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« 4/10 東京バレエ団「白鳥の湖」(セミオノワ&フォーゲル) | トップページ | 田中好道氏死去/「カーテンコールのこちら側」高円宮殿下 »

2007/04/13

4/10 東京バレエ団「白鳥の湖」(セミオノワ&フォーゲル)その2

<4幕(3幕)>
4幕は、3幕の余韻も残していて、なかなかいい感じだった。東京バレエ団のゴールスキー版「白鳥の湖」の良いところは、4幕が比較的コンパクトで、しかも王子とロットバルトが本気になって戦うというところ。フォーゲルはここでスイッチが入ったのか、とても鋭くて高いジュッテやアントルラッセを見せてくれて、なんだか急にかっこよくなってしまった。たまに素に戻っちゃったりしているけど。さらに、ポリーナのオデットも、なぜかここで急に儚くおしとやかな白鳥に変身。泣いているマイムを見せたり、抱きしめてあげたくなってしまうほどだけど、そこでもなお色っぽいところがポリーナ。
木村さんとフォーゲルの対決はそういうわけで、なかなかの迫力。ついに翼をもぎ取って大勝利。ポリーナのオデットも、2幕(1幕1場)からこれくらい儚げで繊細だったらもっと良かったのにとつい思ってしまった。だけども、何しろポリーナは素材が素晴らしいし、まだまだ若いので成長の余地はいくらでもあるでしょうし、今後に大きな期待は持てることでしょう。


ポリーナとフリーデマンは若くピチピチしたかわいいカップル!技術のレベルはポリーナが断然上なのだけど、見た目のバランスは良く取れているし、青春ラブラブ白鳥の湖という新しい演目としてみればとても面白い。カーテンコールでもラブラブが持続していて、唇チューまでしちゃうほど。実にスウィートで見目麗しいふたりが微笑ましかったです。

******

<東京バレエ団編>

かなり辛口なことは書きますが、ほとんどの問題は、色あせてしまった上センスが最悪の衣装と、ゴールスキー版のどうしようもない振付なので、ダンサーに罪はほとんどありません。

東京バレエ団の「白鳥の湖」といえば、チーム・スペインによる3幕のスペインがひとつの看板。木村さんがロットバルトだったので代わりに入ったのが平野さん。大島さんが抜けた穴は今日は田中さん。なんといっても井脇お姉さまのメリハリの利いたかっこよくセクシーな女っぷりと、驚愕の背中の反り。扇子の先が毎回床につくほどである。田中さんもなかなか良かったけど、さすがに熟練の井脇さんにはまだ太刀打ちできない。男性陣のほうは、平野さんが素敵なのでずっと平野さんばかり見てしまった。動きがすごくシャープでダイナミック。つま先がきれいだし跳躍も美しい。後藤さんはちょっとパの切れが悪かったような。しかし何度観ても、オディールが走り去った後に間髪なく始まるスペインの踊りにはゾクゾクする。これを観るためにずっと我慢してきたようなもの。

次にロットバルトの木村さん。なぜか私が今まで観てきた「白鳥」では、ロットバルトは毎回高岸さんだったので、初めての木村ロットバルトだった。木村さん、調子が良かったみたいで相変わらずふわっと浮かび上がるジュッテと美しい脚、つま先が健在。翼のはためかせ方も綺麗。が、衣装が黒っぽい上照明が暗いので、せっかくの美脚が拝めないのが少し残念。あと、木村さんは決して背が低い方ではなくむしろ高い方なのだけど、身長190cmのフリーデマンややはり長身のポリーナと並ぶとさすがに少し迫力負けしてしまう。それでも、最後の対決シーンはすごく迫力があって良かった。

だが、誰もが突っ込みを入れるであろう3幕のロットバルトの衣装!ほとんどお仕置きというかイジメに近い。黒鳥のアップリケは前から有名だったけど、木村ヴァージョンともなると、トナカイのような鉄製兜ですよ。おかげで顔が全然見えない。ロットバルトの表情もひとつの見ものなのに。ポリーナやフリーデマンも、よくアレをみて「ぷ」と笑わなかったものだわ。誰がいったいこんな悪趣味な衣装を考えたのでしょうか。

