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« 世界バレエフェスティバル【Aプロ】8/6その1 | トップページ | アメリカン・バレエ・シアター「白鳥の湖」とエミー賞 »

2006/08/22

世界バレエフェスティバル【Aプロ】8/6その2

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第3部

オレリー・デュポン
マニュエル・ルグリ
「扉は必ず・・・」
振付:イリ・キリアン
音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランに基づく)

フラゴナールの絵画「閂(かんぬき」に着想を得た作品だそうで。
寝乱れたベッドというちょっと色っぽいシチュエーション。オーレリとルグリは、それぞれ、別の椅子に座っている。オーレリの手には花束。これがなんだかいかにも造花っぽい安っぽいもの。オーレリの衣装は古典的で、まさにフラゴナールの絵から抜け出たようで、とても素敵。二人とも超スローモーションで動く。からんでいるようなからんでいないような。上手の方にある扉の閂にルグリが手をかける。でも開くわけでもない。
ちょっとどきどきする。
するとなぜかコミカルになる。お互いに花束を投げあったり、ちょっとコントみたい。オーレリはしまいに花束を遠くに投げちゃうし。そして扉の外に出るけどまた戻ってくる。鬼ごっこのような感じ。
ルグリがオーレリのスカートをつかんでぐるぐる回したり。最後はまたスローモーション。そして隣同士に座ってりんごをかじるルグリ。かじりかけのりんごを渡されて、やはりかじるオーレリ。
なんて言っていいのかわからないけど、皮肉で面白い。

 カーテンコールでは、二人ともノリノリ。ルグリは、まるで野球でホームベースに突入するみたいにスライディングして登場するし、カーテンの奥からオーレリがぽーんと彼に花束を投げつける。オーレリの登場もすごくコミカル。とってもいい雰囲気。ぜひ全編見てみたい。


マイヤ・マッカテリ/デヴィッド・マッカテリ
「眠れる森の美女」
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

「眠り」自体好きな演目ではないからね。でも、19歳のマイヤは本当に可愛くて、キラキラで、目がパッチリと大きくてお姫様そのもの。ヴァリエーションはもう少しがんばりましょう。見ながら「がんばれ、あと少しだ」と応援モードに入ってしまった。マッカテリ君は、まあ眠りの王子様ですから、見た目が麗しくて、脚が長くて綺麗で、バーの役割を果たしていればいいんじゃないかしら。マネージュには勢いがあるし、言われているほど悪いとは思わない。コーダの、オーロラがちょこんと上体を倒す振り付けが好きで、可愛いマイヤがやると、本物のお姫様ってこんな感じなんだろうな、と思わせてくれた。

ルシンダ・ダン/マシュー・ローレンス
「コンティニュウム」
振付:クリストファー・ウィールドン
音楽:ジェルジ・リゲティ

この演目、実は去年の11月の兵庫県立芸術文化センターのオープニング・ガラでも観ているのだった。その時は、デヴィッド・アーシーとヤンヤン・タンで。正直ヤンヤン・タンの無駄遣いという気がしなくもなかったけど。でも、それはヤンヤン・タンだからそう思ったのであって。この作品も退屈とかいろいろ言われているけど、実はこれは結構好きなのである。ウィールダンは、NYCBの来日公演で上演された「ポリフォニア」もそうだけど、けっこうヘンな動きをダンサーに強いていて、それが観ていて面白いのだ。二つの体が複雑に絡み合っているのとか、ちょっとピアズリーみたいでいいじゃない。でも6月にNYで観た「Klavier」のほうがドラマティックで好きだけど。

ガリーナ・ステパネンコ/アンドレイ・メルクーリエフ
「ライモンダ」
振付:マリウス・プティパ/
   ユーリー・グリゴローヴィチ
音楽:アレクサンドル・グラズノフ

ステパネンコのライモンダは、お姫様というよりは貫禄のある女王様だった。ちょっと貫禄ありすぎ。ポアントの突き刺さる感じとか、テクニックはあって素晴らしいけど、上体のやわらかさが足りないのか、ここまで堂々とされてしまうと。手を打ち鳴らさないのがボリショイ風。メルクリエフは、急な代役で衣装の調整が足りなかったのか、なんだか衣装が大きすぎたようで肩のあたりが浮いているのが気になった。でも、長いマントで踊りとおしてくれたのは素晴らしい。ボリショイに合わないのでは、という危惧もあったけれども、立派に代役はこなしていた。ただ、迫力はやっぱりステパネンコ姐さんには負けていた。

アリーナ・コジョカル/ヨハン・コボー
「春の声」
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:ヨハン・シュトラウス

小柄で可愛いアリーナにぴったりの、まさに春風のような演目。コボーにリフトされ、シュトラウスのおなじみの音楽に乗せて花びらを舞い散らせる姿は絵に描いたような可愛らしさ。でもリフトする方は本当に大変だと思う。小刻みにアリーナをリフトするコボー。すごく愛を感じてしまった。アントルシャの上手さは、さすがデンマーク仕込み。

