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« 第7回エリック・ブルーン・コンクール | トップページ | ABTパリ公演のニュース映像 »

2007/02/09

2/4 レニングラード国立バレエ「バヤデルカ」さらに続き

マールイの「バヤデルカ」の終わり方は、少しマカロワ版に似ていて影の王国の後に結婚式のシーンがある。

結婚式なのに、真っ赤な衣装のガムザッティと、先ほどと同じ青い衣装のソロル。めでたいはずの結婚式だというのに、照明は暗く、そしてソロルは沈痛な表情。なぜ自分は、この女と結婚しなければならないのだろうと自問自答している。ソロルとガムザッティの腕に赤いスカーフが巻きつけられ、儀式が執り行われようとするその時に、白いヴェールをかぶったニキヤの亡霊が現れる。この亡霊が、かなり、怖い。ガムザッティとソロルの間に入ったり、ガムザッティと代わってソロルと踊ったり。さらにお祝いの花を掴んで空から二人の上に降らせる。女の強い執念を感じさせる。表情には憎しみも恨みも出していないのに、背筋に冷たいものを走らせる。

花が落ちてくるのを見て、ソロルはニキヤの存在を感じる。もはや、彼にはこの結婚が耐えられなくなってくる。しかも直感的に、愛する女性を死に追いやったのはガムザッティであることに気が付いてしまう。我に返ったように花を拾い集めて、激しい憎しみを込めてガムザッティに投げ、さらに赤いヴェールをくしゃくしゃに掴みガムザッティに投げつけて儀式を中断させる。このあたりのルジマトフの演技はさすが。大袈裟になることもなく、心を凍らせるようなぞっとするような表情を見せる。激しく拒絶されたガムザッティはパパにしがみついて泣き始める。人を平気で殺すような女でありながらも、実のところかなり弱虫で甘えん坊なへたれお嬢様なのだ、ガムザッティは。まさに恋によって盲目になってしまって悪事に手を染めてしまった哀れな女。

影の王国の清らかな世界とは対照的な、汚れきった地上の愚かな人間たちを罰するように、結婚式が執り行われていた神殿が崩壊し、そこにいた人間は全員死ぬ。ただ独り、大僧正を残して。ニキヤを象徴する白いヴェールが天高く舞い上がる。取り残された大僧正は、この恋の顛末が残した破壊と禍根とともに、終生独りで生きていかなければならない。それこそが、色欲に惑わされ悲劇を呼んだ彼へ下された神罰なのである。


3時間以上にわたり、見ごたえたっぷりの濃厚な愛憎ドラマを堪能した。影の王国のコール・ドも見事な上、主役3人も大変優れた演技と踊りを見せてくれた。太鼓の踊りなどのキャラクターダンスもハイレベルだったし、マミンさんのマグダヴェーヤのエネルギッシュな踊りも楽しめた。衣装や美術は美しくゴージャス。アニハーノフが帰国してクオリティが下がっていたオーケストラは、最終日ということで気合が入り、先日の「白鳥の湖」のひどい演奏を聞かせたのと同じオーケストラとは思えないほどであった。素晴らしい舞台を本当にありがとう!マールイの皆様。(で、帰国して3日後にはもう地元で公演が始まっているらしい!)

この完成度の高いバヤデルカ、来年はもっと公演回数を増やしてもいいかもしれない。東京以外の地方で上演するのもよいのでは?セットが大きくて立派だから難しいのかしら。

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コメント

思わず最初から全部読み直してしまいました!おかげでストーリーがよ〜く解りました。(笑)

いちぞーさん、こんばんは。

今年はABTはMETでバヤデールやりますね。ううう観に行きたい~マルセロのソロル~イリーナのガムザッティ・・・(涙)
ABTはマカロワ版なのでキャラクターダンスはないはず。その代わりニキヤのうらめしやが堪能できます。

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