この日はセカンドキャスト。当然ファーストキャストが見たかったのだが、仕事やお稽古の都合でこの日になってしまったのだ。3日間とも平日はかなりつらい。

今回ソリストに昇格した松下さんが、この日の道化。東京バレエ団の道化といえば大嶋さんというイメージが強かったこともあるけど、正直言ってかなりがっかりさせられたパフォーマンスだった。跳躍は高い方だと思うけど、見せ場であるピルエット・アンドォール、足先がすっかりフレックスになっているし膝は曲がっているし、どんどん脚が下がってきてしまうし・・・。技術的に、はなはだ心許ない。愛嬌はあるのでキャラクターとしては道化に向いているのだけど、とてもソリストの踊りとはいえない。今まで観た白鳥の道化の中で最もレベルが低い。道化としての哀しみを見せてくれて、なおかつ端正な大嶋さんで見たかった。

パ・ド・トロワは3人とも良かったと思う。古川さんはやっぱり跳躍が素晴らしいし、高村さんも佐伯さんもとても可愛らしいし踊りは軽やか。高村さんはフリーデマンとからむところがあるのだけど、小柄なのでちょっと大変そうだった。残念なのは、このトロワの振付にまったく魅力がないところ。特に女性二人のパート、この曲にあのアシメントリーな振付はあわないでしょう?せっかく二人とも素敵なのにもったいない。

キャラクターダンスは、スペインが素晴らしいのは前述の通り。チャルダッシュの大嶋さんは、ブーツの中でもきれいにつま先が伸びているのがよくわかって、やっぱり端正で素敵。ナポリは佐伯さんがここでもとても可愛らしかった。マズルカは、気合が入りまくりでダイナミックな中島さんに自然に視線が行く。新プリンシパルの大嶋・中島がこんな小さな役のみなんて、いくらセカンドキャストの日とは言えもったいない!民族衣装のデザインも悪趣味で、特にマズルカはへんな甲冑みたいでなんとかして、と思ってしまった。

ゴールスキー版の良いところその3は、他の版ではあまり踊らない花嫁候補が、華やかにたくさん踊ってくれること。きれいどころが揃っていて、みなとてもよかった。最初に美しいジュッテを見せてくれた西村さんは相変わらず鷹揚で温かみがあって素敵。次に踊った小出さんも端正だし、このパートは良いダンサーをそろえている。

*******

そして問題の、白鳥のコール・ド。揃っているとか揃っていないとかそれ以前に、一人一人がバラバラの振付なので「白鳥の湖」の整然とした幽玄な美しさというものがまったく味わえない、最悪な振付。しかもアダージオのときにも動き回っていたりして、邪魔なことこの上ない。足音はうるさいし。揃っていなければならないところは、きれいに揃っていたのはさすがだと思うし、上半身がきれいな人は多いのだけど・・・。
大きな三羽の白鳥は、悪くなかったと思うけど、この振付では魅力を発揮できなくて残念。問題は小さな四羽の白鳥で、ここの出来は残念ながら非常に悪かったと思う。4人で踊っているとは思えないほどの足音の大きさ。一人が音に乗り遅れており、さらにポアントが落ちたり足を引っ張っていた。発表会以下のレベルかもしれない。新しい団員がたくさん入っていて、十分トレーニングできなかったのだろうか。いくらセカンドキャストでも、ここも見せ場のひとつなのだからもう少し上手な人を使ってほしい。

それと、一番最悪だったのはこの日の演奏である。ひさびさにひどいオケを聴いたと思った。テンポが異様にゆっくりで眠くなりそうだった。大事なところで音は外すし、調子はずれになることもしばしば。オディールのグランフェッテのテンポは異常に早くて、ポリーナがとても踊りにくそうだった。

*****

東京バレエ団はとてもいいバレエ団だと思うし、特にプリンシパルやソリストはみな個性があって素晴らしく、国内ではトップレベルだ。しかし古色蒼然とした衣装や装置、時代遅れでセンスの悪い演出、低レベルのオーケストラ、これらを改善していかないと、せっかくの素晴らしいダンサーたちが気の毒である。バレエは総合芸術であり、もちろん一番重要なのはダンサーなのであるが、彼らの魅力を生かすためには、それ以外のものも良いものにしていかなければならないと思う。そのためには、チケット代を少々高くしてもかまわないと私は思う。

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