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« バレエ・プレルジョカージュ『N』 | トップページ | ショック!フリオ・ボッカ引退 »

2006/02/05

レニングラード国立バレエ「ドン・キホーテ」

去年12月からのマールイことレニングラード国立バレエの冬ツアーも今日が最後の日。本当にお疲れさまです。
ひょっとしたら日本で一番公演回数の多いバレエ団はマールイかもしれない。毎年夏と冬に公演をやっているので、ありがたみは少ないけど毎年の成長振りを見守ることができるので、不思議な愛着が湧く。

得チケが出た公演ではあったけど、当日券は売切れだったし、招待券を持っている人は途中から満席につき断られていた。オークションで招待券が出回っていたので一瞬落札しようかと思ったけどしたらきっと見られなかっただろう。こんなに楽しくて充実していてアニハーノフさんの指揮による素晴らしいオケがついて5500円で観られるなんておいしすぎる!開演の時には、茶色いモコモコ頭のアニハーノフさんに大きな拍手が。

ドン・キホーテとサンチョ・パンサがドゥルシネア姫の幻を見たあと、幕が開くとそこはスペインの街並み。のはずなんだけど見渡すと皆いかにもロシア人(笑)。でもセットはなかなか豪華。バジル登場。サラサラの金髪も麗しいアンドリアン・ファジェーエフだ。どう見てもスペイン人ではない、少女マンガから抜け出たような王子様的美貌の持ち主なのだけど、なかなかどうして、陽気でおっちょこちょいで、ちょっと軽薄だけど魅力的な色男という役作りはできている。床屋というよりは本当は王子様だけど床屋のコスプレしています、って見えちゃうけど。下は黒いハーフスパッツなので、せっかくの美しいおみ脚のラインが寸断されちゃっているのが残念。

キトリはオクサーナ・クチュルク。現在、あのシャルル・ジュドが芸術監督を務めるボルドー・バレエにミハリョフと一緒に期限付き移籍中。別嬪さんなんだけど、気の強いチャキチャキの町娘って感じでキトリが良く似合う。元気一杯で、ときにその元気が良すぎてバランスを崩しちゃうところもあるけど、ご愛嬌ってところで許せる範囲。

エスパーダは、兵庫公演ではバジルを踊っていたシヴァコフ。この日は大変な雨だったので、くるくるとした巻き毛がやや爆発気味。でも彼もとても脚が美しいダンサーだし、少年っぽさを残しながらも凛々しい闘牛士姿がキマっていた。私はドン・キではバジルよりエスパーダのほうが好き。だってかっこいいんだもん。どうやら彼は風邪を引いていたらしく、本調子ではなかったらしいが、それであれだけ踊れているのだから大したもの。マント捌きも鮮やかだし、エスパーダ特有のドゥミ・ポアントで立っている姿勢の素敵なこと。もう惚れ惚れ~。

大道の踊り子のアリョーナ・ヴィジェニナも黒髪に黒い瞳のエキゾチックな美女で、背中が柔らかくてダイナミックな踊り。マールイの皆さんは、特に女性陣は本当に美人さんばかりだ。

でも、個人的には、闘牛士軍団の親玉である黄色い衣装のクリギンに目が釘付け!実はどうやらクリギンの息子(17歳)もマールイに入団したらしく、しかも私は気がつかなかったんだけどこのクリギンJr.も闘牛士軍団の一人として出演していたらしい。とーちゃんの濃ゆい演技を間近で観るのってどういう気持ちなんだろう。クリギンは40過ぎているけど、背が高くて顔が小さく、一応ハンサムの部類には入るし、長めの金髪を後ろで束ねているのだけど、ひとつひとつの小芝居が面白すぎて、一度見始めるとほかが目に入らなくなるから困ったものである。まだまだ若い者には負けないぜ!と張り切っている姿が笑える、じゃなくて微笑ましい。

忘れてならないのは、ドン・キホーテを演じたアレクセイ・マラーホフ。写真を見るととてもハンサムなお方なのだが。ドン・キホーテを踊るには姿勢が美しすぎるかしら。ずいぶんと優雅で上品な老騎士である。

1幕の見せ場といえば、まずはバジルが花売り娘というかキトリの友人二人と速い曲に合わせて踊るパ・ド・トロワ。ここでのファジェーエフの股関節の柔らかさと音の合わせ方のすばらしさにすごく感心してしまった。この人はうまい!そのあとのキトリのソロは、クチュルクのピケターンの速さと正確さがすごかった。


2幕はジプシーの野営地なのだけど、ここの印象はあまり強くない。強いて言えばジプシーのヴィタリー・リャブコフが渋くてなかなかよかったことくらいか。人形劇も可愛くてよかったけどね。

夢の場面はなんといっても森の女王のエフセーエワが素晴らしく優雅で、しかも高度なテクニックを見せていた。ただし、メイクがちょっと怖すぎ。ものすごく色白で可愛いのに、全く笑わないのは…イタリアンフェッテを始め、踊りは非常に安定していて気持ちよいくらいピタリと止まる。ジュッテで横切るところも、ドゥルシネアのクチュルクともども美しい残像を残していった。
キューピッドのヴィクトリア・シシコワも可愛くて抜群にうまい。キューピッド役のダンサーに対して言うのもなんだけど名人芸という感じだ。ここの夢のシーンは、美術も美しいし、コール・ドもみんな揃っているし別嬪さん揃いなので、他のカンパニーで観たら眠くなりそうなシーンなのに目が離せなかった。

