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« 新国立劇場バレエ「くるみ」の貸切公演 | トップページ | 7/26 グルジア国立バレエ(コレーラ&カンデラキ)ざっとした感想 »

2007/07/26

ボリショイでのウィールダン新作ドキュメンタリー

しばらく更新できなくて申し訳ありません・・・昨日更新しようと思ったらココログのメンテナンスに入ってしまって。メンテナンスの告知がろくにされていなかったので、かなり困りました。


Daily Telegraph紙に、このブログでも何回か取り上げているクリストファー・ウィールダンが、ボリショイに新作Elsinoreを振付ける過程を映像に納めたものが、今年の12月にChannel 4 で放映されるとの記事がありました。ニコライ・ツィスカリーゼ、スヴェトラーナ・ルンキナに振付を行っているウィールダンの素敵な写真もあります。

また、去年から今年にかけての、芸術監督アレクセイ・ラトマンスキー、ウィールダン、そしてダンサーたちのさまざまな苦労や確執についてもいろいろと書かれていて、非常に興味深い記事となっています。

この記事によると、ボリショイにウィールダンが新作「Elsinore」を振付けるまでの過程は決して平坦ではなく、困難の連続のようでした。昨年ウィールダンは「ハムレット」の舞台化をボリショイに依頼されたのですが、結局よいアイディアが浮かばず、振付は中断してしまったとのこと。

そして、今年の夏のロンドン公演のトリプル・ビルで「Elsinore」はようやく上演される運びとなりますが、これまでの苦労の様子は、バレエ・ボーイズのウィリアム・トレビット&トレヴァー・ナンが映像に収め、ドキュメンタリーとなって放映されます。

ウィールダンが新作のアイディアがなかなか浮かばなかったこともありますが、ボリショイ内で、昨年の春に内紛に近い状態となっていたことまで、ドキュメンタリーでは描かれているようです。ラトマンスキー体制に不満を持つダンサーが多かった上、昨年のアメリカの振付家によるトリプル・ビルにもカンパニー内で反発がありました。このときに上演されたのが、ABTでもおなじみのトワイラ・サープ振付「In The Upper Room」です。特にニコライ・ツィスカリーゼはこのプログラムを嫌がっていたようです。しかし結局、モスクワでの春公演の後のロンドン夏公演でもアメリカン・トリプルビルは上演されることになり、「In The Upper Room」も、ウィールダンの「Misericordes (Elsinoreと同一作品)」も大喝采を浴びました。

その後でさらに新作を依頼されたウィールダンは、ボリショイのダンサーたちに振付けるのに大変な苦労をしたようです。女性ダンサーたちは、ボリショイの黄金期を飾った往年のプリマたちにコーチされているため、テクニックの種類が古く、ウィールダンのような斬新な作品になじめなかったとのこと。その中では、意外にもマリーヤ・アレクサンドロワが「Elsinore」を素晴らしい経験だと語っていました。

ウィールダンのコメントについては、the wingerのエントリをご参照ください。

なお、ラトマンスキーの試みの中には、グリゴローヴィッチに嫌われていた 元バレエマスターAsaf Messererによる「クラス・コンツェルト」の復元というのもありました。 Asaf Messererの甥で元ボリショイのプリンシパルMikhail Messererが実際の復元を手がけています。グリゴローヴィッチ時代には大作ばかりが上演され、Messererの古典的でぱりっとしたフットワークによる作風は忘れ去られていたのです。この「クラス・コンツェルト」は、海外の興行主にはとても好評だった作品で、上演して欲しいとの依頼が多く舞い込んでいたにもかかわらず、グリゴローヴィッチは自分が芸術監督の間は決して自分のダンサーには踊らせないと言っていたそうです。イレク・ムハメドフはMessererのクラスを受けることを許されませんでした。
この「クラス・コンツェルト」は、ボリショイのモスクワでの今シーズンの最後を飾る演目となりました。

ラトマンスキーの大胆な試みは成功し、2008年10月、新しいボリショイ劇場が完成するときまで芸術監督の契約は延長されました。現在は小さい劇場で多くの作品が上演されているため、ラトマンスキーによる実験的な作品の数々が上演される機会はそれまで十分あることでしょう。

「クラス・コンツェルト」については、ユーラさんの「ロシアのバレエ団情報」に詳しい説明と、映像へのリンクがありますのでよろしかったらどうぞ。(ついでに、ザハロワのとても可愛いらしい写真も載っています)

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コメント

naomiさん こんばんは。
拙ブログ「クラス・コンツェルト」の記事を紹介して下さってありがとうございます。

さて、ボリショイ劇場ではnaomiさんがおっしゃるようにラトマンスキー氏の実験的試みが続いています。
彼のこのような試みはモスクワでは絶賛かと思いきや、受け止める評者、あるいは観客個人の好みによってバラバラの評になっています。

わたしとしては彼のこれらの試み(公演)を一度もナマの眼で見てないものですから作品については何も言うことが出来ませんが、これらの特別公演後の監督インタビューの映像に接する毎にちょっと食傷気味。
カンパニーの団員たちにとっては、革新的な実績も大切でしょうけど、よりよい仕事のためには監督の人柄も大いに左右されるのでは?
最近のニュース映像には、彼のその人柄がズバリ出てしまっているようで、わたしにはとても直視することが出来なくなっています(笑)
カンパニー内に反感を持つ者が多いというのも納得出来る事実だと思います。

なお、2007-2008シーズンも彼のこのような新企画は続く予定になっているようです。

ユーラさん、こんにちは。いつも貴重な情報ありがとうございます。
毎度コメントが遅くすみませんm(_ _)m

ラトマンスキーが意欲を持って新作に取り組んでいるのは素晴らしいと思うけど、やはりボリショイの長い歴史が残したクラシック・バレエの伝統も大事にして欲しいですよね。

グリゴローヴィッチもいろいろ問題はあったんでしょうけど、私はグリゴローヴィッチ作品が観たいのでもっと上演して、と思ってしまいます。多くのファンも、実験的な作品よりはそういうのが観たいでしょうね。
私も観ていないのでなんとも言えませんが。

ドキュメンタリー、観る機会があるといいなあ。

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