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2007年6月

2007/06/29

ルジマトフ、キエフバレエ「ライモンダ」降板、代役はコルプ

「ルジマトフのすべて」の会場で配られたチラシで、ルジマトフの降板のお知らせがありました。

8月に行う膝の手術のため、アブデラフマン役で客演を予定されていたキエフ・バレエの「ライモンダ」を降板するそうです。

一月のレニングラード国立バレエ公演には参加予定とのこと。

代役は、本日も出演しているイーゴリ・コルプ(マリインスキー・バレエ)。

払い戻し可能。払い戻しをしない方には、2000円の返金があるそうです。光藍社以外で買った方は、7月4日(水)より、光藍社にお電話(03-3943-9999平日10:00-18:00)でご連絡ください。手続き書類をお送りいたします、とpのことです。

詳しくは、
http://www.koransha.com/toppage/070629kievballet_henkou.htm
をご覧ください。


コルプのアブデラーマンも期待できそうなので楽しみですが、ルジマトフを楽しみにしていた人には残念なお知らせですね。早い回復を祈ります。

公演の感想は後で書きます。今日の公演では、特にルジマトフには不調は感じられず、相変わらず美しかったです。「ボレロ」ではちゃんとトゥール・ザン・レールなどの跳躍もしていました。

ロベルト・ボッレのインタビュー動画

雑誌New Yorkerのウェブサイトに、ロベルト・ボッレのインタビューと「ロミオとジュリエット」のリハーサル動画があります。

http://nymag.com/daily/entertainment/2007/06/video_tk.html

美しい容姿と長身にもかかわらず素晴らしい動き、そしてフェリを立てる演技とサポートのうまさでニューヨーカーを魅了したロベルト・ボッレ。この動画での彼も、性格の良さと品がにじみ出ている笑顔、リハーサルでは正確なピルエットの美しさで観る者をうっとりさせてくれます。短パンやタンクトップから覗く筋肉も麗しいの一言。

アンヘル・コレーラがこれからスペインでの自分のバレエ団の活動を主軸に移していくことから、男性ダンサー不足に見舞われるABT。ロベルトはまたゲストに呼ばれるでしょうね。

皆様ご覧になっていると思いますが、ニューヨークタイムズの、フェリ引退公演の動画も本当に素晴らしいです。バルコニーシーンでのロベルトのサポート、こんなに見事なサポートを見たことがありません。恋の高揚感や様々な想いがこめられていて、観るたびに切なくなります。

追記:いちぞーさんが、ロベルトのインタビュー動画の聞き取りをしてくださいました。ありがとうございます!それに対して、amicaさんが和訳をしてくださっています。こちらもありがとうございます♪助かりました。

***********
聞き取り(byいちぞーさん)

This is my first time with the American Ballet Theatre in performing at the Metropolitan. When Alessandra Ferri asked me to come here and perform with her I was real(ly) excited. I'm very close to the role of Romeo because I've been… the first role I ever done as a principal dancer.

Once I said that in a newspaper, in a magazine, that I’m alone in my life, that I'm okay, just ??????? maybe during the summer when I should go on holiday, that's a little bit problematic because I'm alone, so maybe if someone would come with me, and I received like 1000 offers to come.

カメラ切り替え

It's a compliment – maybe it's the first thing you notice because I have a body which is a great gift, I know it. There is something more than just a body and a nice face. We work a lot in the studio to have this body and everyday to… we do our best, but we are not only athletes but we are really artists, so that's what I'm aiming for.

***********
和訳(by amicaさん)

「ABTとMETで踊るのは初めてです。アレッサンドラ・フェリがここに来て一緒に踊ってほしい、と言ってくれた時には本当に興奮しました。ロミオ役は自分にとても近いものに感じています、なぜならプリンシパル・ダンサーになって初めて踊った役だったので。

一度、新聞や雑誌で、僕は恋人がいないけれど別にそのことでは困ってはいない、ただ、しいて言えば夏の休暇の時に独りだとちょっと不便だから、誰か一緒に来てくれる人がいれば…って話をしたら、千通くらいオファーが来たことがあるんです(訳注:ここで、グワハハハ~っという笑い。豪快ですわ。)。

人にほめられるのは、何よりもまず僕の身体つきのこと…確かに僕がとても恵まれているのは解っています。でも身体や顔がいいっていうことだけではなく、それ以外も見てほしい。この身体を獲得するためには僕達は稽古場でハードな練習を重ねていますし、しかもそれは毎日で…ベストを尽くしています。僕達は運動選手であるだけではなく真のアーティストであるべきで、それが僕の目指しているものなのです。」

ニューヨーク、エルメスにてIn The Company of Stars(パリ・オペラ座)展

ゆうさんのエントリによってまず興味を引かれた写真集「In The Company of Stars」。写真家Gerard Uferas氏が、2003 -2005年にパリ・オペラ座のダンサーを撮影した、とても美しいものです。Gerard Uferas氏のサイトで、これらの写真を見ることができます。

そのあと、The Wingerのエントリでマーサ・グラハム・ダンスカンパニーの折原美樹さんが、このIn The Company of Starsの展覧会がニューヨークのエルメスのギャラリーで開催されると記述していました。7月21日まで開催されるということで、5番街よりも高級ブランド店が集まるマディソン街のエルメスへと足を運びました。今回時間がほとんどなく、また毎年1~2回はニューヨークに行っているのであらゆる美術館にも行きつくしたため、これが唯一の美術鑑賞に。

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ドアマンにびびりながら階段を上り、4階にあるギャラリーに足を運ぶと、そこは静寂の世界。天窓から陽の光が降り注ぎ、他には客も、店員も、誰もいなかった。入場料は無料なのに、立派な紙質の冊子が置いてあり、解説やバイオグラフィー、ブリジット・ルフェーブルによる言葉、そして展示作品のクレジット、写真2点が掲載されている。冊子には82作品のクレジットがあるが、実際に展示されていたのは24点。

この空間を40分程度だけど独占できたのはなんという贅沢。

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下右の写真のダンサーは、Alexandra Cardinaleというらしい。バランシンの「セレナーデ」を踊る前に、Foyer de la Danseにて。2003年11月。

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真ん中の写真の黒髪のバレリーナが、次のプルミエ候補の一人、アリス・ルナヴァン。

いわゆる一般的なバレエの舞台を撮影したような写真ではない。ダンサーの顔がはっきりとわかるような写真すら少ないのである。すぐに誰だかわかったのは、引退公演でのエリザベット・モーランと、「シーニュ」の日本公演に出演中のアリス・ルナヴァンくらいだった。舞台袖から、シルエットのようにダンサーの姿を捉えたり、「エチュード」のチュチュの下から覗く脚、マチルド・フルステーの美しい背中、舞台裏でリラックスしておしゃべりに講じるダンサーたち、リハーサル風景。必ずしもダンスをしている時の写真ではないこともあるのだけど、そこに捉えられている空気、atmosphereは間違いなくダンスそのものなのである。ABTのコール・ドダンサー出身の写真家Rosalie O'Connerの写真を少しだけ連想した(作風は全然違うのだけど、親密な感じが共通すると思った)。

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登場する作品は、「シーニュ」「サンドリヨン」「エチュード」「オルフェウスとエウリディーチェ」(ピナ・バウシュ)などが中心。色彩や光と影の使い方も絶妙。伝統とモダンが共存するオペラ座の美しさが写真の粒子から伝わってきて、見ているほうまで背筋を伸ばしたくなるような体験だった。

そういうわけで、帰国後写真集を注文したのは言うまでもありません。届くのが楽しみ!

In the Company of Stars: The Paris Opera BalletIn the Company of Stars: The Paris Opera Ballet
Gerard Uferas

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2007/06/27

6/21 ABT Romeo and Juliet

フェリの引退公演をどうしても観たいのだけど、休みが取れる見通しがない、とずっと悩んでいた。とあるお友達が、引退公演のチケットが1枚余っているとのこと。同じ部屋に泊まる手配もしていただいた。最終的に決断したのは2週間前。そのために死に物狂いで働いた。3泊5日の強行軍。

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やっぱりマクミラン作品は大好き。そして、「ロミオとジュリエット」はプロコフィエフの音楽も素晴らしいのだ。ABTの専属オーケストラの演奏は相変わらずひどいのだけど。

6/21 ABT Romeo and Juliet
Romeo : David Hallberg
Juliet: Gillian Murphy
Mercutio: Craig Saltein
Tybalt: Issac Stappas
Benvolio: Carlos Lopez
Paris: Grant DeLong
Lord Capulet: Victor Barbee
Lady Capulet: Stella Abrera
Friar Laurence: Wes Chapman

シオマラ・レイエスの怪我による降板、そして前日出演予定だったマキシム・ベロツゼルコフスキーの降板により、ホセ・カレーニョが一日前倒しの出演となって、デヴィッド・ホールバーグへと変更。さらには不調を伝えられ、フェリの引退公演のために大事を取ったエルマン・コルネホも降板してキャストが大幅に変更。プレイビルの印刷に間に合わなかったようで、主要3人の変更は挟み込まれた紙によって知った。

ジリアン・マーフィは今年のシカゴ公演で初めてジュリエットを踊り、多分今回がジュリエット3回目。大柄で肉感的、演技よりもテクニックの人であるジリアンはジュリエット向きとは言いがたい印象。ただ顔立ちは可愛らしいし、登場したときには初々しい14歳の女の子になりきっていてとてもキュートだった。ただやっぱりテクニックがとても優れている人なので、すごく元気の良い、おてんばなジュリエットで、繊細な心の揺れ動きを出すのはちょっと不得手そうなところも。アラベスクやバットマンの脚はがーっと高く上がるし、回転はすごく速くて正確だし、上手すぎるというのも考え物だと思ってしまった。パリスのこともあまり嫌がっていないし。ロミオ役のデヴィッドともあまり心が通じ合っていないのかなと思ってしまった。
ところが、3幕の偽装自殺を決心するところから先の演技には、強い意志とロミオへの情熱がこもっていて非常に素晴らしかった。もう少し早くこの情熱に火がついてくれたら良かったのに、惜しいなあと思わせた。これからジリアンはジュリエットを踊る機会がたくさんあるだろうから、きっと次に観たときにはもっと良い演技を見せてくれるんじゃないかと期待できる出来ではあった。今度は公私とものパートナー、イーサン相手で演じてくれたらいいな。

