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« 5/6 Soiree Matthew Bourne's Swan Lake | トップページ | 5/23 K-BALLET COMPANY「海賊」 »

2007/05/23

5/20 新国立劇場バレエ団「コッペリア」

【振付】ローラン・プティ

【音楽】レオ・ドリーブ
【振付指導】ルイジ・ボニーノ
【振付指導補佐】ジャン・フィリップ・アルノ
【舞台美術・衣裳】エツィオ・フリジェーリオ
【照明】ジャン=ミッシェル・デジレ

【指揮】デヴィッド・ガルフォース
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

スワニルダ:本島美和
フランツ:レオニード・サラファーノフ
コッペリウス:ルイジ・ボニーノ
スワニルダの友人:湯川麻美子/真忠久美子/厚木三杏/西川貴子/川村真樹/堀口 純

先週のラカッラ&ピエール組に続いてのプティ「コッペリア」。人間であることが信じられないくらいの、まさにお人形のような可愛さのラカッラの後だから、本島さんもなかなか大変だったと思う。

先週は2階で観ていたのだけど、この日は1階席の前方。位置によって感じ方もかなり変わっていく。細かい演技を見るには向いているけど、全体もやっぱり見たいので、違う位置から見られたのは良かった。スワルニダの友達たちの演技がとても楽しくて、観ている間なんとも幸せな気分になった。

本島さんはすごい美人なのに、舞台メークを見ると、素顔の方が可愛いと思ってしまった。「ジゼル」で主演した時もそう思ったけど、舞台メークでやや失敗している感じ。それでももちろん、とてもキレイなのだけどちょっとキツすぎたような。スタイルもいいほうだとは思うけど、10頭身で驚異的な小顔に細すぎるほどの手脚のラカッラの後では、やや人間的な感じに見えた。

2日前の公演でちょっと失敗があったと何人かの友人に聞いていた。だからか、本島さんはとても慎重に慎重に踊っていたと思う。スワルニダの振付は、音にあわせて歯切れ良く踊らなくてはいけないし、相当難しいと思われる。その難しいパを良くこなしていたと思う。片脚ポアントしながらプリエで前脚をアティチュードにアンレールするところも、バランスが良く取れていた。だけど、最初のヴァリエーションのピルエットで最後に軸が傾いてしまったのが残念。

役作りとしては、キツめの顔立ちに合わせて、ちょっと気の強そうなスワルニダになっていた。もちろん、すごく可愛いし、ふくれた顔も魅力的なのだけど。プティ独特の肩の動かし方とか、お尻フリフリしているのは頑張っているのはすごくわかるし、可愛いんだけど、プティらしいお洒落さというのを日本人が出すのって難しいなと思った次第。

<1幕>
今日のお友達軍団は、前半の公演と違って長身ベテラン組。かわいこちゃんたちは前半だったのでどうかな、と思っていたのだけど、さすが皆ベテランだけあって踊りも演技も非常にこなれている。照れないで腰ふりや肩を小刻みにぶるぶる動かしたりできるし、エスプリの出し方、可愛さも後半組の勝ち、と思った。若くてお顔が可愛いだけではダメで、バレエはやっぱりダンスだから演技力と技術によって魅力を出すものなのだなあ、と実感。コッペリウス博士の家に侵入したときの彼女たちの小芝居を観ているのも楽しかった。全員、ブラボーに値すると思う。

一方サラファーノフ。予想通りだけど、冒頭のタバコをふかしているシーンは全然似合ってなかった。童顔だし華奢なので、少年が慣れない手つきで無理して吸っているように見えちゃって。先週のシリル・ピエールが大人の伊達男だったのに対して、若い男の子が一生懸命粋がっている雰囲気。プティの小粋さを出すにはまだまだ早い。
去年のマリインスキー・バレエの来日公演での「エチュード」「グラン・パ・クラシック」「白鳥の湖」では、大変なテクニシャン振りを見せてくれたけど、今回も超絶技巧を連発。プレパレーションなしのトゥール・ザン・レール連続4回も難なくキメて、毎回キレイに5番に足が納まっていてつま先も美しい。ダイナミックなのだけど、ひたすら軽やかで体重をほとんど感じさせない、柔らかい踊りなので、テクニック一辺倒に見えないところがマリインスキーらしい。コッペリウス博士の家の壁をよじ登っていく時の、アラベスクの脚が良く伸びて、非常に美しかった。

