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« 愛についてのキンゼイ・レポート | トップページ | アンヘル・コレーラとABTの仲間たちカレンダー&スクリーンセーバー »

2005/09/15

メタリカ:真実の瞬間:Some Kind of Monster

メタリカっていえば私の青春の一部なのであり、ファーストアルバムをリアルタイムで聴いたのであった。初来日公演が大学受験と重なってしまって泣く泣く断念し、隠し録音テープを擦り切れるまで聴いたし、今となってはとてもレアな「Garage Days Revisited」のピクチャーLPなんかも持っている。コンサートは大人になってから行った。
でも、やっぱり多分にもれずブラック・アルバムあたりで挫折して、LOADは買ったけどあまり聴いていなくて…。メタリカはやっぱり「Kill'EM ALL」「Ride the Lightining」「Master of Puppets」の3枚に尽きると思っているのだった。(「..and Justice for All」も良かったけど同時期に出たMEGADETHのアルバムの方が好きだったりして)
なので、この映画を観て一番嬉しかったのは、本当に初期の頃の映像も少し観られることだ。デイヴ・ムステインや、故クリフ在籍時の映像は涙なくして観られない。

さて、この映画は、現時点で最新作となっている「St.Anger」のレコーディング期間およそ2年間をドキュメンタリー映画として製作したもの。ベーシストのジェイソン・ニューステッドの脱退から始まり、ジェイムズ・ヘットフィールドがアル中のリハビリのために1年以上の長期にわたって戦線離脱。その後も、メンバーの激しい確執などがあって月額4万ドルという大枚でサイコセラピストまで雇い、700日かけてアルバムが何とか完成しツアーに出発するまでが描かれている。

すごいなあ、と思ったのはイメージダウンも恐れず、メンバー(主にジェイムズとラーズ)の対立を赤裸々に収録しているところ。ジェイムズに向かってラーズがすごく顔を近づけて「Fuuuccccccck You!」って言い放つところなど強烈。お互いに歯に衣を着せずにボロクソに批判しあっていて、バンドは空中分解の危機へ。(そんな中一人飄々としていてサーフィンとかしているカーク・ハメットがいい味を出している)
ジェイムズとラーズとカークはもう20年以上も一緒にやってきていて、長年一緒に活動した上での積年のストレスとか不満とかの爆弾を抱えていて、今にも大爆発しそうな状態となっている。そんなところを包み隠さずキャメラは捉えている。
まあ、なんとかアルバムが無事リリースされ解散の危機が回避されたからこそ、この映画も封切られたのだろうしそういう意味でメタリカは「勝った」わけである。

曲や歌詞が作り出されて行く過程も実にこと細かく描かれていて、特にメタリカのファンでなくても、創造ということに興味がある人だったらとっても面白く観られること請け合い。さらに、仕事上の人間関係の解決のヒントにもなる。ラーズは非常に賢い男で、メタリカとはどうあるべきかというのを常に考えている。なにやらとんでもない現代美術のコレクションを持っていたという意外な一面も見せている。スラッシュメタルのバンドの一員というイメージとは程遠い。でも同時に尊大でお子ちゃまなところもあるんだな。

もう一つ面白いな、と思ったのは、なんと現メガデスのデイヴ・ムステインとラーズの20年ぶりくらいの対面シーンが出てくること。メガデスだって累計1500万枚アルバムを売るなど、それなりの成功を収めてきた。しかし、メタリカをクビになったというトラウマは20年もデイヴを苦しめてきて、「あの時辞めていなかったら」「今メタリカにいたら」という負け犬根性の思いがドロドロにあふれているところは相当つらい。「ラジオからメタリカの曲が流れていたら耳をふさぎたくなる」その思いは切ない。このとき、まだハナタレ小僧だった二人が仲良く演奏している映像が流れて、さらに胸が詰まる。あまりにもメタリカは大物になってしまったのだ。でもデイヴ・ムステインはビジュアル的には全然変わっていないな。美少年だったラーズはすっかりおっさんになってしまったのに。

レコーディング前に脱退したジェイソン・ニューステッドの話もちょっとつらいところがある。「セラピー受けるなんて馬鹿馬鹿しい!」人間関係ってこうやって壊れてしまい、それがお互いに深い傷を負わせてしまうのだってことがよくわかって切ない。