デヴィッド・ホールバーグもまだロミオ役は2シーズン目。デヴィッドは大変見目麗しい金髪美青年で、長い脚も美しいのだけど今まではやや技術的に不安定かな、と思っていた。ところが、ひょっとしてデヴィッドはテクニック面では化けた?と思うほどの大進歩。バルコニーシーンや2幕で見せるソロなども、跳躍が大きく、トゥール・アン・レールの形も美しい。細かいパもきれいにこなしていて安定している。長身美脚の彼だから、テクニックが決まるとうっとりするほど素敵。さらに、バルコニーシーンでのサポートも、マクミラン特有のあの難しいリフトで、やや大柄なジリアンをきっちりと支えていた。これだけ容姿の美しいダンサーに、技術が備われば鬼に金棒。そこで課題はまた演技、ってことになるわけだ。

ジリアンよりも少しロミジュリに関しては先輩、ってわけで一日の長はあると思う。ロミオ特有のまっすぐさを彼なりに表現していた。マキューシオが殺された時の怒りの見せ方にも迫力はあったし。でもまだちょっと淡白かな、と思われる。ほぼ初役のジリアンが相手だからということもあるのだろうか。ジリアンと同じく、3幕の演技は非常にエモーショナルで良かった。死んでいるように横たわっているジュリエットの身体を抱えてのパ・ド・ドゥのときに見せた嘆きには胸が苦しくなった。(いちぞーさんによると)ベテランジュリエットのパロマ・ヘレーラ相手の時にはとても良かったらしいので、相手次第ではいい演技を引き出されるタイプなのかもしれない。
いずれにしても、デヴィッドのロミオはかなり気に入ったので、また観る機会があるといいなあ。

エルマンの代役として入ったのは、今年ソリストに昇格したクレイグ。やや小柄でプロポーションも良くないし、特別なテクニシャンではないのだけど愛嬌は人一倍あるし、マキューシオという役柄は完全に理解しており誰にでも愛されるキャラクター。それだけに、彼が殺されてしまった時には本当に悲しくなってしまった。ベンヴォーリオのカルロス・ロペスはちょっと元気がなかった。(怪我で一年ほど出演できなかったあとの復帰らしい) 

ティボルトは、この役では初めて見るアイザック・スタッパス。もともとハンサムな彼だけど、ちょっとイレク・ムハメドフ似の濃い顔立ちなので、悪い人っぽさが際立っていてカッコいい。ロミオとの決闘で死ぬまでの演技も非常に濃厚でよかった。ロミオに跳びかかろうとしたり、目を剥いて最後の力を振り絞り剣を掴もうとするところも。キャピュレット夫人はステラ・アブレラ。これまたドラマティックで色気ある演技で魅力的だけど、ほーんとジュリエットにはこれっぽっちの愛情も持っていなくて、オンナとして生きているって感じだ。ローレンス神父役が、往年のプリンシパルのウェス・チャップマンだったことにちょっと驚き。今はABTのバレエマスターを務めているらしい。パリス役のグラント・デロングもこの役で見るのは初めて。来日公演の時にはちょっと太めで、ディカプリオ似?と思っていたけど意外にもほっそりとしていてハンサムでびっくり。こんなに美形なパリスだったら、ジュリエットも無碍にできないのかな?

アンサンブルも今回はなかなか良かったと思う。いわゆる群舞というのがなくてモブシーン中心なので、ABTという揃えることが苦手なカンパニーには向いている。松葉杖をついた乞食とか(しかも実は脚が悪いのは嘘)、娼婦たち、街の人々、喧騒が伝わってくるところに迫力とリアリティがある。マクミランはやっぱりいいな~。

2007/06/25

Ferri Farewell

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一定期間経過したら消します。

2007/06/21

大貫真幹さん、スペインへ

「ラプソディ・イン・ブルー」で、柔らかく端正な踊り、美しい跳躍が印象的だった大貫さん。一緒に観に行った友人何人からも、彼が一番良かったという話を聞いたし、私も彼の素敵さには驚きました。

そんな彼が、今後どんな活動をするのかな、と軽く調べてみたところ、
フジテレビ「ART NET」でインタビュー記事を発見。なかなか面白い記事です。ABTスタジオカンパニーや、ジョフリー・バレエでの今までの彼の足跡を辿ることができます。

それによると、公演後は、スペインのヴィクトル・ウリャテ・カンパニーに入団するとのこと。アンヘル・コレーラ、ルシア・ラカッラ、タマラ・ロホを育てたカンパニーとして知られているところです。私も、2003年にマドリッドでガラ公演を観たのですが、そのときには、現ABTのヘスス・パストール(やはり同カンパニー出身)と、ドレスデン・バレエの竹島由美子さんが出演していました。身体の柔らかいダンサーが多くなかなかレベルは高いようです。ここで大貫さんはさらに磨かれるのですね。

大貫さんが拠点をスペインに移されるということで、なかなか観る機会はないのが残念ですが、でもたまには日本の公演にも出演してくれるんじゃないかと期待しています。(彼や横関雄一郎さんの近日中の公演予定は、unoさんの「球面三角」のエントリに詳しく書いてあります)

なお、このフジテレビ「ART NET」には、やはりとても素晴らしかった辻本知彦さん、そして服部有吉さんのインタビューも載っています。

2007/06/20

SWAN MAGAZINE Vol.8

[巻頭 連載] 安珠のPhoto Essay Vol.7
DANCER'S DEEP MIND 白井剛

[特 集]
『バレエの新しい扉を開こう」
[Noism07] 金森穣インタビュー
Noism作品アルバム/[日本初]レジデンシャル・ダンス・カンパニーの歩み/井関佐和子インタビュー

シンフォニック・バレエ「ラプソディ・イン・ブルー」
[インタビュー]
服部有吉/金 聖響

[融 YUH'07 プロジェクト ダンサー・インタビュー]
イリ・ブベニチェク (ドレスデン・バレエ団 プリンシパル)
マリ=アニエス・ジロ (パリ・オペラ座バレエ団 エトワール)
竹島由美子 (ドレスデン・バレエ団 プリンシパル)

[ミラノ・スカラ座バレエ団◆プリンシパルに聞く]
ヌレエフ版「ドンキホーテ」

[パリ・オペラ座の新しい風!]
ルグリ、プラテルに続くスター候補は誰?
[2006/2007シーズン パリ・オペラ座バレエ]
プルースト&ドンキホーテ
['07ルポ]
パリ・オペラ座バレエ学校公演

さよなら、アレッサンドラ・フェリ!

[オーストラリア・バレエ団◆プリンシパルに聞く]
新感覚バレエ「白鳥の湖」

新国立劇場バレエ団「ドン・キホーテ」を観に行こう!

白井剛さんは耽美的な美形の方です。この雑誌、バレエといいつつ結構日本のコンテンポラリーも取り上げているような感じ。なかなか日本人の主役級のバレエダンサーでカッコいい人、少ないですからね。

Noismは私は興味がないのでインタビューは飛ばし。「融07」はダンスマガジンでは扱いが非常に小さかったので、ここでメーンの三人を取り上げてくれたのは嬉しかったです。イリもマリ=アニエスもとても穏やかで素敵な微笑を浮かべているのが印象的でした。

服部有吉さんは今回いったいどれくらい取材を受けたのだろうかとふと思ってしまいました。私は以前映画の宣伝の仕事をしていた時に、映画監督や俳優を何日間がスケジュールを確保し、取材を詰め込むだけ詰め込む、なんてことをやりましたが、インタビューされる側も同じようなことを話さないといけないし結構大変なのですよね。しかしどのインタビューを読んでも、服部さんの真摯な姿勢はよく伝わってきます。(元祖シンフォニック・バレエの)「バランシンに追いつきたい」とは大胆ですが、彼にだったらできる気もします。金 聖響さんは基本的にバレエには興味がない方とインタビューでおっしゃっていましたが、舞台上では実に楽しそうにしていましたね。

オペラ座の「ドン・キホーテ」の記事は斎藤珠里さんなんですが、キトリを村娘と表現したり、この方はどうも感性にズレがありますね。村娘といえばジゼルで、キトリは街娘でしょう。彼女の著書(玄田有史氏との共著)「仕事とセックスのあいだ」を読みましたが、少子化と性というテーマは面白いのに、一言で言えば"フランスかぶれ”の部分が非常に鼻につきました。
「ドン・キホーテ」でエトワール昇進したベランガールの写真、開脚したまま空中で静止しているようでたしかにすごい跳んでいる感じなのですが、うーんこれがエトワールか?という感じです。他のダンサーの写真が皆とても美しいだけに。

フェリのインタビュー記事は、まず数々の写真がとても美しいです。そして、未だ演目が発表になっていない8月の日本での引退公演ですが、「ロミオとジュリエット」「ジゼル」に加え、「マノン」「椿姫」を踊ってくれるようです。フェリの「椿姫」はおそらくまだ日本では踊られていないので、ガラとはいえ楽しみですね。

有吉京子さんの「まいあ」も読めて、バレエの記事も楽しめる、一粒で二度おいしい雑誌です。

SWAN MAGAZINE Vol.8 2007 夏号SWAN MAGAZINE Vol.8 2007 夏号
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2007/06/19

ルグリ白鳥のチケット

チケット取り大狂騒曲が先週末繰り広げられた、ルグリと輝ける仲間たちの全幕プロ「白鳥の湖」ですが、全日eプラスにチケットがあります。席種は、残り券の多いマチュー&上野日以外は限られていますが。

