ABT、METシーズンオープニングガラ
5月15日はABTのMETシーズンオープニングガラでした。
詳しくはいちぞーさんの「やめられないのよ、追っかけは」にレポートがあるのでお読み下さい。
Ballet Talkへの書き込みを読むと、いろいろなことが起きたようです。
オープニングのバヤデールの影の王国はやはり揃っていなかったようです。
それから最大の悲劇は、眠れる森の美女のローズアダージオで、オーロラ役のヴェロニカ・パルトが大失敗。ポアントが落ちてしまいそれ以降もバランスを保てなくなってしまったようです。パルトは新振付の眠りの初日に抜擢され、プリンシパル昇格も囁かれていたのに大丈夫なんでしょうか?
絶世の美女だしワガノワ育ちでラインが美しく、叙情的なバレリーナなので応援しているのですが、降板にならないか心配です。
また同じくオーロラを踊ったヴィシニョーワも大不調で、カーテンコールに出てこなかったそうです。
嬉しいニュースはニーナ・アナニアシヴィリの復活。アンヘル・コレーラ相手に素晴らしい黒鳥を踊ったとのこと。
今年引退のフェリはマルセロ・ゴメス相手にオテロを踊り、女優ぶりを発揮。まだまだ踊れるのに、と惜しむ声が多かったようです。八月の東京での引退公演にはマルセロも出演予定なので、この演目を踊ってくれるのでしょうか。悪役が良く似合うマルセロとともに、ドラマティックで濃厚な世界を作り上げていたそうです。観たい!
さらに、METでのロミオデビューを飾ったエルマン・コルネホのバルコニーシーンも、若々しく情熱的で素晴らしかったようですね。ジュリエット役に定評のあるシオマラ・レイエスとの組み合わせは、フレッシュで胸をひりつかせるものだったに違いありません。
ソリストのステラ・アブレラは、パートナーのサシャ・ラデツキーとともに、超絶技巧のスターピアニスト、ラン・ランの演奏に乗せて見事な踊りを見せ、そのシャープな美しさで観客を魅了したそうです。アジア系美女のステラも、プリンシパル候補の一人ですね。
新しい役を得て成長していくダンサーもいれば、表舞台から去って行く人もいる。きっと新旧交代の風が感じられたことでしょう。
死ぬまでに一度は、このゴージャスなガラを体験したいものです。
追記:New York Timesの記事(ログイン必要)。ロンドンから移ってきたアレイスター・マコーリー氏による批評はなかなか辛辣です。ステラ・アブレラの写真が美しいです。
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コメント
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急にアクセス数が増えたと思ったら、こちらで紹介されていたのですね。(笑)
いつもありがとうございます。
パールトの件、書こうかどうか迷った挙げ句、やめておきました。多分今の彼女にはものすご〜いプレッシャーが掛っているに違いなく、何となく気が引けてしまったのです。
ヴィシニョーワの件は不思議に思っていたのですが、体調不良だったのですね。最後はイブニングに着替えて登場していたのですが、あれも無理をしていたのかもしれませんね。
投稿: いちぞー | 2007/05/16 13:25
いちぞーさん、こんばんは。
レポをありがとうございます。
ヴェロニカについては、Ballet Talkなどで相当ボロクソに書かれて気の毒なほどでした。
日本にいる身としては、一昨年の来日公演のライモンダで、ニーナの代役として登場し、3幕のヴァリエーションで派手に転んだり、ドン・キの森の女王でポアントが落ちてしまったことも思い出されてしまいます。そのときも相当いろいろ言われていたような気が・・・。
たしかに彼女は非常に人気があり期待されていますし、新作眠りの初演キャストということで物凄いプレッシャーがかかっているので、大変ですよね。プリンシパル昇進のまたとないチャンスなわけで。
ローズアダージオについては、実際のところ4人の王子の役割も大きく、経験の浅いダンサーに躍らせているところに問題もあったようですね。
ぜひ、眠りの本番初演で名誉挽回をして欲しいものです。
投稿: naomi | 2007/05/17 01:18