The Ballet Companion: A Dancer's Guide to the Technique, Traditions, And Joy of Ballet
ABTのジリアン・マーフィのかわいらしい表紙写真に惹かれて思わず注文。
(Side B-allet / Yuki's Web Pageさんからの情報で知りました)
サイズはB5版とあまり大きくはないものの、331ページとボリュームはたっぷり。基本的にはバレエの教則本で、ABTのマリア・リチェットと、NYCBのベンジャミン・ミルピエがお手本を示して、ストレッチからプリエ、ロン・ドゥ・ジャンブなどのバーレッスン、そしてアレグロ、ピルエットまで多くのの写真で解説を加えている。日本のバレエ教則本だとお手本となるダンサーが巻きスカートとか穿いていて脚が見えなかったりするのだけど、ここではマリアはちゃんとシンプルなレオタード一枚。それにしても、彼女は小柄だし脚も決して長くなくて日本人のような体型なのに、アラベスクをさせると本当に美しい。5番ポジションの美しさも惚れ惚れとするほどだ。ミルピエも、さすがフランス語で「千の脚」という意味の名前だけあって足先がきれい。ふくらはぎが筋肉でぼこっとしているけど。
あとは、解説でポアントの選び方や音楽性、バレエを習うに当たっての心構えなどが書いてあるとともに、解剖学や怪我の防止についても図解入りで説明。それと、バレエの歴史(年表つき)や、ワガノワ、フランス、チェケッティ等メソッドの違い、観るべき作品(振付家別)などについても、豊富な写真で解説。ニジンスキーの写真など、図版はすべてモノクロながらも充実している。英語が読める人だったら、バレエを習っていなくて面白く読めるはず。
バレエをちょっと習っていて、観るほうも好きで知識を身につけたい人にはとても役に立つ本と思う。意外とお値段もお手ごろだし、お勧め。リチェット&ミルピエだけでなく、表紙になっているジリアン・マーフィなどの写真も中に載せて欲しかったというのはちょっと贅沢なことかな?裏表紙にはアンヘル・コレーラらの推薦文もある。「すべてのダンサーの本棚にあるべき本」だって。
Applause Applause!さん(下トラックバック参照)で、この本の著者のサイン会のこと等も書かれています。
« バレエ/ダンス関係雑誌2題 | トップページ | 落語版「ジゼル」、柳家花緑「おさよ」 »
「バレエの本」カテゴリの記事
- 『トウシューズのすべて』富永明子著 発売されました。(2021.10.20)
- 「名作バレエ70鑑賞入門 物語とみどころがよくわかる」 渡辺真弓著(2020.10.05)
- 山本康介さん『英国バレエの世界』独占ロングインタビュー(2020.07.20)
- すべてのバレエ愛好家に捧ぐ 世界初の図鑑が11月発売!『バレエ大図鑑』(2019.10.12)
- 『吉田都 永遠のプリンシパル』(2019.08.04)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: The Ballet Companion: A Dancer's Guide to the Technique, Traditions, And Joy of Ballet:
» The Ballet Companion [Applause Applause!]
ちょっと前にゆうさんが紹介されていて知った新しいバレエの本「The Ballet Companion」、サイン会があるかな、と思って調べてみたら、ありました!この前の日曜日、ブライアントパークで開催されたNY Timesの「Great Read in the Park」というイベントにて筆者であるEliza Gaynor Mindenさんのサイン会があるということで行ってきました。
(前にABTの「The Ballet Book」が発売された時のサイン会に行きそびれて後悔したんですよね。。。)
... [続きを読む]
こんにちは。TBさせていただきました。
この本、もう入手されたんですね。早いっ!!
しかも、日本まで運ばれておきながら、私が買った値段より安いんですけど、、、
アマゾンで買おうかな~と思いつつ、一応本屋で見てから、と思ったら、10月発行になっていたのでなかなか店頭に出てこなかったんですよね~。アマゾン、フライング??
ABTのチケット、やっと買いました。。。4つ行くつもりです。やはり出遅れたので席はイマイチなんですが。。。
投稿: Pon | 2005/10/05 05:59
こんばんはー!naomiさん。
これ早速注文しますっ。
niceな本を紹介してくださり、ありがとうございます。そろそろレッスンもセーターが必要ですね。
投稿: さるしっちゃー | 2005/10/06 00:34
ponさん、
偶然にも同じ日でのブログでの紹介になりましたね!サイン会やったんですか。私もBalletBookはシティセンターの会場でサイン会があったので、すでに一冊持っていたのに現地でもう一冊買って、NancyElisonさんと、ステラ・アブレラ、エルマン・コルネホにサインをしてもらいました。
それにしても現地で買うより日本のアマゾンで買ったほうが安いとは…。
シティセンターは涙を飲んで、キャンセル料1万5千円も払ってキャンセルしました。どうしても11月は家庭の事情でバンコクに行かなくちゃならなくて。
ponさんのシティセンターの感想楽しみにしています。
さるしっちゃーさん、こんばんは。
いつもうるるさんのところでお世話になっています。そうなんですよ~ようやくお稽古をしていても暑さをそれほど感じない季節になってきました。バレエの本は見ているだけで幸せになるからいいですよね。
投稿: naomi | 2005/10/06 01:51
こんばんは。ABTのダンサーをモデルにしたこんな本が出ているんですね。初めて知りました。私も少しバレエ習っているのでバレエの教則本はほしくなっちゃいます。歴史とか作品の解説が読めるのも魅力ですね。
投稿: primarose | 2005/10/08 18:46
primaroseさん、バレエ習っていらっしゃるんですね!