取れなかった方は試してみてはいかがでしょうか。

追記:8・16、18は全席種終了しました。ただし、今後もこのような形で少しずつチケットが戻る可能性がありますので、時々様子見をしたほうがいいかもしれませんね。ぴあ、NBSにも可能性があります。

6/15,16(マチネ),17 「シンフォニック・バレエ『ラプソディ・イン・ブルー』服部有吉、金聖響、ラスタ・トーマス他

東京 渋谷 Bunkamuraオーチャードホール

演出・振付 :服部有吉
音楽監督・指揮 :金 聖響
ピアニスト :松永貴志
管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団
出演 :服部有吉
 ラスタ・トーマス
 辻本知彦(パンフレットの表記は辻本とも彦)
 大貫真幹
 横関雄一郎
 上野隆博(パンフレットの表記はタカヒロ) 他

音楽
プロローグ
ドビュッシー:月の光

第1部
メンデルスゾーン:イタリア
バーバー・アダージョ
シェーンベルク:浄夜

第2部
ガーシュイン: アイ・ガット・リズム
ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」

エピローグ:
ドビュッシー:月の光

当初2回観る予定が、運良くフジテレビの懸賞に当選し、合計3回観ることができた。楽しかった~!観る前は3回も観て飽きないかな、と思ったけど全然そんなことはなかった。2回目(懸賞で当たった分)は3階席だったのだけど、視点を変えて観ることができたのもまた良かった。1階席の(実質)10列目と12列目、そして3階だったわけだけど、12列目はファンクラブ席だったのに前の人の頭がすごく邪魔で非常に見づらかった。どうせ見づらいんだったら、一度くらいかぶりつきの席で見ればよかったかな。

今回の舞台は、舞台の上にあがったオーケストラ編成の上に、黄色い柱のプラットフォームがあり、時にはダンサーがそこに上って踊る。したがって、1階席からだと、プラットフォーム上のダンサーの足先がまったく見えないわけだ。オーチャードホールは、1階の前半がまっ平らで前の人の頭が邪魔なことこの上ない欠陥劇場なのだが、特に今回の舞台ではつらかったと思う。


「月の光」
ドビュッシーの「月の光」を弾く松永さん。客席からラスタ・トーマスが歩いていき、舞台に上る。ダンサーたちが一人また一人舞台に入ってきて、音楽にあわせてゆるやかに踊り始める。オーケストラの間には通路があって、そこからもダンサーが出入りする。

メンデルスゾーンの「イタリア」は軽快でアップテンポな曲。ラスタはタカヒロさんに後ろから抱えられ、腕をぶらんぶらんさせている。まるで「ペトルーシュカ」のように。この曲で登場したときラスタは白いランニングにスパッツ、膝にはサポーターといういでたちだけど、タカヒロさんに、他のダンサーたちと同じ白シャツに白いズボンを着せられる。
大貫さん(緑)と横関さん(赤)、カラフルな燕尾服を着た二人のバレエダンサーが、シメントリーな振付で軽快に踊り始める。ブリゼ、ランベルセ、マネージュの交錯、トゥール・ザン・レールと難易度の高い技の連続。二人とも非常に美しく、音楽に見事に乗ってのびのびと踊る。まるで音符が飛び跳ねている姿を見るようだ。ちょっと田辺誠一似のハンサムな横関さんもいいけど、小柄な大貫さんの踊りが柔らかくて素晴らしい。この二人は音楽の天使なのだろうか?ダンサーたちは軽快に、時にはプラットフォームの上でも駆け回っている。ひときわ美しいピルエット・アラスゴンドを踊る人がいるので見てみたら、それは服部さんだった。心地よい高揚感。

タキシードのバレエダンサー以外のダンサーたちは、挨拶をするように出会っては言葉を交わしている。挨拶が終わるとまた別の人のところに行って、挨拶。しかしラスタ一人は、コミュニケーション不全に陥って、うまく会話することができなくて会話を打ち切ってしまうことしばしば。早くも、ラスタ得意のカンフージャンプや腕を使わない側転などの技が登場するが、それらの超絶技巧が決して浮いていないところがポイント。

黒いジャケットを着たラスタと辻本さんは、それぞれグループを率いて、先頭で踊り始める。ラスタはクラシック組、辻本さんはヒップホップ組で、時には掛け合いのように、そして時には競うかのように。ヒップホップ組からはブレイクダンスまで登場。辻本さんの奔放でありながらどこか美しいムーヴメント、ラスタのダイナミックながら端正なダンス、それぞれまったく違っているのだけど生き生きしていて目が離せなくなる。どちらを見ていいのか迷うほど。しかし二人は途中で上手く踊れなくなって、他のメンバーに暴力を振るわれる。着ていたジャケットを頭巾のようにかぶせさせられた二人は走り去る。

休憩

シェーンベルク「浄夜」の美しいけどほの暗いメロディが流れる中、辻本&服部、ラスタ&タカヒロの二組が背中を向けてうずくまるように座っている。ラスタ、辻本は黒いジャケットを頭にかぶったまま。バーバーのアダージョの重苦しい音が演奏されている。演奏だけで15分くらい経過。そして、二人は目覚める。少し破れたジャケットをまとう。ラスタと辻本の二人はさまざまなポーズを取る。オーケストラの前に座っているのが、彼らを見守る守護天使の大貫さんと横関さん。ダンサーたちは立ち上がり、一点に集まって同心円のようにぐるぐると歩く。復活、再生を感じさせるようである。ラストでは、ラスタが壮絶なシェネの連続技を見せた。あのスピードで軸がぶれないのは驚異的なほど。彼は超絶技巧の持ち主なのに、それが決して軽業やテクニックのひけらかしに見えないところが素晴らしい。

「ラプソディ・イン・ブルー」

ここからが本当のクライマックス。ピアノを載せた台が下手から運び込まれてくる。鍵盤に後ろ向きになって立っている、金色のジャンパーを着た松永さんが、後ろ向きのまま即興演奏を始めている。それがガーシュインの「アイ・ガット・リズム」に。オーケストラの方も、ガーシュイン向けに編成を変え、楽団員が出たり入ったりするのが楽しい。服部さんが舞台に登場し、次々にダンサーたちも。聴きなれた「ラプソディ・イン・ブルー」の出だしのメロディとともに、タカヒロ以外のメーン 5人のダンサーが見事なトゥール・ザン・レール。ぴったりと揃っていて気持ちよい。そこへペンギンのようなユーモラスな動きでテケテケ歩いてくるタカヒロさん、面白すぎ!

松永さんのインプロヴィゼーションに合わせて、ダンスの方も自由奔放に、縦横無尽に繰り広げられて楽しいことこの上なし!3回とも、少しずつ振付も音楽も違っていた。

一発目に登場した大貫さんの跳躍がものすごかった。高くてひねりが入っていて、それでいて美しい。ダンサーたちもその美しさに舞台上で目を瞠っていた。あまりのすごさに嫉妬したラスタが、カンフーキックで大貫さんにツッコミを入れる。対抗するように服部さんが跳躍する、と見せて横関さんに見事なリフトをされる。さらに一人ずつバトンタッチするように跳躍系の得意技を披露する。ところが、最後の服部さんは、バトンを受ける振りをして、腕をきれいにアンオーに上げた時点でやめてしまって、どっと笑いが起きる。振付家で座長なのに、今回の服部さんは、控えめで裏方に徹しているようだ。それでも、腕の動きひとつとってもしなやかで美しい曲線を描いているのだけど。インパクトという点では、タカヒロさんの、膝立ちのままスピンしていく技がすごかった。あんなことをして膝は大丈夫なのか?

ラスタ、大貫、横関のクラシック3人組によるフェッテアラベスクを多用した美しいアンシェヌマン。最終日に登場したタカヒロ&辻本の即興ヒップホップ合戦はものすごく面白くて、彼ら自身も、観客もくすくす笑ってしまう。ラスタ、タカヒロ、辻本の空中側転。跳躍合戦。舞台を横切るように走っていく群舞のダンサーたち。プラットフォームの上でガンガン踊るヒップホップダンサーのサキッチさんとモッチンさん。爆発するエナジー。時には会話まで聞こえてくる。もっと自由に、堅苦しいことを考えずジャンルにも囚われずに、純粋に音楽とダンスを楽しもうよ!という心意気が感じられた。素晴らしい高揚感。指揮をしながら、ちらちらとダンサーの方を観る金聖響さんも楽しそう。オーケストラが演奏しているけど、音楽のノリは完璧にジャズで、スウィングしている。ノンストップのエネルギーが舞台から放出される。いつまでもこの音楽とダンスの融合を観ていたい気持ちになった。

クライマックスの後、暗転して舞台は終わりかと思ったら、再び照明がつき、冒頭と同じ「月の光」。この作品は環をなしているわけだ。だが、オープニングとは少しアレンジが違っている。オーケストラの楽団員が少しずつ舞台から去っていく。ダンサーたちも去っていく。最後に残されていたのは、ラスタ・トーマスと、松永さんと、金さん。ラスタが、冒頭と反対に、観客席へと降りていって会場を後にする。少しずつ暗転し、松永さんに当たっていたピンスポットも暗転して、幕。

楽しかった~!!!ブラボー!
カーテンコールの彼らもホントに楽しそうで、ロールスクリーンの幕が下りてくるところでは、スクリーンを巻いているそぶりをラスタが見せていてお茶目だった。

********************

服部有吉さんのセンスというのは、ジョン・ノイマイヤーの影響を受けたシンフォニック・バレエ、少々難解な部分を持ちながらも、同時に、服部家のDNAから伝わってきたであろうエンターテインメント志向、さらにはベタな部分やユーモアもあるところが非常に面白い。何よりも、いろいろなジャンルの壁を軽やかに乗り越えているところが素敵。日本の観客というのは、オペラを観る人はオペラだけ、クラシックバレエを観る人はバレエだけ、コンテンポラリーダンス、ヒップホップにしても同じというわけで、ジャンルに囚われているところが多分にある。私自身にもそういうところがあることを否定できない。

