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2007年3月

2007/03/29

San Fransisco and San Diego

I arrived in San Fransisco on Saturday morning and then to San Diego on Sunday Afternoon.

A kind friend took me to ballet. San Fransisco Ballet is a very good company ant the program was very enjoyable. Eden/Eden, the new work from Wayne McGregor was brilliant. It is a little bit like Forsythe, but very aggresive and sensual. The theme was about cloning and the music was by Steve Reigh. And in a different program Chin Lin, which was Chinese inspired, Yuan Yuan Tan was marvellous! She was beautiful, sweet, technical and had so much charisma. The very delicate lines of her was so impressive. The male dancers are very handsome. Many Spanish and Cuban Dancers. I look forward to see her this summer. And the Opera House, War Memorial Hall was so gorgeus and beautiful.

I stayed at my old friend Maribel's home in Richmond and it was so nice. We cooked some Thai Curry vegiterian style. The dogs Gia and Pepe are so cute. Maribel's husband Les' artwork are wonderful.

In San Diego, Thai cuisine and Indian cuisine was very good, the restaurant was chic and the price was not expensive. San Diego restaurants are all very good.

In the evening of the convention we had a session with a genius mathmatician and it was really fun. A magical mathematician is a man called the world's fastest calculator and can do very complex calculations in unbelievable speed. He is also a magician and he can perform magic too. He was really funny. He does his magic shows in Los Angeles and also is a professor of mathmatics.
This convention called ETech is a convention for geeks(=computer Otaku). They sit on the floor of Grand Hyatt with laptop computers on their lap. They mash up sites at once. Even though it is quite cold they only wear a T-shirt. They are quite plump and some wear scottish quilt skirts. Very geeky. Many of them are hackers.

I had free time at night so I went to the movies- A love comedy called Music and Lyrics by Hugh Grant and Drew Barrymore. Hugh Grant was a pop idol in the 80's but he was forgotten till one day a top star asked him to write a song for her. But he had not written songs for a decade. He met this girl Drew Barrymore who can write lyrics but had a sad secret. The 80's pop idol look of Hugh Grant was so funny and it was a good movie.

In the morning I made some free time and went to Balboa Park. It is a huge park with the world famous San Diego Zoo and many museums. I did not have time to go to the zoo- only one hour there so I went to the Museum of Art instead. The park was full with many exotic beautiful buildings.

As there was not so many time I could only the the special exhibtion- Photography of the famous photographer Annie Leebovitz. This exhibiiton was really great- I always admired her work. Many photos of celebrities like Nicole Kidman, Colin Powell, Mick Jagger, Brad Pitt, the famous pregnant nude of Demi Moore and so one. Also pictures of Annie's family. It was amazing to know that she had her first child at 52 years of age and the next year she had twins.The children were so cute.

The lunch break was quite long so I had a walk by the bay- The Seaside Village was very beautiful with many unique shops. Many yaghts in the bay. The weather today was very good compared to yesterday which was very windy and cold

We had some Pizza with Japanese participants- It was difficult for Japanese to understand American Geek culture. It is a bit different from Japanese Otaku culture.

I will be moving to San Fransisco tomorrow evening and go home on the day after.

2007/03/23

シュツットガルト・バレエのロミオとジュリエット

4月21日にシュツットガルト・バレエで上演される「ロミオとジュリエット」のキャストがあまりにもすごすぎて、お茶を吹きました(笑)。

ロミオ:ウラジーミル・マラーホフ
ジュリエット:マリア・アイシュヴァルト
マキューシオ:アレクサンダー・ザイツェフ
ティボルト:タマシュ・ディートリッヒ
ロザライン:アリシア・アマトリアン

キャピュレット夫人:マリシア・ハイデ
ヴェローナの男爵:サー・ピーター・ライト
ロレンツオ神父:ジョン・ノイマイヤー

前半だけでもすごいのに、最後の3人は一体なんですか!
なんでこんなに豪華なんだろう、と思って翻訳してみたら、どうやらマリシア・ハイデの70歳の誕生日を祝う特別なプログラムなのだそうです。キャスト変更の可能性アリ、とのことですが、二度と実現しないようなすごさですね。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/start.htm


さて、私ですが明日から1週間出張で留守にします。行き先はサンフランシスコとサンディエゴ。でもちゃっかりサンフランシスコではサンフランシスコ・バレエを観に行きます。ヤンヤン・タンが見られるのと、話題の振付家ウェイン・マクレガーの「Eden/Eden」が楽しみです。「Eden/Eden」はもともとシュツットガルト・バレエのために振付けられた作品だそうです。

しばらく更新などできないと思いますが、しばしお待ちください。しかも帰国した翌日が発表会というとんでもない事態で、教室の皆様にご迷惑をかけてしまって本当に申し訳ないです(でも仕事だから仕方ない)。

アレッサンドラ・フェリの引退公演@東京

今日も12時半まで残業。仕事中に、お友達S嬢からフェリの引退公演が東京であるという情報のメールが。しかもこの神様S嬢はフジテレビまでわざわざ問い合わせの電話をかけて聞いてくださったのです。感謝!

で、詳細ですが、ゆうさんのSide B-alletに詳しいので、そちらをご覧ください(いつもありがとうございます)。

「Aプログラム」
2007年8月2日(木)18:30/2007年8月3日(金)19:00 東京文化会館
・フェリ/ボッレ「ロミオとジュリエット」バルコニー・パ・ド・ドゥ(マクミラン版)ほか

「Bプログラム」
2007年8月6日(月)19:00 東京文化会館
・フェリ/ボッレ「ロミオとジュリエット」パ・ド・ドゥ(ベルリオーズ/アモディオ)ほか

今年ABTでのフェリの引退公演を観に行きたかったのにあきらめた(あきらめきれないけど)私からすれば死ぬほど嬉しいのですが、でも全幕を踊ってほしかったな・・・。

で、詳細は
オフィシャル・サイト 3月27日頃開設予定を見なさいということですが、
http://www.ferri-bolle.jp

上記ゆうさん情報によれば
3月29日(木)DM優先予約受付締切

って、27日にサイト開設して2日後には優先予約受付締め切りってナンですかそれは、なんですが。
そのころ日本にいないし!


いずれにしても、皆さんそうだと思うけど今年の夏はとんでもないことになりそうですね。私も、ルグリガラを観に行く回数を減らそうかと思っています。

2007/03/22

FIGARO JAPON4/5号にマチュー・ガニオ

FIGARO JAPON4/5号は、パリ特集号です。

パリといえばパリ・オペラ座ってわけで、バレエの記事を探したのですがなかなかありません。
が、ありました。

マチュー・ガニオと妹のマリーヌの二人が、ヴィトンの衣装で6ページにわたって載っています。
「マジカルガーデンに舞う、春のルイ・ヴィトン」P168~P173です。パ・ド・ドゥをイメージしたシーンでマリーヌはポアント履いていますね。彼女は、古典的な美貌というのがぴったりで、マチューのようにあごが長いわけでもなく、派手さや現代性は無いけど整った顔立ちです。ジェームズ・アイヴォリーの映画に出てきそうな感じ。たっぷりとしたドレープのあるスカートがとてもかわいくて似合っています。マチューは少し無精ひげで胸毛も覗いています。ぜひご覧ください。美しいです~。

http://madamefigarojapon.hankyu-com.co.jp/


P.S.コメントへのお返事、メールへのお返事が遅くなっていて申し訳ありません。風邪が悪化してしまったのに毎晩12時まで仕事していて、今週末から1週間仕事で海外に行っておりますので、ご迷惑をおかけします。

新国立劇場の「オルフェオとエウリディーチェ」は美しい舞台で、創意に満ちオリジナリティ溢れた、夢のような悪夢のような独特の世界観を持つ作品、酒井はなさん、山本隆之さんも表現力豊かで良かったです。難を言えばグリュックの音楽がやや単調だったのと、テノールの方がちょっと弱かったことくらいでしょうか。ただ体調不良で臨んだのが残念でした。週末にもう一度見たいところでしたが日本にいないので無理です。再演を希望します。ねたばれになるので、さしあたってはこれ以上は書かないことにしますね。

2007/03/20

Panasonicビエラの新聞広告(男性バレエダンサー)はグレゴリー・バリノフ

友達に教えていただいて見た、Panasonicの液晶テレビ、ビエラの新聞全面広告は、男性バレエダンサーをフィーチャーしたもの。しかしこの方はいったい誰なんでしょうか?白人であることしかわかりません。判った方がいれば教えてください。

http://panasonic.co.jp/event/cm/printed/070320_bb/index.html

070320_isp_viera


「優れた男性バレエダンサーの条件。それは高い跳躍と速い回転。筋肉を鍛えるだけでなく、機械のように精密に身体をコントロールできなければ、観客を魅了するものになりません。もっと高く、もっと早く。ダンサーたちは更なる表現の高みを目指し、日々、肉体と技術を磨き続けています。」

男性バレエダンサーを起用した広告が増えているのはいいことですね。男の子がバレエを始めるのが、カッコいいこととしてみてもらえるようになってくるはずだから。


⇒コメント欄でFさんに教えていただきました。またS嬢には、わざわざ問い合わせ電話をかけていただいて確認していただきました。お二方ともありがとうございます!
新国立劇場のソリスト、グレゴリー・バリノフ君だそうです。見事な跳躍ですね。普段彼はあまりこのような王子様のような役は踊らないのですが。

マシュー・ボーンによるゲイ版「ロミジュリ」

マシュー・ボーンのニュー・アドベンチャーズはちょうどニューヨークのBAMで「シザーハンズ」の公演を行っている最中です。New York Timesの批評は結構辛口ですが、美しいスライドショーがついています。(要ログイン)

母国イギリスのTimes紙に、マシュー・ボーンのインタビューが。しかもタイトルがすごい。
Gay Romeo ballet gives Juliet kiss-off
ですよ。そのまんま直球ですね。

「二人の男性によるロマンティックでセクシュアルなデュエットは、見るのも踊るのも心地よいはず。でもそんなものは実際にできるかはわからないし、一度も見たことがない」と。

マシュー・ボーンの作品で一番大きな成功を収めたのは間違いなく「白鳥の湖」だけど、彼に言わせると、出演者の多くは人間を演じているわけではないので、真の意味でホモセクシャルな作品ではないとのこと。

