BlogPeople


2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« Sad Movie/サッド・ムービー | トップページ | 「学校へ行こう!MAX」12・19放送予定 »

2006/11/17

「愛と喝采の日々」

ずいぶん前にテレビで放映されていた時に観たはずだったけれども、すっかり忘れてしまい、DVDが出た時に買ったのだけど観る暇がなく、やっと観た。

THE TURNING POINT
監督:ハーバート・ロス
出演:ディーディー:シャーリー・マクレーン
   エマ:アン・バンクロフト
   ユーリ:ミハイル・バリシニコフ
   エミリア:レスリー・ブラウン

かつて一流のバレエ団のトップダンサーで良きライバルだったディーディーとエマ。ディーディーは妊娠してバレエの道をあきらめ、地方で3人の子供を育てながら夫とバレエ教師をして幸せな生活を送っている。エマは結婚しないでバレエ一筋に生きて、今もトップのバレリーナだけど、そろそろ若手に道を譲らなければならない年齢。ディーディーの娘エミリアは才能を発揮してエマと同じバレエ団に入団し、めきめき頭角を顕す。エミリアに母のように慕われるエマに嫉妬するディーディー。あの時、バレエを捨てなければ、今はエマの地位にいるかもしれないのに。一方エミリアはロシア人のスターダンサーに恋をする・・。

今はダーシー・バッセルのように、子育てをしながらもトップのバレリーナとしても生きているスターが何人もいるけれども、この映画が作られた1977年というのはそういう時代ではなく、バレエか、結婚かということで、「赤い靴」と同じテーマがそのまま生きていたのだ。

シャリー・マクレーンとアン・バンクロフトという一流の女優二人(いい年したおば様方)が、10数年前のことをいまだに根に持って取っ組み合いの大喧嘩をしちゃうというくだりには、思わず失笑してしまう。アン・バンクロフトはすごく男前な感じでカッコいいのだけど、現役のバレリーナにしてはちょっと老け過ぎ。トップスターでも肩たたきをされている残酷な現実をちゃんと見せているのはえらい。この方はもう故人となられてしまった。

レスリー・ブラウンが演じたエミリア役は、当初ゲルシー・カークランドが演じる予定だったのを、ゲルシーが脚本を読んでこれはくだらない、といい、それでも出演することを強いられたら拒食症になってしまってやっと降板できたといういわくつきの映画。実際このときゲルシーはミーシャとお付き合いしていたのだけれども、うまくいかなくなってきた頃で、映画の中でエミリアはユーリに捨てられてしまうから、この役を演じるのはつらいだろうなと思ってしまった。
それはさておき、エミリアのキャラクターは大胆かつ可愛らしい。ユーリと「ロミオとジュリエット」のバルコニー・シーンをレッスンしているうちに盛り上がってしまい、あのロマンティックなスコアが流れるところでベッドインしちゃう。それだけ、マクミラン振付のバルコニーシーンには女性を酔わせる力があるということなのだが。とても美しく、女の子が夢見、あこがれてしまうようなシチュエーション。ミーシャの上目遣いは「キラー・スマイル」っていうくらい、たまらなく魅力的。エミリアは夜遅くに帰宅して、「ユーリと一緒にいたの。でもピルを飲んでいるから大丈夫」なんて母親のディーディーに言っちゃうんから、やるなあ、である。こういうイケイケな娘だから、スターへの階段を上がっていけるんだな、と感心することしきり。

プレイボーイだったユーリに振られ、エミリアはロシア人のふりをしてしこたま酔っ払い、へべれけの状態で「ジゼル」のウィリを踊る。だけど当然ヘロヘロで倒れそうになったり、出番を間違えたり。もし自分が観客だったらすごく怒るだろうけど、映画として観るとすごく笑える。

バレエのシーンがふんだんにあって、しかも超一流の出演者ばかりなのが嬉しい。タイトルバックは「ラ・バヤデール」の影の王国。主要キャラクターであるからして、ミーシャのダンスがいっぱい観られる。「眠れる森の美女」から始まり、「ジゼル」、それから凄まじいエネルギーが炸裂する「海賊」のアリ。凄い。ガラ公演ではこのほかに、ブフォネスの「白鳥の湖」、マルシア・ハイデとリチャード・クラガンによるクランコ振付の「伝説」、スザンヌ・ファレルとピーター・マーティンスの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」。そしてアルヴィン・エイリーが振付けたモダンの作品をレスリー・ブラウンが踊るのだけど、これがなかなかすっきりとしていて良い。
ラストはミーシャとレスリーによる「ドン・キホーテ」の3幕のパ・ド・ドゥだが、映画なのにしっかりとほとんど全部見せてくれるので嬉しい。全盛時のミーシャなので、疾風のようだ。もうこれだけで十分おつりが来る感じ。

バレエ・リュスの名花、アレクサンドラ・ダニロワも往年のバレリーナ役で出演していて、美しく老いた姿を見せてくれる。

映画そのものの出来としてはあまりよくないと思うけど。(だって、要はおばちゃんたちの喧嘩なんだもの。しかも、たった一言で仲直り。でもアカデミー賞にいっぱいノミネートはされた) バレエファンにとっては大満足の映画。

