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2005/10/12

ミラノ・スカラ座「白鳥の湖」(ザハロワ&ボッレ)

スヴェトラーナ・ザハロワとロベルト・ボッレという当代きっての長身美男美女カップルが主演。ホントにぽ~としてしまうほど美しい。ザハロワは何しろ脚のラインがすごいし甲も高いし、ほっそりとしてしなやかな腕の表現力も素晴らしくて儚げな白鳥を好演。「白鳥の湖」の場合、大抵のバレリーナはオディールを演じると急に生き生きしちゃうものだけど、ザハロワは断然白鳥がいい。悲しいほどに美しい、この世のものとは思えない生き物。黒鳥も邪悪な感じで悪くないけど、グランフェッテでちょっと軸がずれてきているのが残念。

ボッレも王子様を踊るために生まれてきたような美しさ。ギリシャ彫刻のような肉体美は衣装に隠れてしまっているけど、憂いを秘めた彫りの深い顔立ちに青い瞳の麗しさ。「白鳥の湖」の王子というのはマザコンバカだというのが相場で、実際彼の王子もマザコンバカなんだけど、それでもなお素敵だというのが素晴らしい。ただのバカ王子ではなく、大切に大切に育てられて、気だてがよくてきちんとした青年に見受けられる。その上アモーレって感じで情熱的なのだから言うことなし。

この美しい二人の2幕は、夢のように美しく、夜の闇に溶けてしまいそうなほど儚い。ボッレは演技力もあるので、彼のオデットに魅せられていく、恋する気持ちが手にとるようにわかるし、気品があるし、青く深い瞳の中に吸い込まれそうだ。ザハロワに白いクラシックチュチュを着せるのは、もうズルイって感じ。お人形さんのような小さな顔に長くてしなやかな手脚。今、彼女以上にチュチュが似合う人はいないだろう。

さて、この版はブルメイステルということで、通常のプティパ版とは大分演出が違う。2幕はイワーノフなので、マイムが少ないのを除けばいつもの白鳥と同じなのだが。まず、プロローグが付いている。娘の姿をしたオデットが、悪魔ロットバルトの手にかかって白鳥に変えられてしまう。(ABTのマッケンジー版の白鳥も同じモチーフ)通常3幕の黒鳥のPDDで使われる曲が、1幕の王子のソロとなっている。そして、3幕の黒鳥のPDDが、チャイコフスキー・パ・ド・ドゥで使われている曲となっている。キャラクターダンスが全部ロットバルトの手下という設定は好きなのだけど(東京バレエ団版もそう)、黒鳥のPDDの曲が、しっとりとしすぎていて盛り上がりに欠けるのはあまり面白くない。王子はピルエットを披露しないし。3幕のイケイケさが好きな自分には物足りない。

もう一つの特徴は、最後に王子とオデットが悪魔に打ち勝つというところ。なんと、情けないはずの王子が堂々と悪魔に戦いを挑んで勝利するのだ。ドライアイスと青い布によって演出された波に翻弄され、のたうちまわって倒れこむ王子が、しっかり立ち上がるのはなかなか頼もしい。熱くてラテンでかっこいいし、ボッレの演技力のおかげでその筋書きに説得力がある。そしてオデットも最後にはしっかりと娘の姿に戻る。ラストのザハロワの笑顔が晴れやかで素敵。

他のキャストはそんなにレベルは高くはないのだけど、コール・ドはそこそこ揃っているといえるので、許容範囲。男性ダンサーはさすがにイタリア男、ハンサムな人が多い。道化のアントニーノ・ステラはすごくテクニシャンってわけではないが、愛嬌があってよく跳ねていて、とても好感が持てる。1幕の活躍ぶりは大したもの。ロットバルトは、真っ赤な頬紅にちょっとうけてしまった。指揮者のジェイムス・タクル、ピカッと光るスキンヘッドが凛々しくてなかなか素敵な方である。 いずれにしても、美しいものを堪能したい人にはお勧め。

オデット/オディール: スヴェトラーナ・ザハーロワ
ジークフリート王子: ロベルト・ボッレ
ロットバルト: ジャンニ・ギズレーニ
道化: アントニーノ・ステラ
王女: サブリナ・ブラッツォ
王妃: フラヴィア・ヴァローネ
2004年 ミラノ・アルチンボルディ劇場にて収録
振付:ウラジーミル・ブルメイステル
レフ・イワーノフ(第2幕)
音楽:チャイコフスキー
演奏:ミラノ・スカラ座管弦楽団
指揮:ジェイムス・タグル

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コメント

お久しぶりです。
このDVD、実は買ってあるのに時間がなくてまだ見ていないんですが、
naomiさんのレポを読む限りでは、かなり期待できそうですね!
ザハロワ出演の白鳥の湖は、新国とレニングラードに客演した時に観ました。
柔軟性にあふれた優美な動きは、まさに白鳥そのもの。この世のものとは思えない美しさでした。ザハロワは、オディールよりもオデットがいいですね。

く~てんさん、ゴ無沙汰しています。スペインガラ以来ですね。
演出はちょっと微妙なところがありますが、ザハロワとボッレの美しさは特筆モノ!私はザハロワの白鳥は生で見たことがないので、今度の新国立劇場のはちょっと見てみたいな、と思っています。ボッレは東京バレエ団の客演で見ましたよ。
ザハロワはオデットの方がいいというのは同感です。
実はコレ、友達に借りたものなんですが自分でもほしくなりました。

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