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2006/11/20

K-BALLET COMPANY 「三人姉妹」「二羽の鳩」

初Kバレエ鑑賞。もちろん、目当ては吉田都さんである。しかし!やっぱり平日にバレエを見るのは本当に厳しい。6時半開始ってやめてほしい。結局仕事が終わらなくて、最初の15分間を見逃してしまった。都さんの踊りはそこが一番多いのに。。。

「二羽の鳩 The Two Pigeons」
  [振付] サー・フレデリック・アシュトン
  [音楽] アンドレ・メサジェ
  [美術] ジャック・デュポン
  [キャスト]
    少女:吉田都
    少年:輪島拓也
    ジプシー少女:松岡梨絵
    愛人:宮尾俊太郎
    ジプシーの少年:アレクサンドル・ブーベル

魅惑的なジプシーの少女に惹かれていく少年に対して、ふくれたり、嫉妬を見せる都さんがとても可愛かった。少し残念なのは、チークの色がすごく濃かったこと。いつもながら音楽性が豊かで、抑制された動きから、不安な気持ち、恋心が手にとるように伝わってくる。ジプシー少女と、都さん演じる少女が、張り合うようにダンス合戦を繰り広げるところは可愛らしい。去ってしまった少年の姿を追う演技がせつない。

2幕。ジプシーの野営地のシーンが少し長すぎる気がした。少女と少年のやり取りより、こっちのほうが時間にしたら長いのでは?愛人役の宮尾俊太郎は長身でなかなかハンサムだし、踊りもダイナミックな跳躍を見せて結構いける。ジプシー少女の松岡さんも妖艶で魅力的。ただ、メイクはちょっといまいちだったと思う。せっかくの美人がもったいない。輪島さんは、着地音がぜんぜんしないのは立派だと思うけど、踊りがとっても重いね。お姿はスラリとしていて、ビジュアル的にもなかなか良いし、動きそのものはきれいなので、もう少しはじけてほしいところ。演技の方は、意外にも良かったと思う。少年の、すこし考えが足りないところも良く出ているし、そのおろかさを悔いるところまで演じられていた。

新しく加入したアレクサンドル・ブーベルが、ジプシーの少年役。第5回世界クラシック&モダンダンス・コンクールの金賞受賞者で、ベラルーシ国立バレエのプリンシパルというから、実力は折り紙つき。跳躍は高いし背中は柔らかいし只者ではない。顔もかわいいのだけど、難点は背が低いこと。。。
このシーン、衣装もきらびやかだし、群舞も一部の男性を除けば悪くないのだけど、演出がちょっともたついているので、長く感じられてしまったのだと思う。

2幕2場では、傷ついた少年が、肩に白い鳩を乗せて帰ってくる。都さんが見せるアラベスク・パンシェが実に優雅で美しい。白くて清楚なドレスも良く似合っている。幼さを残した少女が、悲しみを知って成長した様子が良く出ている。最初は、待っていた少女はまたふくれた表情を見せているけれども、彼が帰ってきた喜びで満ち溢れ、その感情が零れ落ちていって素敵なパ・ド・ドゥを見せてくれる。難しそうな動きはひとつもないのだけど、情感あふれている。アシュトン特有の細かいステップも見事。ちょっと先生モード入っている気がしなくもないけれども。都さんはやっぱり素晴らしい。

白い鳩がもう一羽、飛んできて、見事に椅子の背に止まる。もう一羽はどっかに行ってしまった。最後はちょっと鳩の方に気をとられてしまうのよね。

「三人姉妹 Winter Dreams」
  [振付] サー・ケネス・マクミラン
  [音楽] ピョートル・チャイコフスキー&ロシア民謡
  [編曲・ピアノ] フィリップ・ギャモン
  [美術] ピーター・ファーマー
  [キャスト]
    オリガ:松岡梨絵
    マーシャ:ヴィヴィアナ・デュランテ
    イリーナ:荒井祐子
    ヴェルシーニン中佐:熊川哲也
    クールギン:スチュアート・キャシディ
    トーゥゼンバッハ:輪島拓也
    ソリョーヌイ:芳賀望
    アンドレイ:ドゥ・ハイ
    ナターシャ:長田佳世

実はこの演目を見るのは初めて。ギエムの演劇的な演目が好きではないので、今まで観る機会がなかったのだ。ムハメドフ&ダーシー・バッセル&ヴィヴィアナのは、ビデオが廃盤になってしまったので見られないし。