ロミオとジュリエットの同性愛ヴァージョンはもっと挑発的な作品になるだろう。多くの批評家は、シェイクスピアの作品の中に同性愛的なものが潜在的に存在していると言っているのだから。彼のソネットの多くは若い男性に宛てられたものであるし、「ロミオとジュリエット」の登場人物であるマキューシオやベンヴォーリオについても、同性愛者ではないかという憶測がなされたことがあった。
ボーンは、今年の晩夏に何人かのダンサーとロミオの役作りについてワークショップを行い、それが上手くいけば全体のカンパニーで来年リハーサルを始めることを考えている。

もうひとつ、Independent紙にもインタビューが掲載されていました。こちらには、はっきりとプロコフィエフの音楽を使うと書いてあります。

私はFriends of New Adventuresというファンクラブに入っているのですが、早速担当の方からお知らせのメールが送られてきました。もともとはNew Yorker誌のインタビューに載っていたことなのだそうです。具体的なことが決まり次第、正式にお知らせをしてくれるとのこと。現時点では、この企画は実現するかどうかは未定であるということだそうです。

New Yorkerの記事はこちらです。

ということだそうで、とーっても楽しみですね!ボーンは音楽に振付を充てたり、さまざまな映画などからの引用を行う天才なので、どんなロミオとジュリエットになるか、期待が膨らみます。なんといっても、あのプロコフィエフの素晴らしい音楽に振付けるわけですから。ロミオとジュリエットのバレエといえば、私はマクミラン版を絶対的に愛していて、クランコ版も良いと思うけどそれ以外のものはちょっと・・・と思っているのです。おなじように思っている人はすごく多いと思います。そこへ、敢えて違う手法でチャレンジしようとするマシュー、どんなものを見せてくれるのでしょうか。

2007/03/19

「融07」3/13、14

『融07』-YUH- 第3弾 ヨーロッパ・バレエと現代アートの交錯
2007年3月13日(火)19:00 Bプログラム
2007年3月14日(水)19:00 Aプログラム
新国立劇場 中劇場

【第1部】
『DIVA』(ディーヴァ)
振付:カロリン・カールソン
映像:端聡
出演:マリ=アニエス・ジロ

solo from ENEMY in the Figure (13日のみ)
エネミー・イン・ザ・フィギュアーよりソロ
振付:ウィリアム・フォーサイス
出演:ホン・ヴァイェーホ Jon Vallejo 

『In The Middle,Somewhat Elevated』(イン・ザ・ミドル・サムファット・エレヴェイティド)
振付:ウィリアム・フォーサイス
出演:竹島由美子、ランディ・カスティーヨ Randy Castillo

Special (14日のみ)
振付:イリ・ブベニチェク
出演:イリ・ブベニチェク、マリ=アニエス・ジロ

『Les rares differences』
振付:マリ=アニエス・ジロ
出演:ブリユ・カルパンティエ Brieuc Carpentirer、マルジョリ・アノト Marjorie Hannoteaux、マーク・マンドラバヘノカ Marc Mandravahenoka

【第2部】
『レクイエム 融07』
振付:イリ・ブベニチェク
映像:端聡
音楽:オットー・ブベニチェク
出演:全員
アフリカンドラム:Goshin Moro(茂呂剛伸)

『DIVA』(ディーヴァ)
中央部に一条の光。三面がスクリーンに囲まれている。黒い帽子と手袋、コートを身に着けたマリ=アニエスが登場し、コート、帽子、そして手袋を脱ぐ。すると、やや逞しい肩を露出したタートルネックの、身体にぴったりとしたドレスに裸足の美しい姿が現れる。黒髪をまとめ、陶器のような白い肌の美貌、スレンダーな長身で、まさにディーヴァのようだ。マリア・カラスのアリア「アンドレア・シェニエ」の第3幕が流れ、長い腕を大きく翼のように広げ、優雅に動かすマリ=アニエス。後ろのスクリーンには、この作品を踊る彼女のモノクロのおぼろげなシルエットのような映像がゆらゆらと映り、実際の彼女のムーヴメントとシンクロするのが、さらにドラマ性を高めていて効果的。途中で照明は真っ赤に変わった。主に上半身、特に腕の動きを中心にした作品だけど、ドラマティックで雄弁、オープニングに相応しい美しさだった。ジロの空間を支配する力に脱帽。

solo from ENEMY in the Figure
13日のみの上演。ホン・ヴァイェーホは金髪で小柄な若いダンサー。ものすごく身体能力に恵まれているのがわかる。跳躍の高いこと!黒いアーミーパンツのようなのを穿いていた。短くてあっというまに終わってしまったけれども、ホン・ヴァイェーホというダンサーの存在感はしっかりと刻まれた。

『In The Middle,Somewhat Elevated』おなじみフォーサイスの超有名作品。何回か生で観たことはあるものの、毎回「何かが足りない」と思ってしまう作品なのだ。きっと完璧に決まったらものすごくカッコいいだろうな、とおもいながら不完全燃焼になってしまうという。
で、今回の竹島さん、すごくかっこよかった。テクニックが非常に安定していて、まったく不安げがない。軸がしっかりしていて、ピルエットも微塵も狂いがなくて素晴らしい。ただ、あまりにも安定しているので、フォーサイス特有のオフバランスの感覚を感じにくい気がした。音への合わせ方も完璧で、この難しい振付を余裕綽々でこなしている。素晴らしい。筋肉質のかっこいい脚をしている。相手のランディ・カスティーヨは身体が引き締まって美しく、身体能力の見事なダンサーだが、竹島さんにベテランの貫禄があるので少し影が薄いかもしれない。
竹島さんは2003年にマドリッドのガラで「エスメラルダ」を踊るのを観て一目惚れしたダンサーだけど、こういうコンテンポラリーもお手の物なのね。でも次はお姫様を踊るところも観てみたい。

『Les rares differences』
暗い中、アコースティック・ギターに合わせて歌が始まる。誰が歌っているのかはわからなかったけど、UKロックっぽいメロディアスな曲で良かった。しばらく静寂があったあと、いきなりヒップホップのファンキーな音楽になって、カルパンティエとマンドラバヘノカの二人のダンサーが登場。上半身裸に黒い袴のようなスカート?を穿いている。ジャンプしてはズサーっとすべってみたり、同じ振付でとても楽しげに踊っている。ズサーっとすべって倒れこんだ後また即座に立ち上がっているところ、きっと腹筋が強烈に強いんだろうな、と思ったり。そこへ、一人の美しい女(アノト)が下手から現れ、作品全体のトーンが、静かなものに変化する。パ・ド・トロワでは、男二人がワンテンポずれたようなユニゾンで踊る。
アノトは主にマンドラバヘノカと絡み、上手の方でいろいろな動きを繰り広げる。カルパンティエは、中央部の、鏡が置いてあるあたりで動きを見せている。二人の男性が、一人の人物の別の面を表現しているのではないか、と思った。

英語で、ずっとナレーションが続けられている。それは、一人の少女と一人の男の間の物語。愛し合っていた二人が一緒に暮らすが、貧しさから心が通じ合わなくなり、それでも子供が生まれて男性がようやく愛情に気が付いて少女に思いを向けるがそれは通じず、そしてしまいに少女と子供のいるベッドは炎に包まれ、男は世界の終わりまで走り続けた、という哀しい物語。ただ、この物語を、ダンスで表現しているわけではないようだった。ただ、悲劇的なトーンは同じであったけれども。どこかで聞いたことがある独白だな、と思ったらやはり映画「パリ、テキサス」のトラヴィスの独白だったようだ。好きな映画なので、今度観直してみよう。

オリジナリティはあるし、釣竿をつかったりなどの小道具使いも面白かったけど、ちょっとだけ長いな、と思うところはあった。

第2部
初日はここで、イリ・ブベニチェクの挨拶があった。ドレスデンで怪我をして、5週間踊りから遠ざかっているとのこと。でもダンサーたちはこの日のために一生懸命練習を重ねてきたので、観てください、と。長身で顔が小さく、立っているだけなのに、ものすごく威厳があってカッコいい。初日はひげを生やしていたが、2日目は舞台に出演するためか、ひげを剃っていた。英語で挨拶をしていたが、とても聞き取りやすく、訛りの少ないきれいな英語。

『レクイエム 融07』
札幌の街を撮影したと思われる映像から始まる。
全体として6部構成となっている。つなぎ目にアフリカン・ドラムが入るのだが、 演奏者の場所が初日と2日目では違っていて、初日は下手の舞台奥だったのが、二日目は上手の前の方に変更された。二日目は、休憩時間が終わる少し前にすでに演奏を始めていて、観客の期待を盛り上げる。こっちの演出の方が良かった。アフリカン・ドラムの演奏、すごく心地よくて気に入った。

おそらくはオットーが作曲したと思われる、ノイジーなロック調の曲にあわせ、舞台奥のホリゾントの下から、赤い服を着たジロがコロコロと転がり出てくる。ジロと男性ダンサー二人、カルパンティエとマンドラバヘノカのダンス。センターにジロ、従えるように男性二人。かっこいい。全然ノイマイヤーっぽくない。というか誰の振付に似ている、というのがないのが良い。そこへ竹島さんとカスティーヨが加わる。最初の3人がいなくなる。

アフリカン・ドラムの後、後ろに端聡さん作の聖母を描いた左右対称の彫刻の映像が映し出され、パッヘルベルのカノンが流れる。ドレスデンの男性ダンサー3人、ヴォランジェ、イェーホ、カスティーヨの3人の踊り。それぞれが素晴らしいソロを踊り、二人になり、そして3人になる。生き生きとしていて、伸びやかで、温かい気持ちになる。ここの振付が非常に音楽的で、生命力を感じさせながら流れるように美しい動き。もっともクラシックバレエ的な振付で、心地よいのに超絶技巧も繰り広げられている。音楽への融合の仕方が見事で、魂が震えるほど感動的なパート。いつまでもこの踊りを観ていたいと思った。

その後はアノトとマンドラバヘノカの踊り。アノトはなんという美しい女性なんだろう。女らしい柔らかさ、まろやかさはあるのに腹筋はしっかりと割れている。アフリカンドラム。

