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« ローザンヌ・ガラ2007 | トップページ | ルグリと輝ける仲間たち Bプロ 8/12、13 »

2007/08/19

「白鳥の湖」でルグリ祭り終了

「白鳥の湖」全幕プロで、「ルグリと輝ける仲間たち」もついに終了。Aプロを観終わった時には、こんなに最後まで楽しめると思わなかったのですが、Bプロからどんどんハマっていって、終了した今日、えも知れぬ寂しさを感じています。夏も終わっちゃったな、と。

ルグリの王子は、完璧に王子でした。実は正直、3幕のヴァリエーション前半でのランベルセなどは小さくまとまっちゃっていてあれ、とは思ったのですが、それ以外はパーフェクト。佇まいから一つ一つのしぐさ、マイム、演技、すべてに気品が溢れる、王子の中の王子でした。立っているだけでも王子なのに、ひとたび動き始めたら、あまりにも優雅で、体で音楽を奏でているかのようなので、目が離せなくなります。その中で、3幕コーダのグランド・ピルエットは、アラスゴンドの脚の美しさもさることながら、至福の表情で王子のつかの間の喜びを表現していて、観ているこちらも至福の時でした。たっぷりの情熱も持ち合わせていて、こまやかに物語を語ることができるのですから、もう最強です。今回、ルグリの王子が観られて本当に幸せでした。パートナーをこの上なく美しく見せるサポートは、もはや神業と言ってもいいかもしれません。彼の王子を映像に残して欲しいけれども、それは叶わぬ夢なのでしょうか。バレエ界の資産として永久保存したくなるような、すべての王子像のクライテリアとなるような永遠の「白鳥の湖の王子」でした。

16日のオディールでミスをしてしまったドロテは、今回はフェッテも成功して「良かったね」と声をかけたくなりました。オデットは、勝気さが前面に出すぎているし、緊張感でやや堅くなり、儚さなどは感じられなかったけど、演技力があるのでドラマティックな造形ができていたと思います。16日のオディールで感じた目力の強さはオデットにも感じられました。2幕のラスト、別れのときに、どうしても離れたくないのと訴える情熱的な演技は、ドロテの強い個性や熱い想いが反映され、人間らしい体温のある、彼女なりのオデット像を作り上げていることがよくわかりました。ルグリは今日も先生モードでしたが、ドロテの演技に合わせた熱い王子で、見事に演技のキャッチボールができていました。
オディールはキャラクターに合っているということもあり、すごくできが良かった。16日よりもずっと吸引力があってキラキラしていました。とても可愛いのに、強い視線で悪女らしく、華やかで魅惑的でした。動きもメリハリがあって輪郭がはっきりしているので、ドラマが際立ちます。それに対するルグリの受けが的確だったので、映画を観ているかのように、台詞が聞こえてきそうな3幕となりました。16日はドロテはフェッテの失敗で意気消沈していたようでしたが、今日はうまくいったので(後半はやや失速していたけど)、自信が出たようで、勝ち誇って去っていく時の妖艶な表情にはゾクゾクしました。あんなに高笑いの美しいオディールを見たのは初めてです。

4幕では、ようやくオデットらしい儚げな部分や詩情も出てきました。この版はハッピーエンドなのですが、王子がロットバルトをやっつけ、倒れていたオデットが「私、生きている」と起き上がったときの、ドロテの嬉しそうな表情がとても美しかったです。これから経験を積んでいって、成長した彼女のオデットが観たいです。きっとできるはず。

ステファン・ビュヨンのロットバルトも、16日よりはかなり余裕があり、踊りも安定していました。トゥール・ザン・レール2連発も、1回目は着地に成功して、ちょっと喜んでいるのが見えてしまいました。16日はまったく笑わないロットバルトでしたが、薄笑いを浮かべてオディールの耳元で囁くビュヨンの表情が、酔ってしまいそうになるくらい官能的でした。青二才なロットバルトなのですが、こんなに美しく生まれたのになぜ悪の道に走ってしまったのか、これまでの彼の人生を知りたくなるような、そんな秘密の過去を感じさせました。ビュヨンは口元がとてもきれいなのですが、よく見ていると唇をなめる癖があるようで、王子に愛を誓わせるシーンでも唇をペろっと舐めていました。緊張していたのでしょうか?ロットバルトの被り物をしている時でも、真っ白な肌に唇が見えていると、とても妖しくて魅惑的でした。最後に王子に片方の翼をもがれて、上手へと去っていく時に、もがれた翼を自分で持って去っていくのはちょっと可笑しかったです。ヴァリエーションの時にマントを外すと、プロポーションの美しさが際立ちます。オペラ座のロットバルトの衣装は、肩幅が広く、ウェストは絞ってあるので、立ち姿がとてもセクシーに見えます。黒い巻き毛、濃いまつげに飾られたグレーの瞳、白い肌に薔薇色の頬に加えてしっかりと筋肉のついた肩や胸、細いウェストと容姿は映画スターのようで、本当に麗しい。背中を向けて立っていることも多いのですが、腹に一物アリ、という背中の立ち姿すら美しい。ダークサイドの妖しい美しさを感じさせる彼のロットバルトはまた観たいです。

