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2007/02/27

2/24、25 NBAバレエ団&ラスタ・トーマス「バレエ・リュスの夕べ」

「ショピニアーナ」
 原振付:ミハイル・フォーキン、再振付:アグリッピナ・ワガノワ
 音楽:フレデリック・ショパン
 出演/原嶋里会(マズルカ)、峰岸千晶(ワルツ)、鷹栖千香(プレリュード)、ラスタ・トーマス(青年) 他
「ル・カルナヴァル」
 原振付:ミハイル・フォーキン、再振付:セルゲイ・ヴィハレフ
 音楽:ロベルト・シューマンのピアノ曲集「謝肉祭」
 美術/衣装:レオン・バクスト
 出演/田熊弓子(コロンビーヌ)、セルゲイ・サボチェンコ(アルルカン) 峰岸千晶(蝶々)、アレキサンダー・ミシューチン(ピエロ)
「バラの精」
 原振付:ミハイル・フォーキン、再振付:セルゲイ・ヴィハレフ
 音楽:カール・マリア・フォン・ウェーバー
 出演/猪俣陽子、ラスタ・トーマス
「ポロヴィッツ人の踊り」
 原振付:ミハイル・フォーキン、再振付:フョードル・ロプホフ
 音楽:アレクサンダー・ボロディン(「イーゴリ公」より)
 出演/鷹栖千香(24日)、チョン・オンキョン(25日)、アレキサンダー・ミシューチン(24日)、ビクトル・コスタコフ(25日)
復元演出:セルゲイ・ヴィハレフ
監修:薄井憲二

もちろんこの公演はラスタ・トーマス目当てで行ったわけだけど、もともとバレエ・リュスというかフォーキン作品が大好きなので見逃せない公演となった。席も端っこだけど最前列(笑)

「ショピニアーナ」
別名「レ・シルフィード」、妖精モノが好きではないため今までこの演目ってあまり面白いと思ったことがなかったのだけど、改めて観てみると意外と楽しめた。NBAバレエ団を観るのは実は今回初めてなのだが、なかなかレベルは高いと思った。ロシア系のテクニックで踊っているため、上半身がきれいでコール・ドが良く揃っている。そしてソリストの3人はみなポール・ド・ブラの美しい、良いダンサーである。特にプレリュードを踊った長身の鷹栖千香さんがのびやかな踊りで良かった。
さて、ラスタだけど、サポートが多くて見せ場の少ないこの役はちょっともったいなかったかも。さすがにジュッテなどの跳躍は非常に大きくて素晴らしいけど、足音はちょっと大きかったと思う。ジュッテ・アントルラッセのときに脚を打ちつけてダイナミックに跳んでいるのには驚いた。ラスタはあまりクラシックのダンサーというイメージはないと思うけど、さすがにキーロフ・アカデミー出身でマリインスキーにも一時在籍していただけあって、クラシックのテクニックは非常にしっかりしている。ルルベで立ったときの足の甲は美しいしバランスも鉄壁。もちろんポール・ド・ブラも優雅で素敵だった。ちょっと合わせてのリハーサルが少なかったようで、パートナーシップが上手くいっていなかったのは残念だったけど2日目のほうが慣れてきたのか良かった。

「ル・カルナヴァル」
滅多に上演されない貴重な演目。そのためか、評論家の先生がたくさん来場していた。シューマンのピアノ曲集「謝肉祭」に基づいて振付けられたもので、作曲家自身の分身である主人公パンタロンのほかピエロ、アルルカン、コロンビーヌなどコメディア・デラルテの登場人物が現れる。パンフレットに詳しいストーリーの説明があるのだけどけっこう複雑な筋。華やかなカルナヴァルと貴族たちの中で、愛に見放される老人パンタロンと孤独で哀れなピエロのお話。「ペトルーシュカ」の貴族版という趣。
女性たちはみんなフリフリの可愛いドレスを着ていて、コロンビーヌと蝶々以外はアイマスクをしている(なので、誰だ誰だか今ひとつよくわからない)。蝶々はとっても可愛い頭飾りをつけていて、この役を演じている峰岸千晶さんもとてもキュートだ。コロンビーヌの田熊弓子さんはこの舞台で引退するというが、とても上手なのでもったいない。ピエロ役のアレクサンダー・ミシューチンもとても演技が上手で、感情移入させてくれたが、なんといってもアルルカンのセルゲイ・サボチェンコの踊りの見事なこと。足音ひとつさせずに高いパ・ド・シャから深いプリエと着地。優雅な上半身。しなやかな動き。海外の一流カンパニーの主役級のダンサーでもおかしくないほどのテクニックと表現力だ。サボチェンコを観ているだけで惚れ惚れとして楽しんでしまった。