黒いスーツを着たマリ=アニエスと、本来はここはイリが踊るべきところだったんだろうけど代役としてファビアン・ヴォランジェが踊る。一昨年の「エトワール・ガラ」で二人が踊った「身近な距離」だ。急遽な代役で大変だったと思うけど、ちゃんと愛を感じさせてくれたのはさすが。ヴォランジェも実に素晴らしいダンサーである。

ここで4回目のアフリカンドラム。毎回合間に入る演奏は、それぞれ違う曲になっているものの、4回目ともなると「またかよ」という雰囲気になりかけたところ、いきなりドラマーのGoshinさんの横に、カルパンティエが椅子とドラムを持ってきて、二人でハーモニーを作るように演奏が始まる。カルパンティエの演奏も上手い。ちょっと笑いが漏れたけど、これは小粋な演出で楽しめた。しかも、その後アフリカン・ドラムに合わせてインプロヴィゼーションが始まるのだから。2日間とも違う動きを見せてくれた。まずは、マンドラバヘノカが、腕の筋肉をそれぞれ別々に動かして、世界ビックリ人間と思うほどのものすごい軟体芸を見せた。次にカルバンティエも、彼の動きをなぞりながらも少しずつ変えて腕をクネクネと動かす。この二人は完全に人間離れしている。さらに、ロボットのようなコミカルな動き。楽しかった!世界には本当にすごい才能が人知れず存在しているんだな。ブレイクダンスも見せてくれた。クラシックバレエの素養がある二人が踊るブレイクダンスはすごく新鮮。

そしてモーツァルトの「レクイエム」が流れるクライマックスへ。スポットライトが3つ落ちていて、中央をジロ、左右にヴェイェーホとヴォランジェ。ジロは短い丈の赤いドレス。すそから覗く長い素足が美しい。畳み掛けるように踊る。さらには赤いスリップドレスの竹島さん、カスティーヨが加わる。そして5人で迎えるフィナーレへ。素晴らしい!ドレスデンの3人の男性の踊り。彼らの凄まじいまでのテクニックにしびれる。中でも、カスティーヨの脚の高く上がること、跳躍力、すごすぎる。左右に竹島さんとマリ=アニエス、シンメトリーな動きを見せながら舞台の奥へ、時には視線を交わして微笑み合う。途中まで、それぞれの振付は優れていると思ったものの散漫な印象がないわけではなかったけど、この収束が見事であった。

イリの振付は、ソロ、二人、トリオ、5人と人数を変えながらの変幻自在な構成力に本領があったのではないかと思う。その人数に最適のフォーメーションを作る力というべきか。とても立体的に作品を作ることができる人であり、振付家として得がたい才能を持っていると思った。


そして、最後になってしまったが、二日目に踊られたSpecialがまた、凄絶なまでの魂の戦いを感じさせる、崇高なまでの作品に仕上がっていたと思う。
暗がりの中にスポットライトが当たったのは、上手前方に、袴のような赤いスカートに肌色のレオタードのマリ=アニエス。上半身を折り曲げて苦悩するソロ。雄弁な身体。何かを求めているけれどもそれが得られない苦しみ。
次に、舞台中央後方に、高い台にスポットが当たり同じ赤いスカート、上半身裸のイリが浮かび上がる。マリ=アニエスと同じような動きを繰り返す。しかし、彼の苦しみは崇高で、聖者が神の試練に遭って信仰を確認させられているかのようでもあった。次にスポットが当たったときには、イリとマリ=アニエスは一体となったかのようであり、また上半身を折り曲げて苦しそうにしていながらも、その苦しみをともに受け止め、癒しているかのように見えた。とても神聖不可侵で、深い魂の結びつきを感じさせるような、究極の美がここにはあった。脚をつかわなくても、踊りを表現することはできる。上半身の動きだけで、ここまでのエモーションを感じさせてくれるとは。闇の中、厳しく苦しい中にこそ、光り輝く何かがある、そう思わせてくれて魂が震えた。


オットーの降板から始まったアクシデント続き、イリの怪我で公演の実施そのものが危ぶまれたこともあったようだ。札幌のスタッフは手弁当で東京で仕事をしたようである。こんなにも素晴らしい公演を見せてくれて、ダンサーの皆様、スタッフの皆様、本当にありがとう。素敵なプレゼントをいただいた。願わくばまた来年、この公演を行ってほしい。もちろん、今回中止となってしまった「春の祭典」が上演できればそれに越した喜びはない。照明デザイン、音楽、美術もレベルが高く総合芸術の真髄を見せてもらった。

2007/03/18

イーゴリ・コルプのサイト、リニューアル

ラメな日々のサファイアさんに教えていただいたのですが、マリインスキー・バレエのプリンシパル、妖しき貴公子イーゴリ・コルプの公式サイトがリニューアルされたようです。

百聞は一見にきかず、ぜひ覗かれてください。あまりの強烈さ、めくるめくるコルプ・ワールドに失神しそうです。
トップページはなんだかやんちゃな雰囲気でかわいいです。バレエダンサーには見えないですね。ロックシンガーといった風情。ちゃんとロシア語版と英語版の両方が用意されています。

なんといってもギャラリーがステキすぎます。演目別に写真がいっぱい用意されているのですが、彼の得意な、濃ゆい演目の写真の点数が多いところ、よく自分を知っているな、と思います。

「シェヘラザード」 マリインスキーのオフィシャルにもたくさん載っていましたが、こちらの毒気はそれ以上。ほとんど娼婦とヒモって感じですが、完全に18歳未満禁止の世界。目のギラギラがすごいです。これに比べればルジマトフの黄金の奴隷は上品ですね。何枚か若いときの黄金の奴隷の写真もありますが、こちらは別人のようにイノセントな感じでかわいい。いったいこの数年の間に彼に何があったんでしょうか?ヴィシニョーワのほかのダンサーとも競演している写真がありますが、やっぱりヴィシニョーワが相手だと彼も彼女も輝くようです。

「白鳥」 「ルジマトフのすべて」で上演され、観客の度肝を抜いた作品です。彼の誕生日にパクリタルより贈られたというもの。なんだかよくわかりませんが、すごいです。前衛舞踏みたいです。見開いた目がすごいことになっています。あの時の踊りがパラパラマンガになっているみたいです。必見!

「バクチ」 毒気の強さで彼に対抗できる唯一のバレリーナであろうヴィシニョーワとの饗宴。これも超エロいですね。赤い照明が当たると赤鬼のようです。イケナイ世界です。お子様は見ちゃいけません!

もちろんラフレシアのような「薔薇の精」の写真もたっぷりあります。

8月末~9月頭に予定されているマリインスキー&ボリショイのガラに、コルプは出演予定ですが、ヴィシニョーワは来ないんですよね。いったい誰と組むんでしょうか?願わくば「白鳥」と「薔薇の精」を上演してほしいものです。インタビューなどを読むと、意外と彼はマイホームパパでシャイな人のようなんですけど、隠された本性を舞台で噴出させているんでしょうかね。

ラスタ・トーマス、結婚

Clarion-Ledgerという新聞記事に出ていたのですが、ラスタ・トーマスが、1998年にジャクソンコンクールで金賞を受賞した時のパートナー、Adrienne Canternaと今月末にボルチモアで結婚するそうです。

Adrienne Canternaさんは、今日17日から日本でも公開されたダンス映画「ステップ・アップ」にバレエダンサーの一人として出演しているようですね。2月のバレエ・リュスの夕べでラスタが来日している時に客席で見かけたのですが、金髪のとてもきれいな方でした。デズモンド・リチャードソンのカンパニー、コンプレクションズに所属していたこともあったようです。

美男美女のカップルですね。おめでとうございます。

ラスタ・トーマスは、6月の服部有吉さんとの「シンフォニック・バレエ」が楽しみですね。その前にABTでの「オテロ」への出演もあります。

2007/03/17

Swan magazine(vol.7)2007年春号

Swan Magazine 2007年春号を入手。

安珠のPhoto Essay 新国立劇場バレエ団 山本隆之
特集 春、大人バレエをはじめよう
★憧れのプリマ、酒井はなさんに習うバレエ・レッスン
★憧れのパリで、バレエ・レッスン!
★パリ・オペラ座ダンサーからフランス・メソッドを習う 
講師:ミカエル・ドナール&カール・パケット
Special Review マリインスキー・バレエ来日公演 桜井多佳子
ダンサー・インタビュー オーレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ エトワール)
2006/2007シーズン パリ・オペラ座バレエ ジゼル&コッペリア 文・斎藤珠里
'06ルポ パリ・オペラ座バレエ学校デモンストレーション
まいあ-Maia-第7話
ほか

今度の号の大人バレエ特集ですが、実は私の通っている教室のレッスンメイトさんが出ています。よろしければ見てくださいね。そのレッスンメイトとはまた別のお友達も、出ているんです。

今回の目玉は山本隆之さんの美しいグラビアでしょうね。山本さんはメディアに登場しても、大抵同じプロフィール写真が使われていることが多かったのです。今回山本さんの素顔を見ることができて、嬉しかったです。自然な笑顔がとっても素敵ですね。「物語の感情を深く描きたいと思っています。以前、踊ったロメオ役を再び今の僕で踊るとどうなるか、踊ってみたいですね」とのことですが、ホント、新国立劇場での「ロミオとジュリエット」の再演を強く希望します。
先生をしているところの酒井はなさんも美しいですね~。

パリで受けられるオープンクラスや、ミカエル・ドナール&カール・パケットの指導による講習会の模様なども面白いです。マリインスキー・バレエのレポートでは、妖しさ炸裂のイーゴリ・コールプのシンデレラ王子写真に釘付けです。観られなくて残念!

