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2007/01/09

映画「007 カジノ・ロワイヤル」

父親が大の007ファンで、ロンドンに住んでいた頃から親に連れられて毎回観に行っている。最初に劇場で見たのは「私を愛したスパイ」。年がばれますね。

ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じると聞いて個人的には期待値がすごく高くて、一刻も早く観なくちゃと思いながらも結局2007年になってしまった。通常私はシネコンで映画を観るのだけど、ちょっと郊外なので、冬休み期間になると昼間のスクリーンは子供向け番組中心になっちゃって、この作品は小さなスクリーンに追いやられ、見ようと思って出向くと満席で、今回は3度目の正直である。

ダニエル・クレイグといえば私にとっては「愛の悪魔~フランシス・ベーコンの歪んだ肖像」で、ベーコンの若い愛人役を演じていたのがとても印象的だった。とてもセクシーだったのを覚えている。その後は「ロード・トゥ・パーディション」など、悪役のイメージが強かったけど。
秋にニューヨークの地下鉄で最初に007のポスターを見たとき、映画のポスターと気が付かなくて、誰この素敵な人、と思ったらそれがカジノ・ロワイヤルのダニエル・クレイグだった。

さて、この映画は掴みのモノクロの暗殺シーンがスタイリッシュ。ダニエル・クレイグはこの映画の間中、目の青さがとても印象的で、特にモノクロだとその青さが際立つ。金髪に青い目というのは、冷たい印象を与えるのであって、今回は、あえてその容貌を持つクレイグを起用することで、ボンドの冷酷さを強調しているのだと思った。

が、この「カジノ・ロワイヤル」はいわばエピソード1で、ジェームズ・ボンドがどうやって007になって行ったかを描いているので、最初のうちは相当人間臭い。冒頭のアフリカでのチェイスシーンの壮絶な生身のアクション。仕事上のミス。毒を盛られて死に掛ける。ヴェスパーと恋仲になってあっさりと上司宛に「辞めます」とメールを送っちゃう。隙が多くて人間的な面も多く、まだまだ成長途上だと感じさせる。が、生身の肉体の痛みをかんじさせてくれるのがいい。やっぱりアクションはカーチェイスとかじゃなくて、身体性を感じさせてほしい。

個人的に最大の見所は拷問シーンかな(笑)。素っ裸にされて縛り上げられ、美しい肉体を見せているのだけど下半身を集中的に攻撃されて叫び声を上げちゃう。時には「そこじゃない、ここ」とジョークを飛ばす余裕もあって思わず笑っちゃったんだけど、かなり萌えましたわ。

さすがだな、と思ったのは、何をされても暗証番号だけは絶対に言わない、という強固な意志を示したこと。たとえヴェスパーが殺されたとしても、口は絶対に割らない。任務が第一。ここでようやく、殺人許可証を持つ男の冷静さの萌芽が見えたと感じられた。

ダニエル・クレイグはきわめて生真面目なボンド。前任者のピアース・ブロスナンとは正反対の印象。生真面目すぎてプレイボーイには見えないというか、まだ自分の魅力に気が付いていない。モンテネグロでヴェスパーが用意したタキシードを身に着けて、見違えるように素敵に磨かれたように見えた。シリーズへの出演を重ねて、さらにどれだけ研ぎ澄まされていくかが楽しみ。人が殺されるのを目の当たりにして、血が取れないとシャワーの中で泣いているヴェスパーの指を舐め、肩を貸してあげるところは、すごく優しそうでぐっときたのだけど、その優しい部分をこれからは殺していかないといけないのね、と思うと切なくなる。ラストシーンの「ボンド、ジェームズ・ボンド」と名乗る時の青い瞳の酷薄さがたまらない。

ヴェスパー役のエヴァ・グリーンは、デビュー作「ドリーマーズ」ではアンダーヘアーまで見せて相当エロい身体の持ち主なのだけど、それを封印してお堅い会計士を演じていた。いつもはかなり濃いアイメイクをして武装しているけど、すっぴんになるととても無防備で可愛くてかえってそっちの方が色っぽく見える。ボンド映画ではヌードはないというのが鉄則だし。なぞめいた魅力はあったけど、この役を演じるには少々若すぎるかも。

007というとさまざまなガジェットや派手でスケールの大きいアクションが出てくる印象が強いけど、今回はとても渋いスパイアクションになっていた。個人的にはこれくらい渋い方がスパイ映画らしくて好き。繊細さや脆さを感じさせながらも、殺人マシーンの本性も覗かせるダニエルはホント素敵だった。

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