BlogPeople


2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ブログパーツ

  • HMV検索
    検索する
無料ブログはココログ

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »

2005年10月

2005/10/31

東京国際映画祭『ジョニの約束』

一発目は「アジアの風」でのインドネシア映画。実はインドネシア映画って見るのは初めてなのだけど、なかなかクオリティは高いと思った。

主人公の青年ジョニは、映画館のフィルムを運ぶのが仕事。フィルムの本数が映画館の数より少ないため、上映が終わったフィルムを別の映画館に運んでそこでの上映に間に合うようにしないといけない映画館事情があるため、この職業が存在する。この仕事に誇りを持っているジョニが一目惚れした女の子に、「ちゃんと映画が切れ間なく上映できたら名前を教えてあげる」と言われたため、ジョニはいつものようにフィルムを運ぶのだが、トラブルの連続に見舞われて…というお話。

こういう大事なときに限って、バイクを盗まれたりバンドのオーディションに参加させられたり大事なフィルムも盗まれたり…それを一つ一つどうやって切り抜けていくかというのがポイント。ジョニが約束のためにジャカルタの街を走り抜けていく姿はとても爽やか。一生懸命に走っているところが多い映画はそれだけで応援したくなる。ただし、フィルム1巻は20分前後で、2本のフィルムをはこんでいるのだけど、これが全部40分の間の出来事とは思えない時間経過にはちょっと問題がある。それとジョニがこの仕事に大変な誇りを持って取り組んでいるのはわかるのだけど、その割には困っている人を助けようとしたり、大事なフィルムを下に置いてしまってその隙に盗まれたりとちょっと隙が多すぎる。要は、ジョニはいい人過ぎて寄り道しすぎちゃうのだ。約束が守れなかったというところは、この映画にとっては致命的な欠陥になってしまっているし。

でも監督がとても映画が好きだというのは良く伝わってくる。映画館には10種類の人種がいる、と分類しては例を見せているところは映画好きにとってはかなりツボにはまるところだと思う。特に、他の客に文句をつける独善的な映画好きというのは今回の映画祭でいっぱい目にしたものだから。
ジョニ役の俳優はニコラス・サプトラといってインドネシアではナンバーワンのアイドルだということだけど、割と普通っぽい男の子で一生懸命さが伝わってきていいと思う。彼が一目ぼれするアンジェリクもすごく美人だし。
あとフィルムを盗むことを指示した男がものすご~く怪しげで胡散臭い芸術家で、超能力みたいなのを持っていたり、それなのにフィルムを焼き捨てようとしてうそぴょ~ん、というくだりがかなり面白かった。

いろいろと欠点はあるけど、面白くて愛すべき映画。

2005/10/29

東京国際映画祭で疲れた

この一週間は映画祭通いで大変!な毎日。とはいっても、以前のように20本以上観るなんてことはしていなくて、チケットも思うように取れなかったし、結局観たのは6本。仕事をしている都合上どうしても遅い時間の上映を見ていたものだから、帰宅したら大抵夜中の1時とかになってしまってレポートとか全然書けなかった。睡眠時間4時間で会社に行っていたもん。ああしんど。

前にも書いたけど、映画祭のチケットの取りにくさといったら最悪である。めぼしい作品の土日及び平日夜の上映はほとんど前売り初日とかで売り切れ、当日券が残っているのもほとんどない。当日の0時からヴァージンシネマズ六本木のサイトで当日券を売り出すのだけど、それですら、すぐに売れ切れてしまう。結局、一番観たかったラジニカーント主演のインド映画は買えなかった。今年は関係者パスも持っていたけど、これも引き換え開始の朝10時前に並ばないと、席は手に入らないのであまり使えなかった。
当日券を増やしたってことらしいけど、それでも、売り場に行ってもほとんどの作品が売り切れ。映画祭ってそんなんでいいのか?渋谷でやっていた時代が懐かしい。

そして六本木ヒルズという会場は最悪である。映画館のスクリーン自体は、音響、映像などはもちろん問題ないんだけど、言ってみれば本当に単なるシネコンでやっているって感じでお祭感ゼロ。上映と上映の間が中途半端に空いているけど、暇を潰せるところがほとんどないのだ。映画館にカフェが入っていない上にロビーに座るところがまったくないなんて、まったくもって信じがたい。映画の梯子をしていて疲れているのに一息つける場所がなく、ただただキャラメルポップコーンの激甘匂い攻撃にさらされるだけである。

実は六本木ヒルズって文化度低いと思う。だってCDショップもないし、中に入っている書店の品揃えも貧弱。バカ高い森ミュージアムはあるけど2000円も出してみるのはちょっと、である。以前はヴィレッジ・ヴァンガードがあったけど撤退しちゃったし。カフェも、2階にあるスターバックスは半分オフィスの受付の横なので落ち着かないこと甚だしいし、3階のセガフレード・ザネッティはいまどき分煙すらしていない。めちゃくちゃわかりにくい上、導線の悪さはもはや犯罪的といってもいいかもしれない。大江戸線の駅からだと15分はかかる上、階段を上らなければならない。ホームレス対策なのかもしれないけど落ち着けるようなパブリックスペースやベンチも少ない。オープンカフェの一つすらないんだから。笑ったのはこの中に入っているampmに、ホリエモン印のドリンク剤が売っていたことくらいか。ファッション関係も、入っている店が高いところが多く(ZARAは別として)、貧乏人なんてお呼びじゃないのよって感じだ。

