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« ルグリと輝ける仲間たち/グルジア国立バレエキャスト変更 | トップページ | 7/13 オーストラリア・バレエ「白鳥の湖」ざっとした感想 »

2007/07/13

6/23 Matinee ABT Romeo and Juliet

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Romeo: Marcelo Gomes
Juliet: Paloma Herrera
Mercutio: Craig Salstein
Tybalt: Gennadi Savliev
Benvolio: Jared Matthews
Paris:  Cory Stearns
Lady Capulet: Carmen Corella
Lord Capulet: Roman Zurbin
Friar Laurence: Clinton Luckett

フェリのABT引退公演を夜に控えたマチネ。しかし夜の大イベントに備えてテンションが高く、充実した舞台だった。なんといってもMy王子のマルセロ・ゴメスがロミオなのだから、悪い舞台になるわけがない。ファンの贔屓目はあるにしても、やっぱりマルセロは素晴らしいダンサーで、ロミオだった。

マルセロのロミオは、等身大の青年。仲間とふざけあったり、ロザリンに淡い恋心を抱いたり、そしてジュリエットとの運命の出会いから悲劇的な死まで、その気持ちが身体から素直に伝わってきて、観客も一緒に笑ったりときめいたり慟哭したりと物語の世界へと引き込まれてしまう。マルセロは長身でハンサムなのだけど、近寄りがたいわけではなく、とても身近で感情移入しやすい対象なのだ。踊れるだけじゃなくて、肉体から発散する演技力、表現力がしっかりと身についているのだから。あ、ロミオがここで息づいていて、確かに生きていて、泣いたり笑ったりしている、と思う。役作りとしては、とても若くて、思春期の男の子なんだな、と思わせる。

表現力だけでなく、テクニックもしっかりしているのが頼もしい。バルコニーシーンでのリフトも、ジュリエットが安心して恋の高揚感に身を任せられるようなしっかりしたもの。技術を見せびらかすわけではなく、あくまでもエレガントに、だけど同時に疾走感と若さ、情熱がほとばしっている。白いタイツに包んだ長い脚が、シソンヌでパッと開くときの美しさ。アティチュードの造形美。実にロマンティックで、至福のときである。そしてマキューシオがティボルトの凶刃に倒れた後の、怒りを剥きだしにしてティボルトを殺すまでの激しさは、今回観た4人のロミオの中でも一番だった。

何よりも、パロマ・ヘレーラとマルセロは相性がとても良いのがいい。見た感じもお似合いだし、息も合っているし演技のテンションも同じところにあるのだ。昨日のアンヘルが一人いくら素晴らしくても、ジュリーとの組み合わせが今ひとつでケミストリーが感じられなかったのとは対照的。

というわけで、パロマ・ヘレーラ。ジュリエットはパロマの当たり役であり、ABTのレパートリーの中で一番彼女に合っているのではないかと思う。ずいぶん前に、アンヘル・コレーラとパロマは「ロミオとジュリエット」の写真集を出しているのだけど、このときの二人は本当に若くて、「ロミオとジュリエット」の物語から抜け出してきたかのように初々しくピュアで愛らしかった。今でも、パロマはこの役を演じる時には、そのときの彼女に戻っているんではないかと思う。彼女のジュリエットを観るにつけ、いったいどこにこのような瑞々しい感情、繊細さ、純粋さが眠っていたのだろうかと思ってしまうほど。マルセロがロミオそのものとして生きているのと同様に、パロマもジュリエットに完全になってしまっているのだ。乳母と戯れるところの可愛らしさといったら!本当に乳母のことが大好きでたまらないって気持ちが溢れている。

そんなジュリエットが恋におち、悲しみを知り、あっというまに大人になってゆく。ロミオとの最初で最後の朝を迎え、身を切られるような別れから、一世一代の命を懸けた決意を下すまでの心の葛藤、おののきは繊細に表現されていた。とてもナチュラルで内省的な感情表現は、等身大のジュリエット。フェリを除けば、彼女ほどジュリエットらしいジュリエットはいないのではないかと思ったほど。そして最後に、永遠にロミオを失ったことを知ったジュリエットの慟哭、深く激しい絶望には感情移入させられ、一緒に涙が流れ落ちた。それまでの表現が決して大袈裟ではなかったため、ここで初めて見せた激情に胸をかきむしられる思いがしたのだ。

二人の心が見事に通い合ってハーモニーを奏で、同じ地平に立った演技が見られた、素晴らしいロミオとジュリエットだったと思う。

脇のキャラクターはこの日は特筆すべきことはなかったけど、やっぱりクレイグのマキューシオは可愛くていい。キャピュレット夫人は、カルメン・コレーラよりはステラ・アブレラのほうが妖気と毒があって好き。若いロマン・ザービンくんが今回もキャピュレット公で頑張っていた。なかなか演技も堂々としている。

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ABT(アメリカン・バレエ・シアター)」カテゴリの記事

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コメント

わ~い。待ってましたよ~。素敵なレビューありがとう。

マルセロ君って本当に魅力的ですよね~。ロベルトにもちょっと通じるところがあると思いました。私が見た日もロミオ良かったです。やっぱり決闘シーンが良かった。ソフトで優しそうだった彼が、怒りに燃えてワイルドになるところが素敵でしたね~。それってまさに「オテロ」にもピッタリじゃないですか。だからABTガラでフェリと踊った「オテロ」も評判が良かったんでしょうね~。

あと、第二幕の街の踊り(決闘の前)でも華やかなテクニックを見せてくれましたね。かっこよかったです。

すごーく「愛」を感じる文章ですね。

私もこの二人の組み合わせはとても好きです。

私が観に行った日は、お手洗いで「私はこの二人のロミオとジュリエットが一番好き!だから毎年、観るんだったらこの二人って決めてるの。」と言っていた女性がいたのですが、それだけこの二人のロミ・ジュリには根強いファンがいるのですね。観ている人は観ているんだなぁと感心してしまいました。

ところでamicaさん、そのマルセロの『オテロ』ですが、今晩、全幕で観て来ます♪

amicaさん、
今頑張ってフェリのフェアウェルの記事を書いているところです。もう1か月近く前のことになるので、記憶を掘り起こすのが大変です(--;
前にもお話したように、ロベルトのロミオがたまにマルセロに見えて困ることがありました。黒髪ラテン系ハンサムというのがやはり私の一番のツボのようです(デヴィッド君のような白王子も好きですよ~)
以前にマルセロ君のロミオを観た時に、あまりにも熱くなりすぎて決闘のシーンで剣が折れたこともありました。
フェリのさよならガラでのオテロも楽しみです!

いちぞーさん、
それはもう、マルセロはmy王子様ですから♪
そのファンの方のお話、とても素敵ですよね。わかるわ~でもアンヘルくんの王子も、一年に一度は見たいと思わせるものがあります。

オテロの感想も楽しみにしていますね!


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