きに合わせて口がパクパク動くのだ!この動くところがもう可愛くて可愛くて!パンツの丈が長いのか、ポアントはほんの先っぽしか見えていなかったけど、逆にヒヅメっぽく見えていいのかも。かぶり物を取った高橋さんの表情もコミカルでキュート。

そのロバ=ボトムに、惚れ薬をかけられたせいで恋してしまうタイターニア、甘える姿がとても色っぽくてドキドキしちゃった。小柄で愛らしいアリーナがセクシーモードになっているから、ますます見ちゃいけないものを見てしまった気分になっちゃう。ボトムとラブラブなアリーナを見て大慌てする妖精たち。彼女たちの表情が、またすっごく可愛い。妖精チームでは、軽やかで伸びやかな佐伯知香さんと、愛らしく芸達者な高村順子さんが良かった。

(つづく)

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