一言で言えば、「ランド・オブ・ザ・デッド」のデニス・ホッパー所有の悪の巣窟ビルディングなのである。というか、多分デニス・ホッパーが実際ここに住んでいるのよ、きっと。

肝心の映画の話は、また別の日に。

ついでに言うとね~観客がもう最悪なのよ。
途中入場の多さにはびびった。木曜日9時半からのツァイ・ミンリャン監督の「浮気雲」なんか、ソールドアウトのはずなのに結構空いていておかしいな、と思ったら途中でぞろぞろ入ってくるのでそのたびに気が散る。こんなに遅い時間からの上映なのに遅れてこないでよ。ツァイ・ミンリャン本人だって見ているのに。 (某有名日本映画の監督も観ていた)

その上、隣でメモを取っている人にぶち切れた観客が15分くらい観客全員に聞こえるような大声で騒ぎ立てるからひどかった。確かに隣でメモ取られたら気が散るけど、あの大声は観客全員に大迷惑。前から3番目くらいでやっていたんだけど、私は一番後ろの列にいて全部聞こえた。「後ろにいけ!」だの「どうせタダで観ているんだろう、どこの会社のヤツか」とか知るかって。せっかくのシャオカンとシアンチーの再会のシーンが台無し。映画自体はすごく面白かったのに残念。 大体ツァイ・ミンリャンの誕生日だったのにだよ。

金曜の「ミッドナイト・マイラブ」(素晴らしい!)でもしゃべっている人(お年より)がいて、それは確かに迷惑だし頭に来ることだけど、だからといって「人間の屑」だの「今すぐ出て行け」だの大声で騒ぎ立てるのはどうかと思う。「呪い」でもずっとしゃべっている人がいたし、ホントマナーの低下は著しい。

ニーナおめでたです

ニーナ・アナニアシヴィリ、おめでただそうです!
ABTから公式発表がありました。 (ballet talkにも出ているので公式サイトにも近々載るでしょう)
http://www.playbillarts.com/news/article/3194.html

来年2月に出産だそうで、だから今年のABT来日公演や、来年のボリショイの来日公演にも出演しないんですね。まだABTへの復帰の具体的な日時は予定されていませんが、来年はニーナのグループ公演が秋に予定されているので、ここで復帰するのでは、と思います。
ニーナに似た可愛い子が生まれるんでしょうね。
おめでとう♪

2005/10/27

クリストファー・マーニー君がんばっています

マシュー・ボーンの「SWAN LAKE」で王子を演じたクリストファー・マーニーが、フランスのBallet Biarritzに参加したのだが、頑張っている模様。
彼と、もう一人入団したArnaud Mahouyのインタビューと写真が以下のサイトで読めます(注意:フランス語です)
http://www.sudouest.com/211005/vil_pba_biarritz.asp?Article=211005a91011.xml
アクサン記号が文字化けしてしまって自動翻訳でうまくいかないのだけど、どうやらこのカンパニーでオーディションをしたところ200人以上が受けに来たが適切な人材が見つからず、15回以上の面接を経てクリスが入ることになったそうな。

クリスの写真はないのだけど、このカンパニーの公演を紹介する記事もあった(スペイン語)。
http://www.artezblai.com/aldizkaria/artez102/dantza/mozart.phpモーツァルトを使った演目で、写真から推察するに、ネオクラシック形の作品と思われる。芸術監督のThierry Malandain は元パリ・オペラ座のダンサーで、オリジナル作品を多数振付けている。彼の作品はダンスマガジンの2000年12月号でも紹介されているし、貞松浜田バレエ団『創作リサイタル16』でも上演されている。

そうゆうわけで、クリスを観にビアリッツに行ってきますわ。

2005/10/25

Ballet Russes :ドキュメンタリー映画

ディアギレフの「バレエ・リュス」についてのドキュメンタリーがサンダンス映画祭やトロント映画祭での上映に続き、全米での公開が始まるようです。NY,LA、サンフランシスコ、シカゴ、ボストン、アトランタ、シアトルなどの大都市では見られるみたい。

balletsrusses05


http://www.balletsrussesmovie.com/
http://www.imdb.com/title/tt0436095/

このサイトを見ているだけでわくわくします。

この作品の発端は、バレエ・リュス関係者が2000年に集まったことのようで、この映画も彼らへのインタビューを中心に貴重な映像も見られるとのことです。サイトでダンサーの紹介がされていますが残念ながら私が知っているのは、ABTの舞台(「ロミオとジュリエット」の神父、「ペトルーシュカ」の人形遣いなど)で美しい姿を見せているフレデリック・フランクリン(91歳)くらい。
ABTの「白鳥の湖」のDVDでは、1幕の家庭教師役で登場しています。
この映画の撮影後亡くなった方も多いようです。

