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« Domaniに吉田都さんのインタビュー | トップページ | パリ・オペラ座「白鳥の湖」DVD配送予定 »

2007/02/06

2/4 レニングラード国立バレエ「バヤデルカ」(まだ途中)

横浜方面に後ろ髪を引かれながらも、チケットを買っておいたマールイの「バヤデルカ」に行くことに。12月頭からの冬ツアーも、ついに最終日。本当にお疲れ様です。

結論を先に言うと、今回のツアーでも観た限り最高の出来で、大満足の公演だった。豪華絢爛で、主役からコール・ドにいたるまで踊りのレベルも高く、濃厚なドラマにどっぷりつかった3時間あまり。いつもは微妙なボヤルチコフ版の演出だけど、バヤデルカに関しては、許せる。

<1幕>
ニキヤ役のシェスタコワは、金髪を黒く染めて神に仕える舞姫に扮していた。お腹を出した衣装から見える腰の細いこと、そしてくびれていること!顔が小さくて、理想的なバレリーナ体型。登場したときから、他のダンサーとは別格の風格と神秘性をかもし出している。こんなに美しく品のある舞姫だったら、大僧正も自分の立場を忘れて一目ぼれしようというもの。柔らかく儚げな腕使い。音楽を体現するかのような舞。美しいだけではなく、なぜか胸を締め付けられるような、心に訴えるものがある。

荒行でぐったりしている苦行僧たちに、ニキヤが水を与えるところには、彼女の心優しさが良く出ている。ここで苦行僧マグダヴェーヤが、ソロルからの伝言をつたえ、見張り役となるというわけだ。この演出はなかなか小道具の使い方や演出が凝っている。

ルジマトフ演じるソロルは、白い衣装で登場。少し肌が浅黒いので、白い衣装が映える。ルジマトフは往年のように踊れなくなっていたとしても、存在や立ち居振る舞いが美しいのはなぜだろうと考えながら見ていて、答えがわかった。上半身、特に胸と背中のラインが完璧なのだ。もちろん腕もすばらしいのだけど。姿勢が良くて常にアプロンを保っている。だから立っているだけで、うっとりさせてしまう美の体現者たりえるのだ。
ソロルとニキヤのパドドゥは、幸福感でいっぱい、恋の情熱が伝わってくる。ただし、やはりルジマトフの体力的な問題か、高いリフトはなく、身長と同じ高さに持ち上げる程度だった。ニキヤが登場するシーンでかぶっていた白いヴェールが、二人の愛情の象徴。ヴェールを持って愛を誓うのだ。しかしこのヴェールは、二人の関係を知った藩主によって地面に叩きつけられる。

二人の逢瀬を見ていた大僧正の嫉妬メラメラは相当凄い。ブレグバーゼさん、演技が超濃いのだ。ニキヤに熱くしつこく迫る。ニキヤは、まあいけませんわ、と品よく、しかし凛として強く拒む。可愛さあまって憎さ百倍。怒りのあまり腕をブンスカ振り回しちゃって、もう。

そこへ、勇者ソロルの結婚相手として、藩主(今回大活躍のアレクセイ・マラーホフ)の娘ガムザッティがやってくる。マラーホフさんも、なんだかものすごいメイクをしていて元のお顔がわからないくらい。長身スリムでかっこいいんだけど、メイクが怖いよ。

ガムザッティのエフセーエワは、輝く金髪をマリー・アントワネットのような縦ロールにして登場。ヴェールを取ると、これまた真っ白な肌に青い瞳、絶世の美女の顔が現れる。こちらもお腹を出した衣装に、なぜかポアントではなく金色のヒール靴。うむむむ、ニキヤとの違いを出すためにはチュチュの方が良くないか?それはさておき、美しいガムザッティを見ても、ソロルは動揺するだけで、彼女の美しさに参ったという感じではない。ルジマトフのソロルは、絶対的な愛をニキヤに誓っているからだ。(彼の後の行動と思いっきり矛盾しているんだけど)。なんでこんなことになってしまったのだろうと当惑し、魂ここにあらずといった風情。

そしてこの幕のクライマックスは、ニキヤvsガムザッティの女同士の対決。ガムザッティがヒール靴を履いているため、ここでは踊らないのが残念。エフセーエワのわがままお嬢様ぶりはなかなかのもの。イジワルとか高慢とか残酷とかそういうわけではなく、蝶よ花よと育てられ、今まで生きてきて一度も思い通りに行かなかったことがなかった姫が、初めて、思い通りにならないことに直面して逆上する、という解釈だ。自分の宝石を与えることで、簡単に身分の低いニキヤを心変わりさせられると思っていて、それができなくて、いくら懇願してもダメで、そのことにすごく驚いてしまって、キレてしまう。こんな下々の女なんか、なんとしてでも思い通りにさせるわ、という強い意志がぎらぎらと顔を出す。だけど、ニキヤはニキヤでソロルへの一途な思いがあるから、絶対に譲歩できない。詰め寄るガムザッティに追い詰められ、2回もガムザッティを地面に叩きつけるほどの激しさを見せた。最後にはナイフを向ける。ガムザッティも、こんなことは初めてだから、お嬢様らしく途中で泣き出してしまったりして。だが、ニキヤが去った後には、あの女を絶対に殺してやる!という強い決意の表情が恐ろしい。こんな怖い顔をしたのも、ガムザッティにとっては生まれて初めてのことだろう。

