ハンブルクから帰ってきました
7月4日~7日の4日間、ハンブルクに行ってハンブルク・バレエのバレット・ターゲ(バレエ週間)に参加してまいりました。
見た演目は「シンデレラ・ストーリー」「ニジンスキー」「ジュエルズ」「眠れる森の美女」です。本当は新作「人魚姫」のプレミアも見る予定でしたが、仕事の都合がつかず残念でした。「シンデレラ・ストーリー」は時差ぼけの状態で観たので作品をどれだけ堪能できたか、もったいないことをしてしまいましたが、あとの3本はばっちり。どれも素晴らしい公演でした。どうせハンブルクまで観に行くのなら、バランシン作品ではなく全部ノイマイヤーでまとめて欲しかったのが正直なところでしたが、「ジュエルズ」は地元ではとても人気が高いようです。
今シーズンを最後に、ヘザー・ユルゲンセンとニウレカ・モレドが引退します。へザーは、私が観た4作品すべてで主演級として出演しており、4日連続の出演をものともしない強靭さ、美しさ、情感、身震いするほど完成度が高く、ダンサーとしての頂点で舞台を去るのは本当にもったいないことだと思いました。長身で手脚が長く、美人で表現力やテクニックも一流、華のあるスターダンサーを失うことはバレエ団にとっては大きな損失だと思いますが、今後は指導者として残るようです。また、ロイド・リギンス夫人であるニウレカも、「ニジンスキー」の2幕で実に強烈でパワフルなソロを踊り、鮮烈な印象を残しました。
4日間連続の出演といえば、アレクサンドル・リアブコ。「ニジンスキー」での繊細さから徐々に狂気を増していく憑依型の演技。「眠れる森の美女」での、未だかつて観たことがないほどの猛スピードによる正確なマネージュ。技術的にも、演技的にも、彼以上のダンサーは今存在しないんじゃないかというくらいの天才肌。そんなサーシャにまた8月、フェリの「エトワールたちの花束」で会えるのが楽しみです。
二人の日本人ダンサー、大石裕香さんと草野洋介さんも、毎日出演していて、さまざまな役を踊りこなして頑張っていました。中でも草野さんは、長身で脚が長く顔も小さく、西洋人のダンサーにも見劣りしない容姿の良さで将来性を感じさせました。大石さんも、アラベスクがとても美しく音楽性豊かで可愛らしいダンサーです。
個々の演目については、日を改めて感想を書きます。
最後にヘザーの椿姫が観たかった・・・。
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コメント
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お会いできてうれしかったです。わたしはハンブルクにお集まりのみなさんほどバレエは詳しくないので、最初は年甲斐もなく人見知りしてたのですが、いやー、バレエミーハーばかりで楽しかった。『ニジンスキー』の衝撃がすごくて、わたしはこの作品を何度も見るために残りの人生を生きようと思ってます。『眠り』は物語の中の人物に恋して、中に入りたいと願ったことのある人なら誰でもきゅんとくる構造になってましたね。デジレを王子さまではなく普通の青年にしているところなんか、『シンデレラ物語』に通じる発想だと思いました。お城をウロウロするリアブコ可愛い。ラストが優しい。でも『ニジンスキー』の凄さが心に突き刺さって。あれを踊るの、ダンサー冥利に尽きるだろうなあ。
投稿: asuko | 2007/07/10 15:44
naomiさん、おかえりなさい!
ハンブルク・バレエの公演、楽しまれたのですね♪(う~、日本にも早く来てほしい…)
モレドも引退ですか、、、。とても好きなダンサーだったので残念です。お母さん業に専念するのかしら?彼女なら素敵なお母さんになりそうですね。モレドの生贄のソロは私も見ましたが、素晴らしかったです。
リアブコは本当に今最高のダンサーじゃないかと思えるくらい!夏の公演が楽しみですね。
公演の感想、楽しみにしています♪
投稿: uno | 2007/07/10 17:28
naomiさん、asukoさん、ハンブルクでお会いできてとっても楽しかったです。本当に何度見てもノイマイヤーの作品は素晴らしいです。
仕事に煮詰まったときは、あの感動を少しずつ反芻して頭を切り替えています。サーシャ、本当に言葉も出ないほどの感激でした。大好きなヘザーの大活躍も嬉しかった… そしてヨハンの「薔薇の精」、シルヴィアの健気で哀しい「人魚姫」…名優ロイド…
またハンブルクまで飛んでいきたくなりました。
やっぱりasukoさんが言われている通り「バレエ・ミーハー」(どちらかといえばハンブルク・ミーハーか?)ですね。
投稿: maddie | 2007/07/11 22:42
asukoさん、
ついにお会いすることができて嬉しかったです。私もミーハーに関しては誰にも負けませんし(笑)、ハンブルク・バレエも2003年にNHK-BSで「幻想~白鳥の湖のように」が初体験でまったく詳しいわけではないので、いろいろと勉強になりました。
やはり本場で見ると感動もひとしおでしたね!
「シンデレラ・ストーリー」はHanakoのエッセイをまた読み直ししなくては。
「ニジンスキー」はやっぱり凄まじい作品でしたね。何度見ても「凄い」としかまずは言葉が出てきません。サーシャは本当にとてつもないダンサーだと思います。
unoさん、
今度はぜひunoさんにもハンブルク現地デビューしていただきたいです。なかなかカンパニーでは来てくれませんからね。
いろいろと宿題がたまっており、帰国後忙しくてなかなかかけませんが、必ず感想は書くので気長にお待ちくださいね。
maddieさん、
現地ではお世話になりました!おかげさまで楽しかったです。早速仕事に煮詰まっているので、感動を反芻しています。今回人魚姫が観られなかったのが残念だったので、次は絶対にリベンジしたいです。またよろしくね~~。
投稿: naomi | 2007/07/12 01:48