日本でもぜひぜひ公開して欲しいですね。
ここで素晴らしい写真のダウンロードもできます。

現地でご覧になったponさんによる、この映画の感想です。

2005/10/20

靴が好き。だけど…

DSCF0083small

私の足は実に困ったちゃん。ひどい外反母趾で、ときどき痛む。バレエシューズで踊っている分には大丈夫だけど、ポアント履けるのだろうか。とりあえず最近は寝る時に足の指を広げる器具を使っている。
しかも幅も広ければサイズも24.5と大きい。合う靴を探すのは一苦労。まず、ヒールのある靴、先の尖った靴は履けない。だからといって、おばさんくさい靴も嫌だし…実は履きやすいのはプラダやバリーやフェラガモなのだけど、そんな靴を何足も買うお金があるわけない。きっとお金がいっぱいあったら、服よりもいい靴を買うと思う。

試着して足に合う靴を買ったはずが、実際はいてみると痛くて全然ダメなのが何足もある。もったいない。本当に足に合う靴に出会えるのはほとんど奇跡みたいなもので、その靴ばかり履いていると傷みが早くなってしまう。

写真は、NYで一目惚れして買った靴。ヒールもないし幅も細くないし、とおもったんだけどちょっと長さが短かったみたいで足が痛くなっちゃう。でも、すごくかわいいのよね。ビーズがいっぱいついていて、スウェードでこれからの季節にピッタリ。実物はもっとかわいいんだから。日本ではなかなか見かけないタイプ。お気に入りの靴は海外で見つけることが多いのだ。

2005/10/18

好き嫌いが激しい

バレエの情報とか検索していていつも思うんだけど、私はどうやら好きなバレエダンサーより嫌いなバレエダンサーのほうが多いんだよね。それもあんまり良くないな、と思いつつ嫌いなものは嫌いだから仕方ない。好きなものが多いほうが、嫌いなものが少ない方が人生楽しく過ごせそうなのに。

ファンの方には申し訳ないけど、嫌いなダンサー一覧。
(嫌いな理由は書き始めると止まらない気がするし、ファンの方に悪いので省きます)。

<タダでも観たくない>
ディアナ・ヴィシニョーワ(キーロフ)
上野水香(東京バレエ団)
斎藤友佳理(東京バレエ団)

<金を払っては観たくない>
クレールマリ・オスタ(パリオペラ座)
ミシェル・ワイルズ(ABT)
サシャ・ラデツキー(ABT)
湯川麻美子(新国立劇場)
アラン・ヴィンセント(ニューアドベンチャーズ)

<観てもいいけどどうでもいい>
マチュー・ガニオ(パリオペラ座)

バレエの感想で思うのは、厳密なテクニックはさておき、観て感じる芸術というのは結局観る側の好き嫌いに左右されるところが大きいので、好きな人には何をいってもそれが好きという事実を変えられないし、嫌いなものの良さをいくら力説したところで、好きになることはできないってことだ。(上野水香みたいにテクニック的にも疑問があるダンサーもいるわけだが)

たとえばヴィシニョーワが嫌いなのは、清楚さのかけらもなく、何を演じても魔性の女に見えてしまうのと演技が濃厚すぎることだが、テクニック的には文句がつけようがない、ヴィシニョーワというバレリーナが嫌いなのだから、彼女のよさを周り中の人々が力説したとしても、おそらく一生彼女の踊りを好きになることはないだろうな、と思う。たとえば彼女がすごく年を取って演技の質が変わったら好きになるのかもしれないけど。だから、自分の好きなカンパニー(ABT)で、好きな演目(「マノン」など)を踊られたら本気で頭に来ると思う。実際おそらく来年のMETシーズンではマノンを踊るつもりらしいけど。

でも来月行く予定の、兵庫県立芸術文化センターでのオープニングガラでは、ニジンスキー版の「春の祭典」の付録でもれなくヴィシニョーワの「ロミジュリ」がついてきてしまうのだよね。

2005/10/17

「コニー&カーラ」

TSUTAYAの会員証が切れるので更新しなきゃ、と更新しに行ったら1枚ソフトが無料で借りられるということなので、レジの近くにあった「コニーとカーラ」を借りる。公開されたときに観たいと思っていたんだけど見逃した一本。

売れない女性エンターテインナーのコニーとカーラは幼馴染。彼女たちの芸風は時代に取り残されているものだから客席は閑古鳥。ブレイクするための資金にギャングからお金を借りたことから、偶然殺人を目撃してしまい、彼らに追われる羽目に。LAに逃げ込んだ彼女たちは、憂さ晴らしにクラブに入って、そこでドラッグクイーンのオーディションが開かれることを知る。彼女たちは男と偽りドラッグクイーンに変身し、やがてスターになるのだが…

