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2006年9月

2006/09/30

「ゆれる」

「ゆれる」西川美和監督:脚本 香川照之 オダギリジョー 真木よう子 伊武雅刀 蟹江敬三 新井浩文 木村祐一 天光真弓 

吊り橋から転落した智恵子の死は事故だったのか、それとも、兄、稔に突き落とされたのか?弟、猛は現場の近くにいたけれども、彼女が転落した瞬間は見落としていたのか、それとも...。

とてもよくできた映画であり、見ている間ずっと緊張感が持続する。若い女性が脚本を書き撮ったとは思えないほど、人間の暗い側面と心理が描かれているし演出も達者だ。何よりも、出ている役者が全員素晴らしい。いい映画だと思うし、絶賛評が出てくるのは当然だ。

ただし、ちょっとだけ苦言を言いたいと思う。ストーリーテリングを進める上で、せりふにあまりにも依存しすぎるのが気になった。智恵子が田舎の鬱屈した生活に息が詰まりそう、もう未来はないと語ったり、稔が刑期を終えようとしているのに父が年を取って迎えにも行けないと、バイトの男性(新井浩文)が言ったり、せりふが少し説明的過ぎるのだ。せりふに依存しないで世界を作ることができる力量がある監督=脚本家だと思うので少々もったいない。真木よう子もそのあたりがせりふがなくとも演じられる女優だと思うし。また、この映画は、主要な登場人物だけで世界が閉じている気がする。人の噂があっという間に広まりそうな田舎町で居心地が悪いというところが描かれていないし、事件が起きてからは、殺人容疑者の家族ということでもっといろいろとありそうな感じがするのだが、その辺はまったく省略されている。意図的にそれはなされているとは思うのだけど、それにしても、すごく閉じた世界での出来事で、社会とのつながりがほとんどないという感じがした。

でも、それは、全体から見れば些細な瑕と思われる。

前述の通り出演者の演技はみな素晴らしい。特に名演技を見せてくれたのは、兄である稔を演じた香川照之。よくできた兄という役柄を引き受け、頑固で偏屈な父と一緒に田舎のガソリンスタンドを切り回し、誠実で働き者で、異性に対しては不器用である。東京で売れっ子のカメラマンとして華やかな暮らしをしている弟、猛とは光と影のような対照的、だけど実は表裏一体をなしている人間だ。優しくまじめで頼れる兄貴、という表の顔の裏に存在するダークサイドも感じさせてくれる。吊橋の上で智恵子に歩み寄っていく時、智恵子は「やめてよ近づかないで」って叫ぶ。なんとなく、女には好かれないようなちょっと不気味な面を覗かせているのだ。接客をしている時の笑顔も、弟に向ける笑顔も、なんだか張り付いたような卑屈な笑顔で、心から笑っていないように感じられる。唯一、本当に心から笑っているのは、ラストシーンのところだけ。ぞくぞくするような見事な演技。

母の葬式で実家に帰ってきた猛は、帰りに幼馴染で、ガソリンスタンドで働いている智恵子を車で送り、ついでに抱いてしまう。稔が彼女に好意を持っているということが、彼の欲望に拍車をかけた。遅い時間に家に戻ってきた猛は、彼女と飲んでいたということにして誤魔化すのだが、実の顔は、明らかに二人の間にあった出来事を見抜いていながらも、それを取り繕うかのようなうそくさい笑顔なのだ。

猛役のオダギリジョーは、これ以上はないってほどのはまり役。カッコよくて垢抜けていて、ちょっと刹那的でいかにも都会の匂いをさせているセクシーな男。だけど、面倒なところは全部兄が引き受けたということで彼に引け目を感じているし、人間のよくできた兄を尊敬している。逆に、兄が面倒なことを全部引き受けるという役割を果たしていることで、兄は弟に対して絶対的な優位、支配関係に立っているともいえて、それが、この二人に緊張関係をもたらしている。そのあたり、香川照之もオダギリジョーも表現するのがうまい。

智恵子を演じた真木ようこは、本来この役には美人過ぎるくらいとてもきれいな人なのだけど、田舎でくすぶって婚期を逃しつつある(年齢的には全然若そうなのだが、田舎の傾向として)焦燥感と垢抜けない部分を感じさせていた。猛が「おれ、部屋に上げてもらおうかなー」って言った時の反応も絶妙だったし、よかったと思う。

主役3人以外にも、兄弟の父を演じた伊武雅刀、兄弟のおじであり弁護士の蟹江敬三、ガソリンスタンドの店員役の新井浩文、智恵子の母天光真弓とよい役者が揃っている。。


智恵子のアパートで、猛が彼女を抱くまでのカット割りや演出が実に達者だ。まな板の上での切りっ放しのトマト、ベッドの横に並べられた猛の写真集、これらが、人物以上に多くのことを物語っている。

だが、根本的に、この映画は稔と猛の話である。智恵子をはさんだ三角関係になると思いきや、途中で智恵子は死んでしまい、実際のところ、この映画の中での彼女の役割は触媒でしかなくて、核ではないのだ。智恵子をめぐる物語はとてもあっさりとしている。当然、智恵子の死に二人はショックは受ける。けれども、そんなことよりももっと大きな問題があると二人は感じ、それは、兄弟としてどのように接し、何をすべきかということ。

智恵子が転落した瞬間を、猛が目撃したのか、していなかったのかは明らかにされていない。しかし稔は彼女を突き落としてしまったと認めてしまい、彼は逮捕され、裁判が始まる。最初猛は兄を無罪に導こうと、有利な証言をするが、稔には、無罪になろうという意思が存在しないように見受けられた。裁判で、そして兄と弟の面会で、二人がお互いに対して思っている気持ちが残酷なまでに赤裸々にぶつけられ、猛は稔に不利な証言をして、稔は有罪となる。

それにしても、あまりにも心をえぐるような言葉の数々。赤裸々なやり取り。判事は、解剖された智恵子の遺体からは精液が検出されたといい、稔は、自分が女性にもてるほうではなかったと悲しそうに告白する。

面会室での猛と稔の応酬の激しいこと。これだけの激しい感情のぶつけ合いができるということは、それだけ、二人の間の兄弟愛や絆が存在していたから。多くの愛を求め、それがかなえられないと、それは失望となって、相手を裏切る行為へとエスカレートしていく。この兄弟は、普通の兄弟よりも強い愛情で結ばれており、その前提が崩されようとした結果、弟の気持ちはぐらぐら揺れて、弟の証言で兄が投獄されることになったわけである。その激しさには、兄弟愛をも超越した特別な感情の存在すら感じられてしまう。


猛は出所した兄を迎えに行くが、刑務所に着いたときには彼はもういなかった。家とは違う方向へと歩いていく稔をようやく見つけて、道の反対側で走りながら「お兄ちゃん、一緒に帰ろう」と叫ぶ猛、その声が聞こえない稔。バス停のところで、バスが到着する一瞬前に猛に気がついたのか、笑顔を見せた稔。どんな意味の笑顔だったのか、猛に気がついていたのか、彼は果たしてバスに乗ったのか、実際のところ智恵子はどうやって死んだのか。何一つ明らかにされていない。だけど、明らかにされなくていいのだ。稔と猛の心の揺らぎは刻み付けられているのだから。

2006/09/27

ポリーナ&フォーゲルの「白鳥の湖」

東京バレエ団での、ポリーナ・セミオノワ&フリーデマン・フォーゲルの客演の概要が決定したとのことです。

http://www.nbs.or.jp/news/detail.php?id=415

2007年4月10日(火) 6:30p.m. 東京文化会館
2007年4月11日(水) 6:30p.m. 東京文化会館
2007年4月12日(木) 6:30p.m. 東京文化会館

出演予定
オデット/オディール:ポリーナ・セミオノワ(ベルリン国立バレエ団)
ジークフリート:フリーデマン・フォーゲル(シュツットガルト・バレエ団)
東京バレエ団

それと、ドン・キホーテの上演も。

東京バレエ団『ドン・キホーテ』
公演日時
2007年4月14日(土) 3:00p.m. 東京文化会館
2007年4月15日(日) 3:00p.m. 東京文化会館

出演予定
東京バレエ団

 *詳細は後日発表、チケット売り出し開始は12月上旬の予定だそうです。

で、これを見て思うことは、なんで「白鳥」は3日間とも全部平日なんでしょうか?おそらくドン・キホーテはゲストなしでしょうから、動員のテコ入れのために土日にしたんでしょうけど。でも、ポリーナ&フォーゲルで3日間、しかも平日で東京文化会館を満席にできるかというとちょっとあやしいです。バレエフェスでのフォーゲルのジークフリート王子はあまりにもへろへろだったし。それもあって、「学校へ行こう」で宣伝したのでしょうね。ポリーナの白鳥はとても楽しみですが。
いずれにしても、勤め人が平日6時半に上野に到着しなければならないのはかなりのハードルです。私はほぼ無理です。

東京バレエ団は10月の「白鳥の湖」、12月の「くるみ割り人形」そして年明けの「ザ・カブキ」は全部平日公演です。そのため、私は全部パスする予定です。NBSが会場を押さえるのが後回しになって、週末を確保できなかったのか、と勘ぐりたくなります。初演で動員に大いに不安のある「ドナウの娘」は、さすがに土曜の公演がありますけどね。(なので、祭典会員の私は仕方なくユカリューシャを土曜日に観ます)土曜日の公演が予定されている「ベジャールのアジア」は観に行く予定です。

プリンツ21首藤康之特集/ダンスマガジン11月号

雨が降る中、昼休みに書店まで行って買ってきました。しっかしちょっとレジに持っていくのが恥ずかしい表紙かも。

これはすべての首藤ファン必見の特集です。実に80ページを超えていて、ALL ABOUT 首藤康之、といっていいほどの充実振り。巻頭は、幻の写真集、繰上和美撮影「ポゼッション」からのグラビア14ページ。それも、露出度の高いものを中心にセレクトされていて、美しいのですがうっかり電車の中では開けません。まだ若い首藤さんが美しいです。山岸涼子さんとの対談(挿入されているカットでは、バーを背景に、とてもさっぱりと涼やかな表情で写っています)に続いては、「ペトルーシュカ」と「牧神の午後」の特写。これがまたとても素敵です。まさにディアギレフの世界です。さらに、いろいろな方からの文章に続き、1987年から現在までの自身の舞台史を振り返っています。ここでも、子供の頃から今までのいろんな写真がたっぷり。さらに舞台略歴ということで今までの全出演舞台の記録があり、資料として大変貴重です。インスピレーションの源として好きな美術や映画、音楽や小説に語っていたり。略年賦、さらには、キーワード事典まで!

そして特別な盟友である小林十市さんと服部有吉さんのお言葉もあります。それから、彼に続くダンサーたちとして、東京バレエ団の後輩たち、大嶋正樹さん、古川和則さん、中島周さんについて、首藤さんが紹介しています。

それから、バレエ初心者のために、バレエの主要作品のストーリー解説、バレエの歴史、バレエ映画やバレエ漫画なども紹介されています。バレエを知らない首藤ファンもこれで大丈夫?