今回の公演は、クラシックバレエからコンテ、パントマイム、ヒップホップやブレイクダンス、そしてクラシック、ジャズとさまざまな分野の人たちを集めて作られたもの。完全な融合をしているかというと、そこまではできていない。なぜなら、やはり基本はクラシックバレエなのかな、と思わせる振付であり、コンテンポラリーやヒップホップがかっこよく見えるような演出にはなっていないからだ。せっかく選抜された群舞のダンサーたちも、十分その魅力を発揮できるところまでなっていない。また、「浄夜」の後半などは、音楽との溶け合い方にしても、必ずしも成功していない部分があるように思える。回数を重ねてみることで面白くなっていったけど、このパート、1回目は少々退屈するところもあった。

それでも、さまざまな分野のダンスや音楽をひとつの作品にまとめ上げ、実に多岐にわたる舞踊言語を用意してダンスの純粋な楽しさを見せてくれた服部さんの手腕は見事だといわざるを得ない。ダンスと音楽を通じて、人々がコミュニケーションをしてつながっていき、新しい芸術が生み出されていく過程、つまりはこの作品そのものが生まれていく様子を描いたメタ作品が、この「ラプソディ・イン・ブルー」なのだと思った。

それにしても、よくこれだけ個性的で才能ある出演者たちを選んできたのものと感心。服部さん、ラスタが現代のバレエ界でも特別な才能を持っていることは最初からわかっていた。だけど、彼ら二人が必要以上に目立つことはなく、二人とも作品の中の要素としてうまく溶け合っていた。服部さんはさりげなくとんでもない技術や、得意技の210度くらいに開脚するジャンプを見せていたけど、自己主張することなく控えめだったし、ラスタは格闘技を思わせる個性的な技を見せながらも、気品をにじませていた。

表現力、テクニック、柔軟性とも超一流で王子様役がさぞかし似合うであろう大貫さん、同じく端正なクラシックダンサーで技術に優れた横関さん。さらに、辻本さんの唯一無二の個性。彼の柔軟な背中、際立った音楽性と現代性には強いインパクトがあった。タカヒロさんは、とにかく面白いしバネがあってエネルギッシュ!ホント、今回の6人は全員最高だったし、今後彼らが出演する舞台からは目が離せないと思った。

音楽面も最高。金聖響さんは背中からも実に楽しそうな様子が伝わってきたし、バーバーやシューンベルク、メンデルスゾーンの美しいメロディをじっくり味わうことができた。「ラプソディ・イン・ブルー」のグルーヴ感も最高。難をいえば生音ではなくPAを通していたことが少し残念だったが、舞台の上奥にオーケストラが乗っているし、オーチャードホールは音響が良くないから致し方ないのだろう。まだ20歳という天才少年松永さんも、恐るべき才能の持ち主だと思う。彼の中には生まれながらにして音楽とリズムが息づいていたに違いない。「ラプソディ・イン・ブルー」ではすべてがひとつに融合して、ひとつの「FUN」を作り上げていた。

一期一会の出会い。奇跡のようなパフォーマンスだった。

2007/06/17

6/10 青山美知子バレエスタジオ「ジゼル」

昨日、今日(マチネ)と服部有吉さんの「ラプソディ・イン・ブルー」を観てきました。今日のチケットは、幸運にもフジテレビの懸賞で当たったもの。すごーく楽しかったです。いい意味でベタな服部さんのセンスが発揮され、自由で音楽性豊かで、思わず笑顔になっちゃうような、素晴らしい公演でした。服部さん、ラスタ・トーマスはいうまでもないのですが、他の4人、辻本知彦さん、大貫真幹さん、横関雄一郎さん、そしてTAKAHIROさんもそれぞれ個性的かつ技術的にも大変優れていて、魅力たっぷり。松永貴志さんのピアノもお見事!明日も観る予定なので、明日観終わってから感想は書きます。


さて、このブログのサンフランシスコ・バレエ公演の感想にいただいたコメントで、お知らせいただいた青山美知子バレエスタジオの公演(船堀タワーホール)に行ってきました。青山美知子さんは、東京シティ・バレエ団の教師もされているということで、東京シティ・バレエ団の団員の方も多数出演されていました。ジゼル役には、ローザンヌ・コンクールでスカラシップ賞を受賞し、元サンフランシスコ・バレエ、現在はカリフォルニアのディアブロ・バレエに所属している菅野真代さん。アルブレヒトには、サンフランシスコ・バレエのソリストであるローリー・ホーエンスタイン、さらにペザントのパ・ド・ドゥで同じくサンフランシスコ・バレエのソリスト山本帆介さんという豪華なキャスト。ヒラリオンに東京シティ・バレエ団の小林洋壱さん、同じく東京シティ・バレエ団の土肥靖子さんがミルタ。これで2000円というのは安すぎるほど。

菅野さんは、2004年のローザンヌ・ガラに出演した映像がテレビで放映されたのを見たのだけど、そのときは少々ふっくらしすぎていた感じがした。今回は、そのときよりもだいぶ細くなっていると思った。ただ病弱な村娘ジゼルを演じるには、やや大柄ということもあって、やはりちょっと健康的過ぎる印象がある。技術そのものは高い。ポアントは強いし跳躍も高い。アラベスク・パンシェしたときの後ろ脚が非常に高く上がってきれいだった。ウィリになってからの浮遊感を出すことはできていなくて、人間の部分を多く残した情感あるジゼルとして地上に想いを残した感が強かったが、腕は柔らかく、美しいジゼルだった。狂乱のシーンでの演技は、必要以上に狂っていくのではなく、幸せな時代を思い出しながら少しずつ壊れていく様子を繊細に演じていて、とても好感が持てた。ジゼルがアルブレヒトを守りきり、消えていくところまでの終盤の演技も、大袈裟にならずに余韻を残し、感動的にまとめてくれた。演技も踊りも良いので、これでもう少しほっそりしていたら言うことなしなのが惜しいところ。

ローリー・ホーエンスタインは、長身で脚のラインがほっそりとしなって美しい、端正な容姿のダンサー。24歳とまだ若手ということもあり、非常に若くて、人間として未熟なアルブレヒト像を作っていた。ジゼルとの恋愛を楽しんでいるけど、それはあまり物事を深く考えないで軽い気持ちで恋をしてしまった。悲劇が訪れて、初めて自分の行ったことの罪深さに気が付くことになる。プレイボーイでもなければ、本気でジゼルを愛していたわけでもない、でもアルブレヒトって本当はそういう人だったのかもしれないと思わせた。それにしても、やはりアルブレヒトは容姿が美しくて貴族に見える人が演じるべきだと改めて思った。マントをまとって百合の花束を持つ姿が実に絵になる人だ。

ローリーは着地の時の足音が少し大きめだけど、技術的にも確かなものを持っている。サポートに関してはあわせる時間が十分なかったかも、というところが見えたけど、脚捌き系が得意で足先まで端正だし、今後に期待できそう。ふわっと浮くようなジュッテがきれいだっただけに、舞台が狭いため存分に跳躍することができにくそうで残念。ミルタに踊らされている時のヴァリエーションは、ジュッテだった。

小林洋壱さんのヒラリオンが非常に良かった。かなり演技が濃いのね。ミルタに命乞いをする時に相当しつこくて生への執着心が強く見えたのが個人的にツボに入った。木村和夫さんのヒラリオンと同系列の演技。ヒラリオンはたっぷり痛めつけられて、踊り狂わされて死ぬのが好みなのだけど、十分満たしていた。

土肥靖子さんのミルタもなかなか良かったとおもう。最近、前田新奈さんやロイヤルのマリアネラ・ヌニェズなど、めちゃめちゃ怖くて夢に化けて出てきそうなミルタばかり観てきたので、迫力という面では少々落ちるけど、パドブレが美しく、ジュッテもよく跳んでおり、踊りの質が高かった。ウィリ軍団は、さすがにアラベスクのままずんずん進むところで後ろ脚が落ちてしまっている人が多々見られたのだけど、発表会ということを考えればそんなものか。そこを除けばまったく問題なしでレベルは非常に高いと思う。ドゥ・ウィリはこのスタジオの人だったようだけど、かなり上手。

ゲストといえばサンフランシスコ・バレエの山本帆介さんのペザントのヴァリエーションが、技術的にとても高度で素晴らしかった。山本さんは身長もあり、容姿も大変見栄えがして魅力的なダンサーだ。ピルエットの軸がしっかりとしていて、回数もたくさん回れるし、何よりも華がある。今後どれだけ彼が大物になるか、期待大。

村娘などの生徒たちの踊りはよく訓練されており、音楽性もしっかりとあって良かった。バチルド、ベルタ、ウィルフリードなどの役は東京シティバレエ団のダンサーが演じているので、演技面がしっかりしており、舞台としてのクオリティをさらに引き上げていた。発表会でこのレベルのものが見られると満足度が非常に高い。お招きくださって深く感謝したい次第。

2007/06/16

ハンブルク・バレエのチケット譲ります

このお知らせはしばらくトップにおいておきます。新しいエントリは、この下をご覧ください。

7月上旬にハンブルクに行って、ハンブルク・バレエを観に行く予定となっていましたが、仕事の都合で、日程を短縮せざるを得なくなりました。

7月はバレット・ターゲといって、日替わりでプログラムが開催され、世界中からファンが集まりチケットは入手困難です。苦労して手に入れたチケットで、無駄にしたくないので、ごらんになりたい方がいれば譲ります。

7月1日(日)18時開演 人魚姫(ジョン・ノイマイヤー振付)112ユーロ ハンブルク州立劇場 3階席センター1列目

新作のプレミア公演です。もちろん、ソールドアウトとなっております。

お値段等は相談に応じます。チケットは手元にありますので、郵送、都内での手渡しも可能です。同行の友人が当日同じ公演を観るため、現地での手渡しも可能です。


内容につきましては、ハンブルク・バレエのサイト
http://www.hamburgballett.de/e/spielplan.htm

ファンサイト「ハンブルク・バレエ熱」の「人魚姫」解説ページ

およびハンブルク州立劇場のフリーペーパー(Journal)写真満載で美しいです。
http://www.hamburgballett.de/form/journal_6.pdf