マチュー・ガニオのアルブレヒトの写真がまた美麗なことこの上なし。やっぱり「ジゼル」の映像はマチューで残してほしかったですね。

SWAN MAGAZINE Vol.7 2007春号SWAN MAGAZINE Vol.7 2007春号
有吉 京子

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2007/03/16

FREDDYミラノ・スカラ座ダンサー写真展

ミラノ・スカラ座バレエ団オフィシャルスポンサー&サプライヤー、アテネオリンピックのイタリア体操連盟公式サプライヤーである、イタリアのダンスウェアブランドFREDDYが今年の春、デザントより日本デビューします。

バレエやフィットネス用のウェアを中心に、街でも着られるとてもセンスのいいウェアを展開しています。高島屋 新宿店や渋谷西武、梅田阪急百貨店イングス館などの百貨店のほか、4月に表参道に路面店もオープンするそうで。

オープンを記念して、ミラノ・スカラ座のダンサー写真展が開催されるとのことです。
3月17日(土)~4月8日(日)
表参道ヒルズ B3F PE43にて

本国オフィシャルサイトでも、スカラ座ダンサーの素敵な写真をたくさん観ることができます。さすがイタリア人、美男美女ばかり。今年の来日公演「ドン・キホーテ」に主演するマルタ・ロマーニャやミック・ゼーニの写真もありますね。

2007/03/15

ABTエルマン・コルネホ、ロミオデビュー/サモドゥーロフ客演

ABTのシカゴ公演は大幅なキャスト変更があったようです。マルセロ・ゴメスの怪我が原因だと思われます。また、前回のキャスト発表と見比べると、マキシム・ベロツェルコフスキーとイリーナ・ドヴォロヴェンコの名前が消えています。ダンサーの名前は書かずに、怪我と急病のため、と書いてあったので、どちらに何があったのか、心配ですね。

シカゴ公演では、ジリアン・マーフィーのジュリエットデビュー(23日)が話題になっていましたが、なんとエルマン・コルネホが3月24日のマチネでロミオとしてデビューします。これは嬉しいですね!相手役はシオマラ・レイエス。
また、ロイヤル・バレエのプリンシパル、ヴャチェスラフ・サモドゥーロフが客演し、3月22日のマチネと24日のソワレでロミオ役として出演します。.相手役はパロマ・ヘレーラ。サモドゥーロフのABTへの客演は初めてとのことです。
したがって、エルマンはマキューシオ役を全部降板しています。カルロス・ロペスと新ソリストのクレイグ・サルスティーン君が登板する回数が増えていますね。

エルマンは素晴らしいテクニックと気品のあるダンサーなのですが、小柄なのが災いして今までずっとキャラクターロールばかりだったのですよね。おととしの来日公演では、マキシム・ベルツェルコフスキーの降板に伴う代役でバジルデビューをして、とても素晴らしかったわけです。が、毎回、誰かの降板の代役でやっと主役デビューというパターンは、彼の実力からするとちょっと気の毒に思えます。

ABTでのロミオといえばホセ・カレーニョやイーサン・スティーフェルも踊るのですが、今回は出演しないのですね。このころ、イーサンはオーストラリア・バレエの「ドン・キホーテ」に客演中です。3月25日に出演ですね。ちなみにこの日は、リード・ジプシー役で藤野暢央さんが出演します。また、別の日になりますが、本坊怜子さんや久保美和子さんもキューピッド役で出演しているのですね。1987年生まれの本坊怜子さんはコール・ドでの抜擢というからすごい。イーサンたちの様子はオーストラリア・バレエ団2007年日本公演 Official Blog でレポートがあるんじゃないかと、楽しみにしています。

本題に戻って、サモドゥーロフはいうまでもなく演技力もある素晴らしいダンサーですし、彼のロミオもすごく観てみたいですが、ABT内で代役を見つけられないのはなかなかつらいですね・・。

アントニオ・ガデス舞踊団「カルメン」4月6日芸術劇場で放映

今日の「融07」も素晴らしかったです。イリが出演したサプライズ作品もとても静謐で美しく、マリ=アニエスとのコラボレーションの切なさに胸が締め付けられました。行かなかった人が後悔するような、最高の公演となったと思います。感動!昨日の公演とイリの作品「融」も少し変わっていて、流れがスムーズになっていました。お客さんの数も増えていて良かった。
ちゃんとした感想を書きたいので、しばしお待ちください。

さて、現在オーチャードホールで来日公演中のアントニオ・ガデス舞踊団。今週末、土曜日が今回の最終公演ですね。
フラメンコも好きだし、観に行きたいな~と思っていたけど仕事があまりにも大変な状況の上、バレエの発表会のお稽古もあったりして、結局見逃すことになりそうで残念と思っていたところ、嬉しいお知らせが。

4月 6日(金)( 放送時間 22:25~0:40)
NHK教育テレビ 芸術劇場

【公演コーナー】 
● アントニオ・ガデス舞踊団 「カルメン」   
<出 演> アントニオ・ガデス舞踊団
カルメン:ステラ・アラウソ
ドン・ホセ:アドリアン・ガリア ほか h
<演出・振付> アントニオ・ガデス
<収 録> 2007年3月11日(日) Bunkamuraオーチャードホール(東京)

ついこの間の公演がこんなにも早く放映されるなんて素晴らしすぎです。
芸術劇場は4月より、日曜から金曜日に放送日がかわります。
でも個人的には曜日は日曜日のままが良かったのですが。日曜日の夜は主婦ゆえ家にいることが多いのですが、金曜日は残業だったりお出かけが多いもので・・。


テレビ放映といえば、3月20日(火)の「学校へ行こう」はローザンヌバレエコンクールの特集だそうですね。
18:55からの2時間スペシャルで、『バレエ企画集大成…世界舞台への登竜門に挑戦する少女に密着!!』というタイトルのようです。またもや「スーパーバレエレッスン」と重なっているわけですが・・・。「スーパーバレエレッスン」は日曜日に再放送があるとはいえ、土曜日から私は1週間ほど海外出張で不在なので、留守録できるかどうか不安です。日曜日は地上波デジタルで録画する日と決めているのです。ローザンヌの舞台裏が見られるのは楽しみですね。

2007/03/13

3/13「融07」初日

今ちょっと仕事が洒落にならないくらい忙しくて、今日と明日6時半に会社を出るために、明日は早朝出社することにしたので、ちゃんとした感想はまたゆっくり書きます。

すごく楽しい公演でした。イリは振付家としての才能がありますね。とても音楽的で、美しい振付をする人です。音楽の使い方がすごくうまいし、ドレスデン・バレエのダンサーたちも音楽性が豊か、かつ身体能力も優れていてよく踊っていました。彼の作品は、何部かの構成に分かれていて、構成の間にはアフリカン・ドラムがつなぎとして使われているのですが、最後にはそれに対するインプロヴィゼーションとなっていて、腕がくねくねする、とっても面白い振付が見られます。40分くらいですが、ダンサーは総勢8人登場し、時間が経つのが早く感じられました。

マリ=アニエス・ジロも、強く美しく、しかし女らしい部分も良く出ていて素敵でした。彼女の作品は、歌や、朗読がついていてちょっと変わった作品です。ちょっと長いと思うところもあったけど、すごくらしいな、と思いました。男性ダンサー二人と女性ダンサー一人の作品です。

竹島さんのイン・ザ・ミドル~もかっこよかった!

イリはお詫びの挨拶と、最後のカーテンコールに登場しました。杖などはついていなくて普通に歩いていたので、回復に向かっていそうですね。

明日ご覧になる方もいると思うので、これ以上詳しいことはまた後で書きますが、とにかく良い公演でした。しかし、お客さんの入りはかなり寂しい・・・。明日はイリも上半身を使った踊りですが踊られるとのことで、ぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。

2007/03/12

「融07」イリ・ブベニチェクが14日のみ出演

イリ・ブベニチェク振付、マリ=アニエス・ジロ、竹島由美子さんらが出演する「融07」東京公演が明日13日、あさって14日と新国立劇場中劇場にて行われます。

土曜日の札幌公演では足の怪我の為に挨拶のみでの出演となったイリ・ブベニチェクが、東京公演に急遽出演することが決まりまったそうです。

残念ながら『春の祭典』は中止のままですが、14日、最終日のインプロ(即興)コーナーにて日本のファンの為にと、上半身を使っての演舞を披露してくれるとのうれしい知らせがきました。

イリ・ファンの方々はぜひ足をお運びください。もちろん私は両日ともチケットを買っていますが、ちゃんと仕事が終わるかどうかが最大の問題です。かなり切羽詰っています~

http://www.cai-net.jp/YUH07/YUH07.html

3/10 MUSE@東京 新木場スタジオコースト

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友達に誘われて行ったMUSEのライヴ。最近のロック事情にすっかり疎い私だったけれども、友人にアルバムを紹介してもらって、UKハードロックらしいどこか哀愁があるメロディの美しさ、ハードななかにもスケールの大きなドラマ性があってとても良いと思った。

オールスタンディングのライヴは体力的にはちょっときついと思ったけど。何しろ朝からバレエの発表会の練習の上、新木場まで出てくるためランチも夕食も食べる時間がなったくらいで。でも早い整理番号を取ってくれた友達がミキシング卓の後ろの、観やすい場所をキープしてくれて、じっくりと音楽を楽しむことができた。

オープニングアクトのフラテリスもなかなか良かったけれども、どうしてもMUSE目当ての観客で占められていると客のノリが悪くてちょっと気の毒。

さて、MUSEのライヴだけど、フロントマンのマシューがエネルギッシュかつ歌唱力も発揮していて最高!小柄でたまにアクションがAC/DCのアンガス・ヤングを思わせるところがある。基本的にはギターなのだけど曲によってはピアノも弾く。3ピースのバンドの割には、エフェクトもいろいろ使っているところもあるんだろうけど音は分厚く時には爆音系。後ろの方だったので音もとても良かった。マシューは声量があって高音もしっかり伸びていて、ちょっとだけしゃがれているけどとても魅力的な声。ドラムスのドム&ベースのクリスもとてもタイトな演奏。いきなり2曲目にお気に入りのHysteriaをやってくれてとっても嬉しい。この曲のイントロのリフはかっこよすぎてしびれる!すごいうねりが生まれていて気持ちよい。マシューはとっても機嫌が良くて、MCでもかなりノリノリだった。前方の客席はかなりノリまくっていて、大変なことになっていそうだった。ポップなSTARLIGHTでのみんなの手拍子がぴったり合っていたのも気持ちよかった。
後ろのスクリーンで、別アングルからの舞台の様子を映してくれたのも良かった。
Invincibleでは、マシューが観客に、携帯電話のバックライトを振ってくれと言っていたけど、英語が上手く通じなくて、それをやっていた人が少なかったのがちょっと残念。でも揺れるバックライトはきれいだった。たまたま携帯を持ち込んでいて一緒にできて良かった。1枚目、2枚目からの曲もけっこうやっていた。翌日はまた全然違ったセットリストだったようだ。(行きたかった!)
すごく内包するパワーがあって、楽曲もみんな良くて、客も乗っていて、最高のライヴだった。ライヴ向きのバンドだね。

いやあ、やっぱりライヴっていいよね。仕事がこんなに忙しくなかったら月曜日も観に行きたかったけど。チケットはソールドアウトだし、果たしてその日のうちに帰れるか疑問なくらいの状況なので無理なのが残念。FUJIROCKにも出演するけど、これはニーナのドンキと重なっているから無理だしね。早いうちの来日を期待して、とりあえずDVDつきの「BLACK HOLES AND REVELATIONS」を買った。

音楽って言葉にするのが難しいんだけど、とりあえずハード目のUKロックが好きな人にはお勧め!

