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« 「アクロバティック白鳥の湖」広東雑技団 | トップページ | 世界バレエフェスティバル【Aプロ】8/6その2 »

2006/08/22

世界バレエフェスティバル【Aプロ】8/6その1

もう2週間も経ってしまったし、あまたのバレエブログにいっぱい感想があふれているので私がいまさら書くこともないといえばないんだけど、自分の備忘録として。

8月6日(日)Aプロ
ルシンダ・ダン/マシュー・ローレンス
「ラ・ファヴォリータ」
振付:ペタル・ミラー=アッシュモール
音楽:ガエターノ・ドニゼッティ

衣装が「ドン・キホーテ」の3幕のようなイメージで華やか。オーストラリアの建国なんとか周年を記念した作品とのこと。振り付けはどうってことがない、プティパっぽくて何も新しいものはない。ただ、ルシンダ・ダンというダンサーはとても素敵だと思った。表情がとても晴れやかだし、ジャンプ力があって、ジュッテのときにすごく高く上がったのが印象的。ローレンスは、脚が長いな、という印象くらいしか残らなかった。

ニコラ・ル・リッシュ 「7月3日 新しい日、新しい人生」 -世界初演-
振付:ジェレミー・ベランガール
音楽:エイフェックス・ツイン

Aプロ最終日で、この作品についての悪評は散々耳にしていた。大体、べランガールは去年の「エトワール・ガラ」では自作自演でなにやら床に絵を描いているような作品を作った方であって(笑)期待値が限りなく低かったので、それほど失望しなかった。一応、二コラがマネージュしたりするようなところあったし。ただ長いのと、音楽が音が悪いのと、意味が良くわからなかった。多分、二コラのお子さんの誕生日に掛けてあるのだと思う。最後に照明が明るくなるのは、もしかして、胎内から表に出たって意味なんだろうか?

タマラ・ロホ/イナキ・ウルレザーガ
「白雪姫」
振付:リカルド・クエ
音楽:エミリオ・アラゴン

48回くらいフェッテする演目らしい、って聞いていたら本当にそうだった。タマラは本当にくるくる良く回るね。シングル、シングル、トリプルの繰り返しでいつまでも回っていて、こんなに回っていて気持ち悪くならないのかな、と思った。宝石箱の中のバレリーナの人形みたいに、安定した回転。音楽がちょっとディズニー風。なんとなく、タマラの白雪姫ってちょっとゴス風かな、と思っていたけどそんなことはなかった。イニャキは抹茶のような衣装でいけていなかったけど、踊りは豪快。すごいマネージュを見せてくれた。前回のバレエフェスではずいぶんぼろくそに言われていたけど、私は「タリスマン」なんか良かったと思うのよね。

ジョエル・ブーローニュ/アレクサンドル・リアブコ
「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン

このAプロでは一番素晴らしかったパフォーマンスだと思う。椿姫を、二人ともハンブルクのダンサーで見るのは初めてだったけど、やっぱりほかのところの人が踊るのとは全然違う。完璧。サーシャ(リアブコ)は若々しい、青二才といってもいいほどのアルマンで、ものすごく激しい感情を抱えている。怒りもある。その情熱が火花のように炸裂していて、胸を直撃する。一方、ジョエル・ブローニュもまさにマルグリットという感じ。私は椿姫はガラ以外ではマリシア・ハイデの映像しか見ていないので、マルグリットといえばハイデである。よく、ルディエールが、って言っている人を見かけるけど、ガラでちょっと観ただけでそれはないだろう、って思ってしまう。そのハイデのマルグリット像を忠実に受け継いだのがジョエルだ。派手さはなく、不幸の影を引きずっていて、でも華やかな世界にかつて存在していたというオーラもあって。そして若い恋人に激情をぶつけられ、心が千々に乱れている様子を、抑えた演技の中にも見せていた。そしてついに彼を受け入れてしまう。白いキャミソール一枚になってしまうマルグリット。
サーシャは難しいリフトも流麗にこなしながら、燃え盛る想いを炸裂させていた。席が下手前方だったので、ラストの上手側に二人が倒れこむところが見えなかったのが残念。
まるで全幕のドラマを見たような、重厚なパフォーマンスで、ずっと一日引きずってしまうほどだった。なんでAプロを一回しか取らなかったのだろう!