私もたまたまYukiさんのサイトで知ったのです。素敵な本ですよ。完全に教則本かな、と思ったら読み物も多くて、勉強になります。
私はバレエは初心者なんですが、他にバレエの本だとサリア・マーラの「バーからセンターへ はじめてのバレエレッスン」がわかりやすくてお勧めです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4403310028/qid=1128796731/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-1326184-4019553
投稿: naomi | 2005/10/09 03:39
naomiさん、こんにちは。「バーからセンターへ」の本、チャコットとかで立ち読みしたことあります。絵の解説がかわいいですよね。
私もバレエは超初心者です。1年近くレッスンを休んでいて先月復帰したばかりなので、今はレッスンについていくのがやっとで教則本が手放せません。
投稿: primarose | 2005/10/10 14:20
primaroseさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
私も自分の教室では一番下手な部類なので、一応ちゃんと復習しなくちゃ、とは思ってやっているんですけどね。ホント付いていくのがやっとです。特にセンターはもう大変!お互い頑張りましょうね!
投稿: naomi | 2005/10/10 23:37
naomiさんこんばんはー。naomiさんの記事を読んですぐ注文していたのですがやっと10月末に届きましたよ~。面白いですねえコレ。時折引っ張り出して眺めるのにもってこいの本です。リボンのしおりも可愛いし本棚にあるだけで楽しい。解剖学的なことは置いといて小ネタ系、後ろにあるGlossariesやmust seeなんかも嬉しい。私、足はギリシアタイプでしたわ。あと、見知らぬダンサーの白黒写真が結構多いので検索して楽しんでいます。ちょっと腕がステキ、と思ったダンサーさん検索してみたら、かつてABTにいた方でもう死んでました。ダイハードのテロリスト役って書いてありましたわ。ではまた~
投稿: さるしっちゃー | 2005/11/10 02:24
さるしっちゃーさん、こんばんは
ずいぶんと届くのに時間がかかったんですね。でもなかなか素敵な本でしょう。私はベッドの横において寝る前に眺めています。コネタ系も面白いですよね。
そのダンサーの方って、アレクサンダー・ゴドノフさんでしょう?「ダイハード」ではずいぶんインパクトのある悪役でした。才能あるダンサーだったけどボリショイ時代にグリゴローヴィッチに冷遇されていて亡命したんですよね。
投稿: naomi | 2005/11/11 03:03
横から失礼します。ダイ・ハードに出てたゴドノフってバレエやってた人だったんですか~。それもABTにいたことがあるなんて。そのうえもう亡くなってるんですねぇ。驚き~!!
そういえば映画のパンフレットでバレエやってたって書いてたような気もしてきました。
けっこう印象に残るテロリスト役でしたよね。。。
投稿: primarose | 2005/11/11 20:20
primaroseさん、こんばんは。
実は私も「ダイ・ハード」観たときには(なんと弟と観に行った)、プロフィールを観て「ふ~んバレエダンサーだったんだこの人は」と軽く思っただけなんだけど、実際にはなかなかすごい人だったんですよね。
73年のモスクワ国際バレエ大会で1等賞を受賞。74年年から5年間ソ連の外の旅行を許可されず、79年のニューヨーク公演の時に、ついに亡命。亡命後ABTに所属したが、当時の芸術監督ミハイル・バリシニコフと折り合いが合わず、82年のニューヨーク・メトロポリタン公演を最後に退団、だったそうです。
なんとあの美人女優ジャクリーン・ビセットとお付き合いしていたそうですが、45歳で亡くなってしまったんですね。若すぎます。
投稿: naomi | 2005/11/12 03:22
naomiさん、primaroseさん、こんばんは。妙な話題に乗っていただいて嬉しいです~。そうです225ページにGodunovと書いてあります。ダイ・ハードではカールというブロンドロン毛テロリスト役。確かにいましたね、その人。蹴ったりチョップのシーンが舞うように美しいとか、どなたかがレビューしてました。そりゃそうでしょうね、プリセツカヤと踊ってたんですねっ。もう一つゴドノフが指揮者を演じている映画が結構笑えるらしく。。。ぜひ観てみたいけどツタヤにゃなさそーです。
投稿: さるしっちゃー | 2005/11/15 00:16
さるしっちゃーさん、こんばんは。
たしかに「ダイ・ハード」でのゴドノフのアクションは華麗でした。ちょっと死に方がかわいそうでしたけど。悪役の親玉アラン・リックマンもカッコいいですよね。惚れました。
指揮者を演じている映画ってなんだろう。
「刑事ジョン・ブック/目撃者」にも出ているんですね。友達からDVD借りているんですがまだみていないわ。
ブフォネスも早死にしたけど、ゴドノフはもっと若く亡くなってしまったのですよね。合掌。
投稿: naomi | 2005/11/15 02:34
naomiさん、こんばんはー!指揮者のはマネー・ピットってタイトルで、スピルバーグ製作みたいでした。トム・ハンクス主演のコメディだったような。今日セブンイレブンのレジに並んでたら、目の前のラックでダイハードDVDが990円で売ってましたわ。裏みたら、ちゃんとGodunovって書いてあって。いやーー一気に身近に感じちゃいましたよ。ブホネスさんのサイト、セレブとの写真のとこ見てきました。すごい方だったんですね~。
投稿: さるしっちゃー | 2005/11/16 01:58