2007/3/10(土)
東京 新木場スタジオコースト

Take a bow
Hysteria
Supermassive Blackhole
Butterflies
Map of the Problematique
Forced in
Bliss
Feeling Good
Hoodoo
Sunburn
Starlight
Plug in Baby
New Born
Stockholm
-ENCORE-
Soldiers
Invincible
Tiro
Knights of Cydonia

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2007/03/10

ロシアバレエの煌き/ボリショイとマリインスキー夢の共演

本日もバレエ日和さんの掲示板からの情報です(ありがとうございます!)

なんと、今年の夏にボリショイ&マリインスキーの若手トップダンサーによるガラ公演が、ジャパンアーツ主催で日本で行われるそうです。

ロシア文化フェスティバル2007 in japan 「ロシア・バレエの煌めき 魅惑のパ・ド・ドゥ集」と題しています。

何よりも出演者が凄いです。

8/30(木)~9/2(日) 新国立劇場オペラ劇場で開催。(会場も良いですね。私は東京文化会館が嫌いなんです)
5月にチケット発売予定

予定されている出演者
<ボリショイ・バレエ>
マリーヤ・アレクサンドロワ ニーナ・カプツォーワ
ネッリ・コバヒーゼ エカテリーナ・クリサノワ
スヴェトラーナ・ルンキナ ナターリヤ・オシポワ
セルゲイ・フィーリン ドミートリー・グダーノフ
アンドレイ・メルクーリエフ アルテム・シュピレフスキー
ルスラン・スクヴォルツォフ イワン・ワシーリエフ

<マリインスキー・バレエ>
オレシア・ノーヴィコワ エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ
エカテリーナ・オスモールキナ アリーナ・ソーモワ
ヴィクトリア・テリョーシキナ タチヤーナ・トカチェンコ
アンドリアン・ファジェーエフ イーゴリ・コールプ
アントン・コールサコフ ミハイル・ロブーヒン
レオニード・サラファーノフ ウラディーミル・シクリャローフ

ほとんど冗談のような豪華出演者です。ロパートキナやザハロワ、ツィスカリーゼのような一番のトップはいませんが、それ以外のトップクラスが勢ぞろいですね。マリインスキーは、この間の来日公演で来なかったオブラスツォーワやトカチェンコも来ますし、ボリショイは今大売出し中のワシリエフ&オシポワからシュプレフスキー&メルクリエフの移籍組も来ます。本当にこんなにも凄いメンバーで来るんでしょうか?久々に興奮するニュースでした。このガラ公演は、欧米のバレエファンも羨ましいと思うに違いありません。

それにしても今年サラファーノフはいったい何回日本に来るんでしょうか(笑)

NBSからジャパンアーツにボリショイが移って良かった(笑

ボリショイのロンドン公演も発表になりましたね。こちらは7月30日から8月18日までです。こちらの売り物は、なんとカルロス・アコスタが客演でスパルタクスを踊ること!あとは「海賊」のロンドン・プレミアとトリプルビルの演目に、ウィールダンの新作 "Elsinore"(ハムレットのようです)と、トワイラ・サープのIn The Upper Roomが入っていることでしょうか。

こっちのガラでもぜひIn The Upper Roomは入れてほしいな。ボリショイのダンサーがあのアメリカンな演目をどうやって踊りこなすのか興味津々です。

ケネディ・センター&新国立劇場バレエ団関係情報いろいろ

ワシントンDCのケネディ・センターの2007/2008年シーズンが発表になりました。NYの劇場はオペラハウスと小さめのシティ・センターやBAMがあるため、メジャーなバレエ団の公演はNYではなくワシントンDCで行われます。今度のシーズンは、日本特集があります。

その中でも目玉は新国立劇場バレエ団の公演です。2008年2月15日~17日の3回公演予定です。演目は「ライモンダ」とミックスプロ(ナチョ・ドゥアト、バランシン、そして牧阿佐美とありますが、牧先生のどの作品だろう?)。

そのほかに、Noism07の「Nina」、山海塾の「金柑少年」、笠井叡「Pollen Revolution」、宮本亜門の「Boonah: The Musical」、野村萬斎の「間違いの狂言」、夏木マリの「印象派」などが上演されます。なかなかユニークかつ豪華ですね。

日本特集以外には、12月~1月にかけてABTの「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」、1月末にマリインスキー・バレエの「ラ・バヤデール」(北米では、キーロフと呼んでいるようです)、2月末~3月始めにNYCBのジェローム・ロビンス没後10周年記念公演、そしてサンクスギビングの頃にレジデント・カンパニーであるスザンヌ・ファレル・バレエの公演があります。
面白いのは、2008年6月の「Protégés II」という公演で、これはボリショイ・バレエ学校、パリ・オペラ座学校、ロイヤル・バレエ学校、そしてSAB(スクール・オブ・アメリカン・バレエ)の生徒によるミックス・レパートリーです。


さて、話変わって。
新国立劇場や牧阿佐美バレヱ団のダンサーが多く所属している「バウンド・プロモーション」という事務所がありますが、そこのサイトのトップに、所属アーティストの最新情報があります。なんと新国立劇場のマイレン・トレウバエフが、オリックス・クレジットの宣伝(スチール)に出演するそうです。すごいですね~。見かけたらちょっと笑いそうだけど。他にも、ずいぶんと多くの所属アーティストが、CMやスチールに出ているんですね。日本人ダンサーだけでなく、ロバート・テューズリー、そしてマールイのイリーナ・ペレンとミハイル・シヴァコフも所属しています。

最後は地方紙ネタ。
十勝毎日新聞に、新国立劇場のコール・ドのオーディションに合格した野崎哲也さんの記事が載っています。9月に入団されるそうで、3月4日に第1次、翌日に第2次の審査を受け、60人の中から内定を手にしたとのこと。北海道出身の男性の入団は初めてなんだそうです。なかなかルックスも良さそうな若者ですね。近いうちに他の入団者も発表があるということですね。


もうひとつ、先日ご紹介したバレエ画家の芳賀啓さんの記事が埼玉新聞に載っていました。
「バレエをテーマに個展 桶川の画家 芳賀啓さん 「筋肉や動きを表現」 12日から都内で」というタイトルで、マラーホフを描いた作品の前に立つ芳賀さんの写真があります。ぜひ個展観に行きたいですね。

地方紙のニュースは、Google Newsでアラートをかけておくといろいろと集まります。コンクールの情報なども出てきてなかなか面白いですよ。

2007/03/08

2008年ABTカレンダーほかいろいろな話題

Amazon.comを見ていたら気が付いたのですが、早くも2008年のAmerican Ballet Theatreのカレンダーの予約を受け付けているんですね。(で、この手の情報に強いSide-B-alletさんを見たら、Amazon.co.jpへのリンクもありました。で、なんで検索に引っかからなかったかというと、Amazon.co.jpはAmerica Ballet Theatreになっていたからです)


で、さらに気が付いたことには、2008年のカレンダーの撮影者はファブリッツィオ・フェリさんなんですね。今のABTのトップページに、フェリさんが撮影したエルマン・コルネホのパック(The Dream)の写真があったり、TRIOSパンフレットのプロフィール写真も彼の手によるものだったりしたんですが、そういうことだったのですね。ここ何年かはNancy Elisonさん、2007年は元ABTダンサーのRosalie O'Connerさんだったのですが、がらりと違った雰囲気の写真になりそうですね。スーベニア・ブックの写真の使い回しではありませんように。説明では、Julie Kent, Marcelo Gomes, Herman Cornejo, Alessandra Ferri, Gillian Murphyとあるんですが、実際にはどうなっているのでしょうか。
ちなみに、このTRIOSパンフレットの表紙に、加治屋百合子さんも映っています。ジュリエットのお友達の役柄でしょうか。


写真つながりの話では、おなじみGene Schiavoneさんのサイトに、 "Stars of the 21st Century" Gala, Lincoln Center, Feb. 12, 2007 のギャラリーがアップされていました。マトヴィエンコ夫妻のだけだったのが、他の出演者の写真も追加されたわけです。 バンジャマン・ペッシュ(パリ・オペラ座)とシルヴィア・アッツィオーニ(ハンブルク・バレエ)、レオニード・サラファーノフとオーレシア・ノーヴィコワ(マリインスキー・バレエ)、ヨハン・コボー&アリーナ・コジョカル(ロイヤル・バレエ)、ホアキン・デ・ルース&アシュレー・ボールダー(NYCB)、そしてデズモンド・リチャードソンです。

先日紹介したSaitaのニーナ・アナニアシヴィリのインタビューはバレエ入門2ページのうちの一部という感じで、大した記事ではありませんでした。残念。

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SPUR LUXEのシルヴィ・ギエムインタビュー

雑誌を買っておきながら今まで目を通す暇もなくて、すっかり遅くなりました。

SPUR LUXEの3号で、12ページにもわたるギエムの特集が組まれています。2006年12月29日、首藤康之さんがパリまで足を運んでインタビューしました。前日に、シャンゼリゼ劇場での「「PUSH」の夕べ」のプレミア公演があって、首藤さんはこれを観てインタビューに臨んでいます。

アクラム・カーンとの出会いのエピソードなどは本当に笑っちゃうくらい面白いし、幸福な偶然が重なったものだったようです。カーンとのコラボレーション「セイクレッド・モンスターズ」観ていませんが、なんとスヌーピーのサリーが出てくるんですね。ギエムがスヌーピーを語っているのがとても面白いです。強烈なカリスマ性を持ちながらも、ユーモアのセンスがある素敵な女性であることがインタビューから伝わってきますね。同じダンサーである首藤さんとの会話であるだけに、共振するものが感じられて良いインタビューになっています。