そんなわけで、ファンの方は2冊買って、もう一冊は保存版として神棚に上げておくのもいいでしょう。


ついでにシルビアでダンスマガジンのバレエフェス特集号も買ってきました。ポスターはチャイコフスキー・パ・ド・ドゥのコジョカルと、「扉は必ず...」のルグリ&オーレリ。インタビューは、マラーホフ、ヴィシニョーワ、ポリーナ・セミオノワ、ジョゼ・マルティネス、イリーナ・ドヴォロヴェンコ、アレクサンドル・リアブコ、タマラ・ロホ、アリーナ・コジョカル、フィリーデマン・フォーゲルです。人気がある人、という選び方はわかるんですが、もう少し違った人たちのインタビューも読みたかったのが正直なところ。ポリーナはABTで踊りたいのね。まあ、女性ダンサーははっきり言って人材不足のABTなら歓迎でしょうが、身長の関係で、相手役ができる人が少ないのでは?マキシム・ベロツェルコフスキーとマルセロ・ゴメスくらい?ヴィシニョーワといえば、インタビューで面白かったのが、ファッションについての話で、友人などが彼女のために服を作ってくれているそうです。バレエフェスのガラの時に着ていた不思議なシノワなプリントのドレスもそうなんでしょうか。

舞台写真はとても美しいのですが、ダンサーのオフショットがちょっとなあ...。舞台裏も少し紹介されています。ササチュー氏奮闘中のお姿も。ファニーガラの写真は、ジョゼのインタビューのところで一枚だけありました。

あと、番外編として、三浦雅士氏とホセ・カレーニョの対談。これはとても面白かったです。ホセとキューバとの関係が良くわかりました。前の号で、亡命したローランド・サラヴィアのインタビューが載っているので、併せて読むとさらに面白いと思います。

あとは「HS06」とマールイの夏ガラ、スターダンサーズ・バレエ団の「くるみ」といったところでしょうか。この間「誰でもピカソ」に出演して、そのすらりと美しい容姿で注目を集めた、ハンブルク・バレエの草野洋介さんのインタビューもありました。ハンブルクといえば、もちろんニジンスキー・ガラのレポートもあって、イリと服部有吉さんの最後のステージに対する温かい反応については、思わず涙を誘われてしまいました。

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2006/09/26

gooでクラシックのプレミアム・チケットサイト「ClasSeek」スタート

日経流通新聞の記事で発見しました。

インターネットポータルサイト「goo」のショッピングモール内において、クラシック音楽コンサートの特色ある席のみを集めたチケット販売サイト「ClasSeek(クラシーク)」(http://shop.goo.ne.jp/store/classeek)が9月17日にオープンしたそうです。チケット販売業界で初めて、チケット購入前に各席からの舞台の見え方を写真で確認できる機能を提供するとのこと。

「アーティストの息遣いまで聞こえそうな至近の席や、ピアニストの手元の動きがよく見える席など、お客様の嗜好に合わせた特色ある席のみを取り扱います。」とのことで、サイトを見ると、たしかに、どのあたりの位置なのか具体的に指定したチケットとなっているので、希望の席があればかなり良いですね。「舞台の見え方」をクリックすると、別ウインドウで、その席からの舞台の見え方の写真が表示されます。

で、タネを明かすとチケットはジャパンアーツから仕入れていると、日経流通の記事には書いてありました。
現在、取り扱っているチケットは、

9月17日(日)発売
(1)舘野泉 ピアノ・リサイタル~アンコール公演~
<12/19(火)東京オペラシティ>

(2)ウィーン・シュトラウス・フェスティヴァル・オーケストラ ソプラノ:森麻季
<1/6(土)サントリーホール>

(3)ベルリン・フィル八重奏団 ピアノ:上原彩子
<1/12(金)東京オペラシティ>

(4)レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル
<2/8(木)東京オペラシティ>

(5)ドレスデン聖十字架教会合唱団
<2/24(土)横浜みなとみらいホール、2/27(火)28(水)サントリーホール>

なんですが、サイトを見ると「オペラ」「バレエ」というカテゴリもあるので、今後ジャパンアーツが取り扱うバレエ公演の良席を手に入れるのに使えるかもしれません。

運営をする双日のプレスリリースはこちらです。

2006/09/25

「ジゼル」ミラノスカラ座バレエ ザハロワ/ボッレ

スヴェトラーナ・ザハロワ&ロベルト・ボッレという、当代2大美男美女によるジゼルは見逃せないと思って、DVD予約して買いました。

といっても、長身プロポーション抜群のザハロワが村娘の役を演じるのは少々無理があるかも、と不安を抱えての鑑賞であったわけだけど、彼女は、本来は似合っていない役柄でもこれだけ見せてくれるのは大したものだと思った。儚い美しさは天下一品。その上、とても優しくてスウィートで優雅なロベルト・ボッレのアルブレヒト像も、最近ではプレイボーイのアルブレヒトばかり観ていたので新鮮だった。

ザハロワはやはり、村娘には到底見えず、百歩譲って「パキータ」みたいに幼いときにさらわれたか迷い込んだかで農村で育つことになってしまった、元はお姫様という設定がふさわしく思えてしまう。ザハロワはとってもかわいらしくて純真でその点はジゼルらしいといえばそうなんだけど、お姫様オーラはやっぱり出ていた。一挙一動すべてが、とても優雅でお姫様なのだ。

そんな彼女に恋する青年ロイス=アルブレヒト。ロベルト・ボッレもまるでギリシャ彫刻のようと形容されることに多い、現実離れした美青年なのだが、この人の場合、美しくても人間味が感じられるところがいい。ジゼルの家の影からいくつも投げキッスを投げる茶目っ気のある表情や、ジゼルと戯れている時の心底幸せそうな表情が素敵。本当にジゼルのことが好きで好きで仕方ないって思わせてくれる、心優しいアルブレヒトだ。二人で並んでベンチに座るシーン、ベンチが小さい上、ザハロワがどっかりと真ん中に座ってしまうものだからロビーは座れなくて困っちゃっているの。とても可愛い二人なのだ。

アルブレヒトの正体がばれて、ジゼル狂乱のシーン。髪留めをはずすところがしっかり見えてしまうなど、ちょっとザハロワの演技はとってつけたようなのが残念。ザハロワに名演技を期待する人もあまりいないと思うけど。まあ、オーソドックスな演技といえるのでは。バチルドの手にキスをしてから、しまった、とあわて、正気を失った彼女を見て大変おろおろするアルブレヒト。ロベルトのアルブレヒトは、少しもジゼルをだまそう、うまいことやろうというところはなくて、自分の軽率さを悔やみながらも、どうしたらいいのかわからなくなっている風。

ジゼルが狂乱の末アルブレヒトの腕の中で死んでしまい、彼女の遺体にすがり付こうとするアルブレヒト。だが、ジゼルの母ベルタは冷たくアルブレヒトを振り払い(当然といえば当然)、村人たちには背中を向けられてしまって呆然とし、彼は走り去る。この辺もとても人間くさいアルブレヒトになっているのだ。

ペザント・パ・ド・ドゥは、「白鳥の湖」の映像で見事な道化師振りを見せたアントニーノ・ステーラ。ところが、ここでの彼の踊りは今一歩である。跳躍力はあるのだが、上半身、特に腕の使い方がばらばらなので綺麗に見えないのだ。女性の方はさらに印象が薄い。う~む。バチルドは、衣装がとにかく地味。ジゼルがバチルドの美しい衣装を見て思わず手にとってしまうという設定に説得力がない。ヒラリオンはかなり印象的だった。ちょっと髪がうすくなっていて、ジゼルに純粋な愛を捧げているというよりは、少々変質者風。あまり同情心を起きさせないヒラリオンである。こういう解釈もなかなか面白い。

そして2幕。ミルタは花嫁のヴェールをかぶって登場。マルタ・ロマーニャは背が高く手足も長く威厳のあるミルタではあるけれども、踊りは少々雑な印象があった。ポール・ド・ブラは美しいのに、パドブレに滑らかさが足りなくて、脚さばきが乱雑に見えてしまう。ドゥ・ウィリは、最初にソロを踊るほう(モイナだったかな?)は非常に美しくて素敵だったのだけど、もう一人は全然駄目。その上ウィリを踊るのに必要な儚さのかけらもなかった。ほかのコール・ドはまずまず揃っていて悪くないと思った。ただ、振付の問題だと思うのだけど、例のアラベスクで左右からずんずん進むところ、ずっとアラベスクで進むのではなく、8拍ごとに一旦降りてパを入れてまたアラベスクで進む、という感じでアラベスクの時間が短いのがとても物足りない。これでは拍手ができない。

ミルタとウィリたちのもうひとつの見せ場、ヒラリオンをよってたかって殺すところも、物足りない。好感度の低いヒラリオンなのだから、もっとじっくりと追い詰めればいいものを、わりとさっさと死なせてしまうのだ。このヒラリオン役のヴィットーリオ・ダマートさんは踊りも演技も上手だと思うのに、見せ場が少なく死んでしまうのが気の毒である。ミルタへの命乞いは真に迫っていて良かったのだが。

ジゼルがウィリとしてデビューするシーン。ジゼルのお墓は舞台の下手奥にある。すごく印象的だったのは、通常ジゼルがミルタに操られ高速回転するところは、後ろ足がア・テールではないもののかなり低い位置に置いたまま回るのに、ザハロワはアティチュードで回転しているのだ。これにはびっくり。こんな風に踊るジゼルを初めて観た。よほどテクニックに自信がなければできないと思う。ただし!カメラワークがここが悪くて、なんと、最初のうちはザハロワの上半身のみを映しているのだ。脚がどうなっているか観たいのに~。

ザハロワのウィリとなったジゼルはとても儚げで浮遊感があって美しかったと思う。ミルタよりも背が高いジゼルってどうよってちょっと思うけど、華奢で腕の使い方がとてもきれいなので、ミルタに支配されつつも抵抗もしているところが見えて良い。グランド・スゴンドへと脚をデヴェロッペすると衣本当に惚れ惚れするほどの美しさだし。役作りとしては、古典的なジゼル像だと思う。生きてはいないけれども、意志だけはしっかり持っているジゼルだ。

マント姿で百合の花を抱えて登場するロベルトは、貴族の扮装で青い衣装が似合い、一段と麗しい。ただ、照明の加減のせいで百合がちょっと黄色く見えてしまったのが残念。心の底から悔やんでいるような、沈んだ表情も美しく絵になる。マントを翻して疾走する姿も様になる。そんな彼のところに手を差し伸べるジゼル。最初はお互いの姿が見られなくても少しずつ感じていく過程が見えてくる。長身で手足の長い二人が一緒に踊ると、気持ちよいくらい大きな踊りに見える。

ジゼルのソロでのザハロワは、スーブスソーのときに背中をかなり反らせているのが印象的だった。ここって下手するとキョンシーがぴょんぴょん跳ねているように見えてしまうのだけど、ザハロワはさすがにこの部分をとても美しく、音楽性豊かに、歌うように踊っていた。素晴らしい。

アルブレヒトがミルタに踊らされるところでは、アントルシャ・シスばかり34回!これには驚いた。こんなにたくさんアントルシャ・シスを見せる人もなかなかいないのでは?個人的にはもう少しいろいろと踊ったほうが変化があって面白いと思うのだけど、その脚力には恐れ入った。命乞いするところもあくまでも優雅で王子らしい。ミルタに踊らされてへとへとになり倒れこむ演技もごくごく自然だし、ジゼルを低い位置でリフトしながら進むところも、リフトが上手である。

倒れこんでしまったアルブレヒトを気遣うジゼル。そこへ夜明けの鐘が鳴り、ウィリたちが去っていく。ザハロワは、アルブレヒトを守り抜いた喜びというよりは、彼との別れを悲しむ感情の方が勝っていたように見える。お墓の方へパドブレしながら後ずさっていくジゼルをアルブレヒトは追うけどなかなか追いつけない。お墓の中に吸い込まれていきながらも(新国立劇場のジゼルのところで書いたけれども、お墓の中に入ってい演出は私は好きではない)、白い薔薇をアルブレヒトに渡していく。華奢なザハロワの腕をみるだけで、そこにこめられた想いが伝わっていくようだ。彼女を最後に感じようと、指を握り締めようとしたその時に永遠の別れがやってくる。お墓に倒れこむアルブレヒトだが、やがて立ち上がり、万感の思いをこめた表情で正面を向くと、そこで幕。幕の下りるタイミングがちょっと早すぎたのが残念。