鈴木晶先生のサイトに、詳しい解説があります。

愛と喝采の日々愛と喝采の日々
アーサー・ローレンツ ハーバート・ロス シャーリー・マクレーン

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006-02-10
売り上げランキング : 7158
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

« Sad Movie/サッド・ムービー | トップページ | 「学校へ行こう!MAX」12・19放送予定 »

映画」カテゴリの記事

バレエのDVD・ビデオ」カテゴリの記事

コメント

これってアカデミー賞にたくさんノミネートされたのに1部門も取れなかったんですよね。
ミーシャがマクミラン踊ってる~ってのに感動しました。後半のバレエがたくさん見られるシーンはやっぱりいいですよね。ブフォネスやマリシア・ハイデが見られて感激でした。
おばちゃんのケンカシーンは笑っちゃいますね。あれだけ叩き合えばスッキリするかも。

プリマローズさん、
そうそう、ミーシャのロミジュリを見るのが初めてだったのでかなり嬉しかったです。生で見たかったですね~。ホント、この映画に出てくるガラは豪華で、現実でもここまですごいのは実現するの難しそう。出演者のセンスもいいですよね。

ああやって取っ組み合いの喧嘩をして、仲直りできるのってうらやましいです。はい。

有木笙と申します。初めてコメントさせていただきます。
 アンヘル・コレーラとクリストファー・ウィールドンの大ファンです。「愛と喝采の日々」はかなり前に民放をビデオ録画したものを観ました。ブログを読ませていただいてなつかしくなり、自分のブログにも感想を書いてみました。
 2年ほど前に、ビデオが絶版で入手できないという話を人から聴いていましたのでDVDになったとうかがって嬉しかったです。どうもありがとうございました。

有木笙さん、お久しぶりです~6月に某所でお会いできてよかったです。
ブログの感想の方も拝見しましたよ。とても素敵な感想でした。いろいろと考えさせられました。ままならないのが人生ですからね。
米原万里さんの本はこのブログでも紹介しています。彼女の文章はとても面白くて、最悪な情勢の下でも生きる人間のたくましさを感じられて好きでした。
DVD、ぜひ入手してくださいね!


ヘンな映画。


BS TBSでこの映画を見ました。昔から見たかったのですが、とても感動しました。シャーリーマクレーン、アン バンクロフトもすばらしい演技だったと思います。喧嘩のシーンは、それまでの伏線があり、納得のいくものでした。仲直りして、2人はさらにより理解を深め、ラストシーンにつながっていきます。バレーシーンもすばらしいの一言。愛と というタイトルはどの映画から始まったのか、誰か知っていたら教えてください。

Timさん、こんにちは。

この映画、ツッコミどころもありますが、全体としては女性の生き方についての普遍的なテーマを扱っていて素晴らしいですよね。それにやはりシャーリー・マクレーンもアン・バンクロフトも名演ですし、バレエシーンは本当に凄いというか超贅沢です。「愛と…」という邦題がどこから始まったのかは確信はないのですが、多分「愛と青春の旅立ち」から始まったのではないかと思います。タイトルがごっちゃになってちょっと混乱しますよね。

あの中でレスリー・ブラウンが踊っていたアルヴィン・エイリーの「ヴォルテックス(Vortex)」は、1994年の世界バレエフェスティバルでジェニファー・ゲルファンド(Jennifer Gelfand,当時はボストンバレエ)が踊りましたね。衣装は少し違っていましたが、音楽ですぐに「ああ、映画に出ていたあの作品だ」と気がつきました。
あと画像の悪いテープでしかこの映画を持っていないうえ、老眼が進んでいるので確認が難しいのですが、ゲルシー・カークランドもちょっとだけこの映画でてませんか?まちがってたらごめんなさい、セヴィラとかいう大きな目のバレリーナの役で(映画でもソリストっぽい役どころだったような)、ちょこっとだけ出ているのはカークランドではないのでしょうか?

ちょうちょさん、こんばんは。

私もこの映画のDVDを見返してみないと確認できないのですが、ゲルシー・カークランド出ていたかもしれませんね。ちょっともう一度確認してみます!

1994年の世界バレエフェスティバル、私は観ているのですが、当時今ほどバレエにはまっていなくて、何を見たかということすらほとんど忘れてしまっていて情けない限りです。ジェニファー・ゲルファンド自体は覚えています。昔のプログラム、まだありますので引っ張り出してみますね。

おばんです。メールアドレスのほうに興味深い動画を送付しておきました。うっかり多くの人の目にふれるここに書いて、せっかくの動画が削除されると迷惑がかかるので、このような奥歯にモノがはさまったようなコメントになりました。ご容赦ください。

ちょうちょさん、こんばんは。

貴重な動画の紹介、ありがとうございました!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「愛と喝采の日々」:

« Sad Movie/サッド・ムービー | トップページ | 「学校へ行こう!MAX」12・19放送予定 »