私にとって「「マノン」も「白鳥の湖」もお芝居なのよ」と言い、ダンスよりもむしろ演劇に足を運んでいるということですが、私自身は女優としてのギエムは評価できないんですよね。「TWO」などで見せる強靭さ、戦う姿勢には感動するけれども彼女のお芝居は、どうも熱演が空回りしている部分があります。しかし、「人生のどんな時でも意欲的に本物でありたい」という意識はすごいと思うし、フットワークが軽く、貪欲にいろいろなものに挑戦している彼女に大いに刺激され、尊敬してしまうところはあります。

写真の多くは、写真集「INVITATION」からのもので、若かりしころの「眠れる森の美女」のリハーサル風景、ベジャールに「シシィ」を振付けられるところ、体操選手だった少女時代、「聖セバスチャンの殉教」など、美しい写真がたくさんあります。また最近のものを中心に、代表作の写真が14枚掲載されています。写真の数々を見ていて思うのは、崇高な雰囲気を漂わせる、女神という言葉がふさわしい人であること。舞台の上ではこんなにも神々しいにもかかわらず、意外と飾らなくて率直な性格だというギャップが魅力的ですね。

併せてアクラム・カーンのインタビューもあって、これもとても面白いです。「Sacred Monsters」ではなんとシルヴィは歌まで披露しているんですね。重ね重ね、日本で上演されないのはもったいないです。韓国では先日上演されたばかりというのに。。

Korea Timesには、シルヴィの記者会見の記事と、素敵な笑顔の写真があります。

こちらのKorea Heraldも記者会見の記事と写真です。今年日本で「白鳥の湖」と「椿姫」を踊ると書いてあります。秋の縦断ツアーの演目には「椿姫」も予定されているということですね。相手役は誰なんでしょうかね。普通に考えればニコラ・ル・リッシュでしょうが。

なお、首藤さんの今後の予定もSPUR LUXEに少し出ています。今年9月に、ベルギーにてシディ・ラルビ・シェルカウィと共同制作の世界初演が予定されているようで。日本にもぜひ持ってきてほしいですね。

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2007/03/07

イリ・ブベニチェク「融07」降板

大変悲しいお知らせですが、イリ・ブベニチェクは脚の怪我により、来日公演「融2007」を降板するとのことです。自作の振り付けを行っているので、来日はされるようです。一刻も早い回復をお祈りします。

詳しくは

http://www.cai-net.jp/YUH07/YUH07.html

をご覧ください。演目の詳細についても書いてあります。また動画も見られます。
(以下はサイトからのコピーです)

第一部
■DIVA
マリ=アニエス・ジロー
振付: カロリン・カールソン
映像: 端 聡

マリ=アニエス・ジロー(パリオペラ座エトワール)ソロ。
マリア・カラスがこよなく愛したオペラ「アンドレア・シェニエ」第3幕を優雅に、そして大胆に踊ります。
カロリン・カールソンの振付、マリの最も愛する代表的な
ソロのひとつです。
現代美術家の端 聡が映像でコラボレーション。

■In the middle, somewhat elevated(東京公演は1日目)

竹島由美子
ランディ・カスティーヨ
振付: ウィリアム・フォーサイス

ダンス界の奇才ウィリアム・フォーサイス作の短編。
パフォーマーを動くオブジ ェとして捉え、舞台と云う枠を越え空間芸術と呼ぶにふさわしいミニマムな構成を、
竹島由美子とRandy Castilloが演じる。音楽はThom Willems。

■premiere ddv (東京公演は2日目)
2007年度最新作 日本未公開作品

ブリユ・カルパンティエ
マルジョリ・アノト
マーク・マンドラバヘノカ
振付: マリ=アニエス・ジロー

パリ・オペラ座エトワール マリ=アニエス・ジロー振付 
2007年度最新作、日本未公開作品。
優雅さと神秘性を持ち合わせた全編約30分の大作です。
複雑 に絡み合う男女の関係をテーマとし、時には激しさを、時には静けさを美しい身体パフォーマンスで表現。
マリ=アニエス・ジローのもつ繊細な感性を垣間見ることができます。

第二部
■「融07」完結編~愛の彷徨~
来日ダンサー全員出演のオリジナル創作バレエ

振付: イリ・ブベニチェク
映像・オブジェ: 端 聡

ダンサー全員が出演するイリ・ブベニチェクのオリジナル振付作品。
2004年から上演されている「融」シリーズ完結編。
シリーズ共通のテーマ、揺れる男女の愛、葛藤を象徴としながらも、この07舞台はより幅広い人類愛をテーマに躍動感あふれる作品に仕立てられています。シリーズ共通のモーツアルト、レクイエムを冒頭と最後に挿入し最新のコンピューター音楽を構成します。ハンブルクバレエ団プリンシパルで最近は作曲家としても活躍するオットー・ブベニチェクが5曲の新曲を挿入。巨大3面スクリーンに映し出される映像、ノイズ音、さらにイリ・ブベニチェクの振付が観る者を魅了します。
聖母をモチーフとした端の平面作品とコラボレーションするパート、アフリカン民族太鼓のライブ演奏に合わせ、ダンサーのインプロビゼーション(即興)も飛び出すなど、新たな演出もみどころです。
ヨーロッパと日本の感性との融合から創作された「融07」完結編をお楽しみください。

※ ほか、新作を含む数曲を予定  


オーケストラ・ダスビダーニャ第14回定期演奏会 指揮:長田雅人、v)荒井英治

オーケストラ・ダスビダーニャとは、なんとショスタコーヴィチ専門のアマチュア・オーケストラで、通称タコオケと呼ばれているらしい。ショスタコーヴィチファンには有名な存在であり、過去の公演の評判も大変良い。チケット代が2000円と格安な上、大好きなヴァイオリン協奏曲が上演され、ソリストが東京フィルハーモニー交響楽団の荒井英治さん(マシュー・ボーンの「白鳥の湖」のオーケストラつき公演でコンサートマスターを務めた方)なので、お得だと思っていくことに。

2000席ある東京芸術劇場大ホールは、ほぼ満席という盛況ぶり。オールショスタコーヴィチプログラムなので、さぞかしクラオタっぽい男性だらけだろうなと思ったら、意外と女性もいた。さらに、オーケストラのメンバーにも女性が多くて少々ビックリ。

映画「ピロゴフ~先駆者の道~」の音楽による組曲(L.アトヴミャーン編、ドミトリー・ショスタコーヴィチ)

初めて聴く曲である。というか、そんなタイトル聴いたこともない。映画「ピロゴフ~先駆者の道~」は、1947年の作品で、クリミア戦争の従軍医師として活躍したピゴロフの伝記映画だ。したがって、当局に睨まれていたショスタコーヴィッチが、自分の首を守るためスターリン賛美をあからさまに謳った作品を量産していた時代の、プロパガンダ映画ってわけで。しかし、だからといってつまらない曲というわけではなく、どちらかと言えばその逆で非常に面白かった。誰にでも共産党万歳、と言わせてしまうほどのパワーがある。
1曲目:イントロダクション
2曲目:情景
3曲目:ワルツ
4曲目:スケルツォ
5曲目:フィナーレ
特に、2曲目の高揚感と不穏な弦楽器が重なっているところは身震いがするほど。かなりの爆音でインパクトが強く、続くワルツが急に美しく穏やかなので、面白い展開。フィナーレの盛り上がり方もすごい。演奏は、かなり上手いしよくまとまっている。特に金管系や、情熱的な打楽器がいいと思った。バレエ公演の時に聴かされる、下手なプロオケよりもずっと上。

ヴァイオリン協奏曲第1番 ドミトリー・ショスタコーヴィチ
ショスタコーヴィチが1947年に作曲したものの、当局との問題があって発表は約10年後になった作品。
去年のサンクトペテルブルグ・フィルでワディム・レーピンのとんでもない超絶技巧にぶっ飛んだ一曲。以来、このレーピンのアルバムを愛聴しているので、耳になじんでいる。第2楽章のスケルツォの印象的な旋律、第3楽章の長大なカデンツァなど、演奏者にとってはおそらく鬼のような難曲であろう。正面からこの難曲に挑んだ荒井さんの演奏は、力のこもった素晴らしいものだった。前から6列目という至近距離で観た荒井さんは、まさに音符と格闘しているという感じで戦っていた。だが流れ出てくる音は美しく、泣き笑いのように、軽妙でありながら真摯であり耳を気持ちよく刺激する。オーケストラとヴァイオリンの掛け合いも、語り掛け合ってるかのように絶妙である。時にはちょっとオーケストラの音量が大きすぎるかな、と思うところもあったけど、バランスの取れた良い演奏だった。いやはや、生で聴くと脳みそをシェイクされるような感覚に襲われながらも至福の時でもあるという、すごい曲だ。この難曲を、指揮の長田さんも的確な指示でよく率いていたと思う。オーケストラでは、やっぱり打楽器系が一番印象的だった。

荒井さんのアンコールは、映画音楽「馬あぶ」よりノクターン・イ短調。美しい曲だ。

本日のメーンイベントは、交響曲第15番イ長調。ショスタコーヴィチの最後の交響曲は、彼の交響曲の中でもマイナーな曲であり、これを聴くとどうしてもショスタコーヴィチの演奏会というと5番や7番が多く演奏されるのがわかる気がする。とにかくさまざまな引用がちりばめられており、自作の作品から「ウィリアム・テル序曲」からワーグナーの「ニーベルングの指環」「トリスタンとイゾルデ」まで引用されていたりして、相当人を食った難解な作品だ。しかも一番印象的なのが、「チャカポコ」と言われる、まんまチャカポコしたパーカッション(鉄琴)の音だったりするわけで、それがこの曲に不思議な温かみや癒しの要素を加えている。明るいのか暗いのかもわからない、幸せなのか不幸なのかもわからない、さまざまな感情がない交ぜになっているけど、ショスタコーヴィチの人生そのままを象徴しているかのようだ。そして、ダスビダーニャの演奏も、とても穏やかで温かさがある。ショスタコーヴィチが好きで好きでたまらない人たちが生み出した、幸福感が満ち満ちているのが演奏に感じられた。終盤、さすがに弦楽器を中心に疲れが出てきてまとまりがなくなってきたが、2時間半以上にも及ぶ演奏とあれば致し方ないか。いずれにしても、アマチュア・オーケストラとは思えないレベルの高さであった。

滅多に聴けない曲から、名曲「ヴァイオリン協奏曲1番」まで、ショスタコーヴィチの真髄を感じさせた、とても良い演奏会だったと思う。アマチュアでも、音楽に対する敬意と愛がこもっていれば、良い音楽を生み出すことが出来るんだというのがよくわかった。これで2000円は本当にお得である。来年はいったい何を演奏してくれるのか、とても楽しみだ。


2007/03/06

saita 4月号にニーナ・アナニアシヴィリのインタビュー

ニーナ・アナニアシヴィリ アンヘル・コレーラ グルジア国立バレエ公式ブログによると、

saita  4月号 「スターに聞く!おすすめの楽しみ方」
P.208にニーナのインタビューが記載されているそうです。
saitaは3月7日発売なので、もしかしたら書店に並ぶのは水曜日かな?