この映画の勝因は、まずはコニーとカーラを演じた二人の女優、ニア・ヴァルダロスとトニ・コレットにあるだろう。ドラッグクイーンのメイクが似合いすぎるのだ。特にトニ・コレットは顔のパーツが大きくて個性的なため、とても女が演じているとは思えないほどのハマり方。歌と踊りもイケているし、コメディ演技はお手の物。

彼女たちを始め、スタッフがミュージカルやショービジネスを熟知しているので歌と踊りのシーンがとてもいいし選曲も、いかにもオネエ様方が好きそうで絶妙。なんと全31曲とミュージカル映画も顔負けの歌とダンスが満載なのだ。しかも過剰なほどのキャンプなゴージャスさ。登場するシーンごとに彼女たちの衣装もメイクも髪型も違っていて、これを見ているだけでもめっちゃ楽しい。クラブに出入りするきらびやかだけどどこかさみしさも抱えたドラッグクイーンたちはみな、愛すべきキャラクターの持ち主。

レンタル用DVDにも特典として削除されたシーンやメイキングがついているのだけど、特に「ドラッグクイーンの作り方」と題されたメイキングがもの凄く面白いので、こちらも必見。どれほど多くの衣装とカツラを用意したかがよ~くわかる。

いくら外見がドラッグクイーンっぽいからといって、彼女たちが女であることがばれないのはちょっとうそ臭いシ、多少ご都合主義のところもあるけど、面白い作品だからまあいいか。ついに実は女であることをカミングアウトするシーンもうまく処理している。ありのままの自分の姿で生きることの大切さが伝わってきて、ウェルメイドな作品になっていると思う。コニーが好きになる、どうしてもゲイを受け容れられない男性ジェフと、ドラッグクイーンの兄ロバートとの和解に至るまでのエピソードはとても優しい。コニー役のニア・ヴァルダロスが脚本も書いているのだか、非常に良く書けている。同じゲイを扱った作品でも「メゾン・ド・ヒミコ」とは雲泥の差。

ゲイに大人気の往年の大スター、デビー・レイノルズの特別出演が素晴らしい。単なるカメオに留まらず、映画のオチをつけるための役割を見事にこなしている。いくつになってもスターの輝きがあっていいね。

レンタルで観たけど、悲しいときに観て元気をつけられそうだから、ソフトが欲しいな、と思った一本。

2005/10/15

シン・シティ SIN CITY

監督:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス
出演:ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、イライジャ・ウッド、ベニチオ・デル・トロ、ジェシカ・アルバ、ブリタニー・マーフィ、ロザリオ・ドーソン、デヴォン・アオキ、カーラ・グギーノ、ジェイミー・キング、ジョシュ・ハートネット、マイケル・クラーク・ダンカン、ルドガー・ハウァー、マイケル・マドセン、ニック・スタール

グロイって聞いていたのでどうしよう~って思っていたけど、モノクロームに部分着色のクールでスタイリッシュ、グラフィック・ノベル的な画面ということもあり、全然大丈夫だった。

この映画めちゃめちゃ面白かったよ。久しぶりに映画を楽しんだ気分。実は金曜日ですごく疲れていたので、サイコキラーなイライジャ・ウッドのシーンのところで一瞬意識を失ってしまい、気がついたらイライジャは生首になっていたのが残念。

3つのエピソードの主人公は、それぞれが愛した女のために、半端じゃないほどの命がけな行為を行い、(全員ではないけど)ラストは男らしく、幸せな記憶とともに散っていくという美学が感じられた。だから、単なるアメコミの映画化という作品に留まらず、奮い立ちたくなるほど魅惑的な一本に仕上がっているのだろう。もともとの原作がこういう話だということだけど。

アメコミの映画化だしな~と思っていたら思いっきりフィルムノワール。それぞれのエピソードの主人公のモノローグで語られているところなんてまさにそう。ミッキー・ロークの原形をとどめない顔にはびっくりしたけど彼が演じたキャラクター、マーヴは異常に渋くてしびれる。これはレイモンド・チャンドラーの「さらば愛しき女よ」の大男と同じだ、と思ったらやっぱりパンフレットにもそう書いてあった。ただ一人、醜い自分を愛してくれた女ゴールディを殺した犯人を求めて復讐の鬼となり、ありえないほどの行為を重ねていく。ヴァイオレンスの塊となりながらも愛のために突き進んでいく様子には涙、涙である。エピソードの終わり近くにゴールディの双子の姉妹が出てきて「ゴールディと呼んでいいのよ」。添い寝するシーンの温かさ。

ブルース・ウィリスが退職を目前に控えた実直な警官を演じたエピソードは、少女ナンシーとの8年間に及ぶエピソードが泣かせる。ブルース・ウィリスってこんなにかっこよかったっけ?ナンシーとの別れのシーン、そして再会、それぞれ胸をえぐるように美しい。ジェシカ・アルバがまたかわいいんだよね。11歳の女の子がそのまま大きくなったという感じ。