をご覧ください。とても美しい作品のようなので、見られないのが本当に残念です。

ご興味のある方は、こちらまでメールをお願いいたします。折り返しご連絡します。

2007/06/15

ミラノ・スカラ座バレエ「ドン・キホーテ」6月9日ソワレ

ドン・キホーテ:フランチスコ・セデーニョ
サンチョ・パンサ:ステファーノ・ベネディーニ
ロレンツォ:マシュー・エンディコット

キトリ/ドルシネア:タマラ・ロホ
バジル:ホセ・カレーニョ

ガマーシュ:ヴィットリオ・ダマート
二人のキトリの友人:マリア・フランチェスカ・ガリターノ、ラーラ・モンタナーロ
村の踊り子:ベアトリーチェ・カルボーネ
エスパーダ:アレッサンドロ・グリッロ
ドリアードの女王:ジルダ・ジェラーティ
キューピッド:ソフィー・サロート

ジプシー:アントニーノ・ステラ
花嫁の付き添い:セレーナ・サルナターロ
ファンダンゴのソリスト:ベアトリーチェ・カルボーネ、ミック・ゼーニ

ホセ・カレーニョ&タマラ・ロホのコンビによる「ドン・キホーテ」は去年、世界バレエフェスティバルの特別プログラム(東京バレエ団との共演)として観た。ラテン系の二人による熱いステージを期待していたら、案外クールでエレガントだったので、ちょっと拍子抜けした記憶がある。

ところが、この日の二人は絶好調。一年前の、ちょっと醒めた感じの舞台とは打って変わって、情熱的でセクシーで、スターの輝きで満たされた素敵な一夜となった。

ホセ・カレーニョは、たしかに年齢とともに跳躍などは低く重くなってしまったところが感じられたが、その分、色気がますます増してきたように思える。基本的に彼は端正なダンサーで、つま先そのものも、そのつま先が描く軌跡も美しいし、何よりもピルエットの正確さ、緩急自在ぶりがすごい。必ず正面でぴたっと止まるし、スピードすらも完璧にコントロールしている。惰性でまわっているところまで、美しいのだから恐れ入る。着地の5番も美しい。

床屋の兄ちゃんにしては品がありすぎるほどなのだけど、それでもなお色っぽくて、ひょうきんさもあるところがたまらなく魅力的。キトリが目を離すと自然と女の子たちを口説いているし、ガマーシュはこーんなにヘンな顔をしているってマイムもすっごく笑える。狂言自殺のところが最高潮で、死んだ振りをしながらもタマラの胸をぎゅっとモミモミ、何度も唇にチュー。naughtyな魅力。そして、あのステキすぎる、クラクラさせるセクシーな笑顔。大人の余裕が感じられて、たまらない。去年のABTシティセンター公演での「牧神の午後」や「ファンシー・フリー」ももちろん素敵だったけど、クラシック・バレエの人よね、彼は。タマラとのカップルぶりも、今回はテンションが同じだったので最高に盛り上がった。ス・テ・キ♪惚れ直した。

タマラ・ロホは去年のバレエフェスティバル全幕では、踊りが重いし背中も意外と柔らかくないし、とてもクールなキトリでちょっとイメージと違っていて残念だった。今回の方がずーっと調子が良さそう!彼女の回転とバランスがすごいのは改めて言うまでもないのだけど、やっぱり現実離れしたほどすごい。バランスでは10秒以上アティチュードポアントで静止し、ぐらぐらすることもなくコンパスのように刺さっていたし、体勢を戻すのも余裕たっぷり。グランフェッテはトリプル1回にシングル2回のパターンでずっと回っていた。それも一生懸命やっていなすって風情じゃなくて、涼しい顔で簡単そうにやっちゃうのだからすごい。シェネやピケなども、滑らかにくるくるくるくる回っていてとても正確だ。

そしてタマラは今回、演技の方もとても良かった。前回はおすまし系クールビューティなキトリで、こんなに冷静なキトリってあり?と思ったんだけど。たしかにタマラちゃんは、今回も眠たげな瞳と白いもち肌、黒髪でとても妖艶なんだけど、お転婆な気の強さを発揮していて可愛かった。ガマーシュに対しても足を強く踏んだり拒絶したり。バジルに対して見せるやきもち顔も可愛いし、目線の使い方が艶っぽくていい。バレリーナにあるまじきくらいウェストが太くても、こんなにも艶やかでキュートで上手なんだから、これでいいのだ。

ヌレエフ版特有の、2幕冒頭のジプシー野営地シーン。「ラ・バヤデール」の密会の曲に合わせた二人のパ・ド・ドゥと絡みは、それはそれはオトナの世界で鼻血が出そうなくらいエロっぽかった。ドラマティックでねっとりとしていて、この部分だけ「ドン・キホーテ」ではないみたい。明らかに浮いている演出なんだけど、この二人ならオッケーと思った。スカラ座の二人も、オトナなカップルだから合っていたと思うんだけど。

主役二人がゲストの割りに、カンパニーから浮いている感じがしなかったのが良かった。二人ともラテン系だからかしら。それに今までもゲストでスカラ座に出ていたからかな。ゲストでありながら、ロレンツォ、ガマーシュ、ドン・キホーテらとの絡みの演技も達者だったということもあるだろう。スカラ座メンバーも、踊りはともかく、演技はみんな上手だし。

マチネでバジルを踊っていたミック・ゼーニがファンダンゴのソリスト。よく働くな。やっぱり足先が端正ですごく素敵だった。別の日にはエスパーダを踊っていたらしいけど、彼のエスパーダも観たかった。ファンダンゴのパートナー&街の踊り子のベアトリーチェ・カルボーネもラテンゴージャス美人だったし、この二人はイタリア人の美男美女(アデオス&アデージョ)って感じでいいね。それとジプシーリーダーのアントニーノ・ステラ、マチネの人も良かったけど彼はさらにワイルドでダイアミックでカッコよかった。プリエを多用したゴムマリのようなジャンプばかりのこの振付、脚に悪そうだけど・・・。アントニーノ・ステラは、「白鳥の湖」のDVDで道化、「ラ・バヤデール」のDVDでブロンズ・アイドルを踊っている人。顔もラテンセクシーちょい悪系で色気が炸裂。

タマラのものすごいバランスと回転、カレーニョの美しいピルエット、グラン・パ・ド・ドゥは爆発的なまでに盛り上がった。これがやっぱりスターとそうではない人との差なんだろうなと思った。楽しかった!!!!またこの二人で全幕作品が観たい。大満足。

2007/06/14

吉田都さん「はなまるカフェ」

吉田都さんが、6月13日のTBS「はなまるカフェ」に出演されていたのを録画して見ました。

http://www.tbs.co.jp/hanamaru/cafe/

相変わらず、とても41歳には見えない若々しさの、可愛らしい都さんが生出演。先日の「海賊」の映像も少し流れました。幻の、熊川さんがアリを演じた時の映像のようです。熊川さんもちょっと映っていました。パ・ド・トロワのヴァリエーションとコーダの最後の方ですね。あとはバーミンガム・ロイヤルバレエ時代の「くるみ割り人形」と、熊川さんとの「ラプソディ」も流れました。

マンダリン・オリエンタルのアフタヌーン・ティのスコーンがおいしそうでしたね。クローテッドクリームではしばらく食べていなかったので食べたくなりました。ロンドンでの素敵な家の写真や結婚式の写真も見せてくれたり。微笑ましい新婚生活ぶりも聞けました。バレエ界ではあれだけのスターなのに、控えめで謙虚な人柄が伺えて本当に魅力的な方です。

熊川さんが降板した「ドン・キホーテ」にも急遽出演されることになった上に、さらに宣伝のためにテレビに引っ張り出され、ロンドンと日本の二重生活で大変だと思います。日本ではホテル住まいとのことですし。が、彼女の音楽性豊かな、素晴らしい踊りを観られる人がたくさんいるのは、いいことですよね。

2007/06/13

パリ・オペラ座オーストラリア公演

パリ・オペラ座のオーストラリア公演に関連して、Sydney Morning Herald紙にマニュエル・ルグリのインタビューが掲載されています。

http://www.smh.com.au/news/arts/partners-in-prime/2007/06/11/1181414214383.html

ルグリとオーレリ・デュポンのリハーサル中の美しい写真も。
ルグリは、モニク・ルディエールが引退した後、パートナーを見つけるのが困難だと思っていたけど、今はオーレリがモニクと同じレベルのパフォーマンスをしてくれていると語っています。また、オーレリは、彼女の膝の怪我を気遣ってパートナーシップをつむいでくれることに感謝し、彼とともに物語を作り上げるのが好きだと。二人の間に言葉は要らないと最大級の賛辞を送っています。

33歳で初めてオデット/オディールを踊ることを許されたとき、オーレリはマニュエルの助けを借りて踊れるコトをとても幸せに思ったそうです。この二人による「白鳥の湖」は、日本の観客が観られる可能性がほとんど無いのが残念ですね。シドニーの皆様が羨ましいです。

2007/06/12

ABT&ボリショイ・バレエ来日予定

すでにご存知の方も多いかと思いますが、ジャパンアーツのサイトで、2008年の招聘予定が更新され、ABTとボリショイ・バレエの来日予定と演目についての情報が追加されています。

★アメリカン・バレエ・シアター(ABT)来日公演 2008 7/14~28
http://www.japanarts.co.jp/html/JA_world_artists/ABT.htm
予定プログラム:「海賊」「白鳥の湖」(改訂振付:マッケンジー)「ABTガラ(小品・PDD集)」
予定ソリスト:
アナニアシヴィリ、ドヴォロヴェンコ、ヘレーラ、ケント、マーフィー、レイエス、ヴィシニョーワ、ワイルズ、ベロツェルコフスキー、カレーニョ、コレーラ、コルネホ、ゴメス、ホールバーグ、スティーフェル、(2007.3月現在)

