BlogPeople


2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« 8/6「エトワール達の花束」Bプロ―さようなら、フェリ | トップページ | 「愛と喝采の日々」今なら1000円 »

2007/08/12

8/11 ルグリと輝ける仲間達Bプロ

明日も観に行くので(明日は公開リハーサルも見学)、今日の感想はざっと。
全体的に、Aプロより内容は充実していて楽しめたと思う。しかしこれを見るにつけ、オペラ座は今やすっかりコンテンポラリー・カンパニーなのね。コンテンポラリーの方が出来が良いダンサーが多い気がする。気に入ったのは、予想外のことだったけど、第二部の2作品。(もちろん「オネーギン」が今日も素晴らしかったのは言うまでない)

2007年8月11日(土)15:00開演 
ゆうぽうと簡易保険ホール

――第1部――
「タランテラ」
メラニー・ユレル アクセル・イボ

トップバッターの二人はとても元気がよく、ぴちぴちした踊りでよかったと思う。よく男前と形容されるメラニー・ユレルだけどやっぱり男前(笑)。テクニックは強いと思うので、こういう音に合わせてはじけるような踊りはとてもよく似合っている。逆にたおやかさはあまりないけど、それは彼女の個性ってことで。アクセル君も、Aプロよりずいぶんしっかりとしていた。タンバリンを叩く音がびじっとしていて、いい音だった。客席を暖めるにはいい演目。

「アベルはかつて…」
グレゴリー・ドミニャック ステファン・ビュヨン

男性二人のパ・ド・ドゥ。前回のルグリガラでも観たはずなのだけどすっかり忘れていた。聖書のカインとアベルの話を下敷きにしたもので、今回は出演していないマロリー・ゴディオンの作品。上半身裸で白いゆったりとした長いパンツを穿いた二人。ユニゾンで踊ったり、アリメントリーに踊ったり。親しげな二人の間にいつしか亀裂が。シーツのような白い布が登場し、それが大きい方と小さい方の二つに引き裂かれる。そして、カインはアベルを(シーツで絞めて)殺してしまう。
なんといっていいのか、形容するのは難しいけど美しい作品だった。音楽もとても素敵。

「ドニゼッティ - パ・ド・ドゥ」(初演)
ドロテ・ジルベール マチュー・ガニオ

虹色といっていいくらいものすごく派手な、同じ柄の衣装の二人。ドロテは、足首までの黒いタイツにチュチュ。古典の技巧がこれでもかっていうくらい盛り込まれていた。ドロテのフェッテは途中から軸足を変えて方向転換するし、マチューのマネージュも、途中にパ・ド・シャみたいに脚を曲げたトゥール・ザン・レールが入っている。おそろしく高度なテクニックがてんこもり。ドロテは、ジュッテで舞台を横切る時にすごく高く跳んでいて、足が強いんだなって思う。マチューは毎度のことながら、つま先と、5番の入り方は本当にきれい。3年前のことを思うと成長振りは本当に目覚しい。にもかかわらず少し物足りないのはなぜなんだろう。アクが足りないのかなあ。

「オネーギン」
モニク・ルディエール マニュエル・ルグリ

Aプロ初日も素晴らしかったけど、今日はもっとぐっと来た。Aプロは上手だったのでモニクの方、今日は下手だったので(祭典A席なので、左右に振り分けられる)、ルグリを中心に観ていたのだけど、それでもモニクさまの演技には本当に胸が詰まる。揺れ動く感情と毅然とした決意。しかし、それでもオネーギンを追い出した後で彼の後を追い、ふらふらと歩みだして顔を覆い、悲しみと少女時代との訣別を見せた気高い表情には涙するしかない。そして改めて見ると、技術的にも未だ素晴らしく、一センチ単位で動きが計算されているし、背中も柔らかければ、足先も美しい。このパ・ド・ドゥが面白いのは、前半はオネーギンとタチアーナは決して視線を交わさないことであり、パ・ド・ドゥでも、背中を向けたタチアーナとそれを追うオネーギンのやり取りになっていることだ。彼に心を決して許してはならないというタチアーナの思い、それが揺らぐところがドラマというわけである。そしてタチアーナに背中を向けられながらも彼女の足元に懸命にすがりつくルグリ。オネーギンのプライド、後悔、熱情、情けなさを感じさせ、オネーギンという人物を実在の人のように立体的に生きていた。

【休 憩】
――第2部――
「ビフォア・ナイトフォール」
第1パ・ド・ドゥ: メラニー・ユレル、マチアス・エイマン
第2パ・ド・ドゥ: エレオノーラ・アバニャート、ステファン・ビュヨン
第3パ・ド・ドゥ: ドロテ・ジルベール、オドリック・ベザール
3組のカップル: マチルド・フルステー、ローラ・エッケ、シャルリーヌ・ジザンダネ、
アクセル・イボ、グレゴリー・ドミニャック、マルク・モロー