しかし、本島さんとサラファーノフのパートナーシップは、なかなか上手くいっていない感じ。サラファーノフのサポートのタイミングはずれることが多かった。何よりも、1幕でフランツがコッペリアにちょっかいを出しつつも本質的にはスワニルダが好き、という愛情がなかなか見えてこなくて。やんちゃなところは魅力的だし、聞き分けのない年下の男の子のように見えてかわいいのだけど、愛が足りないよ。スワニルダの方は一生懸命フランツを自分に振り向かせようとしているんだけど、一方通行の片思いに見えてしまい、切なかった。ここでのフランツは単なる浮気者なのだ。

兵士たちのチャルダッシュは、非常にきれいに揃っていて見ごたえ十分。マイレンと中村誠さんの跳躍合戦も楽しかった。

<2幕>

面白かったのが、ボニーノ演じるコッペリウスの演技が先週とまるで違っているところ。なんかスワニルダ=コッペリアよりもむしろフランツを気に入っているように見えてしまった。一緒に踊るところもなんだか嬉しそうだし、彼のことばかり見ているし、気を失っているときにもおさわりしているし(笑)。人形のコッペリアと踊る時の人形の扱いも先週より相当雑になっていて、よりコミカル度が増して見えた。あれでは、コッペリアのことを愛しているようには見えないよ。いいのかな~。

本島さんは体型も動きも人間っぽいので、人形ぶりはラカッラには全然及ばなかったけど、人形の振りをするのをやめてコッペリウスを翻弄するところのイタズラっぽさは可愛らしくやんちゃで良かった。2幕でだいぶ硬さが取れたように見えた。裸にされてしまったコッペリア人形をコッペリウスの前に持っていくところの、ちょっと残酷なところ。逆に、人形を抱えて一人佇むコッペリウスを心配そうに見守る優しさ。この対比の演技がとてもよかったと思う。表情がくるくる変わって、大きな猫系の瞳の表現力もあり、とてもキュートで魅力的。

<3幕>
サラファーノフの超絶技巧が存分に発揮された。フランツというよりバジルみたい。マネージュの時の、まっすぐきれいに180度開いた脚。トゥール・ザン・レールの連続技。ほとんど地面に足がついていないんじゃないかと思えるほど。2日前の公演では、スワニルダをお姫様抱っこして、回転させながら放り投げてキャッチするところで、本島さんを落としてしまったとのことだったけど、この日は慎重にやっていたこともあって、危なげなかった。本島さんも踊りまくりのところでは非常に頑張っていて、音にも良く乗っていたのだけど、最後は乗りすぎてしまい、フェッテのときに大きく移動してしまってオーケストラピットに落ちてしまうのではないかというほどだった。本島さんのメイクはこの3幕のときが一番薄くて可愛かったと思う。

全体的には元気と勢いがあって、幸福感を感じられる3幕なので良かったと思う。それだけに、壊れたコッペリア人形を抱えたコッペリウスの哀れさと孤独感が引き立っていた。

先週見たときには、古典版のコッペリアと比べて華やかさやキャラクターダンスが少なくて物足りないかな、と思ったのだけど、2回目を見ると、踊りの量は非常に多いし、スワニルダのとても可愛い振付や、ちょっと変態入っている紳士コッペリウスの怪演ぶりなど、見所はたくさんあって楽しい演目だと認識を新たに。プティが演じるコッペリウスを観るのはさすがにもはやかなわない夢と思うけど、お洒落なだけにとどまらない素敵な作品なので機会があればまた観たい。本島さんも、フェッテやピルエットの不安定さが解消されれば、かなりいい線行っているので、さらに上を目指して頑張って欲しいところ。

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