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2006/01/02

バレエ・ビアリッツ「くるみ割り人形」12月18日

17時開演と昨日より早い時間のため、お子様率が非常に高い。それにしてもフランス人の子供って可愛いね♪金髪率が高くて本当にお人形さんみたい。1400席の会場は超満員で補助席も出る盛況ぶりだ。グッズ売り場のお姉さんが顔を覚えていてくれて、ニコニコ微笑みかけてくれた。素晴らしいスタッフと観客に支えられているカンパニーなんだな。
cassen04


舞台の内容もキャストも前の日とまったく同じなので、詳しいことは書かないけど。よく観ていると、ネズミと戦うおもちゃの兵隊軍団にクリスがいるのを発見。さらには、雪の精の中にもクリスをはっきりと確認することができた。頭を白いニット帽で覆い、長くてたっぷりとしたボリュームのロマンティックチュチュをまとうと、目のパッチリしたかわいらしい顔と相俟ってまるで女の子のようだ。美しいポール・ド・ブラ。伸ばした指先から粉雪を舞い散らせる演出が幻想的で素敵。しかし美しいけれども、体力的にはめっちゃ大変な振付である。動画を見ればわかると思うけど、腕をぐるぐる回しながら雪を降らせ、細かいパの連続、そして走り回ったと思ったら高くてリズミカルなジュッテの連続で体力の限界に挑戦って感じである。もともとは女性ダンサー用の振り付けなので、柔らかさ、優雅さも必要だ。
http://www.balletbiarritz.com/gb/0310cassen.html 男性ダンサーにとってはこれを踊るのは大きなチャレンジだといえるけど、クリスは立派にその役目を果たしていた。ジュッテした時の後ろ脚の美しさ、背中の柔軟性は際立っている。
ここの振り付け、大好き。

さて、休憩時間。幕の下から、先ほどの雪の精たちが散らしていった雪を掃除するのが見えたりするのだけど、幕の前のステージには大勢の子供たちがよじ登り、跳んだり跳ねたり踊ったり。先ほどの雪の精たちの踊りがよほど気に入ったと見える。「くるみ割り人形」の上演の時は、日本でもいつも客席にお子様がたくさんいるけど、子供たちがこんな風にはしゃいでステージの上に登っているところなんて見たこともない。普段だったら眉をひそめてしまうような光景なのに、不思議とすごく微笑ましく思えた。

2幕での、赤ちゃんを醜く変えられてしまうくだりって、よく考えてみたら結構ホラーな場面なのだけど(原作を読むと、特にすごくダークな感じなのだ)、王様と女王様を演じているダンサーがすごくマイムが上手で、とってもユーモラスに思える。赤ちゃんとのシーンはちょっとマッツ・エックの「アパルトマン」を思わせた。マランダインの振り付けはとてもオリジナリティがあるのだけど、誰かに似ているとしたらマッツ・エックが一番近いのではないかと思った。魔法を解くくるみの実が、まるでラグビーボールのように扱われているのもなんだか面白い。こういうモチーフって、けっこう子供が喜びそうな気がする。

クリスが踊ったスペインの踊りを観ている間は本当に至福の時。キューピーさんのように頭の中心部の髪の毛が立っていて可愛い。2番プリエの時のお尻の筋肉の動きを見ていたり、思いっきり目の付け所が腐女子である。ああ反省。
そうこうしているうちに、花のワルツである。本当にここのバレエ団のダンサーは何回も着替えては肉体的に苛酷な踊りを踊るのだから大変だ。ましてや、この花のワルツはクラシックの群舞に近い踊りなのだから。ここでも、クリスの美しい足の甲とよく開く股関節、アラベスクを堪能できた。

マリー役のダンサーMagaliはずっと出ずっぱりだし、複雑なリフトも多いし、群舞と一緒になって踊ることも多いのに相当スタミナがあって、最後までテンションの高さを保ちつづけていた。華があるし、個性的なので一度見たら絶対に忘れられないと思う。こういった小規模の、オリジナル振り付けやコンテンポラリー系、ネオクラシック系のカンパニーだとスター主義とはかけ離れた舞台づくりをするという印象があるが、このカンパニーのよさは、一人一人のダンサーの個性を大事にしているところだと思った。振付家が、ダンサーの特質に合わせて作品を創っているのだろう。

斬新な演出、大人じゃないとわからないような内容もあるのだが、この作品、観客に大変受けていたし、子供たちも喜んでいた。子供の観客が多い舞台だと、大抵、子供が舞台に飽きてしまって落ち着かなかったりするものだけど、みんなお行儀よく観ていたと思う。
「くるみ割り人形」はなんといっても、まずチャイコフスキーの曲が素晴らしい。一つも捨て曲がなく、真珠の珠や宝石のような、キラキラしたメロディが続いてとても幸せな気分になる。甘酸っぱい記憶を思い起こさせてくれる。その曲にちゃんとマッチした振り付けになっているのが、この作品の勝因なのではないかと思った。

終演後、会場のロビーで名残惜しそうにしていたら、素敵な女性が近寄ってきた。彼女はこのバレエ団のバレエミストレスだという。日本には10年前に松山バレエ団のところに行ったわ、なんて話してくれてその上握手まで求められた。「素晴らしい舞台だった、日本に来てくださいね」と私たちは言った。さらに、サングリアまでご馳走になってしまった。

それにしても、帰国してフィギュアスケートの浅田真央の演技を観るたびに涙がぽろぽろ出てきてしまって困ったものだ。くるみ割り人形のメロディがこんなにも美しく、懐かしく、幸せな記憶を呼び覚ますものだとは。
本当にここまで観に行ってよかった。日本にもいつか来て欲しい!

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