ニーナ・アナニアシヴィリが予定されているのが嬉しいですね。ABTではもうあまり踊らないのではないかという憶測もありましたが、やっぱり日本は別格なんでしょうか。2004年にフリオ・ボッカとの共演でMETで観たニーナの白鳥は情熱的で強烈に素晴らしかったです。ABTの「白鳥の湖」(マッケンジー版)も賛否両論というかツッコミどころ満載のプロダクションですが、ニーナ、イリーナ、ジリアンの白鳥はタイプは違えども必見でしょう。できればマルセロ・ゴメスにはまたロットバルトを踊って欲しいものです。

「海賊」はABTの18番ですね。ホセ・カレーニョ、アンヘル・コレーラという2大アリが見られるのが楽しみです。来日メンバーにマラーホフが入っていませんが、マラーホフのランケデムが観たかったです。イーサンも復活したとのことで、彼の久々の来日も楽しみですね。

「ガラ」はトワイラ・サープのIn The Upper Roomをぜひやって欲しいと思います。ABTらしさが発揮できますし、盛り上がりますからね。似合わない(無理がある)バランシンなんかやらなくていいですから。

★ボリショイバレエ団来日公演 2008 11/15~12/9

http://www.japanarts.co.jp/html/JA_world_artists/bolshoi_ballet.htm

予定プログラム:「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」「明るい小川」他
ソリスト:ヤツェンコ、アントニーチェワ、クリサノワ、シプリナ、アレクサンドロワ、アラシュ、オシポワ、ルンキナ、ザハロワ、ヴォルチコフ、ウヴァーロフ、メルクリエフ、シュピレフスキー、マトヴィエンコ、ベロゴロフツェフ、グダーノフ、スクヴァルツォフ、フィーリン、ネポロージニー、他

こちらは、「明るい小川」が入っているのがものすごく嬉しいです(NBSだったら絶対に上演しないでしょう)。

フィーリンの素敵なシルフィード姿とポアントが観られるんですね、きっと。ニコライ・ツィスカリーゼの名前が入っていないのはどういうことでしょう。「白鳥の湖」の悪の天才といえばニカ様の当たり役ですから。単にジャパンアーツのミスで名前が落ちているのならいいんですけど。あと、グラチョーワ、ステパネンコの名前がありませんね。グラ様は出産後の復帰がいつになるのか、気になります。

「ドン・キホーテ」はすっかり食傷気味なので、また「スパルタクス」を上演して欲しいんですが・・・。
それから、ボリショイはぜひボリショイのオーケストラを連れてきて欲しいですね。

来年は5月ごろにパリ・オペラ座の来日公演もあるし、ロイヤル・バレエの来日公演もあるし、バレエフェスはないとはいえまた貧乏な一年になりそうです。

バレエ「海賊」全3幕バレエ「海賊」全3幕
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ミラノ・スカラ座「ドン・キホーテ」6月9日マチネ続き

ヌレエフ版ドン・キホーテの特異な演出その2は、2幕のジプシーの野営地での冒頭。野営地に逃げ込んだバジルとキトリが踊る曲は、「ラ・バヤデール」の1幕でソロルとニキヤが密会する時の音楽なのだ。「ドン・キホーテ」と同じミンクス作曲だけど、しっとりとして情緒的な美しい曲。赤いストールを持ってキトリが踊ると、まるでニキヤのように見えてしまう。このパ・ド・ドゥはとても美しく、恋人たちの逢瀬が甘く官能的。横たわる二人の脚だけが上がっているのはとてもなまめかしいし、身体を重ねるドキッとさせられる描写まである。

音楽は聴きなれた「ドン・キホーテ」とはかなり違った感じ。ヌレエフ版のためにランチベリーが編曲したというが、スピードもかなりゆっくりとしているし、楽器の使い方も相当違っているので、時々違和感を感じた。ただし、演奏自体はミスが少なく、とてもよかったと思う。

キトリ役のマルタ・ロマーニャは身長174センチと長身でほっそりとしており、手脚が長い。非常に恵まれたスタイルと容姿。踊りは、その長い手脚を生かして非常にパワフルでダイナミック。特にジュッテは大きく、高く跳んでいた。脚もすごく高く上がる。時々ポアントが不安定になってひやりとする場面があった。アラベスクやアティチュードはきれいだし、スカラ座の中では頭ひとつ抜けているのはよくわかる。すごく大人っぽくて艶っぽい、ゴージャス姉御系のキトリ。バジルとの結婚に反対するロレンツォに対しては本気で駄々こねちゃったりしていて、気はとっても強そう。

バジル役のミック・ゼーニは、決して小柄ではないんだけど、マルタ・ロマーニャが長身なわりには少し小さい感じがした。身長は178~180cmの間くらいと思われる。身体もどちらかといえば華奢な方。ちょっとマッシモ・ムッル系のハンサムさんだけど、少し華が足りないかも。テクニックは十分あると思われ、ヌレエフの細かくて難しいパを上手く踊っていた。パ・ド・シャからアッサンブレになるとか、鬼のようなステップがいっぱいあるんだけどきちんとこなし、足捌きもとてもきれいだし、五番もきちんと入るし、端正なダンサー。この人はバジルよりも、王子系やプティなどが似合いそうな雰囲気だ。真面目な青年が道を踏み外した、なんて役(ドン・ホセとかデ・グリューとかアルマン)もお似合いだろう、きっと。そう、優しくていい人オーラが出ているのだ。私はけっこう真面目そうな人というのに色気を感じるので、ミック・ゼーニ、素敵だわと思ったけどやっぱりバジル向きではなかったのかも。ただ姉御系キトリにワンワン仔犬のように従っていて、惚れちゃっているところが見えるのが、めちゃめちゃかわいい。狂言自殺の時、足の甲がきれいに伸びていたし、横になっている姿もちょっと色っぽくて魅力的だった。

さすがにスカラ座コンビで、普段からよくパートナーとして踊っているだけあって、二人の間の演技の間はばっちりで、台詞の応酬なども聞こえてきそう。大人っぽい、いい雰囲気のペアだ。ただし、ミックはマルタには少し小さいこともあってか?片手リフトのところを片手であげられずちょっと歩いてしまったのが惜しい。

二人とも途中まではとてもいい雰囲気で、なかなかやるじゃんと思っていたところ、3幕で急に失速してしまったのが非常に残念だった。ミック・ゼーニのヴァリエーションは、爆発するようなパワーがなかったのが物足りなかったけど、テクニックそのものは十分発揮できていたと思う。マネージュの脚はきれいに伸びていたし、トゥール・ザン・レールも決まっていた。コーダのピルエット・ア・ラ・スゴンドもばっちり。バジルじゃなくてこれがデジレ王子やジークフリート王子だったら良かったんだろうな。いつか、違う役で彼を観てみたい。

マルタ・ロマーニャは3幕のGPDDは残念ながら不調のようで、ヴァリエーションのパッセを繰り返すところから、あれ、大丈夫かしら、怪我でもしているんじゃないかと心配になった。フェッテでは最初から左足がぐらぐらしていて16回で終了してピケに。それでもやっぱり足を痛めてしまったのではないか、無理しないでねとハラハラさせられた。ピルエット・ア・ラ・スゴンドを終えたミックが彼女を優しく抱きとめたときには、お疲れ様、大丈夫?と声をかけたくなってしまった。ヌレエフ版ドン・キホーテのキトリってそれほどまで過酷な役なのかと思った。ミックの性格の良さそうなところがここでも発揮されていた。マルタも、ものすごく調子が悪そうなのになんとか最後まで踊り終えて、カーテンコールで微笑んでくれたのはさすがにプロ。

残念ながら尻すぼみ感はあったものの、ミック・ゼーニは個人的にはかなり気に入ったし、リード・ジプシーのサルヴァトーレ・ペルディキッツィ、街の踊り子役ベアトリーチェ・カルボーネなど素敵なダンサーを見つけることはできた。街の喧騒が伝わってくるような躍動感、モブシーンのリアリティ、芸術品のように素晴らしいセットと美しい衣装に照明、総合芸術としての舞台の完成度は高かったので、大満足とまでは行かないものの、十分楽しめた。バレエで最も重要なのはもちろんダンサーの技量と演技だけど、美術と音楽が良いと5割増しくらいになると実感した。

2007/06/11

6/9 ミラノ・スカラ座「ドン・キホーテ」マチネ(その1)

6月9日昼 東京文化会館

ドン・キホーテ:フランチスコ・セデーニョ
サンチョ・パンサ:ステファーノ・ベネディーニ
ロレンツォ:マシュー・エンディコット

キトリ/ドルシネア:マルタ・ロマーニャ
バジル:ミック・ゼーニ

ガマーシュ:ヴィットリオ・ダマート
二人のキトリの友人:モニカ・ヴァリエッティ、アントネッラ・ルオンゴ
村の踊り子:ベアトリーチェ・カルボーネ
エスパーダ:アレッサンドロ・グリッロ
ドリアードの女王:ジルダ・ジェラーティ
キューピッド:ブリジーダ・ボッソーニ

ジプシー:サルヴァトーレ・ペルディキッツィ
花嫁の付き添い:マリア・フランチェスカ・ガリターノ
ファンダンゴのソリスト:サビーナ・ガラッソ、アレッサンドロ・グリッロ

ブログの更新が滞っており申し訳ありません。ここしばらく仕事が大変忙しく、家に帰って寝るだけの毎日でした。若干モチベーションの低下もありまして・・・。バレエ関係のブログも多い今、私のつまらない感想など書いてもしょうがないしね、と思ったり。映画に関しては本格的に批評を学んだわけですが、バレエというのはまた勝手が違うもので。

本格的な引越し公演としては、2月のレニングラード国立バレエ以来だろうか。やっぱり主役だけゲストとかガラ公演より、バレエ団ごと来てくれる方が見ごたえがあって楽しめる。(スカラ座の場合は、このマチネ以外はすべて主役がゲストなのだけど)
ミラノ・スカラ座バレエ団の実力については、いろいろと言いたいことがある人が多いのはすごくよくわかる。でも、そのあたりは、今まで発売されてきたボッレ&ザハロワのDVDを見れば大体想像はついていたので・・。

