東京国際映画祭「雨降る日の水彩画」
映画祭2本目は、「猟奇的な彼女」「ラブストーリー」「僕の彼女を紹介します」のクァク・ジェヨン監督の1作目。「猟奇的な彼女」の前の作品だからそんなに古くないだろうと思ったら、登場人物のメイクや髪型、服装が恐ろしく古臭くて(80年代くらいのものなのでちょっと恥ずかしい感じ)後で調べたら1989年の作品とのこと。
地方の有力者の下に引き取られ、神父になる勉強をしている孤児の主人公は、血のつながらない妹ジヘへの想いを抑えられないでいた。しかし厳格な父親に、二人が愛し合っていることがばれてしまい、彼は寄宿舎に入れられてしまう。同室の男が取り持つ縁で孤児院での幼馴染の女性に紹介されたことで厄介ごとに巻き込まれ、運命の糸はもつれ合うのだが…
一言で言えば「大映ドラマ」的な作品で、奇人としかいいようがない主人公のルームメイト以外には笑いの要素もない。数奇な運命に引き裂かれていく恋人たち=兄と妹のお話で、今観るには正直ちょっときついかな。 あくまでも資料的な価値で観る作品という気がした。
主人公の男は西島秀俊をたれ目にしてさらに不景気な感じにした顔で、ヒロインは山口智子をもっと美人にした感じかな。
でも、執拗なまでに登場する雨のモチーフ、父親役の俳優が「猟奇的な彼女」でチョン・ジヒョンの父親を演じた人だったり、ヒロインの役名ジヘは、「ラブストーリー」でソン・イェジンが演じた役と同じだったり。極めつけは丘の上のラストシーン。かなりドロドロとしたドラマがラストで清清しく浄化された感じで、後味は悪くなかった。
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