クライヴ・オーウェンのエピソードは一番笑える。このエピソードは、女たちのボスであるロザリオ・ドースンの男前ぶりも魅力的だが、ベニチオの役…すごいね。面白すぎる!あっさり殺された割にはその後が。この部分の演出だけ、タランティーノが行っているということだけどたしかにタランティーノっぽい。死体がしゃべったり、首の切れた部分がスーハー言ったり、それからあんなことやらこんなことやら死んでいるはずなのになかなか死なせてもらえない。日本刀と手裏剣の使い手デヴォン・アオキの存在感がすごい。一言も発しなくて、最強というか最凶というか、強烈。返り血やタールを顔に浴びた方が魅力的に見えるし。半裸の強くてワイルドでセクシーな、女豹のような女たちがガンを構えたところ、しびれるね。
個人的には、腹に矢が貫通して「矢が刺さったよ~」って一人でしゃべっていて誰にも相手にしてもらえなかった人が最高におかしかった。

見逃したイライジャのシーン観るためにもう一回観ようかな。珍しくパンフレットまで買ってしまったし。パンフレット、読み応え十分。キャストもびっくりするくらい豪華。ロアール枢機卿役は青く澄んだ目が相変わらず美しいルドガー・ハウァー、ブルース・ウィリスの同僚の刑事にマイケル・マドセン、レズビアンの保護監察官にカーラ・グギノと脇役までしっかりと気を配っている。女性がみんなアニメから抜け出したような、現実感が乏しいほどのダイナマイトバディの持ち主なのも楽しいね。

http://www.sincity.jp/index2.html

ひるめしさんの感想はこちら

2005/10/14

ダーシー・バッセル、プリンシパルを引退

ダーシー・バッセルが2005年/2006年シーズンを最後にロイヤル。バレエのプリンシパルから、プリンシパル・ゲスト・アーティストとなることを表明したという記事が載っています。
http://news.scotsman.com/latest.cfm?id=2083592005

http://www.ballet.co.uk/dcforum/news/2973.html

理由としては、家族と過ごす時間をもっと増やしたいためということだそうで、まだ小さい二人の娘さんと一緒にいたいということなのでしょう。クラシックの全幕作品で主役を踊れるうちに引退(というのが正しいかどうかはわかりませんが)したいとのこと。
引き続きプリンシパル・ゲスト・アーティストとしてロイヤルの舞台に立つそうです。ギエムのような立場としてたくさん出てくれると良いのですが。まだ36歳ですし、先日のロイヤル来日公演での「マノン」の圧倒的な素晴らしさ―演技力、表現力、テクニックのすべてが完璧―には打ちのめされたので、(「シンデレラ」のお姫さまぶりも素敵だった)残念というかショックです。まさにキャリアのピークで終止符を打ってしまうとは。ジョナサン・コープに続いてまた一人イギリス人が去ってしまいますね。

2005/10/13

ABT関連で気になるニュースが

Ballet Talkで話題に上っていたのだけど、ABTのプリンシパルであるジリアン・マーフィが、来年の秋から一年間、イーサン・スティーフェルが芸術監督を務めるオレンジ・カウンティのBallet Pacificaに出演するため、ABTに出演しないとのことです。よってその年のシティセンターシーズンと翌年のMETシーズンにはジリアンが不在となるということですね。ただし、一年間カンパニーを離れる件については、ABTのケヴィン・マッケンジーと話し合っている最中で、まだ結論は出ていないとのこと。

詳しくはここのイーサン&ジリアンのインタビューで(記事閲覧には登録が必要)
http://www.ocregister.com/ocregister/entertainment/arts/article_705808.phpイーサンの最新写真も見られます。

来日公演でも露呈されたように、ABTの場合、女性ダンサーの層の薄さが大問題となっています。フェリ、アナニアシヴィリは40歳を超えてしまったしゲストプリンシパルという立場。パロマ・ヘレーラは来日公演ではボロボロの出来で踊りが雑。ジュリー・ケントもそろそろ限界。新しいプリンシパルのミシェル・ワイルズは明らかに実力不足。アマンダ・マッケローが引退しアシュリー・タトルも退団してしまった今、個人的な見解ですが、ABTのプリンシパルでいいと思えるのはイリーナ・ドヴォロヴェンコ、シオマラ・レイエスそしてジリアン・マーフィ。イリーナとシオマラは30代だけど、ジリアンはまだ若く、テクニシャンでABTを背負って立てる人材。それなのに、1年間不在となってしまうとは。ABT、大丈夫なんだろうか?ソリストには、ステラ・アブレラやマリア・リチェット、エリカ・コルネホといった優れた人材が揃っているから彼女たちには頑張って欲しいところ。

そしてBallet Pacificaはイーサンのインタビューによれば、相当気合をいれてメジャーなカンパニーにしようと努力しているよう。元ABTプリンシパルでイーサンの相手役としても活躍したアマンダ・マッケローがバレエ・ミストレスに、アマンダの夫ジョン・ガードナーもアカデミーの教師として迎えられた。ジリアンは、(ボーイフレンドであるイーサンを助けるというのもあるだろうけど)アマンダを慕っているため、こちらで活動したいと語っている。

http://www.ocweekly.com/ink/05/50/art-khuri.php 
にアマンダ&ジョン・ガードナー夫妻についての関連記事(写真入り)
http://www.playbillarts.com/news/article/3055.html

