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2005/11/16

兵庫県立芸術文化センター オープニング・ガラ ヤンヤン・タン&ヴィシニョーワ

ありがたいことに、なんとプログラムは無料で配布してくれた。財布の中の残金が2000円を切っていたので助かった。しかもちゃんと冊子になっていて、それぞれの作品についての解説もついている。中でも、「春の祭典」に関しては復刻に携わったミリセント・ホドソンによる解説なのである。太っ腹!

さて、いよいよ開演だ。

「白鳥の湖」より第2幕 ヤンヤン・タン&デヴィッド・アーシー
グラン・アダージオだけだと思っていたら2幕丸ごと、コール・ドつきで上演だったのでちょっと驚く。最初にロットバルトも出てくるけど一瞬だけだったのが残念。振付はオリジナルとのことだけど、プティパ/イワノフ版のもっともオーソドックスなもの。例のオデットのマイムは省略している。大きな白鳥の踊りは4羽で踊るのだが、この振付が大変つまらないもので、長旅の疲れもあって一瞬意識が遠のく。

ヤンヤン・タンは華奢で手足がとても長くスタイルが良いし技術的にはとても精緻。同じ東洋人の顔をしているのに、さすがに際立った存在感があるのがとても不思議な感じがした。特にポール・ド・ブラがとても柔らかい。清楚で、すごく孤独で気高い美しい白鳥だったが、もう少し感情表現を出して欲しかった気がした。デヴィッド・アーシーのサポートはかなり上手。でも白鳥の2幕は王子の見せ場がほとんどないからもったいない。

このコンビではもう一作品。この日だけの上演で、日本では初演となるクリストファー・ウィールダンの「コンティヌウム」。赤い線が奥に光っているだけの暗い照明の中浮かび上がる緑色のレオタード姿の二人。いかにもウィールダンって感じの、ストイックでシャープ、しかしゆっくりとしたテンポの振付。緊張感があり、ヤンヤンの高い身体能力も生かせて素敵だった。

「眠れる森の美女」より3幕グラン・パ・ド・ドゥ
ディアナ・ヴィシニョーワ、アンドリアン・ファジェーエフ
ヴィシニョーワは当初「ドン・キホーテ」だったのが「眠り」に替わってしまって。ドンキの方が向いている気がするのだが。とても丁寧に踊っていて表情も華やかで良かったのだけど、やっぱりオーロラには少し妖艶すぎる気がした。よくみると彼女って、すごく上半身が逞しいのね。背中の筋肉、肩の筋肉がすごい。それがあるから高い技術もあるのだと思うけど。少し水色かかった衣装はキラキラしていて似合っており、とても素敵。でも、せっかくの結婚式のPDDだから、シャンデリアの一つくらい吊るしておいても罰は当たらないと思うのだ。「眠り」の王子はこれまた、ほとんどオーロラ姫のバーのようなもので、ヴァリエーションくらいしか見せ場がない。とりあえずファジェーエフはサラサラの金髪にブルーアイズ、見た目が大変麗しい、(若干寝癖?があったが)絵に描いたような王子様なので、それだけで十分役割を果たしているといえる。サポートも上手だし、マネージュなども後ろ脚がすっと伸びてきれい。

「ラ・ジョコンダ」より「時の踊り」(振付:マリウス・プティパ)
上村未香、貞松正一郎
コール・ドの衣装が朝、昼、夕、夜をイメージした4色に分かれていてとてもきれい。しかしこのあたりで疲れが頂点に達していてまたしても意識を失う。ソリストの貞松正一郎は、ローマ風の衣装で、ジュテも高くて技術的には大変優れたものを持っていると思った。

「ロミオとジュリエット」バルコニーシーン
ディアナ・ヴィシニョーワ、アンドリアン・ファジェーエフ
振付が誰によるものかはパンフレットにも記述なしだが、ラブロフスキー版のようだ。私は3階席の右端だったので、ひょっとしたらバルコニーが見えないかと心配していたのだが、心配するには及ばなかった。なぜならば、バルコニーがなかったからである!
シュツットガルト・バレエによるクランコ版の素晴らしい全幕モノを観てしまったばかりだから、かなり形勢は不利である。しかsヴィシニョーワのジュリエットは思ったよりは良かった。やっぱり妖艶で情熱的なんだけど、精一杯可愛らしく見せようとしているのはわかった。難しいリフトなどは一切なかったけど、二人とも(バルコニーもないのに)丁寧に踊っていた。私はあまりヴィシニョーワが好きではないけど、自分なりのジュリエットを表現しようときちんと踊っている姿を見て、ちょっと見直した。

そういうわけで、ゲストのクオリティは高いけれども、ここ数日シュツットガルト・バレエとクランコの濃厚な物語バレエを見てきた身には、正直言ってかなり物足りない。ガラってそういうもんだから仕方ないかな、と思いつつ、今回のメーンイベントに臨んだのである。(つづく)

途中の休憩で気がついたのだが、なんと3階には屋上庭園がある。ただし、喫煙所状態になってしまっているのだが。ホワイエを歩いている分には、光がたくさん入ってきて気持ちよい構造だ。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

ま、また随分と遠くまで行かれてたんですね〜。
兵庫県立芸術文化センターは、充実の設備はもちろんのこと
雰囲気もとても良さそう。
公演のレポも興味深く読ませていただいてます。メーンイベントも
楽しみで〜す。

マリインスキーのロミ&ジュリは、バルコニーが「ない」んですよね。
ないというか、舞台全体がバルコニーの設定でいきなりロミオが
現われるのは…ちょっと拍子抜けしますね。

naomiさん、兵庫まで見に行ってらしたんですね~。ヴィシニョーワが先日のオネーギンの時に客席にいたと書いてあるページを見たので、なんで今彼女が東京にいるんだろうと思っていたんですが、これのために日本に来ていたんですね。私は彼女の踊りは見たことがないので分からないんですが、写真で見る限りは妖艶な人ですよね。
naomiさんが意識を失ってしまった「ラ・ジョコンダ」ってアンヘルが先月バルセロナで出ていたオペラと同じですよね~。http://www.liceubarcelona.com/operes/opera.asp?i=146
3幕で踊っていたようで多分その「時の踊り」かな。プティバの振付けなんですね~。これがあったからシティセンターは出番あまりなかったようですが。ガラで踊られるほどメジャーな演目だとは知りませんでした。

く~てんさん
実のところ、シュツットガルトのロミジュリがとても気に入ったのでかなり後ろ髪を引かれながら兵庫に向かったわけですが、行って良かったと思います。ロミジュリはシュツゥトガルトに行けば観られるし(爆)
とてもいいホールでした。まあ、びわ湖の方がいいとは思うけど、これだけシックで雰囲気の良い空間は東京にはないと思います。新国立劇場がやや近いと思うけど、こっちは木を多用しているのでシックな中にもぬくもりがある感じ。ボリショイもここでやるようだし、これからは関西での公演はここが定番になるのでは、と思いました。

primarose さん、
ヴィシニョーワはマラーホフの「ジゼル」を観て、こんな派手で健康的なジゼルはありえない~と思ったのでした。これ、DVDになっています。
そう、私はシュツットガルト観に行ったときに劇場で目撃しました。トイレに並んでいたんです。素で見ると意外とそんなに派手じゃないし小柄でした。

「ラ・ジョコンダ」の時の踊りは同じ演目ですが、衣裳はさすがにバルセロナの方がずっとお洒落ですね。おそらく貞松さんが踊ったのがアンヘルも踊った役だと思うけど、この踊りは確かに彼に似合うかもしれません。

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