ABT関連で気になるニュースが
Ballet Talkで話題に上っていたのだけど、ABTのプリンシパルであるジリアン・マーフィが、来年の秋から一年間、イーサン・スティーフェルが芸術監督を務めるオレンジ・カウンティのBallet Pacificaに出演するため、ABTに出演しないとのことです。よってその年のシティセンターシーズンと翌年のMETシーズンにはジリアンが不在となるということですね。ただし、一年間カンパニーを離れる件については、ABTのケヴィン・マッケンジーと話し合っている最中で、まだ結論は出ていないとのこと。
詳しくはここのイーサン&ジリアンのインタビューで(記事閲覧には登録が必要)
http://www.ocregister.com/ocregister/entertainment/arts/article_705808.phpイーサンの最新写真も見られます。
来日公演でも露呈されたように、ABTの場合、女性ダンサーの層の薄さが大問題となっています。フェリ、アナニアシヴィリは40歳を超えてしまったしゲストプリンシパルという立場。パロマ・ヘレーラは来日公演ではボロボロの出来で踊りが雑。ジュリー・ケントもそろそろ限界。新しいプリンシパルのミシェル・ワイルズは明らかに実力不足。アマンダ・マッケローが引退しアシュリー・タトルも退団してしまった今、個人的な見解ですが、ABTのプリンシパルでいいと思えるのはイリーナ・ドヴォロヴェンコ、シオマラ・レイエスそしてジリアン・マーフィ。イリーナとシオマラは30代だけど、ジリアンはまだ若く、テクニシャンでABTを背負って立てる人材。それなのに、1年間不在となってしまうとは。ABT、大丈夫なんだろうか?ソリストには、ステラ・アブレラやマリア・リチェット、エリカ・コルネホといった優れた人材が揃っているから彼女たちには頑張って欲しいところ。
そしてBallet Pacificaはイーサンのインタビューによれば、相当気合をいれてメジャーなカンパニーにしようと努力しているよう。元ABTプリンシパルでイーサンの相手役としても活躍したアマンダ・マッケローがバレエ・ミストレスに、アマンダの夫ジョン・ガードナーもアカデミーの教師として迎えられた。ジリアンは、(ボーイフレンドであるイーサンを助けるというのもあるだろうけど)アマンダを慕っているため、こちらで活動したいと語っている。
http://www.ocweekly.com/ink/05/50/art-khuri.php
にアマンダ&ジョン・ガードナー夫妻についての関連記事(写真入り)
http://www.playbillarts.com/news/article/3055.html
イーサンはバランシン版の「くるみ割り人形」の上演権も得て、サシャ・ラデツキーとステラ・アブレラが客演する予定。さらに、それ以外に3本新作を上演する計画だという。今まで行っていなかったツアーを開始するためにブッキング・エージェントと契約し、できることなら本拠地となる劇場も得て、全米から資金を集めようとしているのだからたいしたものだ。というか、イーサン、将来はABTの芸術監督になったらいかがなんでしょうか。
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