きょうは日付が変わるまで仕事をしていて、死にそうなのでこのへんで。加治屋さんみたいにバナナ食べなくちゃ。
コメントしていただいた皆様、全然お返事できなくて申し訳ありません。
東京バレエ団「ジゼル」の感想とか、オーケストラ・ダスビダーニャのショスタコーヴィチプログラムとか、いろいろと書きたいことはあるのですけど。

昨日の「情熱大陸」のアクセスの多さにすっかりびびっております・・・。おやすみなさい。

2007/03/05

3/4 「情熱大陸」ABT加治屋百合子さん

このブログのアクセス解析を見たら、なんだかすごいことになってなぜだろうと思ったら「加治屋百合子」で検索をかけた方がたくさんいらしていたようでした。バレエファンはみんな教育テレビの「ジゼル」を観ていたと思っていたのですが、さすが地上波の威力ですね。
私は基本「ジゼル」を観ながら、ちらちらと別のテレビで「情熱大陸」を観ていました。(録画は「情熱大陸」の方)

大体の内容としては、ABTのクラスレッスン(イリーナ・ドヴォロヴェンコ、アンヘル・コレーラのバーレッスンが少し映る)、加治屋さんのインタビューを挟みながら、彼女の教師であるイリーナ・コルパコワによるレッスンとコメント、芸術監督ケヴィン・マッケンジーによるコメントがあり。男性並の跳躍力があるとほめられていました。あの偉大なコルパコワに認められているというのは、たしかにすごいこと。

厳しい競争を勝ち抜いてきて、人並みはずれた努力も重ねてきただけあって、かなり自分に対する自信はあるようで、164cmとやや小柄ながら、腕の長さや跳躍力は自慢できるとのこと。たしかに、ジュッテはとても高く脚は200度くらい開くし、アントルシャ・シスもすごく高くて強靭な脚力の持ち主であることが見て取れました。腹筋も見事に割れています。脚を上げるのは足の力ではなく腹筋や背筋の力。腕の見せ方などは、バレエを学ぶ人にちょっと参考になる話をしてくれました。

一日10時間以上のレッスン、唯一の休日もSTEPSという有名なオープンクラスに通っているということで、自由の女神すらまだ見たことがないとのこと。部屋もルームメイトとシェアして質素な生活を送っているそうです。カンパニー内での競争は激しく、現在プリンシパルが17人、ソリストは9人しかいません(階級制度を紹介するのに、ABTのスーベニアブックを使っていました) ランクの違いは、舞台を踏んだ経験だけの差、と言い切るあたりは彼女の自信の一端がうかがえます。
ダンサーの生活はとても孤独で単調であるというSTEPSの社長の言葉が印象的でした。

それからローザンヌ・バレエコンクールの時の「ジゼル」の演技の映像が流れ、今までの足跡を簡単に紹介。10歳で親の仕事の関係で上海に渡り、家族は帰国しても一人で中国に残り、英語と中国語を習得しながら一人でバレエに打ち込むという過酷な経験を経ています。ABTには17歳で入団したそうです。

後半では、パリ公演で「ラ・バヤデール」の影の王国のソリストに抜擢されてから、本番を迎えたところまで。コール・ドでソリスト的な役柄を得られたのは2人だけだと(でも、記事などを見ると、影の王国のソリストにはサラ・レーン、ヒ・セオとコール・ドからは合計3人のようです)。この抜擢にはかなり羨望のまなざしを浴びたとのこと。パリ公演の映像では、影のヴァリエーションのほか、ソロル:デヴィッド・ホールバーグ、ニキヤ:ヴェロニカ・パルトが映っていました。番組ではプリンシパルの踊り、と言っていたけどまあ確かに主役をプリンシパルと言えばプリンシパルではあるのですが、ヴェロニカ・パルトはプリンシパルではなくまだソリストです。

舞台が終わって観客何人かにインタビューしたところ、加治屋さんんついてはかなりほめられていましたが、「ラ・バヤデール」の全幕ではなくミックスプログラムで、影の王国のみの上演だったので、コメントできるほどの大きな役だったかな、という疑問もちょっと。加治屋さん自身は、自分としてはそれほど出来は良くなかったと。自分に厳しくありたいので、と言っていましたが、それだけ向上心があるということなのですね。

加治屋さんが大変な努力家であり、かつ負けず嫌いであるというところがよく出ている番組となっていました。「22歳の今しかできないことをしたい」という彼女の強い決意が伝わってきて、本当にバレリーナというのは凡人をはるかに超えた意志を持たないと出来ない職業だと実感。何しろゆっくりご飯を食べる時間すらないのだから!おそらく加治屋さんは、今の実力からいってソリストには近いうちに昇格できると思うのですが、プリンシパルまでとなると本当に困難な道でしょうね。応援したいと思います。

2007/03/04

「ハイファッション」にファルフ・ルジマトフ

あちこちで話題になっていたので、購入してきました。

ハイファッション」4月号はファルフ・ルジマトフのファッション撮影がなんと10ページですよ!6月末の「ルジマトフのすべて」で初演される「ボレロ」の舞台衣装(上半身裸に黒いパンツ)、および素肌にぴったりとした上着をパンツの中にしまったコム・デ・ギャルソンのスーツ、白いコットンシャツ、エルメスのスーツをまとってタバコ片手に横を向いた憂いのある表情、ジルサンダーを着てパッセをしたときの正面を見据える少年のようなイノセントな目線。どれもこれも大人の男の色香にクラクラしそうな、たまらないショットばかり。ファッションのセンスも、シックでシンプルで良いと思います。唯一メタリック・ブルーのランバンのモカシンが強烈。

スタジオで「ボレロ」の新しい振付の一部を披露したとのことで、彼の腕のしなり、背中の曲線、翳りを帯びた視線、ルジマトフのダンサーとしての美しさも連続ショットでしっかりと焼き付けられています。一つ一つのポーズがこれだけ完璧なまでに研ぎ澄まされた人は、彼の他にいないと思いました。

ルジマトフというダンサーのストイックさ、すこしくたびれた色気、エロス、そして純粋さが誌面から伝わってきます。最近のルジマトフは舞台姿は美しいもののあまりにもメイクが濃すぎてちょっとトゥーマッチなところがあったのですが、素顔に近いこれらの写真には、熱狂的なルジマトフ・ファンではない私も直球でハートを直撃されました。

写真=秦淳司、スタイリング=坂元真澄。桜井多佳子さんによる熱烈な献辞あり。
あとがきの編集長の言葉では、10年前からルジマトフは撮影したくてたまらなかったとのこと。ファルフに対する愛情がいい意味で反映され、ルジマトフ像が正しく捉えられた、大変優れた企画だと思います。ファンには永久保存版でしょう。ファンでない方にも、ぜひ立ち読みを薦めたいです。

一緒に買ったギエム&首藤さんの「SPUR LUXE」についてあわせて書こうと思ったけど、これを書いただけで行きも絶え絶えになったので、それはまた明日。

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2007/03/03

芳賀啓さんによるバレエ絵画展

アメリカ・日本で活動をされている若手バレエ画家、芳賀啓さん作の、ウラジミール・マラーホフを中心としたバレエダンサーの絵画展が近々銀座で開催されます。

芳賀啓さんは、K-BALLET COMPANYのファースト・ソリスト芳賀望さんのお兄さんでもあります。お母さんもバレエの先生で、バレエ一家に育った方ならではの視線が感じられる素敵な絵を描かれます。

日時:3月12日(月)~17日(土) 
   11時~18時(最終日15時終了)


場所:Gallery美庵 
   東京都中央区銀座8-7-6 (平つかビル5階)
   
地図→ http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=all&nl=35/39/54.954&el=139/45/52.048&scl=5000&bid=Mlink

主催:藝術出版社 電話:03-3464-5131

※入場無料

芳賀啓さんは2007年2月に第13回美庵大賞展において大賞を受賞されたばかりです。
今回の個展では昨年9月にフィンランドでのウラジミール・マラーホフとその他世界的に有名なバレエダンサーの取材を元に、約20点が展示される予定です。過去の作品も合わせて展示されるとのこと。

芳賀啓さんのプロフィール
http://www.johnstonarts.com/pages/kei.html

過去の作品
http://www.johnstonarts.com/pages/Kei2.html

2007/03/02

ABT公式サイトのギャラリー追加

ABTのオフィシャルサイトにあるギャラリー、最近全然写真が更新されていなくてつまらないな~と思ってみてみたら、新しいギャラリーができていました。
おなじみGene Schiavoneさんによるギャラリーです。

Geneさんのサイトにある写真も一部ありますが、ホセ・カレーニョ&ジュリー・ケントの「アポロ」、エルマン・コルネホの「In The Upper Room」、ステラ・アブレラの「海賊」ギュリナーラ、カレーニョ&アレッサンドラ・フェリの「ロミオとジュリエット」など、初めて見る写真もあり、どれも素晴らしいです。ぜひご覧ください。