「バラの精」
お待ちかね、今日の一番の楽しみ。しかし、ラスタの衣装にはちょっと絶句・・・。サーモンピンクの光沢のある全身レオタードでほとんどお仕置き状態(苦笑)。頭を覆う帽子も小さくて髪があまり隠れていない。こんな衣装を着せられてかわいそうになるほど。その上、上半身がかなりしっかりとした筋肉がついているため、中性的な雰囲気はなくて、体育会系の若い男の子という感じ。さすがに窓から部屋へ飛び込んできたときの跳躍は非常に高くて会場でもため息が漏れた。妖しさは微塵もなく、健康的で爽やかな薔薇。初夏の朝露が滴るようなフレッシュローズといった雰囲気。でも陶酔した表情はかわいらしかったし、ここでも歌うような腕の動きがとても優雅で、薔薇が花開いていくかのように素敵だった。薔薇の精独特の、アンオーに腕を上げて目を伏せて少し横向きに顔をずらした官能的なポーズはとても決まっている。席が前の方なので、息遣いまで聞こえてきてドキドキする。それに一つ一つの跳躍がとにかく大きくて軽やかで、止まっていることはほとんどないのに最後まで跳躍の高さは衰えない。今まで観たどの薔薇の精にも似ていない、オリジナリティがあって鮮烈な薔薇であった。
少女役の猪俣さんとのパートナーシップはとてもよかった。

「ポロヴェッツ人の踊り」
これは個人的に大好きな演目なので、今回観られて良かった。NBAバレエ団はロシア人の団員が多いため、男性群舞が大変迫力があって見ごたえたっぷり。隊長役のアレクサンダー・ミシューチンの踊りも力強く、最初から最後まで数え切れないくらいのトゥール・アン・レールを繰り返していて凄かった。女性陣もかなり体力的にきつい踊りが多かったと思う。ポロヴェッツの少女の谷田奈々さんの、ジュッテを何回も繰り返す踊りが良かった。「表現豊かな群舞の魅力をたっぷり見せ付ける」というフォーキンの意図が良く伝わってきて、ホント、この演目はとても勇壮で気分が盛り上がって、幕切れにふさわしい感じ。演奏(指揮:榊原徹、東京劇場管弦楽団)も非常に良かった。

NBAバレエ団が実力があるのがよくわかったし、とてもよい企画だったと思う。パンフレットには、それぞれの演目の詳しい解説と、バレエ・リュスの豊富な図版があって、これで1000円はお買い得。ぜひNBAバレエ団は、バレエ・リュス作品を今後も上演し続けてほしいと思った。

なお、次回公演(第4回トゥール・ヴィヨン公演)では、打って変わってトワイラ・サープの「ナイン・シナトラ・ソングス」(ABTでこの間上演された「シナトラ組曲」ですね)、トッド・アレン振付の「ディメンションズ」などを上演するとのことで、これもとても興味深い。

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コメント

>トワイラ・サープの「ナイン・シナトラ・ソングス」(ABTでこの間上演された「シナトラ組曲」ですね)<

以前どこかで『ナイン・シナトラ・ソングス』を観た事があるのですが、『シナトラ組曲』はシナトラ・ソングを6曲しか使っていないし、全然別ものだったように思えます…

(『シナトラ組曲』は最初から最後まで同じカップルが踊るのに対して、『ナイン・シナトラ・ソングス』はダンサーの入れ替えがあったような気がするのですが。)

いちぞーさん、こんばんは。
すみません、間違いでしたね。ご指摘ありがとうございます!どうやら「シナトラ組曲」は「ナイン・シナトラ・ソングス」の抜粋のようなものみたいですね。
http://www.abt.org/education/archive/ballets/nine_sinatra_songs.html
http://www.abt.org/education/archive/ballets/sinatra_suite.html

トワイラ・サープといえば、「In The Upper Room」はこの間ボリショイが上演したみたいでネットで動画を見ましたがボリショイのダンサーがアレを踊るのを見るのはなんだか不思議でした。一応ちゃんとキース・ロバーツが振付指導に行ったようでした。

はじめまして。自動的にアップされることはないと信じて余計なことを書きます。カルナヴァルの登場人物はパンタロンを含めて全部作曲者の分身かもしれませんが、一般的にはオイゼビウスとフロレスタンが作曲者自身と言われています。どちらも恋する青年です。古いヨーロッパのコメディーでは、金持ちで威張っていて頭が固くて好色な老人パンタロンが、召使のアルルカンやコロンヴィーヌにやっつけられるのがお決まりのパターンでした。型破りな音楽を発表して、頭の固い層から批判を受け、恋においては相手の父親に認めてもらえなかった若きシューマン、そして、やはり型破りなバレエを発表して、頭の固い連中と戦っていた若きフォーキン、お決まりのコメディーに見せて、頭の固い連中や愚痴を言いだけの連中をやっつけてみたのではないでしょうか。シューマンもフォーキンも若いときに作っています。自由を求める若者の作品と思うと納得できます。自信はありませんが、私はそんな風に感じました。(まだ勉強中なので、アップしないで削除してください。よろしくお願いします。)

ブログ初心者さん、こんにちは。

ホントにお返事が遅れてしまって申し訳ありません。いい加減な記事に反応していただき、ご指摘をいただいてありがとうございます。やっぱりそうでしたんですね。後で修正します。

naomiさま
こちらこそ、アップされると思わず、自信もないのにコメントを書いてしまってすみません。その後この分野に詳しい方とお話しする機会があり、老人やピエロの孤独に焦点をあてた見方も当然あって良い、と教えられました。記事が間違っているわけではなく、別の見方もある、という程度のことでした。お詫びとともに、記事をたいへん楽しく共感しながら読ませていただいたことを付け加えます。

ブログ初心者さん

またお返事が遅くてすみません。お詳しい方とお話されたんですね。身近にそんな方がいて羨ましいです。解釈の違いをめぐってお話ができるのも楽しいですね。また遠慮なくどんどん書き込んでくださいね!

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