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2006/12/15

12/6 マリインスキー・バレエ「海賊」

コンラッド (海賊の首領):エフゲニー・イワンチェンコ
メドーラ (ギリシアの娘):ウリヤーナ・ロパートキナ
ギュリナーラ (ギリシアの娘):オレシア・ノーヴィコワ
ランケデム (奴隷商人):ミハイル・ロブーヒン
ビルバント (海賊):ドミートリー・プィハチョーフ
アリ (海賊):イーゴリ・ゼレーンスキー
セイード・パシャ (トルコ総督):ウラジーミル・ポノマリョーフ
フォルバン:エレーナ・バジェーノワ/ポリーナ・ラッサーディナ/リーラ・フスラーモワ/イスロム・バイムラードフ/アンドレイ・ヤーコヴレフ
オダリスク:イリーナ・ゴールプ/ダリア・スホルーコワ/エカテリーナ・オスモールキナ
アルジェリアの踊り:エレーナ・バジェーノワ
パレスチナの踊り:ガリーナ・ラフマーノワ

会社を定時に出たのに、エレベーター渋滞に巻き込まれ、数分遅刻。前奏曲は始まっていたけど、幕は上がる前だったので空いている扉近くのサイド席で1幕を観る。週初めの平日ということで、かなり空席が目立っていた。やっぱり平日6時半の公演が毎日あるって、勤め人にとってはすごく大変。

<1幕>
1幕の紗幕がとっても邪魔。その紗幕の向こうは華やかで悪趣味なまでに極彩色の世界。難破した船から打ち上げられたコンラッド一行。流れ着いた彼らを助けるのが、メドーラやギュリナーラら女性たち。ひときわ細身で長身のロパートキナは、プロポーションで際立っている。お腹を出したセパレーツの衣装。ロパートキナ様がこんな露出度の高い衣装だなんてありがたいような、もったいないような。しかし、彼女たちは奴隷商人のランケデムたちにさらわれてしまう。
猥雑感あふれる市場では、ランケデムが女たちを金持ちたちに売っている。台の上の女性たちはいずれも粒よりの美女で、彼女たちの跳躍は高くよく揃っている。まずは、顔をヴェールで覆ったギュリナーラが登場し、ランケデムと踊る。しかしアクシデントか、ヴェールは取れてしまってノーヴィコワの美しい(が、ちょっとリップグロスが塗りすぎて厚化粧な感じ)顔が現れる。ランケデムを演じるロブーヒンは、ひょうきんで憎めない小悪党ぶり。演技はなかなか達者だ。ランケデムのヴァリエーション。私はランケデムは、ABTでエルマン・コルネホの超絶技巧や、ゲンナディ・サヴェリエフ(彼もすごくてショーストッパーとなっていた)、さらにはホセ・カレーニョでも観ているので、踊り的にはちょっと物足りない感じだが、ロブーヒンも悪くはないというか平均点は軽く上回っている。ノーヴィコワとロブーヒンのパ・ド・ドゥは息が合っていたし、踊りの質もパキパキしていて共通点があったのでいい組み合わせだと思う。

アルジェリアの踊りとパレスチナの踊り。アルジェリアのエレーナ・パジェーノワが大変妖艶な美女。「白鳥の湖」で女王を演じることになっていると知ってびっくり。パレスチナの踊りのラフマーノワは少しおばさんだけど、踊りの方は情熱的でメリハリが利いていてとてもかっこいい。

次にメドーラが登場して台の上に乗せられる。ABTの海賊だと、セイード・パシャはメドーラのあまりの美しさに失神するのだけど、こっちのパシャの受けの演技も最高に楽しい。すけべだけど憎めない親父で、むしゃぶりつきかねないほどメドーラにぞっこんで、こんな別嬪さんのためなら、いくらでもお金出しちゃうもんね、って台詞が聞こえてきそう。いやはや「海賊」ってホントにアホアホなバレエだ。そしてそんな舞台に出てくださっているロパートキナ、ありがたすぎる。それにしても、ロパートキナのメドーラは高貴だ。一つ一つの動きが洗練されているしクリーンなラインを保っている。気が強そうで、まるで女王様のようだ。コンラッドを演じるイワンチェンコ。「ライモンダ」では重たくてダメダメだったけど、このコンラッド役はなかなかいい。コンラッドって男性主人公の割りに非常に影が薄くて損な役柄なのだが、イワンチェンコのコンラッドは男らしく重厚で品があり、絶世の美女であるメドーラがぞっこんラブラブになるのも納得できる。