ついでにと言ってはなんですが、Ponさんのサイトでも紹介されていましたが、Gene Schiavoneさんのサイトにあるギャラリーには、デニス&アナスタシア・マトヴィエンコ夫妻のギャラリーが追加されています。Stars of the 21st Century Galaのステージ写真もありますが、リハーサルの写真や、スタジオ撮影の写真もあります。スタジオ撮影の舞台裏を撮った写真も、デニス&アナスタシアの素顔が伺えて興味深いです。アナスタシアはダンサーとしては少し実力不足ながら、ホントに美人さんですよね。マトヴィの虎柄の衣装はかなり笑えます。Ponさんのブログではこのガラの様子もレポートされていますので、興味のある方はぜひ。

Geneさんのギャラリーの写真は入れ替えを頻繁に行っていますので、定期的なチェックが必要ですね。

フリオ・ボッカ出演のCM

某大手動画投稿サイトを観ていたら、珍しいものを見つけました。なんとフリオ・ボッカが、アルゼンチンで携帯電話Blackberry(アメリカで今人気のスマートフォン)のCMに出演している映像です。
CMそのものはかなりコミカルな感じなんですが、ボッカは相変わらず渋くてすごくカッコいいです。

リンクは書かないので、観たい方は例の動画サイトで検索して見て下さい。面白いです。踊るところはありませんがエレベーターの中でバーレッスンもどきをしています。しかもフリオ・ボッカは中国語圏でも超有名人という設定です。

2007/03/01

パリ・オペラ座バレエ 『白鳥の湖』 DVD(ヌレエフ版)

発売日から1ヶ月近く遅れて、ようやく届いた。待ちきれなくなっていたのに夜中に観てしまって、あまりにもカール・パケットが素敵すぎて眠れなくなってしまうほどだった。

それにしても、「白鳥の湖」を観るたびに思うのは、ロットバルトという人はいったい何が目的でオデットを白鳥に変えてしまい、王子を騙しているのか。化け物のような姿をして、普段は暗い森に住んでいて、何が楽しくて生きているのかしら。王国を乗っ取ることだったら、女王をたぶらかすとか、オディールを王子と本当に結婚させるとか、いろいろ方法はあるだろうに、どうして、敢えてオディールの正体を明かしてしまうのか。考えれば考えるほどわからなくなってしまう。

ところが、ヌレエフ版の「白鳥の湖」となると、ロットバルトの目的はきわめて明快だ。王子に甘い毒をそそぎ込み、手に入れて意のままに操ること。王子への倒錯した愛情が一貫として表出している。王子を王室という幻想から覚醒させて、夢の存在であるオデットとオディールを使ってある感情を起こさせるけれども、最後には愛情を持って手塩にかけた王子をもっとも残酷な方法で裏切って、孤独と絶望のうちに死なせる。悪魔と呼ばずしてなんと呼べばいいのだろう。

家庭教師という王子に仕える身分でありながら、王子を支配し、操っている。父親のいない王子のファーザーコンプレックスを巧みに利用し、あるときには父、あるときには教師、そしてあるときには恋人。王子がどんなにあがいても、歯向かうことも、ましてや勝つことなど決してできない絶対的な支配者。最後の最後になって王子はロットバルト=家庭教師に戦いを挑むが、勝ち目は最初からなかった。

そしてカール・パケットのなんという悪魔的な美しさ。その場を支配する魔力。彫刻のように端正ながらも酷薄な横顔。撫で付けられた金髪。ジョゼ・マルティネスと比べれば小柄であるのに、踊っている時にはとても大きく見える。強く美しく、すべてをひれ伏せさせるほどの権力を持っている彼は、この作品の影の主役である。この映像、なぜかカールのアップがとても多い。特に1幕では、最後の方まではほとんど踊らないのに、黒い影のように佇んでいる様子が画面に常に映っており、その美しい横顔は、虎視眈々と王子という獲物を狙う猛禽類のようである。ヌレエフ版でしか観られない、1幕の終わりの王子と家庭教師のパ・ド・ドゥに漂う妖しく危険な香り。美しき支配者は、王子にいろいろなことを教えながら、魔法をかけているかのようであり、かつ、「お前は絶対私には勝てまい」と王子への絶対的な権力を見せ付けている。

ジョゼ・マルティネスの王子も、ヌレエフ版を良く理解してこの役を演じているようであり、素晴らしいパフォーマンスを見せている。とても品良く育ってきた端正な王子だが、あまりにも穢れを知らず純粋、従順で弱弱しい。孤独であるがその孤独さを誰に伝えることもできない。そこで出会った家庭教師が初めての話し相手であり、簡単に心を許し、素直にその甘い毒に耳をそばだててしまい、破滅していくという絶対的な悲劇。ルートヴィヒ2世とワーグナーとの関係に少し似ているのかもしれないし、あるいは、ディアギレフとニジンスキーとの関係なのかもしれない。

王子と家庭教師=ロットバルトとの関係性があまりにも濃密に描かれているため、オデット/オディールの存在感は薄い。あたりまえだ。実はオデットというのは実在しない、王子の妄想の産物なのだから。3幕の黒鳥の本来はパ・ド・ドゥのところがパ・ド・トロワになっており、否が応でも王子、オディールの関係にロットバルトも入り込んだ三角関係を表現していて面白い。王子はオデットと同じ姿をしたオディールにも惹かれているけど、同時に家庭教師と同じ姿をしたロットバルトにも魅せられているのだ。ロットバルトに愛を誓え、と言われたから愛を誓ったのであって、オディールに対して誓ったのではないように見える。

幕切れで、この三角関係はさらに明確になる。オデットをめぐるロットバルトと王子の戦い。これは、父親的な存在であるロットバルトに打ち勝つことができるかどうかという王子の試練である。父親殺しの儀式なのだ。しかしここでも、ロットバルト=家庭教師は王子への絶対的な支配力を発揮し、王子はオデットと家庭教師という愛するもの二つを共に奪われてしまって絶望のうちに死んでいく。オデットという存在自体、王子の生み出した幻想であり、家庭教師への感情が白鳥の姿をして現れただけなのであったということが、ここで再確認されている。そうまでして望んだものは、王子の指をすり抜けていき、王子は容赦なく深い森の奥底へと突き落とされ息絶える。

「白鳥の湖」というバレエは、いつでも、王子の物語である。

ヌレエフ版で特徴的なのは、他の作品でも顕著であるが、パの多さ。一つ一つの音にパを充てているため、ともすれば非常に足が複雑で足音も大きくなってしまうし、忙しい印象があるのがマイナス点。踊り手にとっての負担も大きい。だが、高度なテクニックを要するだけに見ごたえはある。1幕の終わりの乾杯の踊りは男性による群舞だが、跳躍も多くてハードであるが面白い振付だ。白鳥のコール・ドはフォーメーションの組み方がとてもユニークであり、そのフォーメーションがよくわかる映し方となっているのが良い。特に4幕は、他の振付では決して見られないような、複雑なフォーメーションの動きがあって楽しめる。技術的には、悪くはないものの12月にマリインスキーのコール・ドを観ているだけに分が悪いのは致し方ないだろう。腕や顔の向きがずれている、動きのタイミングもずれが多い。

アニエス・ルテステュのオデットは気高い威厳がありながらも悲劇性も感じさせ、存在感は際立っているが、去年4月の来日公演でも感じたとおり、かなり硬質な印象がある。したがって、オディールのほうがはるかに出来が良い。オディールは必要以上に妖艶だったり押し出しが強いわけではなく、優雅な美しさ、高貴さが強い支配力になって王子を圧倒している感じが良く出ている。フェッテはダブルを取り混ぜており、終盤少し不安定になっているものの、軸がしっかりしており安心して観ていられる。最終的にロットバルトの支配から逃れられない優柔不断さが理解できるような表現力があるのは、説得力があっていい。終始、王子とオデットとの間の心の通じ合いは感じられなかったけど、今回の「白鳥の湖」に限っては、その演出が正解。王子とオデットの関係なんておまけなのだから。

ジョゼ・マルティネズは前述の通りヌレエフ版の王子像を見事に演じていたし、ほっそりとした脚の美しさ、柔らかく優雅な動き、高く浮力のある跳躍は眼福である。パ・ド・トロワのエマニュエル・ティボーとドロテ・ジルベールが素晴らしいのは言うまでもない。民族舞踊はやはりロシア系に比べれば表現力やアクが弱いし、ヌレエフもこのあたりの振り付けはあまり得意ではなかったのね、と思ってしまった。チャルダッシュのアレッシオ・カルボーネは良かった。

基本的に引いた俯瞰の映像が多く、コール・ドの全体像がよくわかる映像は良い撮り方だと思う。ただし、たまに無駄な手先や足先のクローズアップがあるのが残念。顔のアップは要所要所にあるという感じで、バランス的には良い。「ジュエルズ」は映像がとても悪かったので、それに比べればきれいだと思うけど45型のテレビで見るとやっぱり鮮明さに欠ける部分も。音は、5.1チャンネルの方はノイズが多かったが通常のドルビーステレオは問題なし。シンプルで非常に洗練されたセットも、クールかつスタイリッシュで作品の悲劇性と王子の孤独をより引き立てていて好み。

何よりヌレエフ版の救いようのない後味の悪さと、黒い薔薇のように妖しく美しいカール・パケットが素晴らしく、お気に入りの映像となった。

パリ・オペラ座バレエ / 『白鳥の湖』
振付:ルドルフ・ヌレエフ
出演:パリ・オペラ座バレエ
オデット/オデール:アニエス・ルテステュ
ジークフリート王子:ジョゼ・マルティネズ
家庭教師/ロットバルト:カール・パケット
女王:ミュリエル・アレ
パ・ド・トロワ:エマニュエル・ティボー、ノルウェン・ダニエル、ドロテ・ジルベール
ナポリ:ジェレミー・ベランガール、ミリアム・ウルド=ブラム
ハンガリー:アレッシオ・カルボーネ、ファニー・フィアット
スペイン:ジュリアン・メザンディ、クリストフ・デュケンヌ、ステファニー・ロンベール、ナタリー・リケ
小さな白鳥たちの踊り: ドロテ・ジルベール、マチルド・フルステー、ミリアム・ウルド=ブラム、ファニー・フィアット
大きな白鳥たちの踊り:エミリー・コゼット、ステファニー・ロンベール、オ-レリア・ベレ、ローレンス・ラフォン
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団、ヴェロ・ペーン(指揮)
収録:2005年、パリ、バスティーユ・オペラ座
特典:バレエ概要・キャスト・ギャラリー
収録時間:145分(本編:141分、エクストラ:4分)

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