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2006/08/18

8/15 マラーホフ・ヴィシニョーワ、東京バレエ団「ジゼル」

ここしばらく風邪気味&バレエフェス&心労でぼろぼろになり、さらにしばらく悩んでいた皮膚炎が、病院で薬をもらっても改善しなかった。今日仕事を休んで医者にみてもらったらすい臓が弱っているとのこと。

しばらく禁酒で、油もの、辛いもの、パスタなど厳禁になります。煮魚などが良いそうで。煮魚など作ったこともないんだけどがんばって覚える

そんな中マラーホフ&ヴィシニョーワ+東京バレエ団のジゼルに行ってきました。バレエフェスティバルもこれで終了。

こういう体調なので、詳しい感想はまた後で。(こればっかりだ)

バレエフェスで絶不調だったマラーホフは、復調していて、全盛期には及ばないだろうけれども素晴らしい踊り&演技。サポートもまったく問題なく、得意の消音ジャンプも健在。彼のアルブレヒトは、最初から本気で、全身で情熱的にジゼルを愛していて、ジゼルの狂乱の場面でもジゼルに駆け寄りたいところをウィルフリードに止められていて、隙あらばウィルフリードを振りほどいて襲い掛からんばかりの勢いで駆け寄るんだろうな、と思わせる。ジゼルをこんな目に遭わせたことに後悔しまくっていて、悲しみのあまり死んでしまうんじゃないかと思うほど。

2幕では、自己燐憫の塊となって、ナルシスティックに背中を反らせ、体の曲線がなんて美しいのかしらと思わせた。ミルタに踊らされるところのブリゼ、細かい脚捌きも、足の先まで美しい。その上、あの脚線美である。ジゼルが墓の中に消えた後、ジゼルに救われたことに感謝して新しい人生を生きるというよりは、このまま一生彼は重い十字架を背負い続けるのね、と思わせた。(しかも、あの井脇さんのバチルドの冷たい視線を一生浴び続けるわけである)特殊なアルブレヒトではあるけれども、マラーホフ最大の当たり役なのは納得。彼の中でいかにこの役が大切なのかも伝わってくる。百合の花束を抱え、マントを身に着けて墓の前で泣き崩れる姿がこれだけ絵になる人もいないだろう。わが身が引き裂かれてしまったかのような悲しみが伝わってくる。いつまでも続きそうなカーテンコールの中でも役の中に入り込んでいて笑顔がなかった。

ヴィシニョーワとのパートナーシップはさすがで、まるでお互いの片割れ、半身を求めているかのようだった。2幕は、自分のなくした半分を、相手に見つけ、それを取り戻そうとする過程に見えた。6月にヴィシニョーワとアンヘル・コレーラとの「ジゼル」をNYで観たのだけど、いくら絶賛された舞台とはいえ、マラーホフとの方がずっとケミストリーがある。

ヴィシニョーワに関していえば、確かに完璧なジゼルだと思う。技術的には非の打ち所がない。ミルタに呼ばれて出てくるところの高速回転は、目にも留まらない猛スピードなのに形が崩れなくて凄い。身体能力も凄い。デヴロッペの高さや脚が描く弧の美しさもさすがである。ジュッテも力強く、高さがある。ポールド・ブラは例によってやわらかく浮遊感がある。ただ、彼女の問題は、あまりにもテクニックがありすぎて、テクニックが表現に勝ってしまう部分があること。2幕のジゼルでも元気いっぱいで生命力がありすぎること。腕が柔らかすぎてくねくねしすぎること。だから、幽玄さは感じられるのに、生身っぽい。生身っぽいのに、アルブレヒトを守ろうとする意志があまり感じられないこと。そういうわけで、本当に素晴らしいジゼル、ただし残念ながら私はあまり好きになれない。おとといのコジョカルのほうが、ジゼルというキャラクターをよく理解していて、素晴らしいジゼルを作り上げていると思った。

ただ、2年前に同じ組み合わせで観た時よりは、全然よくなっていたと思う。1幕のジゼル。ものすごく元気いっぱいで踊りが大好きで、とても心臓があるようには見えないんだけど、ちゃんと素朴な村娘に見えたこと。(2年前は、村娘というよりは、間違ってこの村に存在している派手な娘にしか見えなかった)あの派手目なピンクの衣装を着ているにも関わらず。バチルド役の井脇さんが素晴らしく誇り高いお姫様だったので、バチルドよりずっと身分が下に見えたこと。狂乱の場の演技も、完全に狂っていてよかったと思う。コジョカルと違って正気を失ってしまったところがとても哀れに見える。この部分がうまくいくと、やっぱり2幕もよく見えるわけであり、この2年間でかなり成長したことがうかがえる。

けなしているところもあるけれども、ヴィシニョーワのジゼルはパフォーマンスとしては恐ろしくレベルが高いわけであり、今後どのように進化するかはとても楽しみなものがある。年齢を重ねれば表現力や約の解釈も深まるだろうし、見守っていきたいと思った。

