BlogPeople


2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« 東京バレエ団「眠れる森の美女」観るまでの話 | トップページ | フィギュアスケート三昧で幸せ »

2006/02/22

東京バレエ団(マラーホフ版)眠れる森の美女2/18

2幕3幕しか見られていないのでその範囲での感想。

何回も書いているけど、そもそも「眠り」という演目が好きではないのだ。
・中身がなく退屈なのにうんざりするほど長い
・男性ダンサーの踊りが少ない。青い鳥のディヴェルティスマンと、王子は最後のグラン・パ・ド・ドゥだけ。大体半分以上過ぎないと王子が出てこないというのがつまらない。
・オーロラってただ眠って、そこにやってきて眠りを醒ましてくれただけの王子とくっついているだけで意志というものがまったく感じられない。
・あの白っぽいおフランスって感じのヅラが嫌い
・ラストのディヴェルティスマンに出てくるのが赤ずきんちゃんとか長靴をはいたねことかシンデレラなのが、安っぽくお子ちゃま向けっぽくて馬鹿にしているのか!と思う。
・チャイコフスキーの割には、音楽が良くない。プティパが細かい注文を出して振り付け優先でつけられた曲なので仕方ないが。
・そもそも、バレエによく出てくる妖精というのにも興味がない。あるとしたら「真夏」のパックとオベロンだけ。

たしかに「海賊」や「ドン・キホーテ」だって、それに「ライモンダ」だって中身はないけど、キャラクターがすごく魅力的だから何とか見ていられる。だけど、「眠り」は素敵だと思うのが誰もいないのだ。なのになんでみんなあんなにありがたがるのか?バレエに対して食わず嫌いな人って、絶対に「眠り」のバカバカしいまでの空虚さと幼稚さに象徴される部分が好きになれないんだと思うけど。

そういう「眠り」嫌いな私がそれでも観ようと思ったのは、ひとえに、紫とかピンクとかグリーンが乱れ飛ぶ衣装やセットデザインと妖しくナルシスティックなめくるめくマラーホフ・ワールドが観てみたいと思ったから。

しかし何しろ前半が観られなかったというショックが尾を引いていて平常心では観ることができなかった。

雑誌の記事やNBSのホームページである程度衣装やセットデザインを目にしてしまったので、幕が開けたときのインパクトが減ってしまった。予備知識ナシで観たら、それはそれはきっとびっくりしただろう。庭を模したというが、緑色のリノリウムが引いてあって、まさに上記に書いたとおり紫とピンクとグリーンが乱れ飛ぶ世界であった。精たちの衣装はハイネックで袖があって、かなり踊りにくそうだし日本人が着こなすのはかなり難しそうだが、思ったほど似合わないということにはなっていなかった。ただし、やはり衣装が大きめなので衣装ばかりが目立って中の人がかすんでしまっているような気もした。その他のコール・ドも、ピンクと紫が段々になっていて裾がすぼまっているちょっとキバツな感じの衣装。マラーホフの頭の中の世界が、この妖しい色彩感覚に彩られているのだろう、と思った。好き嫌いは分かれると思うけど私は結構好き。

東京文化会館のステージが狭いというのもあるのかもしれないけど、舞台となっている庭が、閉じられた秘密の庭という雰囲気があり、独特の親密な空気が流れていて、妖精たちの囁きが聞こえてきそうだった。

マラーホフ王子が登場。例によってお耽美&ナルシス炸裂。かなり前のほうの席だったので、顔がすごく老けていて疲れているのが気になる。さすがに一つ一つの動き、それから静止しているときのポーズはお美しい。表情は悩ましくもなまめかしくナルシスト入っている。リラの上野水香。一緒に観た友人が、意外にもプロローグと1幕の彼女が良かったと聞いていたので期待していたのだけど、2幕はあまり良くなかった。まず、背中が落ちている。表情の問題もあると思うけど、媚びているように見えていて、リラの精らしい母性が抜け落ちていた。リラの衣装は鮮やかなパープルだが、やはり袖があり、チュチュのサイズもかなり大きめだったので、水香の人並みはずれたスタイルのよさが目立たなかったのは帰ってよかったかもしれないが。腕の運び方は以前よりは改善されていたと思う。

