ワガノワバレエ学校のすべて・サンクトペテルブルクの天使たち
病院の検査で渋谷に行った帰りに、チャコットに立ち寄り、思わず「サンクトペテルブルクの天使たち」のDVDを買ってしまう。VHSで出ていたのが、最近DVD化されたのだ。新書館のDVDにしては安めの3990円。ちょうど昨日発売になったダンスマガジンの最新号がDVD特集で、このDVDも売れ筋として紹介されていた。午後から友達数人を呼んでバレエ映像を観ようってことになっていたから、ちょうど良いと思って購入。
このDVDの目玉はなんといってもウリヤーナ・ロパートキナのワガノワ在籍時に収録された、ノイマイヤー振付の「パヴロワとチェケッティ」。去年のマリインスキー来日公演のガラで上演された演目。ロパートキナが初々しく、少し幼さを残していてとても可愛い。パフスリーブの白いチュチュ、長い首筋には黒いリボンがチョーカーのように巻かれている。今の彼女のような完成度はさすがにないけれども、優雅で音にぴったり合った動きは美しいの一言。おそらく18歳頃ではないかと思われるんだけど、その時点でこれだけ大人っぽく、大バレリーナの表現を体現しているのがすごい。チェケッティ役のヴァレンティン・アノーシカは、さすがにイーゴリ・コルプの怪しさはないので、先日の公演での緊張感はあまりないのだけど、ラストに紫のショールをロパートキナに巻くところはぞくぞくした。
また、ロパートキナの91年の卒業公演「ラ・バヤデール」での影の王国のヴァリエーションも見られる。ヴェールを持った難しい踊りは、完璧には踊れてはいないものの、やっぱり端正で透明感があり、今のロパートキナが踊るニキヤが観たい!と思ったのだった。
同じ年の卒業公演の映像では、マールイで活躍中(よくドン・キのキューピッドや眠りの白猫を踊っている)のヴィクトリア・シシコワがキトリを踊っていた。
伝説の名教師ナタリヤ・ドゥシンスカヤがワガノワを紹介するという趣向のこの映像。ドゥシンスカヤがセルゲイエフと踊る「白鳥の湖」の黒鳥のPDDも納められているけど、ドゥシンスカヤの黒鳥も素晴らしい。昔の人なのでさすがに体型的には今の人とは比べ物にはならないものの、テクニック、表現力がすごい。
ロパートキナのリハーサル中の映像もふんだんに見られるのだけど、当時から突出した存在であることが見て取れる。腕も脚もとても長いし、人一倍優美で、音への合わせ方が抜群。ドゥシンスカヤが彼女を指導する様子もたくさん見ることができるし、この当時の彼女の映像は本当に貴重だといえる。ロパートキナファンは必見。
新書館のDVDは、アマゾンや楽天で扱っていないのがちょっと不便なのですよね。フェアリーの購入ページはこちらです。
78分、カラー(一部白黒)
1992年、日本語字幕
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