スカラ座バレエの一番素晴らしいのは、オーケストラの演奏がとても良いことだと思う。バレエは総合芸術だから、そこはすごく大事。あとはソリスト級のダンサーでもう少しいい人が出てくるといいだけど、ね。

いろいろと文句をつけているけれども、やはり、ザハロワ&ロベルト・ボッレという世界最高の美男美女、しかもテクニックもしっかりしている二人によるジゼルが楽しめないわけはないのである。本当にロビーは素敵だったわ。

というわけで、ロベルト愛のamicaさんの、愛にあふれた詳しいレビューもどうぞ。


ジゼル:スヴェトラーナ・ザハロワ
アルブレヒト:ロベルト・ボッレ
ヒラリオン:ヴィットーリオ・ダマート
ミルタ:マルタ・ロマーニャ
クールランド公:フランチスコ・セデーニョ
バチルド:フラヴィア・ヴァッローネ
ベルタ:アンナリーザ・マシオッキ
ウィルフリード:フランチェスコ・ヴェントリーリア
狩猟係:マシュー・エンディコット
ペザントの踊り:ソフィー・サロット、アントニーノ・ステーラ
二人のウィリ:ララ・モンタナーロ、ラウラ・カッチャランツァ

スカラ座バレエ団、スカラ座管弦楽団
指揮:デイヴィッド・コールマン
振付改訂:イヴェット・ショヴィレ

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2006/09/24

「マッチポイント」ウディ・アレン監督作品

ウディ・アレンはニューヨークの人だったのに、ついにそこを脱出して今はイギリス在住だという。制作はBBCだし、舞台もイギリスの上流階級のお話。 恋愛映画かな、と思わせて途中からはサスペンスで、最後はコメディ?

さすが階級社会のイギリスだけあって、セレブの生活ってすごい。運転手の送迎は当たり前で、郊外の広大な別荘ではポロ用に馬を飼っていたり、ロイヤルオペラに寄付していつでもオペラがボックス席で観られるし、お嬢様の趣味でギャラリーまで始めたり、できないことはないんじゃないかと思ってしまう。

アイルランドの貧しい家出身のテニスプレイヤー、クリスが、プロを引退してテニスコーチになる。生徒の中に上流階級の青年トム・ヒューイット(これって、ダイアナ妃の愛人と同じ名前じゃないかしら)がいて、オペラの話をしたことから気に入られる。彼の家はロイヤルオペラハウスに多額の寄付をしているため、オペラに招待されたところ、彼の妹クロエがクリスに一目ぼれ。やがて家族ぐるみの付き合いをするようになって、クロエとクリスは婚約。だが、クリスは、悪魔的な魅力を持つトムの婚約者、ノラの虜になる。

やがてクリスとクロエは結婚し、クリスはクロエの父の会社に就職して目をかけられる。豪華な新居に暮らし何一つ不自由ない生活だけどなかなか赤ちゃんができない。一方トムは、女優の卵でアメリカ人であるノラを、彼の母親が気に入らなかったために別れ、別の女性と結婚する。偶然美術館でノラに再会したクリスはノラとの不倫におぼれる。不妊治療に通ってもクロエとの間に子供はできないのに、ノラはクリスとの子を身ごもってしまう。そして妻と別れることを迫られたクリスは...。

(ネタばれでいきます)

若くて貧しくて野心にあふれた青年が、邪魔になる相手を殺してしまうという物語は、今までに語りつくされてきた。「死の接吻」しかり「太陽がいっぱい」しかり。一歩間違えると、火曜サスペンス劇場になってしまう。しかし、単にそこで終わらない、ひねったところがウディ・アレンらしい。

物語自体がテニスの試合になぞらえている。クリスの語りで始まる説明は、ネットの上端にボールが当たったとき、それが向こう側かこっち側かどちらに落ちるかで勝敗が分かれるという話。最後は、運がいいか悪いかで決まるのだ。絶体絶命のピンチになっても、最後まで勝負は諦めてはならないということでもあるし、人生も最後までどうなるかわからないという意味もある。

ジョナサン・リース・マイヤーズは美貌の持ち主なんだけど、どこかひねくれた感じと影があって、いかにも貧しい家出身の青年という感じ。でも、頑なに奢られることを嫌がったり、おいしい提案があっても一度は遠慮してみせるなど、プライドはしっかり持っている。だからこそ、上流階級のヒューイット家に気に入られたのではないかと思われる。一方、同じ貧しい家出身のノラは、トムの母親にあからさまに嫌われている。アメリカ人で女優志望で、セクシーすぎるから。しかしこの二人は、お互いに同質のものを嗅ぎ取って惹かれあってしまうってわけだ。 スカーレット・ヨハンセンはエロいです。この人、実はそんなに美人じゃないし背が低くてスタイルも良くないのに、なんでこんなにめちゃくちゃいい女に見えてしまうんでしょうかね。ぽってりした唇とか、視線の使い方かな。それがフェロモンってことなんだろうか。

ウディ・アレンはアメリカ人なのだけど、イギリスの上流階級のゆるぎなさというものに対しては、かなり好感を持っているように思える。クロエはいかにもお嬢様でおっとりとしていて、性格が良い娘で、クリスの不貞についてもあまり気がつかない。彼女の兄のトムにしても、親に対する些細な反抗でノラと付き合うものの、結局母親に逆らえずに別の女性と結婚する。彼らの父親も、普通だったら財産目当てでうちの娘に近づいた、とクリスを警戒するだろうに、彼を気に入ってとても大事にするし株で損を出したと聞いたら補填しようとする。芸術に対しても、パトロンとして気前よくお金を提供してきた。本物のお金持ちというのは、お金があるだけじゃなくて、品格があるということを体現しているヒューイット一家である。

一方、ノラについては、誰が見てもクラクラするようないい女という感じの色っぽい美女なのだが、ひとたびクリスがクロエと別れてくれないとなると、電話をかけまくったり会社にまで押しかけていったりと、せっかくのクールなファム・ファタル振りが台無しになってしまう。そのノラの態度に振り回され、精神的にも追い詰められて余裕をなくしてしまうクリス。クロエがずっと子供を欲しがっていて不妊治療にも連れて行かされていることについても、うんざりしているし、馬脚を現したって感じの小物ぶりだ。そのへん、ジョナサン・リース・マイヤーズは実に演技がうまい。 美男美女の恋の駆け引きを期待した観客に、ウディ・アレンが舌を出しておちょくっているのがわかって小気味良い。

ノラと隣家の老女が猟銃で殺されたってことで、捜査に当たる刑事二人組のとぼけっぷりが面白い。こいつらが出てきた時点で、シリアスな終わり方にはならないってわかってしまうけどね。そして、オチは、冒頭のテニスボールがネットに当たるシーンと見事な対を成すものであった。

でも、結局、人生は終わりになるまでどう転ぶかわからないっていう話。今回はたまたまついていたけれど、それがクリスにとって幸運だったのか不幸だったのかは、なんともいえないってわけだ。

ロイヤルオペラハウスに家族で出かけたりするシーンが多いこともあって(「椿姫」は舞台もちょっとだけ登場する)、全編にオペラのアリアが効果的に使われている。特に老女とノラをクリスが殺害するくだりの使われ方はドラマティックかつちょっと皮肉でよかった。

監督:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リス・マイヤーズ 、スカーレット・ヨハンソン 、エミリー・モーティマー 、マシュー・グード 、ブライアン・コックス

2006/09/23

映画「Ballets Russes」/「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」

アメリカで劇場公開される前からずっと見たいと思っていたこの映画を、念願かなってようやく観ることができた。そして、予想以上の素晴らしい出来に、涙してしまうほどであった。すべてのバレエ好きに観てほしい、傑作ドキュメンタリー。

2000年に、元バレエ・リュス・ド・モンテカルロのダンサーたちがおよそ40年ぶりに同窓会を開いたところから、この映画は始まる。80歳から90歳にもなった元ダンサーたちへのインタビューと、当時の映像を元に構成。舞台映像も、今はほとんど踊られることのないマシーン振付作品が多く登場して興味深い。

1929年にディアギレフが没し、バレエ・リュスを再興すべく、1931年にバレエ・リュス・ド・モンテカルロが生まれた。バレエ・マスターのジョージ・バランシンのアイディアで、3人のベイビー・バレリーナを中心にしたカンパニーである。元コサックのド・バジル大佐と、ユダヤ人で、アウシュヴィッツへ向かう列車の中で亡くなってしまう劇場主のブリュムが率いた。このドキュメンタリーのインタビューにも登場するイリーナ・バロノワは、当時なんと13歳、タチアナ・リャーブンチンスカは15歳だったけれども(すでに亡くなっていたタマラ・トゥマノワも13歳)、テクニック的にはすでに完璧だったという。バランシンは、元妻のアレクサンドラ・ダニロワに、27歳はもう年寄りだから役はないと言い放ったという。バランシンはすぐに首になり、1939年にバレエ団は分裂し、二つのカンパニーが生まれた。片方はレオニード・マシーンが率いるバレエ・リュス・ド・モンテカルロで、もうひとつはド・バジルのオリジナル・バレエ・リュスである。

銀行家であり興行師のデンハムはマシーンのバレエ・リュスを呼んでアメリカツアーを行い、バジル大佐のバレエ・リュスはオーストラリアをツアーする。二つのカンパニーがヨーロッパに戻ったところで、第二次世界大戦となり、二つのカンパニーは一緒にアメリカに逃れ、両方ともダンハムが興行を仕切って別々にツアーを行う。年間100公演以上の苛酷なツアーで、休む暇もなくダンサーたちは全米を旅し、ベイビーバレリーナたちのステージママたちもツアーに同行した。バジル大佐とデンハムが喧嘩別れし、米国で興行が出来なくなったオリジナル・バレエ・リュスは南米ツアーで成功を収めるが、あまりにも苛酷なツアーで疲弊し切ったカンパニーはボロボロとなり、バジル大佐は破産し、ついにこちらの命運は尽きる。一方、レオニード・マシーンのバレエ・リュス・ド・モンテカルロは、アリシア・マルコワとアレクサンドラ・ダニロワの2大看板で華やかな成功を収め、ダンサーたちはハリウッド映画に出演するなどして、大スターとなる。が、その儲けをマシーンが蕩尽する一方、彼の振付作品はことごとく失敗し、やむなくマシーンはバレエシアター(現在のABT)に作品を提供するようになって解雇される。その後バランシンを振付家として招いて成功を収めるも、バランシンも自分のカンパニーを持つようになって去っていく。芸術監督が空席のまま、デンハムがディアギレフよろしく芸術面も仕切ろうとするが、新しい作品を生み出すことはなく、カンパニーは今までのレパートリーを繰り返して飽きられる。さらに、デンハムがニーナ・ノヴァクという若いダンサーに入れあげて実力不足の彼女をマルコワの代役に据えるなどやりたい放題をした挙句、ダンサーたちはみなバレエ・シアターやNYCBへと去ってしまい、ついに1960年代にカンパニーは消滅する。

印象的なエピソードとしては、1950年代のアメリカ初の黒人バレリーナ、レイヴン・ウィルキンソンの話がある。肌の色を理由に何回かオーディションに落とされたが、実力を認められて入団する。しかし南部をツアーした時にKKKが舞台に押しかけて脅し、結局バレエ・リュスを去らざるを得なくなり、それどころが米国のカンパニーでは踊れなくなってオランダ国立バレエに移籍したという。その後はメトロポリタン・オペラで活躍しているとのこと。

