白鳥さんたちの行方
マシュー・ボーンの「白鳥の湖」は現在全米ツアー中。現在は、ロサンゼルス公演の真っ最中なのだ。
このAhmanson Theatre劇場のサイトでは、マシュー・ボーンのインタビューも読むことができる。
そして、ぼちぼち批評なども出てきているのでご紹介。
LA Daily News
3つ星半となかなかの評価
ロイター通信
珍しく、ホセ・マリア・ティラードが出演した回のレビュー。ホセのことは「驚きべき」と大絶賛しているのが嬉しいところ。また、王子役のニール・ペリントンについても、踊りだけでなく演技も素晴らしいと手放しで賞賛。
Los Angeles Times
この公演で撮影された舞台写真があるのが嬉しいところ。4幕のスワンズや、跳んでいるアラン。
批評そのものはかなり厳しいところも。振り付けと音楽のマッチングについては褒めているけど、衣装がしょぼい、とか、コメディが強引といった指摘も。そして、別の批評でも書かれていたけど、アラン・ヴィンセントへの評価も厳しい。セクシーで腕の動きも流れるようだとは書いてあるが、デザイナーのレズ・ブラザーストンが意図したスワン像とかずれていると。逞しく無骨な体は羽根の衣装が似合わない、マシューが意図しているであろう、ザ・スワンというカリスマ的な存在を際立たせるためのテクニックが不足しているという指摘は、当たっていると思う。
しかし、皮肉にもアランのインタビューがその前の週に掲載されている。知られざる彼の今までの歴史を知ることができてなかなか面白い。なんと、彼はまだ30歳なのである。そして、コンテンポラリーダンスを7歳から学んでいたが途中で断念して、アンティークの補修の仕事をしていたとのこと。しかし1年でクビになって、本当に好きなダンスの道に入り、1997年のマシュー・ボーンのオーディションを受けたのが始まりだったと。「クラシックバレエは退屈だし、足もターンアウトしていない」という彼だから、クラシックバレエ好きの日本のスワンファンにはウケが悪いわけだ。パリ公演で彼の出演している日には、日本人の観客が全然いなかったもの。しかしパリ公演では彼の演技を見てマシューが泣いたそうで。
スワンでの経験は98年にスワンNo.12(大きな白鳥さんですね)から始まったらしい。奥さんで、ツアーマネージャー、時々は王女役でも出演しているヴィッキー・エヴァンスとの出会いや、頼れる兄貴としてカンパニー内で尊敬を集めているという逸話もあってなかなか面白いインタビューだ。メイク中の写真も見られる。ぐっさんこと山口智充に似ていると言われ続けているけど、この記事ではクライヴ・オーウェン似と書かれている。腕などもけっこう毛深いですな。アメリカ人にはこういうマッチョで男らしいタイプが受けるんでしょうか。
ロサンゼルス公演は19日まで。次は21日からのサンフランシスコ公演で、これは1ヶ月と比較的長い。ツアー中の彼らの様子や批評は、Swan Lake Blogでちょっと読める。日本にもまた飛来してくれるかしら?
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まとめていただいてありがとうございます。
英文はあいかわらず読もうとしない怠け者ですが、naomiさんの説明で大体雰囲気がつかめるので助かります(~_~;)
ほんと、ホセの写真入り記事とかレビューとか少ないみたいですね・・・。
アメリカ人にはやっぱアランがうけるんじゃと私も思ったり・・・。
クライヴ・オーウェン似!・・・濃い毛仲間でしょうか(笑) この飛んでるアランの写真なんて、アップにすると真っ黒くろですよね~。
それでも、一度は見てみたいアランのザ・スワンなんですが・・・。
投稿: うるる | 2006/03/15 09:09
うるるさん、
今日もバラエティって業界紙のサイトと、サンフランシスコの新聞にマシューのインタビューが載っていたけどアランのインタビューも一部ありましたね。ここでも、また自分は脚はそんなに上がらないとかそういうことばっかり言っているし。
ホセはあまりインタビューとかには出てこないのかしらん。
アランの白鳥は一度でいいかな。
投稿: naomi | 2006/03/15 20:51
そういえば、日本の報道も(特に関西ね!)ジェイソンばっかりだったな~~。ホセは苦手なんでしょ、きっと。
投稿: うるる | 2006/03/15 23:21
うるるさん、
そうですね、ホセったらやっぱりシャイなのかしら?これでもずいぶんと人慣れしてきた気がしますが(笑)
そのシャイさがまた魅力的なんですよね。こんなことかいていたら猛烈にホセスワンが観たくなって困りました。
投稿: naomi | 2006/03/17 00:29
わ〜naomiさん、まとめておいてくださって助かりますー!
今日、ロス公演無事終了しました!
マチネがアラン、ニール、サラン。ソワレが待ってましたのホセ、サイモン、ニーナ。
両方とも大歓声で幕でした。
皆さん明日朝サンフランシスコに発つので大あわてでパックアップしなきゃならないみたいです。
芸術家って大変ですねー
投稿: ずず | 2006/03/20 17:15
ずずさん、
遅ればせながらお帰りなさい!
ニーナって新しい女王様なんでしょうか?
ホセの白鳥観られたのは本当に羨ましいです。また日本に飛来して欲しいですね。
それにしてもハードなスケジュールなんですね。みんな体を壊さないで元気にステージに立ってくれればいいな。
投稿: naomi | 2006/03/23 02:58
そうなんです。ニーナとオクサーナとサランの3本立ての女王でした。私はサランがいちばん好き。
ニーナはとても綺麗な人です。スワンクバーのレズの酔っぱらいが大評判でした。蛾の取り巻きとかハンガリーとかいろいろやって大忙しの人でしたよ。
ほんとに日本に早く来て欲しいですね、白鳥たち!
投稿: ずず | 2006/03/23 15:05
ずずさん、女王3本立てとは豪華ですね!私はパリでは毎日イザベル女王だったので。
サラーンの女王は観たことがないんですが(PWWで生では観ている)さぞかし美しいでしょうね。
白鳥さん来たら大貧乏になりそうなのが怖いです。
投稿: naomi | 2006/03/24 02:55