若いメイドが軍人と抱き合っているところから始まる。メイドは軍人たちの慰み者となる。
そして、イリーナの荒井さん、オリガの松岡さん、マーシャのヴィヴィアナ・デュランテが登場。イリーナは快活で、でもとても意志の強そうな娘。荒井さんの個性に合っている。荒井さんはとても輪郭のはっきりした踊りをしていて、跳躍も大きく、テクニックが強い。松岡さんは、オリガ役にはちょっと美人過ぎるのでは?役作りも含めて違和感があった。マーシャとヴェルシーニンの逢瀬。いきなり熊川氏、サポートに失敗する。うむむ。だが、ヴィヴィアナの演技には魂がこもっている。人妻の忍ぶ恋心とぎりぎりの情熱、絶望感が良く出ている。踊りの方も、繊細で柔らかく美しい。彼女の踊りを生で観るのはずいぶん久しぶりだけど(何しろまだロイヤルに在籍していた時だから)、お顔はかなり老けてしまったが、踊りの方はまったく衰えを感じさせなかった。マーシャの夫クールギンにはキャシディ。中年男の悲哀が良く出ているけど、この役にはすこし若いかも。マーシャとヴェルシーニンの関係にはたと気が付いていても、そのことでマーシャを追及したりすることもできない。背中がとても寂しそうだ。

三人姉妹をめぐる痛々しいドラマが展開する一方、舞台の奥に紗幕がかかり、その奥では田舎町らしい宴が繰り広げられ、軍服を着たピアニストのフィリップ・ギャモンさんと、ヴァイオリン奏者が演奏をしている。紗幕の向こうは別世界のようだ。ギャモンさんのピアノが素晴らしい。

今年のバレエフェスティバルでは、タマラ・ロホとイニャキ・ウルレサーガが演じた別れのパ・ド・ドゥ。ヴィヴィアナの感情表現が素晴らしく豊かでふくらみがあるのに、熊川氏はこのあたりは苦手のようで、気持ちが全然伝わってこないのが残念。バレエフェスでのイニャキの不器用さには心を動かされたのに。とりあえず、高いトゥール・ザン・レールは凄かったけど、それだけ。ヴィヴィアナの情熱が空回りしているようですこし気の毒になる。彼が残していったコートを抱きかかえ、残り香を嗅ぎ体を震わせて号泣するヴィヴィアナ、堂々とした女優っぷりである。

マーシャとヴェルシーニンの別れの後、イリーナを争うトーゥゼンバッハとソリョーヌイの決闘が行われる。倒れたのは、ソリョーヌイ。ソリョーヌイを演じたのが、さっき「二羽の鳩」で主演した輪島さんで、メガネをかけた文学青年のような、腺病質っぽい感じが良く出ていて、あらいいじゃない、と思った。踊りの方も良かったし。それに比べると芳賀さんは弱い。

そして淀んだ田舎町に取り残された三人姉妹は、お互いを慰めあうように抱き合い、粉雪が三人の上に舞い降りる・・・。

チケットが売れそうなクラシック・バレエではなく、あえてマクミランの作品を上演するという心意気は買う。ロイヤル育ちの熊川の矜持が表れたような演目選びである。でも、やはりこの作品は、よほど演技力がないと難しいなというのが感想。ヴィヴィアナ、キャシディはさすがに演技もこなれており、人の心を動かすことができる力を持っているけど、それ以外はまだまだ・・。ただ、輪島さんや荒井さんには、キラリと光るものがあるので、今後、この作品をレパートリーとして上演し続ければ、いつかいいものになるのではないかと期待はさせる。熊川氏にはこの役はやっぱり合わないけどね。恋に苦悩するというところが想像できないのだもの。

会場のロビーでは、次回上演の「くるみ割り人形」の衣装が飾られていた。さすがにこのカンパニーの衣装は細部まで凝っていて美しい。カメラに収めている人多数。

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「二羽の鳩」 少女 THE YOUNG GIRL:吉田都 青年 THE YOUNG BOY:輪島拓也 LEAD GYPSY GIRL:松岡梨絵 GYPSY LOVER:ドゥ・ハイ GYPSY BOY:アレクサンドル・ブーベル けっこう身につまされる話。相手を想う気持ちに温... [続きを読む]

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