BlogPeople


2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« マリインスキー・バレエ「ロパートキナのすべて」 | トップページ | キエフ・オペラ「アイーダ」12/3 »

2006/12/03

マリインスキー・バレエ「ロパートキナのすべて」その2

続きです。

○「ライモンダ」第3幕
音楽: アレクサンドル・グラズノフ
振付: マリウス・プティパ
改訂振付: コンスタンチン・セルゲーエフ

ライモンダ: ウリヤーナ・ロパートキナ
ジャン・ド・ブリエンヌ: エフゲニー・イワンチェンコ
マズルカ: エレーナ・バジェーノワ、フョードル・ロプホーフ
ハンガリーの踊り: ポリーナ・ラッサーディナ、イスロム・バイムラードフ
ヴァリエーション: イリーナ・ゴールプ

まずライモンダの叔母やハンガリー王が登場して、ここでもまたPDDではなく、ひとつの幕を丸ごと上演していることがわかる。マズルカ、 チャルダッシュ(ハンガリーの踊り)とたっぷりと魅せてくれた。マズルカのエレーナ・バジェーノワが大変な色っぽい美女でうっとり。マリインスキーのキャラクターダンスは、ボリショイほどのアピール力はないけれども、それでもやっぱりレベルは高い。そしてチャルダッシュのイスロム・バイムラードフ!長身で脚が長くて美しい。アクセントのつけ方や見得の切り方が絶妙で惚れた。

グランパ・クラシックは、今まで散々揃わないのを観てきたから、ちょっと感動的。ただし、リフトで一人失敗している人はいたけれども。男性陣が一人一人トゥール・ザン・レールを決めるところもさすが。一人、マールイのプハチョフに似ている人がいると思ったら、後で調べたらお兄さんだったのね。

ヴァリエーションを踊ったイリーナ・ゴルプは小柄で、とても元気が良くはっきりとした輪郭で気持ちよく踊る。グランパの中のヴァリエーションはかくあるべしというお手本のよう。

ロパートキナは、新国立劇場でパヴレンコがゲストで出演した時と同じ、白くてシンプルなチュチュと、ベレー帽のような帽子をかぶって登場。この衣装はかなり微妙だと思うのだけど。が、踊りは言うまでもなく素晴らしい。ピアノの音で踊るヴァリエーションのときは、手をまったく打ち鳴らさないで踊っていたが、上半身の動きの美しさに釘付け。なんと流麗なことだろう。そこら辺のダンサーだと、背中を必要以上に反らせたり大袈裟に見得を切ったりするところを、あくまでも品格を保ち、優雅に踊っている。ハンガリー風味は薄れていて、クラシックな印象。もちろん、ポアントの安定度は抜群でパドブレも完璧。しかし完璧といっても、冷たさは感じさせず、柔らかくてふくらみのある表現となっていた。
ロパートキナがあまりにもすごいからか、そしてコルスンツェフも絶好調のためか、相手のイワンチェンコはかなり分が悪かった。全体的に肩があがっているのが美しくないし、ジャンプなども重たくて弱い。悪くはないんだけどう~む。

○「ジュエルズ」より「ダイヤモンド」
音楽: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付: ジョージ・バランシン

ウリヤーナ・ロパートキナ×ダニラ・コルスンツェフ

物語性の希薄なバランシンはあまり得意ではないし、「ダイヤモンド」もバレエフェスで観たり、パリ・オペラ座のDVDで見たりしたのだけど印象にあまり残っていない。(ある意味特殊だった、ヴィシニョーワとマラーホフの「ダイヤモンド」はパロック真珠のようで、濃厚で面白かったけど) 群舞中心のバランシンは、一歩間違えると意識が遠のいてしまう。が、踊る人が素晴らしいと、こうも美しく感動的な舞台になるのだと実感。
背景は深い青に、大きめの星がちりばめられていて非常に美しい。衣装は、ヴィシニョーワがバレエフェスティバルで着ていたのと同じクリーム色がかったもの。

ここでのロパートキナの比類なき輝きをどうやって表現すればよいのか、適切な言葉がみつからない。一つ一つの動きに品格があるが、近寄りがたいというわけではなく、優しさやまろやかさ、温かさも感じさせる。チャイコフスキーの少しほの暗い音楽と見事にシンクロした、音符が見えてきそうな、緩急自在の踊り。難しく見えることは何一つやっていないのに、これほどまでに高度な踊りを見たことがないように思えた。
サポートするコルスンツェフも、パキータの時よりも一層調子がよく、縁の下の力持ちでありながら、ヴァリエーションでは見事な、足音のしない跳躍、長い脚をさらに長く見せる浮力のあるマネージュとお見事。まさにナイトといえよう。地味目の容姿が、途中からどんどんかっこよく見えていく。時には素敵な、少し照れたような笑顔を浮かべている。コルスンツェフが心の底からロパートキナに敬意を払っているのがわかり、二人の気持ちが通じ合っているのが見えた、素晴らしいペアだった。
群舞も、この演目の時が最も充実していて、二人を盛り立てる。物語性などどこにもないのに、ロパートキナが紡ぎ出す際立った美しさで別世界へと連れて行かれ、魂をすっかり抜き取られてしまった。ただただ繰り広げられる究極の美の世界に目眩まされる。
この輝きはダイヤモンドなのだけど、決して硬質なものではなく、今まで脈々と受け継がれてきた歴史とか、民族とかの重みと郷愁を感じさせる。血の通ったものだからこそ、感動させられたのだと思った。

これ以上書いても陳腐になるだけだが、至宝、という言葉がこれ以上似合う人もいないと思った。

というわけで、いまだに魂は抜き取られたまま。その状態で、月曜日にはオールスター・ガラです。思わずE席をA席に買い直してしまいました。

« マリインスキー・バレエ「ロパートキナのすべて」 | トップページ | キエフ・オペラ「アイーダ」12/3 »

バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
いいなあ~。ロパートキナのダイヤモンド。ご覧になった方々が口を揃えて良かったと言っていることからして、本当に本当に素晴らしかったんでしょうね。3年位前にABTでバレエ・インペリアルを見たときに「これ、ロパートキナで見たいな~」と思ったりしたんですが、あ~、私も見たかった~。

ううん。ダイヤモンド素敵だったんですね~。皆さんそろって絶賛。見たかったなー。バランシンも色々な踊り方があるんでしょうけれどもやっぱりもとを正せばロシア人だしロシアのために書いたダイヤモンドがきらきら美しく輝かしく踊られたのは何よりですね~。

Ponさん、
マリインスキーは来日公演の前は北米ツアーだったようですが、NYではやっていないのですよね。ちょうど劇場があいていないからかしら。
ロパートキナはマリインカの引越し公演でしか見られないので貴重な機会でした。バランシンも、踊る人によってはこんなに素晴らしくなるのですね。火曜日に海賊、日曜日に白鳥を見る予定です。

amicaさん、
そうそう、ダイヤモンドはロシアがテーマなので、ロシアに対する想いのようなものが伝わってきたのが一番のポイントだと思います。同じロシア人でもヴィシニョーワはまた全然違っていましたが・・。
たしかマリインカのジュエルズも収録はされているはずなんですが、発売されるという話は聞こえてきませんね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30328/12911597

この記事へのトラックバック一覧です: マリインスキー・バレエ「ロパートキナのすべて」その2:

« マリインスキー・バレエ「ロパートキナのすべて」 | トップページ | キエフ・オペラ「アイーダ」12/3 »