ヌレエフ版のドン・キホーテはDVDを持っているものの、時間がなくてちゃんと観ていないので、初見といっていい。ダンサーにとっては鬼!と思われる、音の一つ一つにパをあてた難しい振付だった。男性群舞も多いし、バジルのヴァリエーションの数も通常より多い。体力勝負な振付である。

特徴的なのは1にプロローグ。これがドン・キホーテの夢というか妄想であるということを強調するために、悪魔のような死神が登場する。ドン・キホーテの活躍するシーンがいつになく多く、ガマーシュとはチャンバラをするし(最後にカツラまで取っちゃってガマーシュのハゲ頭が露出するというお約束の展開つき)、ラストもドン・キホーテが締めくくり、カーテンコールも一番最後に登場。なかなか芸達者なドン・キホーテだった。巨大な馬(ロシナンテ)にまたがって登場するし、通常のドン・キホーテよりも重きを置かれた演出で、その演出効果はすごく生きていたと思う。

舞台装置は素晴らしい。プロローグの室内のひそやかな雰囲気の出し方から、バルセロナの街角のセットに変容したり、酒場から結婚式が行われる広場への場面転換もよく考え抜かれているし、重厚な雰囲気が出せている。衣装も、闘牛氏らのゴールド、辛子色、紫の使い方など独特の色彩感覚があってセンスが良いと思った。夢のシーンの淡いグリーンのチュチュも結構好き。私個人の考え方では、やはりバレエは総合芸術、特に全幕作品はそうなので、装置や衣装が良いだけで満足度が上がってしまう。

確かに、ミラノ・スカラ座はバレエ団としての実力は大したことはないと思う。夢のシーンひとつとっても、どう考えても東京バレエ団や新国立劇場バレエ団のほうがレベルは数段上だと思う。そもそも揃えようという意識はないようだし、スタイルにしても最近の日本人の方がいいくらい。キューピッドやドリアードの女王にしても、日本人でもっと上手な人はいくらでもいる。

モブシーンや街の喧騒の雰囲気を出すのはさすがにこなれている。演技力という点ではなかなか役者な人が多くて、ドン・キホーテ、サンチョ・パンサ、ガマーシュ、ロレンツォ、それぞれすごく個性的で面白かった。エキストラで日本人が混じっていたけど、いない方が良かったかな。

また男性ダンサーのレベルはなかなかだと思った。なんと言っても一番良かったのが、リードジプシーだったのだけど、それ以外のジプシー軍団の群舞がとっても迫力があった。振り付けという点では、「スパルタクス」や「ダッタン人の踊り」を思わせる勇壮なもので、パワフル&ワイルド。闘牛士やファンダンゴも良い。ラテンの色香が漂ってきていかしていた。

一旦ここで切ります。

2007/06/07

ABTの新作「眠れる森の美女」

6月1日に初演されたABTの新作「眠れる森の美女」(マッケンジー版)ですが、大変評判が悪いようです。グランドバレエの新作ということでいろいろな媒体にレビューが載っていますが、

NEW ABT'S IS A SLEEPING UGLY (New York Post)
とか、
Flawed 'Beauty' (The Star-Ledger)
とか、
Beauty Betrayed (Dance View Times)

Beauty Abused (Dance View Times)


もうタイトルからしてボロカスです。笑ってしまうくらいです。

もっとも権威あるNew York Timesのアレイスター・マコーリー氏もかなり厳しい評価を下しています。特に美術については酷評としか言いようがありません。たしかにこのNYTimesに載っている写真のデジレ王子の衣装はひどいですね。

マッケンジーは「白鳥の湖」の振付などを観ても、かなりセンスが微妙な人であることはわかっていましたが、今回はゲルシー・カークランドが振付補助に入っているとのことで、期待した人も多かったはず。

問題は、プティパの原振付を、最も重要な部分(ローズアダージオや3幕のPDDなど)しか残さず、それ以外にいろいろと加えられた新振付が。ことごとく期待を裏切るものだったことにあるようです。また、Tony Walton によるディズニーっぽい舞台装置や、ブロードウェイミュージカルの衣装で有名な Willa Kimによる衣装のセンスもあまりよろしくないとか。妖精たちはワイヤーに吊られて飛び回っているそうだし、リラの精は赤ちゃんオーロラを抱いて小突き回しているらしい。カラボスは雷鳴に乗って花火とともに登場して、まるでフランケンシュタインの花嫁のよう。オーロラはおそらく1600年から1700年の間に眠っている設定なのだろうけど、中世から始まって18世紀まで300年くらい寝ていたんじゃないかと思われるほどの美術の変化があったようです。初日の王様と女王様のキャストは、ヴィクター・バービーとスーザン・ジャフィという豪華版だったようですが、あまり意味がなかったみたい。王様の格好はバーガーキングみたいらしいし。

2幕では王子は跳びまくったり、目隠しをして友人とゲームを楽しんでいたりするらしい。リラは王子にオーロラの幻影を見せてくれないそうだし・・。あーあ。キャラクター的には、ロード・オブ・ザ・リングのアラゴンに似ているとか?そしてカラボスの蜘蛛の巣に捕らえられちゃったりするようです。二人が乗るボートは「ハリー・ポッター」に出てきそうな代物だとか。

さらに3幕のディヴェルティスマンですが、主役以外には、リラと青い鳥とフロリナしか踊らないようです。猫とか赤ずきんちゃんは舞台上にいるけど踊らないみたいですね。私は「眠り」はこれらのおとぎ話の登場人物が出てくるのがお子ちゃま向けっぽくて好きではないんですが、これだけちょっとディズニーっぽい装置ということなら、せめてディヴェルティスマンでも入れないとやってられないような気がします。なお、3幕のマズルカの衣装については、上記Dance View Timesの評によれば「ラスベガスでのマッシュルームの集会みたい」というすごい表現がされています。

これだけ酷評されていたら、逆に怖いもの見たさでちょっと観てみたい気もしますが。Ballet Talkのフォーラムなどは思わず読んでいて吹き出してしまうようなものばかりで楽しんでしまいました。ABTは来年たぶん来日しますが、まさかこれを持って来ないでしょうね。

と言っても、私は実物を観たわけではないので、実際に見てみなければなんともいえません。実際にご覧になっている方の感想を読んだほうが有用に決まっています。というわけで、いちぞーさんのレビューをどうぞ。

一応1952年キーロフ初演のセルゲイエフ版に基づいているようですが、批評等を読むとちょっと信じられないですね。(なお、従来はマクミラン振付の「眠り」がABTでは踊られていたようです)

救いは、ダンサーはみなとてもよかったとのことです。ガラのローズアダージオでポアントが落ちてしまったヴェロニカ・パルトも、初演ではさすがにミスなしで美しく踊りきったようですし、エルマン・コルネホの青い鳥などは、悪いわけがない。今シーズン復活したイーサン・スティーフェル、ジュリー・ケントの降板に伴いピンチヒッターで登場したジリアン・マーフィ、さらにはアンヘル・コレーラなども素晴らしかったようです。

せっかくの新制作ですから、あと2,3年は使うんでしょうけどね。とりあえず、まだ観ていないのでこれ以上は何もいえません。これだけボロカスに書かれているのを読んでから観れば、「意外といいじゃない」と思うことがあるかもしれませんね。

2007/06/05

6/2 NBAバレエ団「トゥール・ヴィヨン公演」

うちの教室で連れ立っていくことになった公演。

安達哲治振付:「カレイドスコープ」
トッド・アレン振付:「ディメンションズ」
トワイラ・サープ振付:「ナイン・シナトラ・ソングス」

「カレイドスコープ」 原島里会、猪俣陽子、ヤロスラフ・サレンコ、秋元康臣
雰囲気としてはバランシンの「シンフォニー・コンチェルタンテ」あたりを少し意識した感じの、20分程度のアブストラクト・バレエ。女性コール・ドたちの白いチュチュが華やかでとても美しい。1階席だったのでフォーメーションはちょっとわかりにくい。こういう作品は上の階から見たほうが多分面白いんだろうなと思った。コール・ドはよく揃っていてきれいなのだけど、足音が大きめ。4組のコリフェの、男性ダンサーが今ひとつ。タイミングが少々ずれすぎなのではないかしら。キレもないし。一方、男性ソリスト二人はなかなか上手い。2005年モスクワ国際コンクール金賞のサレンコがうまいのは当然だと思うけど、秋元康臣がダイナミックな超絶技巧の跳躍を見せてくれた。女性ソリストふたりもまずまずの出来。

「ディメンションズ」
打って変わってこちらは、コンテンポラリー作品。四角い枠を持って踊るというなかなか面白い仕掛けがある。男性ダンサーが女性をサポートしたりリフトしたり。180度に開脚した女性をさかさまにリフトするという振付が多かった。振付は面白かったけど、コンテンポラリー慣れしていないダンサーが多いように見受けられた。大柄なヴィクトル・コスタコフが力持ちな感じで、存在感があった。彼は元ダンチェンコのダンサーなのね。NBAバレエ団のロシア人ダンサーはなかなか立派な経歴の人が多い。

「ナイン・シナトラ・ソングス」
ミハイル・バリシニコフとエレイン・クドーの名演が映像化されている逸品。この作品を二人のダンサーのためにアレンジした「シナトラ組曲」は去年の秋に、ABTで観ている(マルセロ・ゴメスとルチアーナ・パリス)。

シナトラの名曲に乗せて、7組の男女がバレエ風味のソシアル・ダンスを華麗に踊る趣向。 「マイ・ウェイ」が2回使われるため、実質的には8曲。Strangers in the Night, All the Way, That's Life, My Way, One For My Baby (And One More for the Road), Softly As I Leave You, Something Stupid, Forget Domani。

