マラーホフの贈り物 Bプロ (メモ)
ラ・シルフィード マラーホフ&ケント
マラーホフのジェームズは珍品。果たしてあのキルト姿は似合うのか、というのが最大の関心事だったのだけど、脚そのものはほっそりとして大変綺麗。ただし、髪型をきっちりとセットしていたので違和感大有り。
ラ・シルフィードといえば脚捌き、であるが、マラーホフはさすがに足先の美しさは絶品できれいに5番に着地している。アントルシャ&トゥール・アン・レールの回数が鬼のように多い振り付けなので回りきれなくてアン・ファスに着地できないこともあったけど。
もっと軽やかに跳んでくれると期待していたが、健闘したほうと言えるでしょう。
ジュリー・ケントはシルフィードは似合っていると思う。見るからに軽いし。しかしこの人は背中が堅いね。
マノン 寝室のPDD セミオノワ&シュプレフスキー
ポリーナはこんなにうまくなってどうしましょう、と思うほど細やかに踊れる。技術的には完璧だし、マノンの小悪魔っぽさも巧みに表現できていて似合っていると思う。アルテムは、Aプロの白鳥王子よりはこっちの方が全然いい。ただ、デ・グリューには演技的になりきれていないし固さがあるので、結局二人の気持ちが通っていないように見えている。デ・グリューは基本的にはボンクラ神学生なので、多少鈍そうに見えてもいいんだけど。マクミランの難しいリフトにもやや不安が残るところ。美男美女が演じるというだけで、ポイントが上がる演目ではある。彼は本当に顔は端正で素敵だから、もう少し演技力と技術を磨いて欲しいところ。
アゴン ラカッラ&ピエール
再びびっくり人間というか妖怪タコ人間のラカッラが、地球外生命体並の柔軟性を発揮できる演目に挑む。この作品は一昨年のNYCBの来日公演で観たのだけど、今回はまったく別の作品に見えてしまう。もはやバランシンではない。220度くらいに開くルシアの股関節はすごすぎ。自由自在に動ける体を持つってすごい。シンプルなレオタード姿なのだが、彼女くらい顔が小さくて手足が長くてほっそりしていると、その簡素さがまたとない美しさにつながっていく。
ライモンダ アレクサンドロワ&フィーリン
1幕の夢のシーンのPDDかな、と思ったら途中で3幕の有名なライモンダのヴァリエーションになっているので少々驚いた。アレキサンドロワはとにかくテクニックが強靭。ヴァリエーションの、ポアントに載ったままのパドブレの安定感たるやたいしたものである。いわゆる正統派美女とは違う個性的な顔立ちをしていて、お姫様っぽくないのに、高貴なオーラを出しているのはさすがだ。フィーリンはとにかく安心して見ていられる方。ダークなハンサムで、白い衣装の似合うこと。男らしさと端正さが程よいバランスで、これぞダンスール・ノーブルという感じ。リフトもお上手。
寝ます。
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こちらでも。。。
ほんと、見た目って重要。
ポリーナとシュプレフスキーのペアは夢のように美しい。
ラッカラ。なんという身体! 彼女の衣裳でいちばん好きなのはシンプルなレオタードです。
投稿: ずず | 2006/03/01 13:59
ずずさん~
頑張って続きを書くので今しばらくお待ちを。ラカッラはあの美しい体の線を隠すものがない方が良いですね。
投稿: naomi | 2006/03/02 02:19