イーサンはバランシン版の「くるみ割り人形」の上演権も得て、サシャ・ラデツキーとステラ・アブレラが客演する予定。さらに、それ以外に3本新作を上演する計画だという。今まで行っていなかったツアーを開始するためにブッキング・エージェントと契約し、できることなら本拠地となる劇場も得て、全米から資金を集めようとしているのだからたいしたものだ。というか、イーサン、将来はABTの芸術監督になったらいかがなんでしょうか。

2005/10/12

ミラノ・スカラ座「白鳥の湖」(ザハロワ&ボッレ)

スヴェトラーナ・ザハロワとロベルト・ボッレという当代きっての長身美男美女カップルが主演。ホントにぽ~としてしまうほど美しい。ザハロワは何しろ脚のラインがすごいし甲も高いし、ほっそりとしてしなやかな腕の表現力も素晴らしくて儚げな白鳥を好演。「白鳥の湖」の場合、大抵のバレリーナはオディールを演じると急に生き生きしちゃうものだけど、ザハロワは断然白鳥がいい。悲しいほどに美しい、この世のものとは思えない生き物。黒鳥も邪悪な感じで悪くないけど、グランフェッテでちょっと軸がずれてきているのが残念。

ボッレも王子様を踊るために生まれてきたような美しさ。ギリシャ彫刻のような肉体美は衣装に隠れてしまっているけど、憂いを秘めた彫りの深い顔立ちに青い瞳の麗しさ。「白鳥の湖」の王子というのはマザコンバカだというのが相場で、実際彼の王子もマザコンバカなんだけど、それでもなお素敵だというのが素晴らしい。ただのバカ王子ではなく、大切に大切に育てられて、気だてがよくてきちんとした青年に見受けられる。その上アモーレって感じで情熱的なのだから言うことなし。

この美しい二人の2幕は、夢のように美しく、夜の闇に溶けてしまいそうなほど儚い。ボッレは演技力もあるので、彼のオデットに魅せられていく、恋する気持ちが手にとるようにわかるし、気品があるし、青く深い瞳の中に吸い込まれそうだ。ザハロワに白いクラシックチュチュを着せるのは、もうズルイって感じ。お人形さんのような小さな顔に長くてしなやかな手脚。今、彼女以上にチュチュが似合う人はいないだろう。

さて、この版はブルメイステルということで、通常のプティパ版とは大分演出が違う。2幕はイワーノフなので、マイムが少ないのを除けばいつもの白鳥と同じなのだが。まず、プロローグが付いている。娘の姿をしたオデットが、悪魔ロットバルトの手にかかって白鳥に変えられてしまう。(ABTのマッケンジー版の白鳥も同じモチーフ)通常3幕の黒鳥のPDDで使われる曲が、1幕の王子のソロとなっている。そして、3幕の黒鳥のPDDが、チャイコフスキー・パ・ド・ドゥで使われている曲となっている。キャラクターダンスが全部ロットバルトの手下という設定は好きなのだけど(東京バレエ団版もそう)、黒鳥のPDDの曲が、しっとりとしすぎていて盛り上がりに欠けるのはあまり面白くない。王子はピルエットを披露しないし。3幕のイケイケさが好きな自分には物足りない。

もう一つの特徴は、最後に王子とオデットが悪魔に打ち勝つというところ。なんと、情けないはずの王子が堂々と悪魔に戦いを挑んで勝利するのだ。ドライアイスと青い布によって演出された波に翻弄され、のたうちまわって倒れこむ王子が、しっかり立ち上がるのはなかなか頼もしい。熱くてラテンでかっこいいし、ボッレの演技力のおかげでその筋書きに説得力がある。そしてオデットも最後にはしっかりと娘の姿に戻る。ラストのザハロワの笑顔が晴れやかで素敵。

他のキャストはそんなにレベルは高くはないのだけど、コール・ドはそこそこ揃っているといえるので、許容範囲。男性ダンサーはさすがにイタリア男、ハンサムな人が多い。道化のアントニーノ・ステラはすごくテクニシャンってわけではないが、愛嬌があってよく跳ねていて、とても好感が持てる。1幕の活躍ぶりは大したもの。ロットバルトは、真っ赤な頬紅にちょっとうけてしまった。指揮者のジェイムス・タクル、ピカッと光るスキンヘッドが凛々しくてなかなか素敵な方である。 いずれにしても、美しいものを堪能したい人にはお勧め。

オデット/オディール: スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子: ロベルト・ボッレ
ロットバルト: ジャンニ・ギズレーニ
道化: アントニーノ・ステラ
王女: サブリナ・ブラッツォ
王妃: フラヴィア・ヴァローネ
2004年 ミラノ・アルチンボルディ劇場にて収録
振付:ウラジーミル・ブルメイステル
レフ・イワーノフ(第2幕)
音楽:チャイコフスキー
演奏:ミラノ・スカラ座管弦楽団
指揮:ジェイムス・タグル