<2幕>
2幕は、いわずと知れたアリとコンラッド、そしてメドーラとのパ・ド・トロワ。ちょっと前までダーシー・バッセルとロンドンで踊っていて、日本に来たばかりのゼレンスキーがアリを踊る。北米公演で持病のヘルニアを悪化させて降板したりと、ギリギリまで心配させたゼレンスキーだけど、無事舞台に立ってくれた。彼の場合は、舞台に立ってくださっただけで大変ありがたい。とても奴隷には見えず、なんか番頭って感じだけど。ところが、ここでオーケストラが大ポカをした!ヴァリエーションで駆け出したゼレンスキーも、あんなリズムのずれたへっぽこな音ではさぞかし踊りにくかったことだろう。だがゼレンスキーは、実に優雅に踏み切ってふわっと浮かび上がる。腰が悪いんだろうな、と感じてしまったのは事実だけど、美しい動きを見せてくれるし、着地も音がしなくてきれい。リフトはかなり省略していたと思うけど、その分イワンチェンコがしっかりとサポートをしていたから問題なし。たとえ調子が悪くても、エレガントな動き、高い跳躍で目を楽しませてくれ、独特の空気を運んでくれるゼレンスキーは素晴らしいと思った。イワンチェンコも、ここではダイナミックで大きな動きを見せてくれた。

フォルバン(海賊)たちの踊り。ビルバントを演じるのは、マールイ(レニングラード国立バレエ)のアルチョム・プハチョフの兄のドミトリー・プハチョフ。顔もとてもよく似ているし、脚が美しいところまで良く似ている。演技はいかにもビルバントという感じの粗野さをだしているけど、動きはそれを裏切るように優雅なのよね。女海賊は、先ほどもアルジェリアの踊りを踊ったエキゾチック美女パジェーノワ。そしてフォルバンその1は、あのイスロム・バイムラードフ様ではないか。フォルバンたちはみんな長髪にひげなのでなかなか見分けるのが大変な上、バイムラードフ様の美脚はだぶだぶのパンツに隠れてしまっているけど。でもひとたび動き出すと、ひときわタメのある、美しい動きを見せるのが彼なのだ。ついついバイムラードフは目で追ってしまう。荒くれ者の海賊どもだから、もっと荒々しく踊ってもいいのかもしれないけど、この辺がマリインスキーの上品さというべきか。

ロパートキナ、イタリアンフェッテのところで珍しくちょっとミス。フィニッシュの前に足をついてしまったけど、うまくごまかしているので大勢に影響はなし。

寝室のパ・ド・ドゥでのイワンチェンコとロパートキナは、ラブラブムード全開。紫色の薄ものの衣装をまとったロパートキナ、美しい。コンラッドに甘えるように寄り添うメドーラが、大人っぽいのに同時にとても愛らしい。が、ベッドの手前でイワンチェンコはつまづいてしまう。甘い雰囲気のところへ、眠り薬を振り掛けた花束をランケデムが、コンラッドへのプレゼントにどうか、と持ってくる。その花束を持ってじらしながら、嬉しそうに照れたような表情を見せるロパートキナの可愛らしさは、なんともいえない幸福感。眠り薬が効いてコンラッドが眠りに落ち、メドーラを拉致しようとするビルバントとその手下たち。真剣に歯向かうメドーラが、ここでまた毅然としていて、王女様らしい気の強さを発揮していた。マリインスキーのバージョンでは、ビルバントは殺されないのね。

<3幕>
パシャの屋敷のセットは、天幕が幾重にも重なっていて息を呑むばかりの豪華さ。ギュリナーラはすっかりここでの贅沢な暮らしに馴染んでしまっているちゃっかりさん。ランケデムは、パシャの下っ端として、かいがいしく働いている。3人のオダリスクはゴールプ、スホルーコワ、オスモールキナの順番で踊る。ゴールプはとても元気に踊るし。スホールコワは長い手脚でゆるやかに綺麗に踊るけど、一番上手なのはオスモルキナだと思った。そして、パシャの夢の中、"生ける花園"の場面へ。ここはまさにマリインスキーのコール・ドの真髄という感じで、華やかな群舞が繰り広げられる。舞台装置も一変して、舞台後方では噴水があって水がちゃんと流れている。花の匂いが伝わってきて息苦しくなりそうなほど。コール・ドはみなカツラをかぶっているのだけど、カツラをかぶっているのにそれが似合っているところが、さすがロシア人。そしてその中でひときわ美しく、たゆたうように踊っているのがロパートキナのメドーラってわけだ。あまりの神々しいまでの輝きにボーっとしてしまう。ABTの「海賊」のこの場面など、いつもたいてい退屈で睡魔が襲ってきてしまうのだけど、メドーラ役が素晴らしいと、観客としては夢見心地ながらも一瞬も見逃してなるものかという心境になるのだ。

そこへ巡礼僧に変装したコンラッドやアリたちがやってくる。イワンチェンコのコンラッドは堂々としているので、頼りがいがあるように見えてこういうときにはかっこいい。彼が助けに来てくれたのを見て、ぱーっと表情が明るくなるロパートキナが可愛い。哀れ、パシャやランケデムたちはボコボコにされてしまい、女性たちは救出される。コンラッドの船に乗り込む一行。この船がとても立派で、しかもちゃんと波に乗って揺れているところが手が混んでいる。しかもアリ役ゼレンスキーは張り切って一番上まで上って行っちゃうし。なんとも豪華な気分にさせられる、大人のファンタジー・エンターテインメントといった趣で楽しかった。が、やっぱり「海賊」の話って基本的にあほですね(笑)

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