ポリーナ・セミオノワ/フリーデマン・フォーゲル
「ロミオとジュリエット」より
 “バルコニーのパ・ド・ドゥ”
振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ

バルコニーの上にたたずむジュリエットと、赤いマント!を翻して走ってくるロミオ。フォーゲルのロミオは去年のシュツットガルトの来日公演で観ていて、まさに理想のロミオって感じ。背が高くて、甘い顔立ちで、そのお顔が小さくてプロポーションも抜群。でも、走り方はちょっと今一歩かも。
体は柔らかくしなやかで、やっぱり物語の中のロミオがそのまま現実となって目の前で生きているごとく見えた。

ところが、残念ながら、ポリーナのジュリエットは私的にはダメだった。14歳の少女じゃないんだもの。43歳のフェリのほうがよほど少女に見えてしまうほど。すっかり成熟してしまった大人のジュリエットが、一生懸命少女ぶろうとして、表情も、熱い恋に身を焦がしているんだけど、ちょっと感情表現が激しすぎた。後ろへのパ・ド・ブレも上手すぎて、テクニックが先に立ってしまう。うーん残念。ジュリエットの衣装を着ていても、胸の谷間が見えちゃうし。

でも、若い美男美女が恋人同士の熱い抱擁を交わすのを見るのは、悪い気分になるはずがない。クランコ版は最後の懸垂キスが見物なのだけど、セットの関係かそれがなかったのが惜しかった。
 
レティシア・オリヴェイラ/ズデネク・コンヴァリーナ
「エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:チェーザレ・プーニ

 ズデネク・コンヴァリーナは本当にハンサムで可愛く、脚も長くて綺麗。跳躍力はあるんだけど、細かいミスはあった。レティシアは小柄なラテン美人で、見得切り系。テクニックは強いと思った。しかし、この演目で、タンバリンを叩くのがばっちりというのはなかなかお目にかかれない。ルグリのガラ公演でのオーレリも実は今一歩だと思ったし。今まで見て一番良かったのは、マドリッドのガラに出演していた竹島由美子さんのエスメラルダだ。(ガラでのロメル・フロメタはタンバリン使いが上手だった!)
 
アリーナ・コジョカル/フィリップ・バランキエヴィッチ
「オネーギン」より
 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:チャイコフスキー 
編曲:シュトルツェ

マリア・アイシュヴァルトの欠場で代役がコジョカル。すごく可愛くて小さなタチアナ。基本的に1幕のタチアナは田舎の小娘なので、コジョカルは合っていると思う。
鏡のところに行くと、まずタチアナの写し身が(演じているのは日本人だったので東京バレエ団のダンサーだったのかしら?)。そして、オネーギンが現れる。このオネーギン、長身でかっこいいのだけどものすごい悪人顔(笑)。
バランキエビッチは、さすがにシュツットガルトでこの役を踊っているからお手の物で、リフトが上手。特に、この鏡のPDDの、振り回すようなリフトの切れ味が凄い。小柄なコジョカルはすごいスピードで放り投げられるように回転していた。

このシーンはタチアナの妄想なので、少女の妄想の中の美化されたオネーギン像でなくてはならない。ちょっと怖い顔をしているけど、タチアナの理想の大人の男性って感じでバランキエビッチは素敵で、めくるめくような陶酔感の伴うパ・ド・ドゥになっていたと思う。

アニエス・ルテステュ/ジョゼ・マルティネス
「ジュエルズ」より
 “ダイヤモンド”
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
 
アダージョだけのパ・ド・ドゥ。「ジュエルズ」はPOBのDVDを買ったのにまだ一回しか観ていない(だって新しい作品なのに映像が悪いんだもの)。ジョゼより映像のジャン=ギョーム・バールの方が華があるな。純白のラクロワによるチュチュをはじめ、衣装は美しいし、振り付けも美しいんだけど、そしてプロポーション抜群の二人も美しいんだけど、印象にあまり残らない。音楽がチャイコフスキーなのだけどとても不穏な印象を残す。
 
イリーナ・ドヴォロヴェンコ/ホセ・カレーニョ
「白鳥の湖」より
 “黒鳥のパ・ド・ドゥ”
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

イリーナは今日一番楽しみにしていた。でもイリーナだったら白鳥の方が彼女の良さが発揮できる気もした。
ドラマティック。イリーナもホセも実に絵になる美しい二人。ホセ王子は、美しく妖しいオディールに幻惑され、すっかり魂を奪い取られている。彼女がオデットなのか戸惑いつつも、吸い寄せられている。エレガントな彼は、立っているだけで王子。イリーナの黒鳥は、演技がすごく入っていて、目力が強く激しい気性を感じさせる強いオディール。その腕をつかもうと王子が手を置こうとすると、ぴしゃりと拒絶する。誘惑的な目線。腕の柔らかさは、まさに白鳥。その白鳥の一瞬に王子はだまされるのね。
後ろに、花嫁候補や女王や民族舞踊の人たちもいるのではないかと思わせるような、全幕をそのまま切り取ったような濃厚な舞台。

ホセのすごいところは、ピルエットをした時に、ぴたりと正面で綺麗に止まるところ。そして、トゥール・ザン・レールでも、着地が実に美しく5番ポジションに収まっていること。ピルエットが減速したり惰性で回っていても、その軌跡がとても美しい。本当にノーブルを絵に描いたような踊り。王子としての悩ましい演技も完璧。

イリーナのフェッテは全部シングルだけど、スピードがとても速く軸がぶれない正統派でかっこいい。会場が一瞬舞踏会になったのではないかという余韻を残す舞台だった。これぞ古典バレエの魅力。

(つづく)

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