サンクトペテルブルグ・フィル ショスタコーヴィッチ交響曲13番「バビ・ヤール」他
11/24 サントリーホール
サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団
指 揮:ユーリ・テミルカーノフ
リムスキー=コルサコフ :オペラ『見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語』序曲
ショスタコーヴィチ :ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.99
ワディム・レーピン(Vn)、
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 変ロ短調 op.113 「バビ・ヤール」
セルゲイ・レイフェルクス(Bs‐Br)
東京オペラシンガーズ
クラシック音楽にはまったく疎い私だが、家人がショスタコーヴィチが大好きなので、ショスタコーヴィチのシンフォニーはしょっちゅう家で聴いている。そこへちょうど友達にこの公演について教えてもらったので、行くことにした。クラシックのコンサートの場合、安い席から先に売れるようで、C席をとったのだけど、2階の一番後ろになってしまった。音の迫力という意味ではちょっと失敗。とても良い公演だったので、もっと奮発すればよかった。
リムスキー=コルサコフのオペラ『見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語』序曲 は、初めて聴く曲。なかなか可愛らしい、牧歌的な感じの曲で、ピアニッシモのヴァイオリンの音が美しい。
ショスタコーヴィチ のヴァイオリン協奏曲第1番は、なんといってもレーピンのバカテクでしょう。いやはや凄まじいテクニックの持ち主。超難曲と思われるが、キレキレの入魂の演奏を堪能した。この曲に関して言えば、オケはいまいちテンションが低かった感じで、レーピンが一人で気を吐いていたと思う。また機会があれば、ぜひ生で聴きたい!(CDを早速お買い上げしてしまったが)
休憩時間にお手洗いに行ったら(ショスタコは男性ファンが多いので、女子手洗いの方が空いている)、そこにいる人たちが、「すごかったわね~感動したわ」ということを異口同音に熱く語っていたけど、同感。
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 変ロ短調 op.113 「バビ・ヤール」
バビ・ヤールとはウクライナのキエフ地方にある峡谷の地名で、1941年にナチスドイツによるユダヤ人虐殺が行われた場所である。第一楽章「バビ・ヤール」はその出来事を、ユダヤ人ではない第三者の目から歌っているのだが、東京オペラシンガーズによる圧倒的な男声コーラスの力、そして不穏な音の重層感に打ちのめされそうになった。ソ連当局により当初の歌詞は変更させられたが、今回はオリジナルの歌詞で歌っている。モノクロームのどんよりと暗い不協和音の世界だが、なんともいえないエネルギーがある。次の「ユーモア」は一転、とても皮肉な感じの歌詞で、妙に軽快で明るい。大虐殺の話からユーモアへと転じてしまうセンスがショスタコーヴィチだよな。この音階を歌いこなすのは大変な力技だと思う。バリトンのレイフェルクスはちょっと深みに欠ける感じで、正直、可もなく不可もなかったと思うが、声量の豊かさは素晴らしい。
第3楽章の「商店にて」は、ロシア名物長い行列の話で、これまたちょっと人をおちょくったような歌詞。ポケットの中の餃子、という字幕には一瞬目を疑ってしまった。ロシア風の餃子なんでしょうけど。物不足に悩まされる庶民の怒りが炸裂しているのが、演奏に良く出ている。それから第4楽章「恐怖」はまた暗くて救いのない世界だけど、この重くて暗いのが快感とも思えてくる。合唱が素晴らしい。最後の「立身出世」はまた皮肉な世界で、最後にノリノリの軽い世界というのが大胆だ。このあたりはオーケストラもまさに絶好調という感じ。ハープをはじいたような音とか、独創的な楽器の使い方をするのね、ショスタコーヴィチはと感心。
とても良い公演だったと思う。なかなかショスタコーヴィチの13番なんて演奏されないと思うけど、次にはぜひもっと良い席で聴きたいものだ。
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