インタビューされるダンサーたちは、先に書いたように、すでに80歳から90歳以上にもなっているというのに、みなとても若々しく、多くは今でも舞台に立っていたり、バレエ教師を務めたりしている。元バレリーナだけあって、みんな今でもとても華やかで美しい。ナタリー・クラフスカは当時のパートナーと「ジゼル」を照れながら踊るのだけどその可愛らしいこと。(が、残念ながら映画が公開される前に亡くなったようだ) 苛酷なスケジュール、ほとんど給料が払われないような状態、田舎町から町へと旅する生活、戦争と苦労も並大抵のことではなかっただろうに、当時のことを思い出すのが楽しくて仕方ないようだ。少年少女にかえったかのように瞳がキラキラしている。今もABTの舞台に時々登場しているフレデリック・フランクリン(現在93歳)の若々しさといったらもう、信じがたいほどである。彼はABTの「ペトルーシュカ」や「シェヘラザード」の監修をしたりと、バレエ・リュスの遺産を現代に伝えていくことに身を捧げていて、実に生き生きとしている。

2000年に、40年ぶりに再会したダンサーたち。当時を懐かしむ姿がとても素敵だ。最後に、現在も活躍している彼らの姿が映し出される。ダンサーだけあって、みんな背筋が伸びて美しい。アリシア・マルコワはイングリッシュ・ナショナル・バレエで日本人らしきダンサーを指導している姿が映し出されたが、彼女も撮影が行われた後亡くなってしまった。近代バレエの貴重な証言を収めたこの作品は素晴らしい資料であるとともに、バレエという芸術へのこの上とない賞賛となっている。バレエを見たことがない人でも、バレエを見たくなってしまうし、バレエ好きだったらもっともっとバレエ・リュスについて知りたくなってしまう、そんなバレエとダンサーたちへの愛に満ちた作品。マルコワ、クラフスカ、リャブーンチンスカ、スラヴェンスカなどは、この映画の完成を見ずに亡くなっている。

映像特典もとても豪華で、主要なダンサーたち自身の解説によるバイオグラフィー、本編に収め切れなかったインタビューや「白鳥の湖」「ジゼル」など舞台映像が1時間、200点にも及ぶ美麗なスチール写真など素晴らしい資料となっている。

映像のクオリティもとても高い。ぜひとも、日本での劇場公開と日本盤のDVD発売をお願いしたいところだ。(このDVDはリージョン1。英語字幕はあるが、特典映像には字幕はつかない)

監督:Daniel Geller Dayna Goldfine
出演:Frederic Franklin/Nathalie Krassovska/Irina Baronova/Alicia Markova/Marc Platt/Tania Riabouchinskaya/Mia Slavenska/Maria Tallchief/George Zoritch

公式サイト:http://www.balletsrussesmovie.com/

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2006/09/22

映画「46億年の恋」金森穣トークショー付上映会開催

チャコットのDance Cubeからの情報です。

映画「46億年の恋」の冒頭で華麗なるダンスシーンを披露した、コンテンポラリーダンサーにしてNoism06を主宰する振付家である金森穣さんが、シネマート六本木での『46億年の恋』ロングラン公開を記念してトークショーを行うとのことです。

「46億年の恋」は何といっても三池崇史監督作品なので絶対に見なくちゃ、と思っていたのですが良いチャンスだわ。

日時:2006年10月1日(日)19:00の回
登壇予定者:金森穣
お問い合わせ先: シネマート六本木 03-5413-7711
46億年の恋公式HP http://www.cinemart.co.jp/46/

2006/09/21

FIGARO、BRUTUSにロベルト・ボッレ/スーダンUNICEF大使

◆「FIGAROjapon」10/5号

史緒さんに教えていただき、昼休みに本屋へ。フィガロ・ジャポンはバレエネタが載ることも多いのでこの号もチェックしていたが見落としていた。

今回はドルチェ&ガッバーナのファッションページで、ナポレオンとジョセフィーヌを意識したという。カラー6ページ。ロビーは上半身裸にすこしうす緑かかったタイツ。髪型はぴったり撫で付けたオールバックと普段のナチュラルな状態なのと2通りで、美しく跳躍している写真もある。素敵♪ただサスペンダーがちょっと邪魔かな?

ついでに、検索をかけてみたら、BRUTUSのところでもロビーの名前を発見。

◆「BRUTUS」10/1号

こちらもドルチェ&ガッバーナだけど、趣はだいぶ違う。”最後のアポロ”と題されている通り、着衣なのに神々しいまでの美しさにはもううっとり。こちらは着衣。白い軍服のような上着を着たロビーはデカタンなイメージ。ほっそりとクラシックなスーツを着こなし、パンツの下の脚線の美しさを想像させるロビーは、撫で付けた髪と目線が妖しい。マフラーとニットの間から少し覗く肌がセクシー。腕をアロンジェに広げ、デニムのパンツを穿いてアラベスクをしているロビーは、優雅な白鳥のようだ。
黒い髪と緑がかった青い瞳のコントラストが完璧なまでに麗しい。神様が完璧な自分の写し身を作ったかのごとくの、ありえないほどの美貌。

ロビーはユニセフ親善大使を務めているので、公式サイトから、先日スーダンを訪れた時の、難民の子たちと写っている写真や動画が見られるサイトにいける。 モデルとして完璧な美を見せているロビーもいいけど、子供たちと写っている、こぼれんばかりの笑顔の彼がすごく素敵。スターというよりは、親しみやすく優しいお兄さんという感じで。心からのナチュラルな笑顔っていいものだわ。(教えてくださったはなはなさんうるるさんamicaさんありがとうございます)
スーダンでのビデオクリップもここで見られます。

そして今日はザハロワとのジゼルのDVD発売日♪ 申し込んだのがぎりぎりだったので、いつ届くかしら。

BRUTUSの写真はこんな感じ。
060921_215145

追記:BRUTUSの表4(裏表紙)には、首藤康之さん出演のイヴ・サンローランの広告が掲載されています。例のオペラ座(ガルニエ)の屋上で撮ったものですね。

2006/09/20

SWAN MAGAZINE2006年秋号/プリンツ21

SWAN MAGAZINE 2006年秋号はマリインスキー・バレエ特集号。ヴィシニョーワ、ファジェーエフ、サラファーノフのインタビューと、白夜祭のレポート、ワガノワ・メソッドについての解説、それから「海賊」という演目の説明。

ファジェーエフのポートレート写真がすごいクローズアップで、美しい。踊ってみたいと語っている「シェヘラザード」の黄金の奴隷はぜひ観てみたいです。ヴィシニョーワは、これから踊ってみたい人はヌレエフと答えているけど、交霊術でも使って呼び寄せるのかしら?何を見てもヴィシニョーワにしか見えないという個性は、ずっと彼女が持ち続けていた自意識のよう。好き嫌いが分かれる所以であるわけですが。サラファーノフはせっかく可愛いのに写真がぼやけているのが残念。

白夜祭のレポートはなかなか興味深かった。ショスタコーヴィチ・プログラムはロンドン公演では不評だったようだけど、やっぱり見てみたかった。特に交響曲7番「レニングラード」を使用した「レニングラード・シンフォニー」は演奏だけでもすごそうだし、さらにロパートキナ&コルプだもの。期待の若手たち-オスモルキナ、コルサコフについてかなり言及しているけど写真が少ないのが惜しい。

ワガノワ・メソッドの解説は、法村友井バレエ団の協力でお手本つき。私の通っている教室もメソッドはワガノワ(先生がワガノワ留学経験者)なので、ちょっと再確認できた。もう少し詳しいともっと嬉しいけどそれだと一般性がなくなっちゃいますからね。

安珠さんによる巻頭グラビアは小林十市さん。いきなり上半身裸でびびります。彼は涼しげな目がとても素敵。次回は誰が登場するか楽しみですね。(いちおう創刊号から全部買っているのです)

実は私まんがの「SWAN」がちょいと苦手で(真澄の天然すぎる性格がだめなんです)、続編についてもあまり惹かれないのです。絵柄については、やはり今のシンプルなほうが抵抗なく見られるんですけどね。昔からいかにも少女漫画然とした画風が好きになれないのです。今回、最後にまいあのお父さんのレオンがちょこっと出てきますね。

森下洋子さんがジゼルを語ったインタビューは、音楽性とは何かということを考えさせられて面白いですし、新国立劇場の「ジゼル」のバックステージの様子も興味深い。そういうわけで、なかなか充実した内容になっていると思います。

SWAN MAGAZINE Vol.5 2006秋号SWAN MAGAZINE Vol.5 2006秋号
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首藤康之さんの公式サイトで、次の「プリンツ21」(9月26日発売)は首藤さんの特集だと案内がありました。
全80ページという大特集だそうです。

<内容>
□巻頭グラビア
操上和美撮影による幻の写真集から再編
□漫画家・山岸凉子との対談
□『ペトルーシュカ』『牧神の午後』の未発表写真で綴るグラビア
□三浦雅士、小林十市、椎名林檎、服部有吉らが寄稿

小林十市さんが、ご自身のブログで寄稿されたことを書いていらっしゃいましたね。幻の写真集は「POSESSION」のことでしょうか。私これ持っています。出していた出版社が倒産してしまったので、ゲイ書籍専門店(!)で買いました。

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2006/09/19

パリ・オペラ座バレエ「MC14/22 "ceci est mon corps"」

アンジェラン・プレルジョカージュがパリ・オペラ座のために振付けた1時間弱の作品。

タイトルのMC14/22とは、聖書のマルコによる福音書第14章22節「これは私の体」という意味らしい。最後の晩餐のときに、イエス・キリストはパンを取り、賛美の祈りを唱えて弟子たちに渡しながら言った。
「取って食べなさい。これは私の体である」

で、この作品、12人の男性ダンサーが、パンツ一丁もしくはその上に黒い巻きスカートで登場するのだ。音楽はずっと電子音。

ガムテープをベリベリ使う男性。横たわる男性の上に洗面器の水をかける男性。そして、まるで商品のようにカイコ棚のようなスチール棚に並べられた半裸(白ブリーフ一枚)のダンサーたちが、横向きで蠢いている。 人間性を剥ぎ取られた存在のようだ。

やがて、棚は解体されて横一直線に並べられる。男性ダンサーたちはペアを組んで、向かい合い、意味ありげな性的な目線を送ったり、その目線に怯えたり。そして片方が、堰を切ったように相手に激しい暴力を加える。その暴力は、あるときには性的な暴力を連想させる。棚の上に倒した男性の上にのしかかったりとかなり直接的な表現。そして、ある時点で、この二人の立場が逆転する。さらには、2人がかりで1人の男を犯すようなポーズまで登場する。

一直線に並べられた棚のところで、12人がそれぞれ異なったポーズを取って静止している姿は、なるほど、「最後の晩餐」の絵画を連想させるものである。カラヴァッジオみたい。

それからジェスチャーゲームのようなとても複雑な動きを12人が一斉に行う。

一番残酷なのは、ガムテープを使ったシークエンス。冒頭に出てきたガムテープ男が、1人の男が内股気味に踊っているところへ、一瞬の隙を突いてガムテープを巻きつける。最初は目隠しのように顔に。目隠ししながらも同じように踊り続ける男。次に腕、そのうち足、体、と少しずつ自由を奪われる。最後には猿轡のように口に食い込むようにガムテープを巻かれ、ぐるぐる巻きにされてひとつの荷物のようになってしまう。それでも倒れたり不恰好に動きながらも踊ろうとする。ガムテープ男は、天使のような美しい顔をしているのに、表情ひとつ変えようとしないでこのガムテープ緊縛プレイを行うので、恐ろしい。最後は、別の二人の男性によって、ぐるぐる巻きにされた男は運び出されてしまう。