おとといは一階だったけれども、今日は3階。3階から観ると、東京バレエ団のコール・ドがとてもよいのがわかった。ウィりたちが交差する場面でも、非常によくそろっていた。木村さん、ウィルフリードの森田さん、バチルドの井脇さん、ミルタの大嶋さん、ドゥ・ウィリの西村さんと乾さん、そしてパ・ド・ユイットの面々、みんなとても好演していた。レベルの高い、充実した舞台だったと思う。

ほみさんの素敵な感想もどうぞ。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

Naomi さん
体調を崩されているようですが、今日は少し良くなりましたか。バレエ鑑賞は確かに楽しいのですが、私もちょっと疲れ気味です。ここまで鑑賞のスケジュールがつまると後からどっと身体に疲れが出るような気がします。(年のせい?^^;)冷房とか寝不足も良くないのかな~、と。

ところで、ヴィシ&マラーホフ組のジゼルもご覧になったのですね。

> 自分のなくした半分を、相手に見つけ、それを取り戻そうとする過程

この一言にジーンと来ました。この二人ならそういう場面が展開されそうですね。コジョカル&ルグリ組とはぜ~んぜん違う『ジゼル』だったことがより鮮明に想像できました。

立秋を過ぎてからの方が暑いという苛酷な毎日ですが、どうぞお大事になさってくださいね♪

naomiさん
マラーホフの「ジゼル」も良かったのですね!
ルグリと両方ご覧になると同じバレエ団だしキャストの比較ができて面白いですね。舞台が彷彿とする感想をありがとうございます。

バレエは踊る方も大変だと思いますが舞台を見るというのも疲れますよね。私もミラノに帰ってからなかなか疲れが取れなくって。お体が治るまで大変でしょうが出来るだけよく休んでくださいませ。

こんばんは。

膵臓にはスイカが良いそうです。
残暑が厳しいからお大事になさって下さい。

細かなレポをありがとう。
ヴィシが成長してるのなら次回は観たいな。

naomiさん、お身体お大事になさって下さいませ。早く良くなるといいですね。
私もさすがにバレエ通いが過ぎて幸せだけどヘトヘトです。
ジゼルの2日間読ませていただきました。私もルグリの日を1階で、マラーホフの日を3階で見ておりました。3階から見るとウィリたちがとても美しいですね。
ジゼル狂乱の場でマラーホフアルブレヒトがウィルフリードに止められていたのは見逃していたのでなるほど!です。
ルグリのようなアルブレヒトは初めて見たので目からウロコでした。最後のあの表情に感動。本当に素晴らしかった。
先日こちらで教えていただいた「マノン」CDが届いたところですがしばらくはジゼルの余韻に浸ります。

Tomokovskyさん、
私も年齢的に無理が利かなくなってきちゃいました。職場も冷房がきついので結構大変です。膵炎はそう簡単には治らない病気みたいなので、食事療法で地道に治療しないといけません。

マラーホフは本当に素晴らしかったです。実は2年前も観ているし、METでもヴィシのジゼルを観ているし、今回は見なくてもいいかな、と思ったんですがマラーホフのバレエフェスでの不調振りを見るにつけ、下手したら彼のアルブレヒトを見る最後のチャンスかも、と急遽落札したんです。
たっぷりと堪能しました。後でまた2年前の映像を見返してみようと。

amicaさん、
長旅お疲れ様でした。テロ未遂が遭ったから飛行機での帰国も大変だったのでは?
今年はかなりジゼルを見ているので(数えてみたら、6回も観ていました)、いろいろなパターンの違いがわかって面白いです。新国立劇場でペッシュのアルブレヒトを見て、今回のルグリを見て、系統は同じだと思いました。パリオペはプレイボーイなのがお約束なのかしら?

史緒さん
スイカですか!それはぜひ明日早速買ってきて食べます。私は辛いものが好きなので、食事制限はつらいです。
ヴィシニョーワはなんだかんだいってすごいダンサーだと思います。強靭ですよね。こんなに生き生きとしているジゼルははじめてみたけど、でもそういう解釈もありなんでしょうね。頭のいい人みたいなんで。

ほみさん、
ほみさんのブログの感想も素敵でした。トラバさせていただきました。
マラーホフのようにストレートにジゼルを愛しているアルブレヒトってたしかにあまりいないと思います。新鮮ですよね。その役作りに説得力があるのがさすがにです。ウィルフリードの森田さんも好演でした。

naomiさん、ありがとうございます。
私もTBさせていただきました。

naomiさん

お約束ではないと聞いてますがプレイボーイが多いのは確かです。
日本でのイレール@アルブレヒトは笑ってしまったほどのプレイボーイ、舞台に登場した時から騙した子はジゼルで何人目?な雰囲気でした~(爆)。

ほみさん、こちらこそありがとうございます。素敵な紹介文までつけていただいて。差し支えなければリンク集に加えたいのですがいかが出そうか?

史緒さん、
笑ってしまうほどのプレイボーイのイレールさまアルブレヒトを見てみたかったです。きっと素敵だったでしょうね。もうこれもかなわぬ夢となってしまいましたね。うう。今年の年末のPOBジゼルは誰が踊るんでしょうね。

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