黒いドレスをまとった鷹栖千香さんが大人のエスプリを振りまいていて、圧倒的に魅力的だった。他の女性ダンサーたちがどうしてもバレエ的なダンスになってしまうところ、ちゃんとミュージカル風に踊っている。鷹栖さんは元劇団四季の団員だというのもあると思うのだけど、ただ踊るだけでなく、ストーリー性を持って歌うように、しかも小悪魔のように甘く魅惑的にダンスしているのだ。この演目は、女性ダンサーがみなハイヒールを履いて踊らなくてはならず、そのためステップでどうしてももたついたり、パートナーシップに問題が起きている人が多かった。雰囲気で酔える素敵な演目なんだけど、もたつくとせっかくの酔いが醒めてしまう。リフトやアラベスクなどバレエ的は部分はみんなとてもきれいなのだけど。男性ダンサーは、秋元康臣さん以外はみな外国人。女性ダンサーとの身長のバランスや、都会的なスマートさを出すには外国人のほうが効果的なのは確かだ。が、NBAバレエ団の看板ダンサーであるサボチェンコが出ていなかったのがすごく残念。去年の秋のマルセロは改めて素敵だった、と実感。

それでもやっぱり、「ナイン・シナトラ・ソングス」観られて良かった。後でまた、家にあるミーシャの映像を再確認しようと。こういうミックスプロ的な試みは、ほかのバレエ団がやってもいいんじゃないかと思う。いろいろな冒険もできるし、良い趣向の公演だったと思う。

トワイラ・サープの公式サイトを見ると、彼女の作品の上演予定がカレンダーになっていて、ちゃんとNBAバレエ団の記述もある。いかに世界中で上演されているかがよくわかって面白い。今年の10月の予定を見ると、
BAKER'S DOZEN: American Ballet Theatre, NYC.
SINATRA SUITE: American Ballet Theatre, NYC.
となっているので、ABTのシティ・センターシーズンにはこの2作品が上演されることが判明した。

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2007/06/04

「猥談」岩井志麻子

映画評論家のT師匠にお勧めされて、本を買った。しかし、そのT本師匠ですら、本屋で買うときに恥ずかしくて、一緒に「ローズ・イン・タイドランド」の原作本も買うという、まるでAVをレンタルビデオ店で借りる時のような行動をされたという。

その本とは、ずばり「猥談」である。しかも、かの岩井志麻子女史の対談集なのだ。

そういうわけで、私も書店で買う勇気がなくて、アマゾンで、ABTのカレンダーと一緒に買った。が、ひとつ落とし穴があって、アマゾンで買うとカバーがついてこないのだ。私は本はほとんど通勤の電車やバスの中で読むのに、これでは読めないではないか。。結局、立っているときは題名が見えるので読まなかったけど、座れたら、どうせそこまで覗き込む人もいないだろうと思ってそのまま読んでいたわけだが。

それにしても、岩井志麻子というのはすごいお方だ。
たとえばこの水道橋博士のサイトを読んで、死ぬほど笑ってしまった。ここまでエロい人を極めると、爽快ですらある。

http://blog.mf-davinci.com/suidobashi/archives/2005/01/post_3.html

実は私、岩井志麻子は「ぼっけえ、ぎょうてえ」しか読んでいないし、これを三池崇史がアメリカで映画化したものの過激すぎて放映できなかったというオチがついた「インプリント」も見逃してしまったのだが。

対談相手はとっても豪華で、野坂昭如、花村萬月、そしてこの本が出た後に亡くなられてしまった久世光彦である。

野坂さんはさすがに「エロ事師たち」を出しているだけあって、エロ話の達人である。すごいね~ヤギとかいろいろ出てくるんだもの。「指に始まって指に終わる」んだそうな。そして岩井志麻子は負けず劣らず、すごい経験談を語っておられる。ハメたままの原稿書きとか、ね。ところが、こういうエロ話って、全然いやらしく感じなくて、笑えてしまうのだよね。マルキ・ド・サドの「ソドムの百二十日」などを読んだ時と同じような感覚かな。お天道様の下に出たとたん、隠微さが消えてなんだかあっけらかんとしている。それに、岩井志麻子はエロいおばさん、というのを自分のキャラにして売っているところもあるからね。

花村萬月も、この間見た映画「ゲルマニウムの夜」に見られるような強烈な世界観を持った方だけど、いろいろとすごすぎる経験をしているのに、なぜか人の良さや優しさが伝わってくるからいいなあと思う。情の深い人なんだな。二人で散々朝日新聞の悪口を言っておきながら、実はこの本は朝日新聞社から出ているというのも笑える。「魔羅道」とか広告に載せられないようなタイトルの本が多いしね~。そして二人で性病自慢。

久世光彦は、ものすごく頭の良い人と思った。岩井志麻子の、キャラクターを作っている部分を見事に見抜いている。それに対して、彼女が「私は今ファーストクラスに乗っているけど、いつフライトアテンダントが「お客様の席はここではなくて」って言い出さないかとびくびくしている、なんて正直に告白しているから、彼女も実はいい人なのかもしれない、なんて思ったり。うんと年をとった彼女がどんな本を書くか楽しみだといいつつ、「岩井さんが70歳になるまでは僕も生きていないから」って言ったら、本当にすぐに亡くなられてしまって...。ちょっと切なかった。

新潮45の中瀬ゆかり編集長によるあとがきも秀逸。

そういうわけで、読後感はかなり爽やか。こういうパワフルな人たちがいると思うと、世の中悪くないなあ、なんて思ってしまったのであった。まさに性は生である。

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2007/06/03

バリシニコフがマッツ・エックの新作に出演

あのミハエル・バリシニコフが、マッツ・エックが彼とアナ・ラグーナのために作った新作を踊るとのことです。

http://www.dansenshus.se/templates/Project____1045.aspx
(スウェーデン語です)

スウェーデン語の記事を自動翻訳したので、どこまで正しい理解をしているか難しいところですが、8月27日がプレミアで、30日まで上演されるとのこと。場所はストックホルムのDansen Hus (Dance House)。上演時間60分の作品だそうです。

マッツ・エックとミーシャという組み合わせは意外ですね。しかもエックのミューズ、アナ・ラグーナとデュエットを踊るということですごい舞台になりそうです。スウェーデンでは大きな話題になっているようで、新聞記事がたくさん出ています。

http://www.hs.fi/kulttuuri/artikkeli/Tanssijat%C3%A4hti+Mikhail+Baryshnikov+palaa+lavalle/1135227593385?ref=rss

同時上演として、イリ・キリアンの「カルメン」の映像が上映されるということだそうです。

2007/06/02

日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007

2006年はショスタコーヴィチの生誕100周年を記念して、ショスタコーヴィチのコンサートがたくさん開催されましたが、今年は、「日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007」という素晴らしい企画があります。先日、ショスタコーヴィチの盟友であったロストロポーヴィチも亡くなられたこと、そしてロシア文化フェスティバル開催年ということもあり、今年もショスタコーヴィチが盛り上がりそうです。

日本ショスタキーヴィチ協会会長の指揮者・井上道義氏が贈るプロジェクトです。井上さんのブログで詳細な案内があります。

会場の日比谷公会堂は1929年建設の現存する唯一の戦前からのレトロな大ホールで、そこでは7曲のショスタコの初演が行われました、と上記井上道義さんのブログにあります。サンクトペテルブルグ交響楽団の演奏もあって3000円とは破格です。見逃せませんね。

【本公演】会場:日比谷公会堂/指揮:井上道義(全公演)

■2007年11月3日(土・祝)
交響曲第1番、第2番「10月革命に捧ぐ」、第3番「メーデー」
管弦楽:サンクトペテルブルク交響楽団

■2007年11月4日(日)
交響曲第5番「革命」、第6番
管弦楽:サンクトペテルブルク交響楽団

■2007年11月10日(土)
交響曲第7番「レニングラード」
管弦楽:サンクトペテルブルク交響楽団

■2007年11月11日(日)
交響曲第10番、第13番「バビ・ヤール」
バス:セルゲイ・アレクサーシキン
管弦楽:サンクトペテルブルク交響楽団

■2007年11月18日(日)
交響曲第9番、第14番「死者の歌」
ソプラノ:アナ・シャフスキンスカヤ
バス:セルゲイ・アレクサーシキン
管弦楽:広島交響楽団

■2007年12月1日(土)
交響曲第4番
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

■2007年12月5日(水)
交響曲第11番「1905年」、第12番「1917年」
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

■2007年12月9日(日)
交響曲第8番、第15番
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団


ショスタコーヴィチといえば、彼のバレエ音楽「ボルト」にラトマンスキーが振付け、ボリショイ・バレエによって上演されたバレエ「ボルト」がDVD化されました。アンドレイ・メルクリエフ、岩田守弘、アナスタシア・ヤツェンコが出演しているとのことで、これは楽しみですね。6月12日発売予定だそうです。

Bolt (Ac3 Dol Dts)Bolt (Ac3 Dol Dts)
Shostakovich Bolshoi Ballet Sorokin

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この企画はロシア文化フェスティバルに参加しているわけではないのですが、同フェスのサイトを見たとこと、バレエ関係の催しが多くあるのがわかります。

「ロシアバレエのスターたち」アーティストの公演 
ボリショイ劇場およびマリインスキー劇場のアーティストが参加。
8月30日・31日・9月1日・2日 東京・新国立劇場
(ジャパンアーツと日本組織委員会)
おなじみの公演ですね。

国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ
10月15日-11月東京ほか15都市(アルス東京
これは知りませんでした。去年も来日したカンパニーかしら?

舞台芸術の世界-ティアギレフのロシアバレエと舞台デザイン
(アートインプレッション)
4月17日-5月27日釧路芸術館 6月9日-7月16日京都国立近代美術館7月26日-9月17日東京庭園美術館 9月29日-10月28日青森県立美術館
マラーホフのニジンスキーのセット券を買った人には、庭園美術館での本展覧会の入場券がプレゼントされるそうです。

スタニフラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場バレエ(キョードー東京
12月21日-29日 東京国際フォーラム・ホールC
詳細の発表が待たれますね。

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