クライマックスでは、二人のダンサー(この舞台は、若手ダンサー中心なので、オペラ座にそんなに詳しくない私が固体識別がつく人が3,4人くらいしかいない。右側で踊っているのがステファン・フォヴォラン)が、アラベスクを入れた振りで踊り、初めてダンスらしいものを見せてくれる。その後ろで、例の棚を積み上げたところから一人一人ダンサーが飛び降りる。もちろん、下にはほかのダンサーたちがいてキャッチをするのだが。最初は前を向いて飛び降りているのだけど、そのうち後ろ向きに飛び降りるように。よく怖くないものだと思ってしまう。 そして一人の男性は、洗面器の中に顔を浸すが、洗面器の中にあるのは水ではなく泥で、泥まみれの顔を向けている。

そんなわけで、先日のバレエ・プレルジョカージュ公演で見た「N」にも通じるような、むき出しの暴力と性が表現されていたり、不条理なものが現れたり。イヤというほどお互いを傷つけるダンサーたち。これを不快と思う人はいっぱいいると思う。意図がわからない部分が多い。事実、フランスでの批評も良くなかったようだ。(チャコットのDance Cubeによると)

しかしながら、個人的にはすごく面白いと思ってしまった。美しいとはいえないもの(もちろん、ダンサーたちの肉体はとても美しいわけだが)、残酷なものをわざわざ舞台で見たくないという気持ちもとてもよくわかるが、時には現実を映し出すような作品も作られなくてはならないのでは、とも思うからだ。

身体的にも精神的にもこれを踊り演じるのは実にタフなことだと思う。これを演じきったダンサーたちに拍手。また、これをレパートリーに入れたオペラ座もすごいと思う。一人、見慣れないスキンヘッドのダンサーがいて、非常に存在感がありセクシャルな魅力を振りまいていたのだが、彼はバレエ・プレルジョカージュから客演していたSylvain Groudだった(現在は地震のカンパニーを率いている模様)。さすがにプレルジョカージュのダンサーだけあって、この世界観を一番理解しているようであり、オペラ座のダンサーにない野性味があって魅力的だった。

振付:アンジュラン・プレルジョカージュ(Anjelin Preljocaj)
サウンド:テッド・ザーマル(Tedd Zahmal)
衣装:Daniel Jasiak
照明:Patrick Riou
撮影:Denis Caiozzi

出演
Stephane Bullion Guillaume Charlot Jean-Christophe Guerri Emmanuel Hoff Gil Isoart Stephane Phavorin
Simon Valastro Vincent Cordier Yong-Geol Kim Nicolas Noel Alexis Renaud

Sylvain Groud(バレエ・プレルジョカージュ)

あ、もちろん腐女子にとってはかなりポイントが高いですよ~(笑)朝っぱらから女子二人でキャーキャー言いながら観ていました。

2006/09/18

パリ・オペラ座バレエ「カルメン/若者と死」 

以前に「若者と死」だけは観ていたのを、NHKハイビジョンで放映されたので「カルメン」と併せて観た。さすがにハイビジョンだと、我が家の45インチのテレビでも綺麗に見えて、ニコラの胸のそばかすやマリ=アニエスのメイクアップまでよく見える。

「カルメン」
原作:プロスペリ・メリメ
音楽:ジョルジュ・ビゼー
美術:アントーニ・クラヴェ
<キャスト >
カルメン:クレールマリ・オスタ
ホセ:ニコラ・ル・リッシュ
エスカミリオ:ギョーム・シャロー
盗賊たち:ドロテ・ジルベール
アレクシス・ルノー
マルタン・シェ

実は恥ずかしながら全幕でプティ版の「カルメン」を見るのは2回目。ガラではラカッラ&ピエール、それから先日のバレエフェスでのフェリ&テューズリーのPDD。それから映像ではKバレエの熊川哲也とヴィヴィアナ・デュランテ。

この映像で一番インパクトがあったのは実は主人公二人ではなく、ドロテ・ジルベール。コケティッシュでちょっと色っぽくて、適度なアクもまた可愛い。線が細いけど、実に魅力的だ。彼女が出ていると、そこに目が釘付けになってしまう。きっとカルメンも似合うはず。
ニコラのホセは、だめ男っぽさがない、まじめで誠実そうなホセ。ファム・ファタールの誘惑で堕落してしまう設定は説得力はあった。心ならずも殺人を犯してしまうところの、後悔の入り混じった演技も良い。踊りはさすがに文句のつけようがない。一方、オスタのカルメン。う~む。オスタはああ見えて、実は脚はけっこう長くてきれいなんだけど腕が短いのが致命的。ショートヘアは似合っているのだけど(ちょっとベティ・ブープっぽいデコちゃん)、ファニーフェイスのためファム・ファタールっぽさは皆無。二人のラブシーンも、お色気がほとんど感じられない。その代わりホセに対する愛は感じられる。さすが夫婦?特に、カルメンの絶命シーンでの演技の細かさは良かった。
アンサンブルはとてもよいし猥雑感もあるのは楽しい。あの白塗りのキャラクターは何なんだろう、なかなか魅力的だった。

「若者と死」
原作:ジャン・コクトー
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582」
美術:ジョルジュ・ヴァケビッチ
衣装:カリンスカ
< キャスト >
若者:ニコラ・ル・リッシュ
死:マリ=アニエス・ジロ

以前にも観ていたんだけど、改めて見直す。この演目は、「ホワイトナイツ」のミーシャの演技という金字塔があるので、多分、今後誰もあれ以上の演技はできないだろう。Florence Faure(ベジャールのところに所属していたようだ)のあまりにも美しすぎるファム・ファタルぶりも、今後上回る人がいるとは到底考えられない。

というわけで、それをまったく忘れてみれば、すごく面白く観られる。ニコラの超絶技巧はほんとうにすごい!空中で静止しているかのようなソテやトゥール・ザンレールなど数々の跳躍。テクニックはものすごいのに、若く貧しい芸術家というキャラクターにも非常にによく合っている。ジロも素晴らしい。長身でおかっぱヘアが良く似合って、それなのに「死」ならではの高貴さもあって実に美しい。何回も何回も若者を足蹴にしてはサディスティックに高笑いしているのに、あれだけの品格と余裕を保ち続けられるとは。去年観たザハロワなどは、邪悪さを出そうと必死になっていてかなり違う、って感じだったもの。ジロには、悪意のかけらもない、天然の残酷さがあって、それゆえ若者が追い詰められていくさまが伝わってくる。わずか19分しかないのにどっぷりと世界に浸らせてもらった。

それにしても映像の綺麗なこと。最近出た「ジュエルズ」なんか新しい映像とは思えないくらいひどかったから。

パリ・オペラ座バレエ 「カルメン」/「若者と死」パリ・オペラ座バレエ 「カルメン」/「若者と死」
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2006/09/17

小牧正英さん死去

東京小牧バレエ団の小牧正英さんが、9月13日、94歳で亡くなられたそうです。

訃報はこちら

先日東京小牧バレエの「ペトルウシュカ」を観に行った時にちょっと調べたのですが、日本で初めて「白鳥の湖」を上演したほか、「白鳥湖」と呼ばれていたこの演目に「の」を入れた方なんですね。
1934年にハルビン市音楽バレエ学校に入学し、1940年には上海バレエリュスに入団。戦時中に上海で大活躍して1946年に帰国。同年8月に「白鳥の湖」を日本で初上演したということですが、このような時代にパリを目指して海をわたり、戦後まもなくバレエを上演するとは、本当に想像を絶することですね。日本人ダンサーの海外進出のはしりでもあります。彼なくしては、今の日本におけるバレエの隆盛というのは考えられなかったのですね。

日本バレエ史の伝説小牧正英」に経歴が書いてありますが、とっても興味深いものです。

先日見た「ペトルウシュカ」は完成度の高い、素晴らしい舞台でした。お悔やみ申し上げます。

2006/09/16

ハンブルク・バレエチケット取りの顛末

来年のハンブルクのバレットターゲのチケットを取ろうとしたが、これが本当に大変だった。
ハンブルク・バレエのサイトは、ノイマイヤーがアメリカ人ということもあり英語版も充実している。
ところが劇場のハンブルクシュターツオーパ(州立劇場)のサイトはトップページで申し訳程度に英語版があるだけで、すべてドイツ語である。演目の表記も全部そうだし。

とりあえず座席表を見ながらメールしたのだが返事は全然来ない。バレットターゲはいろいろな演目が日替わりで観られるのでチケットがなくなるのが早く、すごく焦った。 来年の7月のチケットがあらかた売り切れているんだもの。

三日経っても返事が来ないのでサイトで取ろうと思ったが、本当にドイツ語しかなくて翻訳しながらやったら時間かかりすぎてタイムアウトになりチケットがキャンセルされてしまってどうしようもない。ここで2時間かかった。埒があかないので電話したんだけど、電話にでた人に英語で話したらいきなり何も言わないで保留され、国際電話で放置5分。かけ直しても同じで保留音はテープで何やらドイツ語で言っているけどわけがわからない。 電話に出た人の虫の居所が悪かったのだろうか?

ようやくメールの返事が来た時には疲労困憊。でも、取れたから良しとしなければ。来年のその時期、自分は何をしているんだろうか。

今までイギリス、韓国、アメリカ、フランスといろいろチケット取ってきたけどこんなに大変だったのは初めて。大体ドイツ人なら英語が喋れると思ってたのが間違いだったみたい。パリオペはちゃんと英語のページが用意されていてサイトでチケット取れるし、電話ではやはり5分保留されたけど英語話せる人を出してくれた。韓国もしかりで、確認のためにわざわざ電話を向こうからもかけてくれた。 まあ、バレット・ターゲは放っておいてもチケットが売れるから、国際対応はしなくてもいいのかもしれないけどね。

考えてみたら、外国人が日本でコンサートやバレエのチケットを取るのも大変そうだ。英語でチケットが取れるところなんかほとんどないし。よくBallet Talkやballet.co.uk、ダンソマニなどで、日本公演のチケットをとりたいんだけど、って質問が載っているけど、回答したくても、取れる方法が思いつかないのだ。

2006/09/15

都響、デプリースト指揮「イワン雷帝」/2008年1月のマリインスキー・オペラは「イーゴリ公」

本日、チケットポンテの半額券につられてデプリースト指揮、都響の「イワン雷帝」(プロコフィエフ)に行って来たんですが、オペラ歌手平野忠彦さんの語りつき、合唱&アルト独唱つきですごく面白かったです。エイゼンシュタインの有名な映画の音楽をコンサート向きにアレンジしたオラトリオで、6列目という席もあり爆音が大迫力でした。全編を通じてドラマティックで、タタールとの戦いでは、東洋的なメロディを使っているのがエキゾチックで素敵です。アルトのクリスティーヌ・メドウズは、ふくらみのあるまろやかで美しい声をしていました。また時間があったらゆっくり感想書きます。
詳しい解説がここにあるので、興味のある方はぜひ。

グリゴローヴィッチ振付のバレエと同じ音楽を使っているとはいえ、曲順はかなり入れ替えているので、印象は違います。今、パリオペのDVDを引っ張り出してきて見ています。ボリショイのも持っているんですが。パリオペのは、ニコラの長髪のカツラがかなり違和感ですが、グリゴローヴィッチ風に踊っていて、彼に向いている役柄と思えます。もちろん、ボリショイ版のムハメドフのものすごい顔芸&マッチョさ、ダイナミックさからすれば、インパクトは少ないわけですが。アナタスシアのエレオノーラ・アッバニャートが美しいですね。ボリショイの方はベスメルトノワで、収録した時点でかなり年がいってしまっていたから。パリオペ版のカール・パケットはハンサムだけどやっぱりちょっと膝が出気味なのです。一方、ボリショイのタランダは相変わらずとってもいかしています。
内容的には男汁炸裂のボリショイ、なんでしょうけど、映像がちょっと暗いので、より鮮明な画質で観たければ、パリオペ版ですね。

