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« フィギュアスケートグランプリシリーズでDVDレコーダーフル回転 | トップページ | 東京バレエ団「ドナウの娘」11/18 2幕 »

2006/11/22

東京バレエ団「ドナウの娘」11/18 1幕

フルール・デ・シャン:斎藤友佳理
ルドルフ:木村和夫
ドナウの女王:井脇幸江
男爵:大嶋正樹(18)
母親:橘静子
伝令官:平野玲

パ・ド・サンク:小出領子、高村順子、長谷川智佳子、西村真由美
フルール・デ・シャンの友人:乾友子、高木綾、奈良春夏、吉川留衣

振付・改訂:ピエール・ラコット(フィリッポ・タリオーニの作品に基づく)/音楽:アドルフ・アダン

どうも妖精が出てくるようなロマンティック・バレエが苦手なのである。「ラ・シルフィード」とか。その上、今年のパリ・オペラ座の「パキータ」はルグリさまの無駄遣いって感じで、どうしようもなかった。ボリショイの「ファラオの娘」はしょうもなくておバカだったけど、フィーリン、アレクサンドロワ、ツィスカリーゼとダンサーが素晴らしかったのでなんとか楽しめたって感じで・・。
ラコット作品と聞いただけでこれはやばいフラッグが立っていたのだ。

その上、斉藤さんの踊りがとても苦手なのである。しかし土曜日の公演がこの日しかなくて、バレエの祭典の演目に入っているので観ることになった。

そういうわけで、毒吐いていますのでご了承ください。特に斉藤さんのファンは読まないほうがいいと思います。


冒頭の雰囲気は、まるで「ジゼル」のようである。横たわって昼寝をしているフルール・デ・シャンを優しく撫でるドナウの女王井脇さん。養母が出てきて、二人で家の中に入っていくと、ヒラリオン、じゃなかったルドルフ役の木村さん登場。それからラブラブモード全開で二人は踊るのだけど、脚捌きが細かい、鬼のような振付。木村さんは脚が美しく、輪郭のはっきりした、すっきりとした踊りで気持ちいい。ユカリューシャは、脚は細かいパについていってさすが、なのだけど、背中が落ちていて上半身が美しくない。テクニックはあるのにね。そのため若い娘ではなく、おばさんにしかみえない。二人でまたうたた寝。(寝るの好きだね)。それからまた女王が登場して、二人の指に指輪をはめる。

そうこうするうちに伝令が登場し、それからうやうやしく、でっかい横断幕が登場して、日本語で「男爵が花嫁探しのために、貴族も平民もすべての若い娘を城に招待する」とかなんとか書いてあるのだ。話には聞いていたのだけど、思わずのけぞった。ドナウの話なのに日本語ですか!

そうすると、なんだかフルール・デ・シャンがお城に行きたそうな感じで、「キミはキレイだからきっと男爵に見初められちゃう」と信じ込んでいるルドルフが、必死に阻止しようとしているのだけど、「でもぁたすぃぉ城行きたぃもん」って言い張って、ルドルフとの関係をあまりよく思っていない義母も賛成する。「脚が悪くて、頭がおかしい振りするから大丈夫よ」って、なんだかな~である。「ラ・シルフィード」のシルフィードと同じ"天然系"のキャラなんだろうし、差別だとかそういうことは言いたくないし言わないけど、どうも好感を持てないヒロインだ。その上、あのカマトト演技なので、見ていてちょっと気持ち悪くなってしまった。それに「そうだね、それならばれなくて大丈夫!」とフルールと抱き合っちゃうルドルフも、少し頭が足りないのかもしれないが。ルドルフは男爵の家来なのに。

さて、男爵のお城。最初からルドルフはフルールのことが気になって仕方なくて、そわそわしている。すでにこの段階から、激情が破裂しそうなくらいになっている木村さん。男爵は大嶋さんなのだけど、凛とした威厳があって、すこし陰のある表情で、なおかつ色気もあり、とても魅力的。村娘たちの踊り、貴族の踊り、侍女たちの踊りと入れ替わり立ち替わり。4つに分かれたフォーメーションが特徴的である。さすがに、群舞のレベルは、昨日のKバレエとは違って、平均点がとても高い。特に女子はみな素晴らしい。腕の使い方がみんなとてもきれい。新しいセットとピカピカの新しい衣装なのは、目に快い。ただしセンスの方は、いいのもあれば今ひとつのもある。特にフルールのあの真っ青なスカートと上半身の派手なアップリケはダサい。また、貴婦人たちの衣装は、ベルベットで豪華なのだけど、それぞれ違う色なので、ちょっとうるさい感じ。