<2幕>
とても華やかな婚約式。ソロルは象に乗って登場。もちろん本物の象ではないのだけど、なかなか立派な象の装置である。パ・ダクシオンやブロンズ・アイドル、壷の踊り、太鼓の踊り、グラン・パとたっぷりと踊りが楽しめる。中でも素晴らしかったのが太鼓の踊り。ボリショイにも引けを取らないほどのパワー全開ぶりで、最高だった。インドの踊りのガルネツ&ポドショーノフ、かっこよかった。ブロンズ・アイドルもなかなかではあった。グラン・パにはコシェレワやミリツェワといった主役級を揃え、レベルが非常に高くて目に快い。

ソロルとガムザッティのパ・ド・ドゥ。ルジマトフはヴァリエーションを踊らなかったのが残念。エフセーエワのピルエットのサポートはうまいし、二人でジュッテやアントルラッセを踊るところはとてもきれいに跳んでいたのだけど。
エフセーエワのイタリアン・フェッテは見事の一言。これだけびしっときれいにポアントに立って、アティチュードやバットマンをきめられているところはなかなか見られないと思う。自信に満ち溢れていて、ゴージャスに光り輝く絶世の美女。そして横で、やはり魂ここにあらず、後ろめたい気持ちで暗く沈むソロルがたたずむ。

婚約した二人の前に、打ちひしがれたニキヤが現れ、踊りを奉納する。

(つづく)

ニキヤ:オクサーナ・シェスタコワ
ソロル:ファルフ・ルジマトフ
ガムザッティ:エレーナ・エフセーエワ
大僧正:アンドレイ・ブレグバーゼ
ドゥグマンタ(藩主):アレクセイ・マラーホフ
マグダヴィア(苦行僧):ラシッド・マミン
アイヤ(ガムザッティの召使い):ナタリア・オシポワ
奴隷:ドミトリー・シャドルーヒン
ジャンペー:オリガ・ポリョフコ、ユリア・カミロワ
黄金の偶像:デニス・トルマチョフ
インドの踊り:エカテリーナ・ガルネツ、マクシム・ポドショーノフ
太鼓の踊り:アレクセイ・クズネツォフ
マヌー(壷の踊り):ナタリア・リィコワ
グラン・パ:
 イリーナ・コシェレワ、タチアナ・ミリツェワ、ユリア・アヴェロチキナ
 ユリア・カミロワ、アリア・レズニチェンコ、アナスタシア・ガブリレンコワ
 マリーナ・バルエワ、ナタリア・エゴロワ
幻影の場面 ヴァリエーション:
 オリガ・ステパノワ、アナスタシア・ガブリレンコワ、タチアナ・ミリツェワ

指揮:セルゲイ・ホリコフ

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コメント

目の前に舞台が展開しているかのような素晴らしいレポを
ありがとうございます。
昨年のボリショイで「バヤデルカ」に開眼した私としては、
最終日で総力を結集したマールイ版も観たかったです。
後半も楽しみにしています。

>上半身、特に胸と背中のラインが完璧なのだ。<

本当にその通りですよね。私も初めてルジマトフのアリをDVDで観た時、彼のあの美しさは一体どこから来るのだろうと気になり、何度も巻き戻しして観てしまいました。そして、その時に達した結論は、やはり背中にあるということでした。

そんなルジマトフをこんなに何度も観られるなんて、日本の皆様が羨ましいです…

うーむ、よかったようですね~~。
同じバレエ団や踊り手による舞台でも、いい舞台を見て感動しようと思ったら、やはり見たい演目を東京で見なければいけないのね(日本で見る場合ですが)・・・と記事を拝見して改めて感じました。

「バッハのオマージュ」もすごく見たかった!

Fさん、こんばんは。ようやく書き終えました。お返事いつも遅くてすみません。
去年のボリショイのバヤデルカも素晴らしかったですよね!多分毎年マールイは持ってきてくれるから来年に期待しましょう。待ちきれません!

いちぞーさん、
ルジマトフを一番観られるのは日本の人かもしれませんね。マリインスキーのツアーにも参加しないし。やっぱり背中ですよね。
ぜひ今度は彼が日本にいるときに一時帰国してくださいね。

うるるさん、
マールイは頑張って地方も回っていますよね。なかなか大変かと思いますが、たまには遠征でこちらにいらしてください。泊まるところくらいは提供します♪
ナチョも横浜だけだったのがもったいなかったですよね。

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