閑話休題。「イワン雷帝」の会場で配られていたチラシの中に、マリインスキー・オペラの2008年1月公演の演目が決定し(もちろん指揮はゲルギエフ)、その中にボロディンの「イーゴリ公」がありました。なかなか日本では上演されない演目ですが、ゲルギエフ指揮のマリインスキー・オペラのDVDが出ています。「イーゴリ公」にはなんといっても「ダッタン人の踊り」が入っていて、しかもマリインスキーで上演されるヴァージョンはミハエル・フォーキン振付で血湧き肉踊る超アドレナリン炸裂演目です。ひょっとして、マリインスキー・バレエの人が踊ってくれるんじゃないでしょうか?すんごい楽しみです。もちろんお値段は相当お高いでしょうから、今から貯金ですね。まだ1年3ヶ月先ですが。先行予約は2007年3月だそうです。

「ダッタン人の踊り」は10月14日の小林恭バレエ団、そして10月15日のルジマトフの「シェヘラザード」で観られますね。マリインスキーの「ダッタン人の踊り」はKirov Celebrates NijinskyのDVDで観られます。

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2006/09/13

吉田都さんの会見記事二つ

このブログのアクセス解析を見ると、ここ1週間は「吉田都」で検索をかけていらっしゃる方が多いようなので。

+e Theatrix!で記者会見の内容が出ています。この中で注目なのは、来年5月にKバレエは「海賊」を新制作するということ。都さんがメドーラというのはとても似合いそうですが、熊川氏はアリなのでしょうか?それともコンラッド?両方とも想像できるのですが、その場合にもう一方は誰が踊るんでしょうか。ほかにもビルバンドやランケデムなど、男性の重要なキャラクターがいますけれども、踊れそうな人がいないんですけど.....。だれかゲストを呼ぶのでしょうか。佐々木陽平さん?

あとは、ほかの記事などでも出ていますが、このやり取りですよね。

(以下引用)
Q都さんが踊る古典を全幕でみたいというのは日本のバレエファンの願い。
身体への負担が大きいといわれる『白鳥の湖』を見ることもできるのでしょうか?

吉田 ここ何年か『白鳥の湖』は踊っていないのですが、熊川君とこれからのレパートリーを話しているときに、『白鳥の湖』の話もでてきました。
この作品に関しては、彼が素晴らしい作品ができたし、私にも挑戦してもらいたいという話もいただいているので、挑戦しようかな、と気持ちも動いている所です

(引用終わり)

熊川版はオデットとオディールは別のダンサーが踊るので、ほかの版より無理しなくてすむのかもしれません。

もうひとつ、朝日新聞に記事が出ていました。

http://www.asahi.com/culture/stage/theater/TKY200609120293.html

日本経済新聞の記事にも載っていたことですが、10年いたロイヤルを「闘いの場」と表現しているんですね。都さんのように完全に地位を確立したかのように見えていた人も、実際には激しい競争にさらされていたのですね。本当にバレエって厳しいです。しかし、この記事の写真の都さん、カールさせた髪型がとても可愛らしく、そんなふうに戦い抜いてきた人に見えないところがさすがです。40歳には見えませんね。

婦人公論のインタビュー記事では、結婚や日本に帰国することについて、ダーシー・バッセルに相談し、背中を押してもらったというくだりがとても印象的でした。

いずれにしても、来月の「二羽の鳩」が楽しみです。

2006/09/12

ABT「眠れる森の美女」新振付:ゲルシー・カークランド

ABTのプレスリリースで、来年のMETシーズンに「眠れる森の美女」の新振付が目玉になるとありました。振付は、ケヴィン・マッケンジーなのですが、振付アシスタントには、なんとあのゲルシー・カークランドがつくとのことです。そう、先日紹介した「ダンシング・オン・マイ・グレイヴ」のゲルシーです。彼女がついに表舞台に帰ってくるということで、ニューヨークのバレエファンは興奮している様子。プレミアは7月1日で、11公演が行われる予定。また、7月に予定されているオレンジ・カウンティ公演でも上演される予定とのことです。

ゲルシーは、麻薬中毒や個人的な問題を解決した後、1980年代にロイヤルバレエでオーロラを踊り、大絶賛されたとのこと。どのような演出になるかが楽しみです。予定では、4幕構成となるとのこと。ABTの上演は通常コンパクトになる傾向がありましたが、今回は大作になりそうです。プレミアの際には、ゲルシーもカーテンコールで舞台に現れるのではないでしょうか。

まだ来年のMETシーズンのラインアップは決定していませんが、カルロス・アコスタの公式サイトでは、「真夏の夜の夢」「マノン」「白鳥の湖」「ラ・バヤデール」「ロミオとジュリエット」がABTでの予定として書いてあります。また、ディアナ・ヴィシニョーワは自身のサイトで、ABTで「眠り」を踊ると書いています。

ハンブルク・バレエのバレット・ターゲ

恒例のハンブルク・バレエ団のバレット・ターケ(バレエ週間)。
7月1日の「人魚姫」プレミア(初演)から始まり、15日のニジンスキー・ガラまで15日間開催されます。なんか見ているうちに行きたくなっちゃって、まだ1年近く先なのにチケット取っちゃった。(メールをしただけなのでまだ本当に取れているかどうかはわからない)

といっても、「ニジンスキー・ガラ」は発売日の発売時間に取ろうとしても取れない超プラチナチケットなのでもちろん入手できない。(多分一見さんは無理だという話)。
そういうわけで、ドイツ語のハンブルク・スターツオーパのサイトと格闘し、やっぱりネットでの申し込みは危険だということでメールでお願いした。「人魚姫」のプレミアなどは大変お高いチケットなのに、すでにほとんど完売している。あとは、「シンデレラ・ストーリー」「ニジンスキー」「ジュエルズ」「眠れる森の美女」なのだ。そう、日替わりでこれら素晴らしい作品が見られるので想像するだけでで幸せなのです。

何よりも「ニジンスキー」が見られるのが嬉しい。来日公演で1回しか行かなくて死ぬほど後悔したもん。でも、イリはもういないのよね。服部有吉さんもだけど。それが本当に残念。ついでにドレスデンまで足を伸ばそうかと策略中。なので、来年はABTは観に行きません。代わりに今秋に行きます。

ハンブルク・バレエのチケットの取り方は、「ハンブルク・バレエ熱」さんに詳しく書いてあります。

2006/09/10

小林紀子バレエシアター「レ・シルフィード」「ソリテイル」「パキータ」9/9

「レ・シルフィード」
振付:ミハエル・フォーキン
音楽:ショパン
ノクターン  島添亮子 デヴィッド・ホールバーグ
コリフェ 楠元郁子 高畠きずな
ワルツ 大和雅美

「ソリテイル」
振付:ケネス・マクミラン
音楽:マルコム・アーノルド
ソリテイル girl   高橋怜子
ポルカ girl   難波美保
1st solo boy  八幡顕光 
2nd solo boy 佐々木淳史 
pas de duex   中尾充宏 高橋怜子
冨川祐樹 中村誠 井口裕之 佐藤禎徳 澤田展生 アンダーシュ・ハンマル
駒形祥子 金子緑 萱原みゆき 志村美江子 荒木恵理 真野琴絵

「パキータ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
プリンシパル  斉藤美絵子
デヴィッド・ホールバーグ

「レ・シルフィード」
前に東京バレエ団で観た時にはずいぶん退屈な演目だな、男性ダンサーは全然踊らないし音楽は太田胃酸だし、って思っていたんだけど、今回は思ったより楽しめた。それでも、フォーキンの作品って「バラの精」でも「ダッタン人の踊り」でも「シェヘラザード」や「ぺトルーシュカ」でも、男性の踊りがいっぱいあってエキゾチックで好きなんだけど、なんで「レ・シルフィード」はつまんなんだろうな、って思ってしまうわけだけど。

シルフィードたちの群舞はとても揃っていて美しかった。ノクターンを踊った島添さんは相変わらずとてもたおやかで、魅力的に踊る人だ。コリフェの楠元さん、高畑さんも良かったと思う。高畑さんは前回公演の「コンチェルト」の時もそう思ったんだけど、すごく跳躍力のある人である。
そしてデヴィッド・ホールバーグ。まずはこの詩人役は容姿端麗でないとお話にならないので、その点では合格。彼は特に脚のラインが美しいのと、足の甲が素晴らしい。白いタイツがここまで似合う人も珍しいほど。ポール・ド・ブラもきれい。ただちょっとぎこちない印象があったのと、跳躍する時に最初の方はどすんと着地をしていたのが惜しい。あと、ちょっと口を開けたままの時が見られるんだよね。

「ソリテイル」
初めて観る作品だったのだけど、なかなか面白かった。くすんだピンクの可愛いチュチュを着て髪を二つに結わえた少女が暗いところでひとりたたずんでおり、寂しそうにしている。そこへ、女の子たち、男の子たちがやってきて、最初はなかなか仲間には入れなかった少女だが、やがて一緒に楽しく踊る。少女は男性の1人とパ・ド・ドゥを踊る。しかし結局最後に少女は1人でまた取り残される。ユーモラスなところも盛り込みながらも、ちょっと(かなり)ほろ苦い内容。少女の孤独感が胸に響く。マクミランらしい心理劇的な要素が盛り込まれた振付。少女役の高橋怜子さんが非常にいい。端整な踊りに、感情表現も豊かである。

女の子たち、男の子たちの衣装は、緑とか赤とか黒の原色使いで、なかなか日本人でこれを着こなせる人はいないと思った。特に、ピエロのような黒と緑のチェックの全身タイツ系は、脚の長くない日本人男性には厳しい。音楽が、ものすごく印象的な旋律で耳に残っている。新国立劇場でソリストに昇格したばかりの八幡さん、出番は少なかったけどすごいピルエット・アンドォールを見せてくれて、やはりテクニシャンだな、と思った。パ・ド・ドゥの中尾さんはさすがの貫禄で安定している。新国立劇場の男性軍団も良かった。
マクミランのこういう作品を上演してくれるのは、このカンパニーくらいしかないので?

「パキータ」
最後にこういう華やかな作品を持ってきてくれるのはいい。「パキータ」は全幕を観るとあまりのくだらなさに倒れそうになるくらいだが、ガラだと派手で楽しくてよい。セットにはゴージャス感がある。デヴィッド・ホールバーグもこっちの演目の方が得意なのか、水を得た魚のように生き生きと踊っていた。彼は回転系はかなり苦手っぽいけど、ジュッテ・アントルラッセがとても高くてふわふわ浮いていて美しい。サポートも上手。何よりエレガントで美貌なのでリュシアン役がとてもよく似合う。

群舞はみんなオレンジ色のチュチュを着ていたけどこれもなかなか素敵だった。非常に群舞のレベルが高くて気分が盛り上がる。が、パキータを踊る斎藤さんがいまひとつだった。ピルエットは必ず傾いてしまう。それに、最後のフェッテは途中で失速し、32回転を回り切れなかった。ほかのダンサーたちが良かっただけに残念。10日にパキータを踊る島添さんで観たかった。

群舞のレベルが高く、またユニークな演目選びもあって、なかなか楽しめた公演であった。これをきっかけにデヴィッド君も日本で名前を売って、バシバシ来てくれればいいな。

2006/09/06

ニュー・アドベンチャーズ「Swan Lake」ロンドン・パリ他キャスト決定

Alan Vincent and Thomas Whitehead (by kind permission of the Director of the Royal Ballet) will share the role of The Swan / Stranger, Simon Williams and Matthew Hart will share the role of The Prince and Saranne Curtin and Nina Goldman will share the role of The Queen. Thomas Whitehead and Matthew Hart both make their debuts with New Adventures and will be performing in both Paris and throughout the London run.