フルール登場。真知子巻きみたいにグレーのストールで(一応美しいということになっている)顔を隠し、脚をひきずっている。しかし、そうすることでかえって目立ってしまっていて、「私を見て」というアピールになっちゃっている。心優しい男爵は、そんな気の毒そうなフルールに同情しちゃって、すごく気になっている。だけど、フルールは、男爵が見ていないところではルドルフといちゃいちゃ。お仕事中のルドルフは、男爵に関係を気がつかれないかとびくびくしている。あ~あ、ホントこの女なんとかなんないのかしら!村人たちも、ヘンな様子の彼女のことを心配して、隠そうとするのだけど。

おそらくこの演目で最大の見せ場、パ・ド・サンクは見ごたえたっぷり。4人の女性ダンサーはみなそれぞれ持ち味に合ったソロを踊る。特に、柔らかく優雅で音楽性豊かな西村真由美さんが素敵。小出さんの軽やかな踊りもいい。パ・ド・サンクの4人の女性の衣装は、白地に金色の模様で、これはとても美しい。マントを外したところが、またセクシーでどきりとさせる大嶋さんは、いつもに比べたら踊りの方はすこし不調だったかもしれないけど、それは彼に対する期待値が高いから。そうは言ってもレベルは十分高い。

気が付いたらものすごい物量作戦で、舞台の上は、さまざまな衣装をつけたダンサーたちでぎっしり。まるで「ファラオの娘」のようである。子役まで踊っているのだから。ある意味とてもゴージャスといえる。

そして花嫁選び。「白鳥の湖」の舞踏会のように、一列に並んだ娘たちの中から男爵はお相手を選ぶのだけど、う~んこの子じゃないし、と一人ずつ品定めしてから、フルールのところまで歩いて、彼女を選んでしまう。大体、なんでこの列の中に並ぶかね、このばか女。しかも選ばれた時に一瞬「ぇ~ぁたすぃ?」って感じでちょっと嬉しそうな顔をしちゃったりしているんだもの。だけど「いけませんわ~」と拒絶。傷ついた表情を見せる男爵。そこへ、激情をほとばしらせたルドルフが駆け込んで、彼女は自分の恋人で、と男爵に訴えるが、男爵は頑と聞き入れる余地はなく、冷徹だ。さすが地位の高い人である。ここでルドルフはほとんど狂乱状態で、男爵の臣下であるにもかかわらず、ひとしきり暴れている。木村さん、まるでヒラリオンだよ!こういう、パッション炸裂の木村さんの演技が大好きなんだけど、衛兵たちに捕らえられる。彼を許してあげてと懇願するフルールだけど、傷ついた男爵はそれを受け入れない。すると、フルールはドナウ川に飛び込んでしまう。後を追おうとするルドルフは、男爵の手下に阻止される。「ジゼル」でジゼルが発狂して死んでしまった後のように、招待客たちはこのシーンに対して背中を向けてしまっている。走り去るルドルフで幕。大体、このシーンでフルールが川に飛び込むこと自体、いったい何を考えていたのか、というか何も考えていないでしょう、フルールは。ルドルフのことを愛していたかどうかも、怪しいものだ。一人嘆き悲しむ男爵がかわいそう。立派な人なのにこんなバカ娘にかかわったばかりに、ひどい屈辱を受けるとは。

冒頭でドナウの女王に祝福を受けていたくらいだから、多分フルールは人間というよりはドナウ川の精霊、オンディーヌであったと解釈するのが自然なのだろう。もともと、彼女は捨てられていた子なのだから。だから、川に還ったと考えれば、どうにかこのあたりの説明はつく。気まぐれで、考えの浅い行動も、人間ではなくシルフィードのような妖精だと考えれば、納得はできるのだが。

ということで、2幕はまた改めて。

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コメント

わははははは。(失礼!)
確かに、木村さんのルドルフはヒラリオンでしたね。
同じかたが作った作品というのは、こうも類似するのか?と、口が「あんぐり」しちゃいますよね。
さらに、あの横断幕…ナンジャコリャでした。
ラコットさんの復刻版シリーズは、何にも考えずに観て丁度いいのだと思います。(苦笑)

く~てんさん、
ツッコミだらけの文章に反応してくださってありがとうございます。
どうやら、この話、原典はとてもまじめなストーリーなんだそうです。(「19世紀フランス・バレエの台本 パリ・オペラ座」という本に詳しく書いてありますが、フルールはあんなにあほではなく、しかもむしろ男爵が主人公のよう)
横断幕には笑いましたね~これはお笑い番組化と思いました!

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