退屈な作品だったらどうしよう、と思ったけどこれが案外面白かった。とともに、現在のオペラ座はコンテンポラリー的な作品の方がしっくり来ていると思ってしまった。Aプロでいまひとつだったエレオノーラも、この作品では輝いているし現代的な魅力を発揮できている。暗い背景の中、墨色のグラデーションの長いキャミソールドレスの女性ダンサーたち。音楽もドラマティック。ひそかに贔屓のアクセル君がのびのび踊っていて良かった。それからやっぱり際立っているのがドロテ。彼女は遅かれ早かれ、必ずエトワールになるだろうなって確信した。

「牧神の午後」
バンジャマン・ペッシュ

どんな作品になるのか一抹の不安はあった。でも、この作品を振付けたティエリー・マランダンのバレエ・ビアリッツは観に行ったことがあって、とても面白かったから大丈夫かな、と。で、蓋を開けてみたらこれがすごく面白い!白いブリーフ一丁のペッシュが下手にあるベッドの上に横たわり、自分の腕をぺろりと舐めたり、腰を動かしたり、かなりセクシーな動きをする。ベッドの上を離れて、ニジンスキーの「牧神の午後」のような腕の動きをさせたり、走り回ったり。ベッドを離れてから気がついたのだが、それはベッドではなく、巨大なティッシュボックスなのだった!そして舞台の2箇所に、くしゅくしゅした泡立てネットのようなものが置いてあるんだけど、そこに頭を埋めたりする。ティッシュボックスからシーツのように大きなティッシュペーパーを引き出して、その上に横たわる。それが、ニジンスキー版「牧神」のニンフのヴェールと同じようなアイテムってわけかな。最後には、またティッシュボックスの上にまたがったかと思うと、ティッシュの取り出し口の中に頭を突っ込み、そしてその穴に落ちていく。落ちていくときに、青く光るティッシュボックス!かなりユーモラスで、エッチで、斬新。私は結構気に入った。

追記:いつも貴重な情報と提供してくださる「ロンドン発バレエ・ブログ」様によると、この作品、ローラン・イレール様!も踊られたそうです。観てみたいですね。目のやり場に困りそうですが(笑)

【休 憩】
――第3部――
「ジュエルズ」より“ダイヤモンド”
ローラ・エッケ オドリック・ベザール

ローラ・エケはかなり気品のある踊り方をする人で、長い首や均整の取れたスタイルは美しいのだけど、踊りそのものはあまり印象に残らず。それはオドリックも同じ。ロパートキナとか、ヴィシニョーワとか、ヘザー・ユルゲンセンとか、素晴らしい「ダイヤモンド」を観ているから、いくら比較しちゃいけないと思っても気の毒。

「ドリーブ組曲」
ミリアム・ウルド=ブラーム マチアス・エイマン

個人的には、Aプロのジョゼ&アニエスより気に入った。ミリアムは小柄なので、アニエスと同じ衣装とは思えないくらい、チュチュが長く見えた。若い二人にはとても似合っていて、アニエス&ジョゼとは別の魅力を感じた。ミリアムの踊りのタイプはアニエスのクールさとは打って変わって、柔らかく暖かく愛らしかった。そしてマティアス・エイマン!最初のヴァリエーションは本当にすごかった。彼の跳躍力は本当にすごいし、回転もお見事。マティアスはまさにヴィルトゥオーゾ的なクラシックダンサーだ。この演目は、逆回転マネージュが特徴的なのだけど、さすがにそれはちょっと難しかったようで、かなり慎重に踊っていてスタミナも失速した感じ。ジョゼは左脚からのアン・デ・ダンで踊っていたけど、マティアスは右脚からだった。

「さすらう若者の歌」
ローラン・イレール マニュエル・ルグリ

イレールは引退してあまり踊っていないというわりには、ピルエットもキレイだし、トゥール・ザン・レールも決まっていた。彼は今でも本当に美しいダンサーだ。でもベジャールが苦手な私にはかなりつらい演目だった。この半分の長さだったら、楽しめたと思うんだけど振付が単調な割に長い演目なのだ。それでも、ラスト、舞台奥に歩きながら正面を向いて観客の方へ目をやり、腕を伸ばしたイレールの表情は素晴らしく、これでお別れになってしまうのかなと思うと涙が出た。

カーテンコールでルグリ、イレール、モニクの偉大なる3人が並んだ様子は圧巻。歴史の一ページを見るような思いがした。

« 8/6「エトワール達の花束」Bプロ―さようなら、フェリ | トップページ | 「愛と喝采の日々」今なら1000円 »

バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

私は12日に行きましたので、「タランテラ」がマルク・モローでした。
偉大な、3名の現・元エトワールの円熟の演技と、若手の成長が期待される公演でしたね。
Bプロの方が、面白かったような気がします。
ペッシュの作品は、私も好きですが、となりのおじさんは、思い切り寝てました。男性には×なんでしょうか?
マチアス・エイマンは、堂々としていて、これから伸びそうですね。
会場で、20日からの横浜のちらしをいただきました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 8/6「エトワール達の花束」Bプロ―さようなら、フェリ | トップページ | 「愛と喝采の日々」今なら1000円 »