2005/10/10

東京国際映画祭に思う

毎年東京国際映画祭では大体20本くらいは映画を見て、会社も休んじゃったりしていたんだけど、映画を前ほど見なくなってしまって、その上東京国際映画祭がほとんど六本木に移転して、韓流ブームもあったりしてチケットの入手が難しくなってしまったこともあり、年々観る本数が減ってしまった。それに、11月の頭は当初NYに行こうと思っていたので、それがだめになってしまった今、映画を見るのも却って哀しくて。

ラインアップを見るとそれなりに面白そうだとは思ったものの、スケジュール入りのチラシは出回っていないし、ホームページはひどく見づらいし、周りの映画好き友人のテンションも下がっているし、朝早くから並んでチケットをとる気にもならず、昼頃にネットで取ろうとしたらすでに観たい映画はほとんど売切れだった。ダニエル・ウーやフランシス・ンといった好きな俳優が出る作品はいうまでもないが、深夜12時過ぎから上映開始のラジニカーント主演のインド映画まで売切れだったのはショック。スーパースター・ラジニカーントを大画面で堪能したかったのに。他の映画はいいにしてもコレだけは死ぬほど悔しい。

なんで六本木みたいに交通の便は悪く食事も充実しておらず狭い会場のすかしたところで映画を観なくちゃいけないのか。しかも前は1000円だったのが、いまや1500円と、ロードショー作品と値段は変わらない。去年も、当日券の有無を問い合わせようと電話しても、「わかりません」とかなめたことを言っていて頭に来た。挙句の果てには、六本木まで交通費をかけて出かけていったのに売り切れていて、他の作品やロードショーの映画にだって時間が合わずとぼとぼと帰る羽目になったのだ。ホント東京国際映画祭の運営体制は最悪である。百歩譲って六本木でやるんだったら全スクリーン映画祭で埋め尽くすくらいの事をしてみろってんだ。

そういうわけで、とりあえず「アジアの風」の作品4本くらい取ってみた。ツァイ・ミンリャンの新作と、クァク・ジェヨン(「猟奇的な彼女」の監督)の旧作、それからタイ映画とフィリピン映画を一本ずつ。ようやくスケジュール入りチラシも入手したので、気が向いたらコンペ作品なども買ってみよう。映画祭を見るようなコアな映画ファンは死滅したと思っていたのに、これだけチケットが売り切れているってどういうことなんだろうか?アジア映画のオタクはさらにマニア化しているってこと?

ラジニカーントの映画だけは、当日券にでも並ぶしかないのかな~がんばろうっと。

http://www.tiff-jp.net/

2005/10/09

ギュスターヴ・モロー展

ギュスターヴ・モローといえば一番好きな画家なのである。オルセー美術館で「出現」を見たのがそもそものきっかけだけど、95年の国立西洋美術館のモロー展は素晴らしかった。あの時に当時の彼(同じくモロー好き)と行ったのだが、図録を買おうとしたら色彩がダメだから買うな、なんて言われて買わなかったので、一生恨んでいる。

mor50

特にパリにあるギュスターヴ・モロー美術館の素晴らしさといったらもう、あそこでだったら死んでもいいと思うほどである。モローが実際に住んでいた邸宅に、すべての壁一面にぎっしりモローの絵画が満載なのだから。NYに行けば、必ずメトロポリタン美術館に行って、「オイディプスとスフィンクス」を観に行ってはしばし佇む。(よって、最近では毎年1~2回は見ていることになる)

モローの絵の夢の中のような深くて重厚な神話的世界。そして彼の「青」の使い方がたまらなく好きだ。ラファエル前派も好きなんだけど、それよりもダークで不気味で残酷で怪物的で美しいものに魅せられているのだ。

さて、今回のBunkamuraザ・ミュージアムでのモロー展はすべてギュスターヴ・モロー美術館からの出展である。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/event/moreau/
同美術館所蔵の作品で今回でているかな、と期待していたものの多くが展示されていなくてちょっとガッカリした部分もある。「レダと白鳥」のモチーフの作品もいくつか出ているのに、私が一番好きなものは今回ない。まあ仕方ないと思うけど。「死せる詩人を抱えるケンタウロス」が前期のみの出展ってどういうことよ。それと、完成品ではなくて顔などが描きこまれていない作品が多い(完成品もあるはずのものでも)
それはさておき、それでも「出現」「聖セバスチャン」「一角獣」などの本物が見られるのはやっぱり嬉しい。
あと、「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」の不気味さがよかった。6つの頭のある化け物ヒュドラの頭が妙にリアルで邪悪そのものなのがすげえ怖い。夢に出てきそう。

習作や素描が今回とても多いのだけど、習作を見ているだけでもとても面白い。一つの作品を作り上げるのに、相当構想を練って、何回も何回も描き直しているのがわかる。構図を考えるのに様々な角度から描いてみたりして試行錯誤を重ねているのだ。神話をベースにした作品が多いのだけど、相当勉強もしているようだ。