居酒屋の狂言自殺シーンは、ファジェーエフ、ややコミカルさが足りないかな。もっと大胆になって欲しいところ。しかし、横たわっていた時にぴんと伸びた足の甲の美しさには釘付けになってしまった。なんという綺麗な脚と足先なんだろう。女の子のようだ。キトリのクチュルクはやたらとバジルとキスばっかり交わしていて、色っぽい。他のカンパニーでドン・キを観たとき、キトリは足をお行儀悪く出して踏ん張ってかみそりを抜くしぐさをするのだけどここではなかったような気がした。

で、いよいよハイライトの3幕。ヴァリエーションのタチアナ・ミリツェワとイリーナ・コシェレワの二人もめちゃめちゃ可愛い上、踊りも元気一杯で祝宴を盛り上げる。コシェレワのちょっとアヒルっぽい口の形が可愛いのよね。残りの友人4人+3人も、とても綺麗な色のクラシックチュチュで、華やかに踊りを繰り広げる。

そして、グラン・パ・ド・ドゥ。

ファジェーエフは、本来サポートが非常にうまい人だと聞いてたのだけど、今回はちょっと危なかった。片手リフトがちょっとぐらついたのと、フィッシュダイブで一瞬ひやりとさせられた。でも、それ以外は本当に良かった。マネージュの時には長く美しい脚が滑らかに開くのを堪能した。(3幕はさすがに白い衣装で、まばゆいことこの上なし)彼はトゥール・ザン・レールやピルエットは得意だけどひょっとしたらジュッテ系が弱いのかもしれない。でも弱いと入ってもかなりレベルは高くて、ピルエットの正確できっちりとしながら何回も回れることに比べれば、普通だってこと。彼のピルエットは、アンヘル・コレーラのように「これから回るぞ~」って力みがなく(アンヘルが気合を入れているところはあれはあれで可愛いのだが)軽々と回っているという印象。全体的に、ファジェーエフはリラックスしてのびのびと踊っていて、11月に兵庫でヴィシニョーワと踊ったのを観た時とは全然印象が違った。あの時はヴィシニョーワさまと踊らせていただきますって感じだったから。

一方クチュルクは、珍しい左回転フェッテ。全部シングルだけどかなりの速さで正確に回る。たまにちょっと軸がぶれているな、と思うところはあるのだけど、元気よく勢いがあるところはいかにもキトリ。コーダのピケターン&シェネもものすごく速い。音楽も超高速になっているのだけど。

旅立っていくドン・キホーテとサンチョ・パンサ。二人ともとても気品があって、ちょっとうるうるしながら見守ってしまった。

カーテンコールでは、クチュルクはフェッテを、そしてファジェーエフはピルエット・アンディオールを披露しつつ幕が下りた。幕が下りてもファジェエーエフは回り続け、18回までは数えられたけど多分もっともっと踊っていたんだろう。すごい体力とサービス精神だわ。

楽しかった~!こんなに楽しいドン・キは久しぶり。ABTのフリオ・ボッカの最後のバジル以来だろうか。
マールイの皆様がすっかり大好きになったよ。

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コメント

えぇ〜!
クリギンの息子がマールイ入団?!いったい幾つでパパになったのかしら。(笑)
私もクリギンの濃ゆい演技(顔芸含む)が大好きで、主役そっちのけで
ついつい観てしまいます。

>一度見始めるとほかが目に入らなくなるから困ったものである。まだまだ若い者には負けないぜ!と張り切っている姿が笑える、じゃなくて微笑ましい。

同感でございます。ハッキリ言って、コメディの域に近いかもしれません。
あぁ、マールイが久々に観たくなってきました〜。

私もこれほんと楽しみました。理屈無しに楽しめる演目でお気に入りの一つ。にぎやかで主役が変わりばんこめいっぱい踊ってくれる、ちょっと芸比べみたいでほんと楽しい。見た!て感じになれます。
ファジェーエフ確かに王子様がコスプレで登場かも知れない。表現おもしろいです、naomiさん。
シェバコフもほんとにかっこよかった。キトリもかわいかったし。上手な人達の踊り心ゆくまで楽しみました。naomiさんの続きが楽しみ。
あっそれと宿屋のバーテン(?)役の金髪の男性〔大体いつも上手にいました)naomiさん名前ご存じですか?何かとてもかわいかったの(たぶん髪のせい)
では、では。

く~てんさん、

クリギンの息子さん17歳らしいですよ。多分クリギンはいま42歳くらいだと思うので、ありえる年齢ではありますね。私は気がつかなかったんですが、どうやらそっくりらしいです(笑)
「バレエの美神」の4人の王子の一人にも大笑いしました。ひとりだけおじさんなのに、一番面白いんですもの~

zuzuさん、
ドン・キは好きな演目ベスト3の中に入るかも。海賊とか、そういう意味がなくて男性ダンサーが活躍する作品が好きなんです。派手で楽しいしね。
居酒屋のバーテンの人、ネットであちこちで話題になっていますね。私はクリギンが舞台上にいる時にはかなりクリギンに目が言っていたので気がつかなかったんですが…そのあたりまでキャスト表に書いていて欲しかったですね。

ファジェーエフの回転私も尊敬します。今までアンヘルの右に出るものはいない(笑)などと思っていたけれどファジェーエフはするするといつの間にか廻ってる。一番びっくりしたのはザンデール、ピルエットをプレパれーション無しで繰り返したでしょ、確認のためにも(笑)あれもう一度見たい。
エフセーエワは私がラ・バヤ見たときガムザッティーやっていたけど、森の女王の方がすてき。光ってましたね。

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