「バレエ・ギャラリー30」
「ワールド・フィギュアスケート」誌にプルシェンコのポスターがついているというので発売日以来探し回ったのだが、なかなか売っていない。やっと8軒目で見つかったのは、蒲田の有燐堂。オリンピック直後ということで記事の内容はほとんどないけど、フィギュア出場全選手の写真が載っているし、男子の方も美しい写真がかなりあるので嬉しかった。中でも、ジョニー・ウィアの「白鳥」の写真はやっぱりきれい。
有頂天になって、芸術関係雑誌のコーナーに目を移すと、「バレエ・ギャラリー30」なる本が置いてあった。Tomokovskyさんのサイトで紹介されていた本だ。ちょっとお値段は高目だけど、なかなか親しみやすそうな内容で思わず手にとって買ってしまった。
主要な全幕作品30作品の作品と登場人物の解説を、イラスト入りで紹介しているというもの。登場人物の位置関係がわかりやすいほか、各作品の内容を年表形式で時系列に説明している。中でもありがたいのが、その作品の見せ場はどこにあるか、ということを強調して書いているところ。たとえば、「白鳥の湖」だったら2幕のアダージオや3幕の黒鳥のPDDだけでなく、1幕のパ・ド・トロワもちゃんと見所としているし、「オネーギン」だったら鏡のPDDや手紙のPDDだけでなく、2幕のレンスキーの決闘前の自己陶酔的なソロなど。
それから、作品の背景についても簡潔ながら触れていて、「マノン」だと原作ではマノンは作者の口からは語られずデ・グリューが語った内容でしか語られていないことや、レスコーの愛人はマクミランが創造した人物だったとか。
それと、マイムやテクニックについての解説も若干あるので、初心者の方は特にこれを読んで予習するととても便利だと思う。30作品の中には私がまだ全幕を観ていないものも含まれているので(プティの「こうもり」など)、活用させていただくつもり。大判で見やすいし、イラストもなかなか可愛い。執筆者もしっかりとした方ばかりだ。(約1名は除くが)
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こんばんは♪拙ブログをこういう形で紹介してくださってありがとうございました(どうぞ今後はこのようなお気遣いなく~^^;)
やっぱりこの本ってお値段が気になってもついつい買っちゃいますよね。私はストーリーの流れが年表風になっているのが気に入りました。これ一冊あればバレエ鑑賞歴が浅い方がわざわざ高いお金を出してプログラムを買わずとも、とりあえず鑑賞前の予習としては十分ですよね。(ただ、版が違ったりすると鑑賞中に「???」かもしれませんが…。)
投稿: Tomokovsky | 2006/03/12 18:50
Tomokovskyさん、
ブログで書かれていた記事が念頭にあったのでついつい手にとったのですよ。なかなか良くできた本だと思います。けっこう書籍マニアなのです。読む時間もないくせに。
そうそう、年表形式はすごくいいです。作品の流れ、どのあたりで見せ場があるとかわかりますからね。たしかに、版を一つしか紹介していないと混乱はあるかもな、と思いました。
「ライモンダ」「白鳥の湖」「カルメン」などはそうですよね。
「椿姫」と「マルグリットとアルマン」の違いの解説なども欲しかったかもしれません。
でも、「ぴあバレエワンダーランド」よりは作品の解説が丁寧だし、かといって専門的にもなっていないので役に立ちます。プログラムってホント高いから私も2回に1回くらいですね、買うのは。
「パキータ」「こうもり」などこれから見る予定でまだ全幕をみていない作品の予習にはもってこいです。写真が少ないのが難かしら。
投稿: naomi | 2006/03/13 02:23
あーなんか活字苦手な私も興味持って読めそう。買ってしまおうかしら。
ご紹介ありがとう!
投稿: ずず | 2006/03/27 11:21
ずずさん、
これは活字少ない割に丁寧に説明しているので、初めて観る作品の前に予習としてみていくとばっちりですよ~マジでおすすめです。
投稿: naomi | 2006/03/28 01:44