私は今回「詩人」というモチーフが気に入った。竪琴を持っている若いお兄さん。インド人の詩人もいるけど。バレエ「ライモンダ」に出てくる吟遊詩人のベランジェとベルナールを思い出しちゃった(そんなヤツは自分だけだと思うけど)。
神様系、それからケンタウロスとか、キマイラといった半人半獣みたいなモチーフも大好きなのでそういうのが出てくるとうひょうひょしてしまう。それにしてもユピテルってえらい神様は女の人をさらっては子供を産ませるという、とんでもないエロ星人だったもよう。

色々と文句はつけつつも、夢幻の世界に浸ることのできた2時間。前期も行きたかったよ。まあ、年末には多分本場モロー美術館に行けると思うので、というかますます行かなくちゃという気持ちになってきたのであった。10年前のリベンジってわけで、カタログも買ったけど印刷であの色彩の深い美しさを再現するのは至難の業で、本物を見なくちゃ、とつくづく思った。

モローの作品はここでいっぱい観ることができます。
http://www.ne.jp/asahi/art/dorian/M/Moreau/Moreau.htm

primaroseさんの感想はここ

2005/10/07

落語版「ジゼル」、柳家花緑「おさよ」

小林十市さんの弟としてバレエファンにはおなじみの落語家、柳家花緑。
「ジゼル」の舞台を江戸時代の田園地帯に置き換えて自ら脚色し、自身でドビュッシーの曲(「月の光」「亜麻色の髪の乙女」も弾いているという異色の落語作品なのだ。


ジゼルが「おさよ」、アルブレヒトは新三郎、ヒラリオンは半ちゃん、バチルドは葵姫と置き換えられている。

うまいなあ、と思ったのは、ジゼルをそのまんま落語化したのでなく、落語ならではの人情味とか、日本的な部分も付け加えていること。おさよと葵姫ののろけ話のやり取りなどは絶妙だし、半ちゃんがアルブレヒトの正体を暴いたところから、おさよの死の場面の処理の展開もがくどくなくていい。さらにユニークなのは、ウィリたちの表現。落語だとビジュアルがなく、耳からだけの情報となるわけなので難しいところなのだが、幽霊=ウィリたちがとてもおしゃべりだという設定で、それぞれがどうやってウィリになるに至ったのかの語りがコミカルで面白い。あと半ちゃんがとてもまっすぐでいいヤツだったりとか、色々と工夫がなされていて。ちょっと笑えたりするところが、ジゼルという作品の悲しい恋の話に効果的なアクセントを加えている。難を言えば新三郎=アルブレヒトのキャラクターがちょっと薄味かなあ。でも、結局ジゼルはジゼルの話なのでこれでいいのだ。

何回かは落語を聞きにいったことはあるものの、ほとんど素人の自分にとってもこれは面白かった。ライナーノーツは、十市さんと花緑さんの兄弟対談となっていて、これまた面白い。落語を聞いたことがないバレエファンにもお勧め。

2005/10/05

The Ballet Companion: A Dancer's Guide to the Technique, Traditions, And Joy of Ballet

ABTのジリアン・マーフィのかわいらしい表紙写真に惹かれて思わず注文。
Side B-allet / Yuki's Web Pageさんからの情報で知りました)

サイズはB5版とあまり大きくはないものの、331ページとボリュームはたっぷり。基本的にはバレエの教則本で、ABTのマリア・リチェットと、NYCBのベンジャミン・ミルピエがお手本を示して、ストレッチからプリエ、ロン・ドゥ・ジャンブなどのバーレッスン、そしてアレグロ、ピルエットまで多くのの写真で解説を加えている。日本のバレエ教則本だとお手本となるダンサーが巻きスカートとか穿いていて脚が見えなかったりするのだけど、ここではマリアはちゃんとシンプルなレオタード一枚。それにしても、彼女は小柄だし脚も決して長くなくて日本人のような体型なのに、アラベスクをさせると本当に美しい。5番ポジションの美しさも惚れ惚れとするほどだ。ミルピエも、さすがフランス語で「千の脚」という意味の名前だけあって足先がきれい。ふくらはぎが筋肉でぼこっとしているけど。

あとは、解説でポアントの選び方や音楽性、バレエを習うに当たっての心構えなどが書いてあるとともに、解剖学や怪我の防止についても図解入りで説明。それと、バレエの歴史(年表つき)や、ワガノワ、フランス、チェケッティ等メソッドの違い、観るべき作品(振付家別)などについても、豊富な写真で解説。ニジンスキーの写真など、図版はすべてモノクロながらも充実している。英語が読める人だったら、バレエを習っていなくて面白く読めるはず。
バレエをちょっと習っていて、観るほうも好きで知識を身につけたい人にはとても役に立つ本と思う。意外とお値段もお手ごろだし、お勧め。リチェット&ミルピエだけでなく、表紙になっているジリアン・マーフィなどの写真も中に載せて欲しかったというのはちょっと贅沢なことかな?裏表紙にはアンヘル・コレーラらの推薦文もある。「すべてのダンサーの本棚にあるべき本」だって。

Applause Applause!さん(下トラックバック参照)で、この本の著者のサイン会のこと等も書かれています。

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »