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« ルグリと輝ける仲間たち、若手ダンサーについて | トップページ | 「21世紀に輝くエトワールたち−パ・ド・ドゥの魅力−」 »

2007/08/23

8/22 ダンシング・フォー・エイズ・オーファン/Dancing 4 Aids Orphans ガラ

日曜日まで出勤したのに、仕事が終わらなかった上、落雷で電車が大幅に遅れたために、結局4演目しか見られなかったのだった。17000円も払ったのに。(入場料ではなく、寄付金という意味合いなのではあるけれども)

なんとか観られた「ジャポニズム」「ジゼル2幕PDD」「ドラキュラ」「レ・シルフィード」の4演目はいずれも素晴らしかった。

「ジゼル」。ホセ・カレーニョとスージン・カンという豪華でしかも滅多に観られない組み合わせ。で、この二人の舞台は、本当に素晴らしかった。スージン・カンは恐ろしく上半身が柔らかく、とても生きているとは思えないほど軽くて、浮遊しているようだった。もちろんホセのアルブレヒトはエレガントだし、得意の惰性で7回くらい回るピルエットの優雅なこと。リフトもさすがに上手いから、ジゼルは空中に浮いているようにしか見えない。いつかこの二人で全幕の「ジゼル」が観たい。スージン・カンといい、先日の「ゴールデン・バレエ・コー・スター」でのヤンヤン・タンといい、東洋人とジゼルは合っているのかも知れない。

「ドラキュラ」はリン・チャールズが振付、リン自身と小林洋壱さんが踊る。ドラマティックで妖しく独特の世界観を作り上げていた。リンはポアントで踊り、現役ダンサーそのものの、素晴らしいテクニックと濃厚なドラマを見せる表現力を見せていた。背中も足先も美しい。小林さんも、長身を生かしたデカタンスな雰囲気と演技力を見せていたし、非常にリフトの多い振付を見事にこなしていて魅力的だった。リンは身体のキープ力もすごくて、とても50歳をとっくに超えているとは思えない。

「レ・シルフィード」は中村祥子さん、スージン・カン、グレゴール・ハタラという豪華共演に加えて、林ゆりえさんや門沙也香さんも素晴らしく、コールドのレベルも高くて、そこらへんのプロのバレエ団よりよほど立派なものだった。祥子さんは非常にしなるつま先で強靭なテクニック、長身を生かしたキメのポーズも美しくて凛とした魅力。スージン・カンは、ジゼルのときに見せた浮遊感と柔軟さ、儚さがここでも生きていて夢幻の世界へと連れて行ってくれる。門沙也香さんは小柄なのだけど、とてもアラベスクが美しいし、テクニックもしっかりしている。足音の全然しない、よく揃った群舞もあり、見ごたえたっぷり。群舞の子達は、リン・チャールズが選んだ特に才能のあるバレエ少女たちで、留学中の子や、これから海外で活躍するダンサーもいるという。

マーラ・ガレアッツィとアレクサンダー・ザイツェフは怪我で出演なし(会場には来ていた)、予定されていた「じゃじゃ馬ならし」と「太陽に降る雪のように」は上演が無かった。

残念なことに、観客がもうあまりにもひどくて絶句。一番の間違いは、公演の間にパーティがあったことで、そのパーティでしこたま飲酒をした外国人の集団がいて、酔っ払って大騒ぎをしていたのだ。ジゼルのように息を潜めて静かに、幽玄な世界に浸りたい演目のに、大声でおしゃべりしている。ホセのヴァリエーションで、超絶技巧が決まるとまだ踊っている最中なのにヒューヒュー騒ぎ、うるさくて集中できない。しかも、踊っている最中なのにフラッシュを炊いて写真を撮りまくっている。アルブレヒトが倒れこんだ後、斃れたままの状態で拍手に応えるホセに対して、倒れている人がそんな反応をするのが可笑しいらしく、大笑いする。たまりかねた日本人の観客が注意すると、「文化の違いだよ」とか、「ダンサーだって日本人じゃないし」とか「楽しみ方を知らない」とか、逆切れして注意した日本人を罵倒し始める始末。せっかくの素晴らしい舞台が台無しだったし。ノーギャラで出演したダンサーたちにも失礼極まりない。

20日の公開リハーサルではあったらしい、ダンサーやスタッフとの交流が無かったのも残念。公演の休憩時間中にレセプションをやるのは、落ち着かないし、お酒を飲みすぎる人たちが出てくるので、良くないと思う。ダンサーやスタッフも顔を出せないし。

なかなかチャリティが根付かない日本で、このような、遠いアフリカの子供たちのために、一流のダンサーたちを集めてチャリティ・イベントを行うのは素晴らしいことだし、主催したリン・チャールズの苦労も並大抵のことではなかったと思う。公演の中身(ダンス)のレベルも非常に高かったし。会場で会った友人の話では、他の演目もとても良かったらしい。滅多に日本では上演できない「コンチェルト・バロッコ」観たかった。リン振付の「パエリア」も良かったらしい。でも、観客にあんな人たちを呼んでしまったら、せっかくの好企画も台無しになってしまう。

このような高い志を持った公演、今後もぜひ続けて欲しいから、直すべきところは改善して、しっかりと宣伝をして、次につなげていって欲しいなと思った。ベネトンから出ている特製Tシャツは可愛いので買って帰った。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

そうですか。イベント素晴しかったんですねー。
仕事でいけなかったので、とても残念です。
お客さんの入りはどうでしたか?友人からあまりチケット販売の宣伝がされてなかったせいか、
購入してる方が少ないときいたのですが。。。

saeさん、こんにちは。
始まる時間が早いので、仕事などで行きたいと思いつついけなかった人は多いんじゃないでしょうか。私もなんと1時間半も遅れてきたものなので4演目しか観れなかったのですが、本当に素晴らしい公演でした。
お客さんは結構入っていたのですが、招待客の方が多いんじゃないかって気がちょっとしました。
次はもっと宣伝とか協力できればって思いましたよ。

はじめまして、いつも楽しく拝見させていただいております。今回の公演はこちらのブログで教えていただき、5日の方へ出かける事が出来ました。(ありがとうございました!)
本当にレベルの高い素晴らしい公演でしたね!群舞の女性陣もレベル高いなぁ…と感心しました。中村祥子さん(素晴らしい!)とかなり身長のバラつきがあるのですが見事なバランシンで唸りました。
5日はガレアッツィ&ザイツェフの「太陽~」が上演されましたが素晴らしかったですよ。ザイツェフは「永遠の少年」といった容姿で反則です(笑)
「じゃじゃ馬~」が上演されなくてあれ?と思ったのですが怪我だったのですね。
「パエリア」は、スペイン風の扇を持った、ボンドガールのような(笑)女の子達がハツラツと踊るステキなプログラムでした。とても印象に残ってます。
5日はお客さんの入りがとても少なくてもったいなかったです。宣伝が弱かったのではないかなぁ…と思います。
地元の新聞には載っていたんですがね。
カレーニョの素晴らしいピルエットを見ながら「ああ、勿体無い、空席が」と心でつぶやいてしまいましたよ。
出来るならこの公演が何度となく続いて、もっと多くの方に見ていただけるといいなぁと思います。
リン・チャールズさんはそんな御歳なのですか??あの素晴らしい踊りは脅威ですね!
(長文すみません)

りんださん、はじめまして。
この公演、ここで知っていただいたとはとても嬉しいことです!本当に良い公演でしたね。私もできればマチネ公演行きたかったんですが仕事があってあまり観ることができずに残念でした。
お客さんの動員が少なかったのは残念ですが、評判が伝わって次回には大盛況となればいい名と思っていました。
ホセ・カレーニョのピルエットは本当に美しいし、リン・チャールズも素晴らしい表現力でしたね。
また遊びにいらしてください!

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