第4部
アレッサンドラ・フェリ/ロバート・テューズリー
「カルメン」
振付:ローラン・プティ
音楽:ジョルジュ・ビゼー

フェリの美脚にうっとり。ショートカットのカツラも似合っていて素敵。脚と視線で物語を作ってしまうから大した役者だ。テューズリーは「こうもり」に続き髪を黒く染めての登場。腰のところに掛けてある白いスカーフに柄が入っていて、手ぬぐいのように見えてしまい、笑いをこらえるのに必死だったのだけど、でもかっこいい。官能的な世界を作りあげることに成功していた。 

シルヴィ・ギエム 「TWO」
振付:ラッセル・マリファント
音楽:アンディ・カウトン

正面席ではなかったので照明の効果を十分に見られなかったのが残念だけど、すごい、としか言いようがない。跳躍も回転もしないで、腕の動きだけであれだけの表現をできるから、ほとんど人間ではないわな。最後の方の、光の残像を生かした表現は、「コート」(デヴィッド・パーソンズ振り付け)を思わせるものがあったけど、もっと神業っぽい。
ギエムはこういう路線を進んでほしい。

ジル・ロマン
那須野圭右、長瀬直義
「ベジャールさんとの出会い」 -世界初演-
振付:モーリス・ベジャール
音楽:グルック/ショパン/アルゼンチン・タンゴ/アンリ

竪琴。紐が落ちてくる。髑髏。
日本人のお兄さんが二人。
うーむ私には難解すぎてわからん世界。いくつかの作品のコラージュらしいけどベジャール苦手であまり見ていないので。
それでも、ジル・ロマンという人の圧倒的な存在感と、見事なピルエット、美しい腕の動きは堪能できたので、文句を言ったら罰が当たる。彼は本当に素晴らしい。

ディアナ・ヴィシニョーワ/ウラジーミル・マラーホフ
「マノン」より“沼地のパ・ド・ドゥ”
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
 
このふたりの「マノン」全幕は、6月にNYで2回も観たからな~。
たしかにここでのヴィシニョーワは、精も根も尽き果てて、最果ての地でぼろぼろになって死ぬ役で、表情を見るとさすがに憔悴し切っていて見事にはまっているのだが。でもやっぱり生命力の人なのだ。生命力を感じさせるマノンが悪いというわけではないが。だからこそ、ここまで流れ着いたわけだし。実はマラーホフの方が弱っていて、くるくる回る難しいリフトにしても、マラーホフが回しているのではなくヴィシニョーワが自分で回っているように見える。助走のところも、一生懸命助走ではないように見せようとしているけどかなり勢いをつけているし。Bプロでフェリがこの役を演じなければ、それでも名演と言われただろうに、気の毒。
ヴィシニョーワはNYでもsぴだったけれども、素足で、スカートがまくれ上がると太ももの上の方のタトゥーが思いっきり見える。マノンだからそれもありだといえるけど。

ヴィエングセイ・ヴァルデス/ロメル・フロメタ
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス

凄いモノを見せていただきました。この演技はおそらく何十年も語り継がれるのではないか。

アダージョがすごい。ヴィエングセイ・ヴァルデス、アラベスクで15秒くらいのバランスを3回見せてくれた。ポアントの先がコンパスになっていて地面に突き刺さっているかのような、びくともしない体勢。2回目のバランスでは、横向きになっていて、後ろの脚も見せてくれた。しかもすごいのが、アラベスクからルティレに、ポアントで立ったまま行ってしまうのだ。それからまたそのポアントのまま、アティチュードからアラベスクへと。お客さんはもう絶叫、悲鳴。フィッシュダイブの時には、脚を180度に開き、ロメル・フロメタに上に放り投げられてキャッチされた。ここまで凄まじい演技を見せられると、あまりの凄さに感動して涙が出てしまった。
アダージョに比べれば、ヴァリエーションは割りと普通。キトリが扇子を持っていないのがちょっと残念。あの扇子が可愛いのに。ロメル・フロメタも跳躍が素晴らしかった。しかし彼は凄い中にも、エレガントさを持っているいいダンサーだ。品が良いので、凄いことをやってもこれ見よがしには見えない。
そしてコーダでは、ヴィエングセイは3回に一度ダブルを入れていたが、とても安定感がある。たまに音と会わないときがあったけれども、オーケストラがこの演目の時に、相当へろっていたというのもあったと思う。

お祭りにふさわしい、華やかな「ドン・キ」での締めくくりは楽しかった。まだ知られていない凄い人を知ることができるのも、このフェスティバルの醍醐味だ。

しかしオーケストラと「椿姫」のピアノ演奏は本当にひどい。次回はもう少しまともな演奏をお願いしたい。

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