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« ガラから帰ってきました | トップページ | 世界バレエフェスティバル コジョカル&ルグリ「ジゼル」短評 »

2006/08/15

世界バレエフェスティバルBプロその2

続き行きます。

ジル・ロマン/那須野圭右
「孤独」
那須野某はいらない!着物のすその扱い方は乱雑だし、カーテンコールでジル様の前に出るなって。フィナーレにも出なくてよろし。
それはさておき、苦手なベジャールだけど、振り付けとかはさておき、ジル・ロマンは素晴らしい。一つ一つの動きが洗練されていて美しいし、どうしてこんなに軸のぶれないピルエットができるの、とか彼にしか絶対にできないような独特の腕の運び方ができるの、この表現力の肥沃さはいったい、とかいろんな思いをしながら見ていた。ジルを観ているだけで満足。
それだけに、内掛けの男性が十市さんだったらどんなに素晴らしかっただろうが、と考えさせられた。基本的に歌つきのダンスは好きではないのだが、この演目に関してはバルバラの曲は合っていたと思う。

シルヴィ・ギエム/ニコラ・ル・リッシュ
「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ

まったく受け付けられなかった。ギエムが黒いヴェールをかぶってたたずんでいる姿の不吉なこと。死神のようだ。ヴェールをはずすと真っ赤な髪で、まったくマルグリットに似つかわしくない。肉体が強靭なのがわかるから、とても病弱でもうすぐ死ぬ人には見えないし、よく言われていることでは歩けどギエムにしか見えない。技術的には素晴らしいのだけど、ぜんぜん心に響いてこない。感情の揺らぎや哀れさ、諦めそして劇場の何一つ感じられない。計算ずくの演技を見せられても、心の琴線には触れない。あまりにも超絶技巧過ぎるのも、物語の中に入っていくことを邪魔させる。二コラは、アルマンを演じるには少し年をとりすぎたように見える。白鳥の王子とか若者と死の若者を演じているときには、ぜんぜんそういう風に見えないのに。激情型だったリアブコをちょっと前に観たばかりというのもあるけれども、感情を抑えすぎているし、個人的には自己陶酔型の二コラの演技は苦手だ。ジュッテの見事さだけは感心したけれども。

アニエス・ルテステュ/ジョゼ・マルティネス
「ドリーブ組曲」

ブルーを基調とした衣装がとっても素敵。ストライプになっている部分は、よく観ると細いリボンを何本も並べたもの。たっぷりしたドレープのスカートが可愛い。
基本的には普通のクラシックのパ・ド・ドゥなんだけど、始まりがシルエットで、ヴァリエーションのときに、女性が踊ると思ったらバトンタッチのように男性が踊る、その逆もアリという肩透かし効果が面白い。あと、ジョゼのマネージュが、進行方向と逆に回転するというちょっと変わった趣向なのが面白いといえば面白かった。破綻がなくて綺麗なんだけど、そういうところ以外は無色の印象。そこが素敵といえば素敵なんだけど。

タマラ・ロホ/イナキ・ウルレザーガ
「三人姉妹」

女優バレリーナ、タマラの本領発揮演目。よく回れるのはわかったから、こういうのをもっと観たい。田舎町で身をもてあましてくすぶっている人妻の情念がよく伝わってくる。タマラって肉体性=実体がある感じなのが好き。切りそろえた前髪の下の、タマラ独特の重たげなまぶたと、黒い瞳はクラシックを踊っているときにはクールなのに、演劇的な作品になると暗い輝きを放って、情念を伝えてくれる。動きの一つ一つが計算されているのもわかるけど、わざとらしい計算ずくではなくて自然にあふれ出るものが動きになっているのだ。視線の使い方も相変わらずすごい。ぞくぞくする。
ヴェルシーニン役のイニャキ(イナキじゃなくてイニャキよ)が、もっさりとしていて不器用そうなところが、かえって哀感を漂わせていていい。登場していきなりバサッと帽子を飛ばす。彼は跳躍力がすごくて、ダイナミックなトゥール・ザン・レールを見せる。片脚だけを伸ばした跳躍は、彼の一本気な性格を思わせてくれる。ちょっと着地音がドサッと大きいのだけど、あんなにすごく跳んでいるんだから許してあげて。回転もいい。軍服が駅員か郵便局の人に見えて、わきの下の汗がすごかったことにも目をつぶりましょう。
ヴェルシーニンが去った後に、残されたコートを抱きしめそっと匂いを嗅いで泣き崩れるマーシャ=タマラ。こちらももらい泣きしそうな、素晴らしいドラマだった。一部だけでなく、この二人で全部を見てみたい。

(つづく)

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