マシュー・ハートと、大きな4羽の白鳥を前回のツアーで踊っていたサイモン・ウィリアムズが王子というのはかなりのサプライズ。ザ・スワンは前回のアラン・ヴィンセントと、ロイヤル・バレエのソリスト、トーマス・ホワイトヘッド。(Mikiさんのご指摘で修正しました。サイモン・ウェイクフィールドのことだったようです)

詳しくはここへ

追記:で、ここにきて、また大変なサプライズが.....

パリ公演以降のキャストです。

http://www.matthewbourne.org/swanlake_2006_2007_cast

なんと、クリストファー・マーニーが王子役に復帰です!アテネ、オーストラリア、モスクワ公演の王子を踊るそうです。今大変動揺しています。あわわわわ。

それと、執事役がアラン・ヴィンセント、レイン・ド・ライ・バーネットそしてアシュレー・ベインとはいったいどうゆうことでしょう!ザ・スワンと執事のダブルキャストなんて聞いたことがありません。急速に執事役が若返りましたね。

見逃せないプロダクションになりそうです。日本にも来るんでしょうか。

「シザーハンズ」ニュー・アドベンチャーズ 9月3日(千秋楽)

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キャスト

エドワード・シザーハンズ:サム・アーチャー

ボッグズ家
ペグ:エタ・マーフィット
ビル:スコット・アンブラー
キム:ケリー・ビギン
ケビン:ギャビン・イーデン

モンロー家
ジョイス:ミケーラ・メアッツア(セクシー)
ジョージ:スティーブ・カーカム(はげたおじさん)
バニー:ソフィア・ハードレー
ジェラルド:ショーン・ウォルターズ

アプトン家
チャリティー:ヘザー・ヘイベンス
フランクリン・アプトンⅢ世市長:ガレス・チャールトン
ダーレーン:友谷真実
ジェームズ(ジム):ジェームズ・リース

エヴァークリーチ家【黒魔術系牧師一家】
エスメラルダ:レイチェル・モロー
レヴ・ジュダス:マシュー・モルトハウス
マリリン・アン:ミカ・スマイリー(リストカット)
ガブリエル:ロス・カーペンター(ロン毛)

コヴィット家
ティファニー:マドレーヌ・ブレナン
ブラッド:アダム・ガルブレイズ
キャンディ:ハンナ・ヴァサロ
チェース:フィリップ・ウィニンガム

グラブ家
グロリア:レイチェル・ランカスター(カーラーつきおばさん)
マニー:アダム・ガルブレイズ(おなか出た人)
サンドラ:ディナ・ローダ
シェルドン:ドリュー・マックオニー

発明家:アダム・ガルブレイズ
幼いエドワード:ギャビン・イーデン
年老いたキム:マドレーヌ・ブレナン
チア・リーダー:ケリー・ビギン、マドレーヌ・ブレナン、ハンナ・ヴァッサロ
TVリポーターズ:スティーブ・カーカム、マドレーヌ・ブレナン
カメラマン:アダム・ガルブレイズ

携帯で撮影したキャスト表の画像から読み取るだけで力尽きました。
とりあえず、素晴らしい舞台でした。もっと観に行きたかったけど、膵臓を悪くし、仕事の多忙、「ムーヴィン・アウト」、バレエフェス貧乏など諸般の事情で、今回は2回しか観ませんでした。

もう少し公演が少ない時期に来ていてくれたならなあ....。
(感想はまた後で書きます)

コメントとかメールのお返事なども全然できなくてごめんなさい。必ずいたしますので。

2006/09/05

アンヘルの出演予定/「パリの喜び」DVD

ABTのシティセンターシーズンのキャストがおおよそ出揃ってきたんですが(しかし、サイトハッキングされたのか?シティセンターシーズンの説明のところに間違った写真が載っています>ABTサイト)、アンヘル・コレーラの名前がありません。まだTBA(出演者未定)となっているところもあるにはあるのですが。一応、シティセンターシーズンのパンフレットには出演予定者として名前があるんですが出演するんでしょうか、ファンには気がかりなところです。

で、実はメトロポリタン・オペラの「ラ・ジョコンダ」が9月26日、10月4日、11日、18日、21日と上演されるわけなんですが、これ、実はバレエの部分の振り付けが、クリストファー・ウィールダンなのです。METでは15年ぶりの上演で、今回のために新たに振付けられたのですね。ひょっとしたら、アンヘルはそちらに出るのかもしれません。去年、アンヘルはバルセロナでラ・ジョコンダのバレエのシーンを踊っているのですよね。振り付けは違うわけですが。

シティセンターシーズンは10月18日からなので、そんなにかぶっていないといえばそうなんですが。手元にメトロポリタンオペラの2006/2007シーズンのパンフレットがありますが、さすがにバレエの出演者までは書いていません。

それと、キューバのハヴァナで、10月28日から11月6日まで、The Havana Ballet Festival というのが開催されて(公式サイトはここなんですが、キューバ国立バレエのサイト内にあって、スペイン語でよくわかりません)、それにアンヘル、フリオ・ボッカ(!)、アリシア・アマトリアン、アニエス・ルテステュ、ホセ・カレーニョ、カルロス・アコスタ、ジモーナ・ノヤ(ウィーン国立バレエ)、カルラ・フラッチら超豪華なゲストが出演するそうです。
(そのあたりはこの記事に少し書いてあります)
フリオ・ボッカは「白鳥の湖」のジークフリートを踊ってキューバのファンにお別れを告げるそうです。

さて、アメリカで8月末に新しく発売になったDVDに、「GAÎTÉ PARISIENNE」があります。レオニード・マシーン振り付け、オッフェンバックの音楽による「パリの喜び」ですね。これが、なんとバレエ・リュス・モンテカルロの映像で、主演がフレデリック・フランクリンとアレクサンドラ・ダニロワ。1954年の作品です。バレエ・リュスファンは泣いて喜びそうな内容ですね。93歳でまだ現役のダンサーとしてABTの舞台に立っているフレデリック・フランクリンのオーディオコメンタリー、インタビューつきだそうです。内容は発売もとのVAIのサイトで。
面白そうなので、私も取り寄せてみたいと思います。ドキュメンタリー映画「BALLET RUSSES」と併せて見ればさらに面白そうですね。

Gaite ParisienneGaite Parisienne
Gaite Parisienne

2006-08-01
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吉田都さんの移籍についてのロイヤル・バレエの発表

ロイヤル・オペラハウスから公式発表が出ています。

http://info.royaloperahouse.org/News/Index.cfm?ccs=1074

それによると、ダーシー・バッセルと同じ「プリンシパル・ゲスト・アーティスト」になるということで、すでに発表されている2006/2007年シーズンにおいても、予定通り出演するし、今後も出演し続けるということです。

都さんのコメントは以下のとおり。「去年から日本に帰ることを考えていました。Kバレエに移籍するのは、Kバレエが幅広いレパートリーを持っていることです。そのようなカンパニーは日本にはほかにはありません。今後もロイヤル・バレエにプリンシパル・ゲスト・アーティストとして出演することを楽しみにしています」

また、芸術監督のモニカ・メイスンのコメントもありました。「吉田都はロイヤル・バレエにおいて、とても長くて、特筆すべきキャリアを築いてきました。日本に活動の拠点を移しても、ロイヤル・バレエでも活動を続けたいと考えていることを喜ばしく思います。彼女は、二つのロイヤル・バレエ(バーミンガム・ロイヤルとロイヤル)において大きな貢献をしており、その素晴らしい技術と芸術性、傑出した音楽性により、非常に幅広いレパートリーをものにすることができました。彼女が日本に戻りたいという意思を尊重します。熊川哲也のKバレエにとって大きな財産となるでしょうし、ロイヤル・バレエとの近しい関係をこれまで通り続けてくれることは、とても嬉しいことです」

都さんが観られるということで、とりあえず11月17日(金)の「三人姉妹/二羽の鳩」のチケットを買ってしまいました。A席でも1万4千円と高っ!実に初Kバレエとなります。

2006/09/04

ロバート・ハインデル回顧展

美しいダンサーを描くことに人生を捧げたロバート・ハインデルの回顧展が、9月5日(火)より10日(日)まで、日本橋三越の本館7階、催物会場にて開催されます。油彩・素描、その他版画等含め約100点。入場は無料。しかも、9月9日(土)と10日(日)13:30~より、彼の作品のモデルにもなっているバレリーナ、佐々木想美さんのトークショーもあります。

ハインデルは残念ながら昨年7月に亡くなりましたが、ダンサーの一瞬を切り取った美しい絵画は、ずっと私たちに語りかけてくれているような気がします。吉田都さん、ダーシー・バッセルなどの素晴らしいポートレート、ぜひ見ていただきたいな、と思います。

また、10月10日(火)より22日(日)は、代官山ヒルサイドフォーラムにて、一周忌回顧展が開かれます。こちらは入場料が大人400円。油彩・素描、その他希少な版画等含め約80点。中には、絶筆である、約80号の未完成の大作もあります。80年代、90年代そして2000年代のバレエの代表作品を時系列で展示し、時代と共に進化するハインデル芸術の真価に触れられます。また、5回に渡る日本訪問で描いた、伝統舞台芸術の歌舞伎・能の作品と、森下洋子、吉田都、熊川哲也など日本のダンサーを描いた作品も展示されているそうです。

お問合せ先:アート・オブセッション
Tel.03-5489-3686

追記:
10/9(月) NHK BShi 23:00〜 
10/15(日)NHK BS2 23:00〜
 「迷宮美術館」でロバート・ハインデルが取り上げられるようです。

2006/09/03

出口なし HUIS-CLOS

ニコラ・ル=リッシュが出演する舞台「出口なし」の初日に行ってきました。場所は80年の歴史を誇る銕仙会能舞台。自由席ということで1時間前から並ぶ。自分たちの前には数人しかおらず、一番後ろの椅子席に座ることができた。見やすいのだけど、畳敷きのほかの席と違ってお尻が痛くなった。また、字幕がちょうど対角線である上手にあって、字も小さかったので非常に見づらかった。満席。客層は能ファン、サルトルファン、外国人、そしてパリオペファンとさまざまだった様子。著名人もちらほら。物販は、500円のパンフレットと、ポスター。ドキュメンタリーが撮影されているらしく、テレビカメラが入っていた。

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作:ジャン=ポール・サルトル
演出:ギョーム・ガリエンヌ
出演 イネス:マルティーヌ・シュバリエ ガルサン:ティエリー・ドゥ・ペレッティ
エステル:アンヌ・ブービエ ボーイ:ニコラ・ル・リッシュ

会場は能舞台。下手側に花道があり、出演者は一人ずつ、そこから登場する。まずはボーイ役のニコラから。すり足で、しずしずと。黒い足袋に上下黒の衣装。次に男(ガルサン)が登場し、中年の女(イネス)そして若い美しい女(エステル)。3人とも、黒を基調にした衣装。ガルサンは白いシャツに黒いジャケット。地獄に導かれたということで、彼らは緊張感を持って、歩んでいく。

この能舞台の上が、地獄であり、ボーイはこの地獄の案内人のような役割を果たしている。ガルサンのせりふにあるように、五寸釘も十字架もなく、何もない空間。窓も鏡もなく、煌々と明るくて電気のスイッチもない。出口はあるけれども閂がかかっており、外には廊下があるのみ。ここに来た者は永遠に眠ることもできない。
イネスは、最初ガルサンを処刑人だと思って怯える。

登場人物たちは、自分たちがどうやって死んだのかを語り、やがて、どうして地獄に送り込まれることになったか語り、そこに至るまでの苦悩を追体験する。
ガルサンは正義感に満ちた新聞記者で、それゆえ、リオ・デ・ジャネイロで12発の銃弾を浴びて死んだ。イネスは郵便局員でガス中毒で死んだ。そしてエステルは肺炎で。

