落語版「ジゼル」、柳家花緑「おさよ」
小林十市さんの弟としてバレエファンにはおなじみの落語家、柳家花緑。
「ジゼル」の舞台を江戸時代の田園地帯に置き換えて自ら脚色し、自身でドビュッシーの曲(「月の光」「亜麻色の髪の乙女」も弾いているという異色の落語作品なのだ。
ジゼルが「おさよ」、アルブレヒトは新三郎、ヒラリオンは半ちゃん、バチルドは葵姫と置き換えられている。
うまいなあ、と思ったのは、ジゼルをそのまんま落語化したのでなく、落語ならではの人情味とか、日本的な部分も付け加えていること。おさよと葵姫ののろけ話のやり取りなどは絶妙だし、半ちゃんがアルブレヒトの正体を暴いたところから、おさよの死の場面の処理の展開もがくどくなくていい。さらにユニークなのは、ウィリたちの表現。落語だとビジュアルがなく、耳からだけの情報となるわけなので難しいところなのだが、幽霊=ウィリたちがとてもおしゃべりだという設定で、それぞれがどうやってウィリになるに至ったのかの語りがコミカルで面白い。あと半ちゃんがとてもまっすぐでいいヤツだったりとか、色々と工夫がなされていて。ちょっと笑えたりするところが、ジゼルという作品の悲しい恋の話に効果的なアクセントを加えている。難を言えば新三郎=アルブレヒトのキャラクターがちょっと薄味かなあ。でも、結局ジゼルはジゼルの話なのでこれでいいのだ。
何回かは落語を聞きにいったことはあるものの、ほとんど素人の自分にとってもこれは面白かった。ライナーノーツは、十市さんと花緑さんの兄弟対談となっていて、これまた面白い。落語を聞いたことがないバレエファンにもお勧め。
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