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2006/07/31

世界バレエフェスティバル「ドン・キホーテ」東京バレエ団、ロホ&カレーニョ

ABTの「マノン」でももっとも端正なデ・グリューを踊ったホセ・カレーニョと、やはり昨年のロイヤルの来日公演でマノンをドラマティックに踊ったタマラ・ロホの共演、さらに、前回のバレエフェスで観て気に入った、とっても楽しい東京バレエ団の「ドン・キホーテ」というわけでとても楽しみだった公演。

そして期待を裏切られない楽しい舞台だった。

ところで、タマラ・ロホはひょっとして調子が悪かったのではないかしら。ジュッテがとても低いし、1幕のキトリのスピーディなヴァリエーションで背中を反らせて跳躍するところも、背中が全然柔らかくなくて、ちょっと愕然としてしまった。音のとり方も、なんだか合っていないし。その代わり、バランスの時間はとても長いし(ただしグラグラ)、回転系は軸がぶれずに、サポートなしでも10回くらいピルエットが回れそうなくらいの安定ぶり。

特に調子が悪そうだと思ったのは夢のシーン。ドリアードの女王の西村さんがとても美しく踊り、しかもジュッテが高い。それなのに、この場面の最後の方でまずドリアードの女王がジュッテで舞台を横切り、それに続いてドルシネアが同じくジュッテで横切るところ、西村さんのほうがずっときれいに跳んでいたのだ。しかも、コーダのパを観ていても、タマラは大丈夫?と心配したくなるくらい脚捌きがヨレっていた。

それでも、さすがに3幕のグラン・パ・ド・ドゥは気合が入っていたようで、アダージョ、ヴァリエーションはキッチリと決めていた。特に、アダージョでのバランスは、今まで観たキトリの中でも一番長いくらいで、ほとんどふらつくこともなかった。ヴァリエーションはとてもかわいらしかった。そしてコーダのフェッテ。タマラ・ロホといえば、フェッテでトリプルを入れまくる、というイメージが強い人だったため、今回、シングル2回にダブル1回をはさむというパターンには少々驚き、拍子抜けした。ただし、その分軸は鉄壁といっていいくらい微塵も揺るがずに綺麗に回っていたので、バランスを崩したトリプルを入れるよりはずっといいと思った。コーダのラストのシェネの超高速ぶりにはびっくり。形が崩れないでこんなに早く回れるのはすごい。

タマラはドン・キホーテの舞台となっているスペイン出身だから、さぞかし似合っている役だろうな、と思ったら、意外とはじけたところがなくて、終始クールな表情、羽目を外さないで安全策で踊っている感じがした。緊張していたのか、笑顔も少なく、ようやく狂言自殺のシーンで可愛い表情が見られたくらい。クールなキトリというのは初めて観たかも。黒髪と白い肌、黒い瞳の美貌には、キトリの真っ赤な衣装がとても似合うけど、町娘というよりはお姫様っぽい。

一方、ホセ・カレーニョのバジル。去年のABTの来日公演で2回観たのだけど、いつもながらの彼の踊りの安定性と余裕は素晴らしい。何よりも、その端正さに毎度うっとりしてしまう。床屋のお兄ちゃんというよりは、貴族の世をしのぶ仮の姿か、と思ってしまうけど。足先が本当に綺麗。ピルエットの美しさも絶品で、まったくぶれない軸で余裕で8回は回っていた。さらに、サポートがすばらしく、タマラがサポートつきピルエットであれだけ回れるのは、彼のサポートのおかげだというのがよくわかる。キトリが10回くらい余裕で回っているんだもの。女性を立てる踊り方でさらに素敵度倍増。

そんな彼だからこそ、狂言自殺のところのお茶目さにハートをぎゅっと掴まれてしまうのよね。すっかり目がハートに。

3幕のグラン・パ・ド・ドゥでのホセ様は、男の色気炸裂。跳躍力はちょっと衰えたかもしれないけど、その分、比類なき美しさ、ノーブルさと紳士的なサポートで挽回。決めるべきところはキッチリとキメる。でしゃばることなく、女性を立てる。「ドン・キホーテ」が、バジルの成長物語であることを表現している。セクシーな視線もとても魅力的。どうやら衣装はABTのものではなく、東京バレエ団のだったみたいだけど、ABTの白い衣装の方が、結婚式という場にはふさわしい気がするのがちょっと残念。それでも、こんなに素敵なバジルがいるなんて、と思わせる、色っぽいながらもジェントルマンぶりでキラキラしていた。

で、彼らと共演した東京バレエ団の皆様の踊りがまたすごく良かった。それについてはまた明日。次の「ドン・キホーテ」は主役が誰であっても絶対に見たい、と思ってしまうほどだったよ。ガマーシュの古川さん、ドリアードの女王の西村さん、ジプシーの井脇さんが中でも最高だったけど、他の人たちもすごく良かった。バレエフェスティバルという晴れ舞台だからか、気合がみなぎっていて、良い公演にしていこうという気持ちが伝わってきた。主役二人ももちろんいいけれども、東京バレエ団のレベルの高さと、最高のものを見せようとする努力で、素晴らしく楽しい舞台になったんだと思う。

タマラ・ロホ (キトリ)
ホセ・カレーニョ (バジル)
芝岡紀斗 (ドン・キホーテ)
飯田宗孝 (ザンチョ・パンサ)
古川和則 (ガマーシュ)
大島由賀子 (メルセデス)
高岸直樹 (エスパーダ)
平野玲 (ロレンツォ)
井脇幸江(ジプシーの若い娘)
小出領子、長谷川智佳子(キトリの友人)
高村順子(キューピッド)
西村真由美(ドリアードの女王)

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コメント

naomiさん、ドン・キのチケット手に入ったんですね。私もロホのキトリ観たかったです。
ロレンツォの平野さん、去年甥っ子の発表会で急な代役で呼ばれて踊っていました。ロレンツォだなんて・・・まだ若いとは思うのですが、もうキトリのお父さん役やってるんですか~。

プリマローズさん、

とにかく東京バレエ団のドン・キは楽しいので今回一番楽しみだったのです!その上ホセ様ですもの。行かないわけには行きません(笑)

平野さんってすごくカッコいい方なんですよね。甥っ子ちゃんと共演されたんですね!いいな~
たしかに踊れる人だし、ちょっともったいないかも。
ABTでも、ロレンツォはバック・コリンズという若手のダンサー(アンヘルのカレンダーに出ている)がエ演じていたりするんですよ。あそこは「マノン」のムッシュGMですらコール・ドの若い男の子に演じさせるくらいですが。

こんにちは。
>バレエフェスティバルという晴れ舞台だからか、気合がみなぎっていて、良い公演にしていこうという気持ちが伝わってきた。主役二人ももちろんいいけれども、東京バレエ団のレベルの高さと、最高のものを見せようとする努力で、素晴らしく楽しい舞台になったんだと思う。

これ、まさに同感です。皆で良い舞台を創り上げるぞ〜!という気合いが感じられましたね。いくつか細かいツッコミどころはありましたが…それを払拭するほどでした。

く~てんさん、こんばんは。
いらしていたんですね。同じ舞台を見ることが多い気がしますがその割には遭遇しませんね。でもこの日は満員御礼だったから知り合いをみつけるのも至難の業だったかしら?

そうそう、本当に、細かい突込みを入れるのは野暮と思うくらいの気合が感じられて、とっても楽しかったです!

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