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« パース三日目―またトラブル発生 | トップページ | 5/5 Matthew Bourne's Swan Lake »

2007/05/15

5/13 新国立劇場バレエ団「コッペリア」

振付: ローラン・プティ
音楽: レオ・ドリーブ
振付指導: ルイジ・ボニーノ
振付指導補佐: ジャン・フィリップ・アルノ
舞台美術・衣装: エツィオ・フリジェーリオ
照明: ジャン=ミッシェル・デジレ

スワニルダ: ルシア・ラッカラ
フランツ: シリル・ピエール
コッペリウス: ルイジ・ボニーノ
スワニルダの友人: 遠藤睦子、さいとう美帆、西山裕子、寺島まゆみ、丸尾孝子、寺田亜沙子

プティ版のコッペリアを見るのは初めて。プティパのものとはずいぶん違った演出なのね>当たり前です。

もうなんと言ってもラカッラに尽きる!ガラ公演などで何回も観ているものの、実は全幕主演を観るのは初めて。さすが今のプティのミューズだけあって、ほんとっ魅力的この上ない。あの百万ドルの脚線美に加えて、小さな顔の10頭身。まるでヘップバーンのようなおしゃれな可愛らしさ、コケットリー。ここまで輝いている彼女を見るのは初めてだった。身体能力は当然素晴らしいし、しなる長い脚、見事な甲、驚くばかりの柔らかい背中。テクニックも完璧で、2幕の、足が地面についていることがほとんどないんじゃないかという複雑なパを、音に気持ちよく乗せているし、アラベスクの形も美しい。無駄な動きがまったくなくて、クリーンで磨きぬかれた踊りを見せてくれた。お尻フリフリ踊るところは犯罪的に可愛い。心変わりしそうになっている恋人に対してすねてみたり、だだをこねたりするところ、コッペリウス博士を翻弄するところと一挙一動、それにくるくる変わる表情、、やばすぎるくらい可愛い。

1幕のピンクのフリフリしたチュチュも、2幕のコッペリアの黒いファッショナブルなチュチュも、見事に着こなしているラカッラ。今回の衣装はとても素敵。白鳥のチュチュを着ると、あまりにも細すぎるためにちょっと貧弱な感じがしなくもないのだけど、衣装というよりはモードって感じの衣装だと、モデルばりのプロポーションの美しさが際立つ。その上、握りこぶしくらいしかなさそうな小さな顔に黒い大きな瞳だから、ずるい!と思っちゃうくらい愛らしい。こんなに可愛いスワニルダという恋人があるのに、どうして人形のコッペリアにフランツは恋してしまうの、と思うのだけどプティ版の「コッペリア」は、コッペリウスがスワニルダに恋しているため、コッペリアをスワニルダそっくりに作ってしまったという設定なのだ。このあたりの設定はよく考えたものだ。

コッペリウスがほとんど主役という風に説明されることが多い版なのだけど、思ったほどコッペリウスは活躍しない。もちろん物語のキーとなる重要な存在であり、最後のほうでコッペリア人形がばらばらになって、コッペリウスの夢も砕け散るという物悲しい幕切れがあるわけだけど。ルイジ・ボニーノ演じるコッペリウスが、人形のコッペリアとダンスを繰り広げるところは、ちょっと倒錯的だけどとても楽しいシーン。人形相手に巧みに踊るボニーノはさすがに器用だわ、と思ったけど、思ったほどダンディでもなければ、哀感も漂わせていなくて、ちょっと演技が薄いかな、と思ってしまった。
もちろん、一人でシャンパンを嗜んだり、フランツに魔法をかけたりと言ったところのマイムは非常に達者である。

フランツ役のシリル・ピエールは地味。ルグリをもっと若くした感じでルックスもいいし、テクニックは十分あるし、さすがに愛があるからサポートは上手いのだけど、トゥール・ザン・レールの着地がどうにも雑なのには困ったものだった。でもラカッラの引き立て役にはこれ以上の人はいないから、これでいいのでしょう。

スワニルダのお友達ということで、6人の女性ダンサーたちがラカッラと一緒に踊る。ラカッラに動きをよくあわせており揃っているし、みんな上手なのだけど、洒脱な感じを出すのって難しいんだな、と思ってしまう部分も。寺島まゆみさんが特にきれいだった。兵隊たちでは、やはりマイレンが目立っていた。一人派手なピルエットを決めたり、脇で女の子たちに濃い小芝居をしていたり、彼は上手なだけでなく最近では面白いキャラクターを発揮するようになってきた。

演出面では、コッペリウスという存在にスポットライトをあて、マッドサイエンティストではあるものの、タキシードを着こなした粋な老人で、奇術師的なおしゃれな人ではある。だけど人形を通してスワニルダを愛しているという、歪んだ異形愛の老人の哀しみを浮かび上がらせようとしたのだという演出意図がある。その解釈はなかなか危なくて魅力的なのだけど、洒脱さと狂気を同時に表現することの難しさを感じてしまった。スタイリッシュさが勝りすぎて、なんとも薄味なのだ。変態ならもっと変態っぽさを見せて欲しかった。コッペリウスの部屋で、人形たちのばらばらの部品が棚に入っているところはかなり好きだけど。

それと、コッペリアはやっぱりコッペリウスの部屋で人形たちが動き出すという設定がないと物足りない。プティ版だと、ソリストの踊りがまったくなく、スワニルダ、フランツ、コッペリウスしか主要な登場人物がおらず、それ以外に踊るのはスワニルダの友達と兵士たち、町の娘たちだけなので、踊りのボリュームが少ない感じがある。ソリストによるソロが2,3つ入っていてもいいんじゃないかなって、ここで言ってもプティが読むわけではないので仕方ないが。兵士たちによるチャルダッシュは、新国立劇場の男性ダンサーたちの実力を見せてくれた。

いろいろと文句は書いているけど、ラカッラの半端じゃない可愛らしさと、ダンサーとしての素晴らしさを堪能できたから、満足度はとても高かった。それに新国立劇場は衣装がいつも美しいし、オーケストラの演奏も良いから総合芸術としてレベルが高くて贅沢な気分になれる。来週は本島さんとサラファーノフで観るので、こちらも楽しみ。

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コメント

こんにちわ。
日曜日はまたまたご一緒だったようですね。
私もラカッラの全幕は初めてでしたが、その魅力にノックアウトされました。
コッペリウスは長身で痩躯というイメージでしたので、ボニーノは上手いと思いながらも・・・でした。
ウチは初日だけですが、日本人キャストでも観たいなぁと思いました。
本島さんのレポも楽しみにしています。

Fさん、こんばんは。
ご一緒だったんですね!ほぼソールドアウトでホワイエも混雑していたので、会えなかった知り合いもいました。ラカッラを見ただけで十分おつりが来るほどでしたね。女性から見ても本当に可愛いな~と思うほどだから、男性だったらますますノックアウトされるほどの、キュートな魅力全開でしたね♪

本島さんがどんな役作りをしてくれるかが楽しみです。

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