(つづく)

幻影のシーンにオーロラ登場。吉岡美香さんは長身で華奢で見栄えするのだけどちょっと痩せすぎかもしれない。でもお姫様オーラは凄く出ていてこの役には似合っている。お姫様なのに幸薄そうなところなんか特に。脚のさばき方なども綺麗。

カラボスと手下たちが登場。今回のMVPはカラボス役の芝岡さんに決定。長身で堂々としていてビジュアル系な化粧が似合っていてカッコいい。カラボスって一般的には婆さんで、東京バレエ団版の井脇さんが演じるチュチュ姿の邪悪でスタイリッシュかつクールな魔女というのはちょっと異色。だけど、この芝岡さんのカラボスは、オネエ入ってネチネチしているのに凛々しくて素敵だったわ。もっと大げさにやってもいいくらいだけど。
なんと王子とカラボスは全然戦わず、呪いをかけようとするが、リラに追い出されるようにすごすごとカラボスは去っていく。目覚めるオーロラと王子のキス。(こうやって書くとなんだかドラクエみたいだ)
狩猟の場面もパノラマの群舞もなくて、なんだかあっけなく2幕は終わってしまった。

3幕は宝石の精たちの踊りから。ルビー,エメラルド,サファイヤ,ダイヤモンドの4人の宝石の精たちの衣装が、原色に近いすごく派手な色合い。高い襟に長袖パフスリーブで踊りにくそう。メイクも、衣装の色を目の周りに塗っているしとても不思議なキッチュな世界。ダイヤモンドの精の西村真由美さんの踊りがとてもたおやかで美しかった。

キバツな衣装といえば式典長と王様、女王様の衣装がとても珍妙だった。式典長は本来はとても二枚目な野辺さんなのだが、白塗りでピエロチックなメイクとピンクのカツラ。王様女王様もこれはひょっとしたらコントですか!という悪趣味の権化のようなお召し物だった。こういうセンス、決して嫌いではないのだけど。

シンデレラと王子が登場。シンデレラは井脇幸江さん。非常に美しいのだがしっかり者で苦労人のシンデレラという感じ。踊りは相変わらず美しい。王子は木村和夫さん。こっちはあまり王子っぽくないような。なんだか生活感漂う二人であった。

噂の赤ずきんちゃん。通常だったらオオカミとセットで出てくるのだがオオカミの毛皮をかぶって出てくるというのでなんとブラックな、って話題になっていたやつだ。たしかにニヤ~って笑っていて黒い赤ずきんちゃんだったんだけど、踊りはなかったので必要だったかどうか。

フロリナの小出さん。私が小出さんに対する期待値が非常に高いからか(去年のルグリと共演したオーロラは素晴らしかった)、実のところ彼女にしては今ひとつかも、と思ってしまった。頭に小鳥の籠をつけていて、フロリナというよりはカナリアの精という感じ。フロリナって私からするともっとふんわりとしたイメージなのだ。対して青い鳥の古川さんは、ヘアメイクにびっくり。デーモン小暮のような隈取メイク(なのでちょっとカラボスの親戚みたい)に、髪の毛をビジュアル系の人みたいに立てていて、とても青い鳥には見えない。カッコいいことはカッコいいのだが。ヴァリエーションはというと、右側へのバットゥリーは高くて綺麗なのに、左側がショボくてなんだかもったいない感じだった。すくなくとも鳥っぽくはない。私にとって青い鳥は最近ではすっかりハンブルク・バレエのリアブコのあまりにもすごくて本当に飛んでいってしまいそうな青い鳥がデフォルトになってしまってので、それ以上のものには一生出会えない気がしている。