東京バレエ団メンバーについて追記。トロワは小出さんも長谷川さんも良かったけど、古川さんはもっと踊れる人なのではと思ってしまいました。小出さんはそろそろオデットデビューを期待したいところ。

道化の松下さん。マティアスと比べてはいけないと思うけど、褒められているのが意外。たしかに、ポリーナ白鳥の時のあまりににもひどい爪先は少し改善されていたけどまだまだ。シェネするときに膝の間が空き過ぎている、ピルエットで膝が曲がっているなど、大嶋さんや古川さんだったら絶対にやらないミスが散見。ただ速く回ったり高く跳んでいればいいわけではありません!爪先だって油断して緩んでいる時もありました。到底褒められる出来ではありません。

これはあくまでも雑感なので、余裕があればまたちゃんと書き直します。

東京バレエ団『白鳥の湖』(全4幕)
2007年8月18日(土)15:00開演 ゆうぽうと簡易保険ホール

オデット/オディール:ドロテ・ジルベール
ジークフリート王子:マニュエル・ルグリ
王妃:加茂律子
悪魔ロットバルト:ステファン・ビュヨン
道化:松下裕次

[第1幕]
家庭教師:野辺誠治
パ・ド・トロワ:小出領子、長谷川智佳子、古川和則
ワルツ(ソリスト):西村真由美、乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子、前川美智子
[第2幕/第4幕]
四羽の白鳥:佐伯知香、森志織、福田ゆかり、阪井麻美
三羽の白鳥:西村真由美、高木綾、奈良春夏
[第3幕]
司会者:野辺誠治
チャルダッシュ
(第1ソリスト):乾友子、大嶋正樹
(第2ソリスト):森志織、福田ゆかり、高橋竜太、氷室友
ナポリ(ソリスト):高村順子、松下裕次
マズルカ(ソリスト):田中結子、坂井直子、中島周、横内国弘
花嫁候補たち:西村真由美、佐伯知香、高木綾、浜野香織、前川美智子、吉川留衣
スペイン:井脇幸江、奈良春夏、後藤晴雄、平野玲


終演後家でバレエ友達と、パリ・オペラ座の映像「MC14/22 "ceci est mon corps"」を観ました。ステファン・ビュヨンが出ているからです。振付はプレルジョカージュ、暴力的な作品ですが、美しいビュヨンや、フォヴォラン、ヴァラストロ、イゾアールなどのダンサーを堪能できます。詳しい感想は、過去のエントリをご参照ください。ゆうさんのSide B-alletによると、OpusArteからDVD化されるとのこと(同時収録はマリ・アニエス=ジロ主演の「メディアの夢」。米国での発売日は9月25日。 

OpusArteのサイトでは動画を見ることができます。
http://www.opusarte.com/pages/productVideo.asp?ProductID=207&ProductVariationID=254

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コメント

最終日まで、楽しませていただきましたね。
ルグリは、引退という悲壮感はなく、まだまだ、指導者としてゲストとして、来日してくれそうな気配が感じられて、「A bientot」という気分でした。
代役のチャンスというのは、本当に大きいもので、ヤン・サイズの怪我により、最後までステファンが舞台を勤めて、短期間の公演を通して、成長していくが、目覚しいものでした。
日本のファンの心もがっちり掴んで、次の来日を楽しみにしたいです。

くみさんもルグリ祭りお疲れ様でした!

そう、ルグリさんはまだまだ踊る気は満々でしょう!あの踊りは、若手の誰よりも美しく完成度が高いですものね。まだまだ、指導者になる前に若手に伝えることがいっぱいあるんじゃないかと思います。
前回のルグリガラで素敵だったヤン・サイズも観たかったですが、その分ステファンの魅力にたっぷりと触れられたのも良かったです。また近いうちに来てくれないかな~。

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