3人きりでこの地獄に連れて行かれた彼らは、それぞれ、少しずつ語り始める。地獄にいながら、彼らは地上の様子を知ることができ、自分がいなくなった後で人々が何をしているかもわかる。金髪の美しいエステルは口紅を塗ろうとするが鏡がなくてうまく塗れず、イネスが鏡役を買って出る。イネスはレズビアンなので、最初はエステルに好意を抱いていたようだった。しかし、まわり中のの人間に敵意を抱いているらしい、悪魔のように意地悪なイネス、英雄を気取っていたけれども実は臆病なガルサン、そして美しいが虚栄心の高いエステルは、お互いに激しい言葉の応酬を始める。怒り、苦悩、嫉妬、憎しみ。エステルはガルサンを誘惑し、そのたくらみは成功しそうになるが、行為を始めようとする二人から目をそらさず、嫉妬の言葉をぶつけるイネスの妨害でまた3人は憎みあう。時には大きな叫び声を発してまで。

エステルは貧しい育ちだったが資産家の老人と結婚して金持ちになった。若い愛人を作りスイスで子供を産むがその赤ちゃんを窓から放り投げて殺してしまう。イネスはレズビアンの郵便局員で、同居していた友人と恋人の間を妬んで仲を裂き、彼女にガス栓を開けられて死ぬ。そしてガルサンは平和主義のジャーナリストだったが、臆病風から逃げ出してしまったことで殺されてしまう。その上妻にも冷淡で妻は先に彼の死後、死んでしまった。(はなはなさん、ご指摘ありがとうございました)

現実から逃げようとしても、それらの現実が地獄まで追いかけてきて、逃げられなかった3人。悪意のぶつかり合いに耐えられなくなったガルサンが扉よ開け!と何回も叫ぶと扉は開くが、駆け出せればきっと外に出ることはできるのだろうが、彼は外に出ることができない。この地獄に、3人とも永遠に囚われてしまっている。パンフレットにも書いてあるけれども、地獄、それは他者のことである、と。この地獄から、その気になれば出ることはできる。だけど、もう出られない。出られないことが、地獄なのである。しかも、この3人で囚われているということが。針の山や焼き鏝はなくても、地獄は成立するということ。他者と接触することで、自分の行ったことの意味、どうして地獄に落ちたのかを知ることができた。でも、それを知ることも地獄だ、と。

演出は控えめで、舞台装置も何もない中、3人プラス1人の俳優がほとんど立ったまま演じるが、非常に力量のある役者ぞろいで、緊張感はずっと持続している。能舞台という空間も、独特のこの世ではない雰囲気をかもし出していて効果的だった。ただ、せりふが非常に多く、字幕が右側に出るのだがとても追い切れない。字幕を見ると肝心の舞台を見落としてしまうわけで...ある程度字幕を観ないで舞台の方に集中する方がいいのかもしれない。特に全身悪意の塊のようなイネスを演じたマルティーヌ・シュバリエの演技は凄まじかった。本当に悪意が歩いているって感じで。

ニコラがせりふがあるのは最初の5分程度で、この地獄の説明をするというもの。声がよく響き、台詞回しも達者だと感じた。このボーイという役は、そもそも感情を表現しない役ではあるのだが。上手から出て行っては、また時々登場する。エステルが恋人と踊ったシーンを回顧するところでは、彼が後ろで、彼女と同じ体勢で踊っている。また、美しい腕の動きを見せたり、ルルベで立っていたりするところも見せてくれる。そして、時折、床を叩いて大きな音を立てる。せりふはほとんど発しないけれども、絶えず存在感は示している役。パンフレットのギョーム・ガリエンヌの解説では、ボーイ役は、能の「ワキ」に近いと考えている。というのも、ボーイは3人の主人公、すなわち「シテ」を舞台に連れてきて、各人を懺悔へと導くから。この内省的な懺悔を通じて彼らの苦悩が明らかになる、と書いてある。

そういう意味では、一つ一つの動きが美しいバレエダンサーを起用したことには大きな意味があったと思った。ニコラは、ストレートプレイの役者としても十分やっていけるのではと思った。

1時間半の間、緊張感が持続した良い舞台だと思った。本当はムーヴィン・アウトの千秋楽に行きたかったんだけど。終わったあとで楽しいおしゃべりができたのは楽しかったけどね。

原作の詳細については、はなはなさんの記事をぜひご覧ください。これからご覧になる方には、良い予習になると思います。(間違いの指摘もありがとうございました)

2006/09/02

バレエダンサーの戦死

ワシントン・ポスト紙にこんな記事が。

19歳のコリン・ウルフは一昨日、イラクで乗っていたトラックが爆弾を踏み爆発で亡くなった。7月にイラクに到着して来年2月までそこにいる予定だった。3歳の時からバレエを習っていた彼は、「くるみ割り人形」のフリッツ役を演じるなど毎年主要な役で出演していたが、2001年9月11日、14歳の時に同時多発テロを経験したことで軍に入りたいと思うようになった。そして去年5月に「ジゼル」に出演したのが最後の舞台となり、高校卒業と同時に軍に入った。
記事に載っている写真はまだあどけない顔をしている。女性ダンサーにとっては頼れるパートナーのようだった。
ご冥福をお祈りいたします。

ロシアの徴兵制の方はどうなったんでしょうか。
イラクではずいぶんと多くのアメリカの兵士、もちろん、イラクの市民も兵士も亡くなっているけど、よくわからないまま泥沼化して、未だにこういう死が繰り返されてしまうのですね。

Movin' outでは、ベトナム戦争がもたらした若者の死、そしてその死によって周囲の人間も深く傷ついていく様子が描かれていたけれども、それは決して今の世の中にも無縁の話ではないということで。

追記:もうひとつ記事がありました。彼のお母さんがバレエスタジオを持っている関係で、3歳からバレエを学び、15年ものキャリアがあったということです。このニュースはAP通信でも配信されたようです。

彷書月刊8月号バレエ・リュス特集

バレエリュスの特集が載っているってことで、渋谷のブックファーストで見つけてきた雑誌「彷書月刊」。こんな雑誌が出ていることも知らなかったのだけど、なかなか面白い。古本専門の雑誌らしい。

「バレエ・リュスのイマジュナリィ」と題して、40ページほどの特集となっている。

日本のバレエ・リュスの第一人者である薄井憲二さんのインタビューから始まり、薄井さんも出演したニジンスキー版「春の祭典」で選ばれし乙女役を踊った平山素子さんも登場する。薄井さんの、バレエ・リュス関係のパンフレットなど貴重な資料の写真も。しかし、日本とバレエ・リュスの関わり合いで面白いな、と思ったのは藤田嗣治の話。この間の回顧展にも登場しなかったのだが、実は藤田は舞台美術を6作品ほど手がけており、1946年の「白鳥の湖」日本初演の美術も製作した。残念ながら、記録はほとんど残っていなくて、パンフレットくらいしかみつかっていないようだが、生き証人の話によると藤田は自らミシンを踏んで衣装製作にもかかわったそうだ。甥が、日本のバレエ史に名前を残す葦原英了だったということもあったようだ。パリでもかなりバレエを鑑賞したようだ。このあたりを解明しようとする研究者もいるとのことである。

かの竹久夢二も、作画のヒントとするために、バレエの写真の切り抜き帳を作っていた。「シェヘラザード」の黄金の奴隷に扮するニジンスキーや、ぺトルーシュカのバレリーナや「火の鳥」に扮するタマラ・カルサヴィナのさまざまなポーズの写真も切り抜いていたらしい。1932年には、ジュネーブでバレエ・リュス・ド・モンテカルロの公演も観ていたが、残念ながら夢二は、日記ではあまりほめていなかった。ただ、バレエ・リュスの影響が大きく感じられる作品を描いていたとは意外である。

さらに、1910年代にディアギレフのバレエ・リュスを見て、ちゃんと記録をとっていた日本人がいるというから驚きである。日本とバレエ・リュスとのかかわりについてはいろいろと書いてあって面白い。

平山さんと対談している芳賀直子さんのバレエ・リュスの本はいつ出るんだろう。去年11月のニジンスキー版「春の祭典」の会場、兵庫でもチラシを配っていたのに。待ち遠しい。

特集以外も充実していて、なかなか読み応えのある一冊だ。お値段は600円+税とリーズナブル。アマゾンでも買えます。(これ一冊だと送料がかかってしまうけど。通巻250号なのでお間違えなく。

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2006/09/01

Movin' Outにまつわる小ネタなどなど

結局「Movin' Out」は3回目行ってしまいました。見れば見るほど面白くてすっかりはまってしまいました。でも、もうこれで打ち止め。今週末はニコラの舞台を観に行ったり、シザーハンズの千秋楽に行ったり。そして二日続けて舞台を観に行ったものから、仕事がすっかりたまってしまって、残業で終電になるという体たらく。
また、時間があるときにゆっくりと昨日の公演を語りたいと思います。ラスタも素晴らしかったけど、昨日はキースが最高でした。なんという美しい上半身なんだろう、としみじみしてしまいました。きっと、彼なら、またマシュー・ボーンの白鳥の湖のザ・スワンを踊れるだろうな、踊ってほしいって思いました。

2幕でジェイムズの遺体をエディとトニーが抱えて連れて帰るシーンでは、「ディア・ハンター」を思い出してしまって泣けてきました。実際には置き去りにしてしまったジェイムズを、心の中では一緒にアメリカに連れて帰って、そしてようやく彼らは自分自身を許すことができたのだと。

そういうわけで、ちょっと小ネタを。

Movin' Outのブロードウェイ公演は、実に豪華なメンバーが出ていて、ABTのアシュリー・タトル、ジョン・セルヤもそうだけど、去年はかのデズモンド・リチャードソンもトニー役で出ていたようです。また全然違ったトニー像だっただろうから、去年観れば良かった....。きっと別の美しさがあったと思います。

2003年のマシュー・ボーンの「白鳥の湖」のジャパンツアーで、蛾の乙女やイタリアの王女などを踊っていたオリアーダも、ブロードウェイでジュディとブレンダを踊っていたようです。ゴージャスなブレンダはいかにも似合いそうだけど、ジュディはどんなジュディだったんだろう。

話変わって、東京小牧バレエの白鳥の湖について調べていたら、なかなか面白いサイトに当たりました。これによると、実はSwan Lakeに「白鳥の湖」という訳語をつけたのは、小牧正英氏だったのですね。それまでは「白鳥湖」(はくちょうこ)と呼ばれていたそうです。日本で初めて「白鳥の湖」を全幕上演したバレエダンサーが彼だったそうで。ここに載っている、バレエ・リュス時代の小牧さんの写真などもあって、かなり興味深いです。

デヴィッド・ホールバーグ君は無事来日して、小林紀子バレエシアターでリハーサル中のようですね。ゆうさんのサイトでも紹介がありましたが、早速ブログに、日本語と不思議な英語が書かれたボードの写真がアップされていました。彼の「レ・シルフィード」と「パキータ」楽しみです。

ABTのシティセンターシーズンのキャストもほぼ出揃いました。アンヘルは今回出ないのかしら?パンフレットには名前が出ているのにね。ABTから来た案内メールの、Sinatra Suiteのエルマン・コルネホの写真がとっても素敵でした。

また、NYCBからは、映画「Ballet Russes」のDVDをここで買ったら、定価の25%引きで買えて、そのうちの2ドルがバレエ団に寄付されるので買ってね、ってメールも来ていました。海外発送に対応しているかどうかわからないので、アマゾンのリンクを紹介しておきます。(リージョン1です)もちろん私は予約しました。

この映画の以前の紹介記事はこちらです。

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