牡猫と子猫のほうは、スタイリッシュな感じでいいと思った。ゴロニャン猫でもなければ媚びている感じもしないしカブリモノ系でもない。前川美智子さん脚がきれいで素敵だった。

グラン・パ・ド・ドゥ。
マラーホフ衰えたと思った。もちろん一つ一つの仕草は美しいし、ジャンプも全く足音がしないのだけど、高さが全然ない。ヴァリエーションのところのマネージュなんか全く跳んでいなくて、愕然としてしまった。疲れが見える顔つきといい、”老い”という文字が頭をよぎってしまった。

一方吉岡さんのほうは、丁寧で綺麗で良かったと思う。オーロラの場合はテクニックというより、お姫様っぽさをいかに動きで表現できるかということが大事だと思っているので、その点では合格点だと思った。ただし、回転系が弱く、サポートつきピルエットは全然回れていなくてマラーホフに回してもらっていた。他の日の公演ではサポートが危なかったという話を聞いたが、この日は特に問題はなし。フィッシュダイブもちゃんとキマっていた。自分の席が1階R列前方でかなり右に寄っていたので、吉岡さんが床を蹴って倒立している裏側が見えてしまったのはちょっと興ざめだったが、それは席の位置の問題だから仕方ない。
他の人たちがピンク、紫と原色使いまくりのけばけばしいもので、マラーホフにしても、似合っているからいいのだけど”紫の貴公子”なのに対して、オーロラの衣装は薄いブルーに花の刺繍がしてある清純なものでかわいらしかった。

アポテオーズのところでいきなりカラボスが登場し、まるでホラー映画のように照明が暗くなる。「アタシがこの結婚式を邪魔してやる」という勢いで、ネチネチとしていて最高なのだが、リラの精に制止され、すごすごと引き下がる。ちょっと安っぽい演出なのだが、そういうところも含めてマラーホフっぽい独特の毒があるセンスだなと思った。

半分しか観ていないのだが、それなりに楽しめたと思う。ザ・マラーホフ・ワールドという感じで紫の薔薇が咲き乱れる怪しい世界。変なものを観た、という気持ちがした。きっと全部観たらお腹いっぱいだろう。ただ、全体的な構成や振り付けに関してはオーソドックスな「眠り」なので、もっと思い切って改訂してみるとさらに面白くなるのではないだろうか。私は基本的にはコール・ド・バレエってそんなに観たいと思わないほうだけど、「眠り」に関しては仰々しい演目なので群舞あったほうがお得感があるのだと思った。

オーロラ姫:吉岡美佳
デジレ王子:ウラジーミル・マラーホフ
リラの精:上野水香
カラボス:芝岡紀斗
カタラビュット/式典長: 野辺誠治
ルビー: 長谷川智佳子
エメラルド:門西雅美
サファイア:佐伯知香
ダイヤモンド:西村真由美

シンデレラとフォーチュン王子:井脇幸江-木村和夫
フロリナ姫と青い鳥:小出領子-古川和則
牡猫と子猫:前川美智子-平野玲
赤ずきん:加藤文

« 東京バレエ団「眠れる森の美女」観るまでの話 | トップページ | フィギュアスケート三昧で幸せ »

バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

naomiさんの解説好きなんですけど、これはもっと好き!
やはりチャイコにしては音楽悪いですよねー 私も前からそう思ってたの。もちろんすばらしい曲の方が圧倒的に多いわけですけど。
主役の出番が少ない演目ってやですよね。くるみもそうだし。
眠りでいちばん好きなのは「青い鳥」

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30328/8779067

この記事へのトラックバック一覧です: 東京バレエ団(マラーホフ版)眠れる森の美女2/18:

« 東京バレエ団「眠れる森の美女」観るまでの話 | トップページ | フィギュアスケート三昧で幸せ »