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2006/09/02

彷書月刊8月号バレエ・リュス特集

バレエリュスの特集が載っているってことで、渋谷のブックファーストで見つけてきた雑誌「彷書月刊」。こんな雑誌が出ていることも知らなかったのだけど、なかなか面白い。古本専門の雑誌らしい。

「バレエ・リュスのイマジュナリィ」と題して、40ページほどの特集となっている。

日本のバレエ・リュスの第一人者である薄井憲二さんのインタビューから始まり、薄井さんも出演したニジンスキー版「春の祭典」で選ばれし乙女役を踊った平山素子さんも登場する。薄井さんの、バレエ・リュス関係のパンフレットなど貴重な資料の写真も。しかし、日本とバレエ・リュスの関わり合いで面白いな、と思ったのは藤田嗣治の話。この間の回顧展にも登場しなかったのだが、実は藤田は舞台美術を6作品ほど手がけており、1946年の「白鳥の湖」日本初演の美術も製作した。残念ながら、記録はほとんど残っていなくて、パンフレットくらいしかみつかっていないようだが、生き証人の話によると藤田は自らミシンを踏んで衣装製作にもかかわったそうだ。甥が、日本のバレエ史に名前を残す葦原英了だったということもあったようだ。パリでもかなりバレエを鑑賞したようだ。このあたりを解明しようとする研究者もいるとのことである。

かの竹久夢二も、作画のヒントとするために、バレエの写真の切り抜き帳を作っていた。「シェヘラザード」の黄金の奴隷に扮するニジンスキーや、ぺトルーシュカのバレリーナや「火の鳥」に扮するタマラ・カルサヴィナのさまざまなポーズの写真も切り抜いていたらしい。1932年には、ジュネーブでバレエ・リュス・ド・モンテカルロの公演も観ていたが、残念ながら夢二は、日記ではあまりほめていなかった。ただ、バレエ・リュスの影響が大きく感じられる作品を描いていたとは意外である。

さらに、1910年代にディアギレフのバレエ・リュスを見て、ちゃんと記録をとっていた日本人がいるというから驚きである。日本とバレエ・リュスとのかかわりについてはいろいろと書いてあって面白い。

平山さんと対談している芳賀直子さんのバレエ・リュスの本はいつ出るんだろう。去年11月のニジンスキー版「春の祭典」の会場、兵庫でもチラシを配っていたのに。待ち遠しい。

特集以外も充実していて、なかなか読み応えのある一冊だ。お値段は600円+税とリーズナブル。アマゾンでも買えます。(これ一冊だと送料がかかってしまうけど。通巻250号なのでお間違えなく。

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コメント

naomiさん
そうなんですね、藤田嗣治の舞台美術「白鳥の湖」なんて見たかったですね!素晴らしかったでしょうね(多分…)。イタリアでもジョルジョ・デ・キリコが1950年代にフィレンツェで「清教徒」の舞台美術を手がけていたりするんですが、これがもろデ・キリコそのまんま。さすがにお面は付けてませんが(お面があったら歌えませんものね)、あの不思議空間がそのまま舞台になっているのです。それを後々になって復活させた舞台を見ました。面白かったけれど作品の鑑賞にかなりじゃまになりました(笑)。藤田のデザイン画が残っていなくって残念ですね~。

amicaさん、

そうそう、藤田嗣治の「白鳥の湖」の美術は見たかったです。キリコも舞台芸術を担当されていたんですか!キリコは結構好きなんで興味ありますね。藤田のデザイン画はそのうち発掘されるかもしれませんね。

バレエ・リュスで言えば「放蕩息子」のルオーの美術とかも面白いですよね。
バレエは総合芸術だと思うから、できれば美術も手を抜かないでほしいですよね。日本のバレエ団の中にはどことは言いませんが、ダンサーは素晴らしいのに美術がひどいし衣装も色あせてぼろぼろの某所とかありますから。

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