年がばれてしまうけど、デビューしてから20数年。自分だって中学生だったのがすっかりいい年になってしまったし、彼らもすっかり太ったりおっさんになったり、あんな過激な音楽を作っていたのがジェイムズなんか娘をバレエ教室に通わせていたりすっかりマイホームパパなんかになっちゃっている。ラーズも上半身裸になると唖然としてしまうくらいおっさん体型だし。(ここでも一人、少し頭は薄くなったもののあまり変わっていないのがカーク・ハメット)そしてバンドの問題にセラピストを雇って人間関係を何とか解決しようとするところとか、実質的なメンバーとなっているプロデューサーのボブ・ロック(彼がメタリカの音楽をつまらなくした張本人とも言われているわけだが)やら、マネージャーやら色々と関係者が出てきて、メタリカっていまや一大ビジネスなんだな、自分が好きだった頃の彼らはここにはいないな、と思ったりして。ナップスター騒動もちょっと出てきて、ファンの大顰蹙を買う彼らを堂々と映し、それに対してガキ大将のように開き直るラーズ。さすが大物。

それでも、困難を乗り越え、新しいベーシストをオーディションで決め(けっこう有名なバンドのベーシストがこぞって受けにきているのが笑える)、録音もどうにか終わり、ツアーに出発。これだけの苦労の過程を見てきた後のライヴには、感慨もひとしお。とりあえず次来日したらまた観に行きたいと思った。所有している初期のアルバムがみんなLPなので、CDで買いなおさなくちゃ、とも思った。このSt.Angerを買おうということに結びつかないところがポイントだが。(追伸:一応メタリカのアルバムを買おうと思ってCDショップに行ったものの、結局買ったのはメガデスのベスト盤&ライブDVDのセットだった)

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映画」カテゴリの記事

コメント

naomiさん、こんにちわ。と言っても覚えてらっしゃらないと思いますが、以前M掲示板でお相手して頂いたことがあります。
そうそう、HR/HM系の話題で盛り上がりましたよね~などと思い出し、おお~と書かれてらっしゃること深く頷きつつTBさせて頂きました。お元気そうで何よりです。では!

shitoさん、こんにちは!
ご無沙汰しています。もちろん覚えていますよ。しかし、shitoさんのブログは拝読していたのに同じ方とは気がつきませんでした。あちゃ~。
実はワタクシshitoさんのレビューを読んで、コ映画を観に行ったんですよ。最近すっかりで不精で川崎でしか映画を観ないもので。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
最近MEGADETHのCD買い込んで毎日聞いています。

はじめまして
some kind of monsterのキーワードで検索していてこのブログを見つけて拝見させて頂きました。
10年近く前のポストにコメントするとは我ながら大胆?ですが...

自分は恐らくnaomiさんと同じ位の年代かと思うのですが、デビューからBlackアルバムまでは大げさでなく青春の一部、位の勢いでMetallicaを愛していました。がLoadアルバムの変化球に戸惑いを覚えて気持ちが離れてしまった口です。そして映画のSome Kind of MonsterをDVDで観て、多少の演出はあると頭の隅において冷静になりつつも人間としての彼らを見て、図らずも巨大な産業になってしまったバンドの中の人として生きていかなければならない宿命を背負わされてしまって苦しんでいるなあと思いましたね。86年頃、Cliffがまだ存命だった頃Ozzyのツアーサポートで穴の開いたスリムのジーンズにTシャツバッシュという出で立ちでBatteryを狂ったように演ってたころを思い出すと実に実に、感慨深いものがあります。
そんな事を思いながら、久しぶりに彼らのアルバム、St.angerを買って聴きましたがこれは本当に、何か吹っ切れたという雰囲気を感じました。同時に今までグジグジ悩んでた俺はなんだったんだ??という怒りを感じたって言うのもありますね、初期の作品程ではありませんがたまに聴いています。
ここ2、3年は四天王ネタで(これはこれで鼻につくんですけど)元気に稼いで(笑)いるようですが時代をひっくり返すようなインパクトのある作品はもう、彼らに期待は出来ないんですかねぇ。そう考えると少し寂しい気分です。

h.ozekiさん、こんにちは。

よくぞこの記事を発掘されました!

やはりメタリカが青春の一部だったのですね!懐かしいです~。今でも彼らは元気で(新しいものはなかなか生み出せないにしても)活躍していると思うと自分も頑張らなくちゃいけないな~って思います。本当に、Batteryなどの頃とは隔世の感がありました。

私もSt.Angerは持っているので、引っ張り出して聞いてみようかなって思います。最近聞いているのはRide the Lightning ばかりだし、コンサートはクラシックばっかり行ってますが。コンサートにも久しぶりに行ってみたいけど、やっぱり観客は自分と同年代の人間ばかりなんだろうなって思います(笑)。四天王がそれぞれ続いているのもすごい…。

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» 『メタリカ:真実の瞬間』('04/米国) [傍流点景]
 サマソニのNINレポもアップしないうちに、何故かメタリカ。サマソニ終わった翌夜に観てきたのだが、あまりにいろいろと面白すぎて、今週で終了だというのにもう一回観たかったなー、と後悔している。  本作は米国のへヴィメタル/スラッシュ・バンドとして一時代を築いたメタリカの、バンド崩壊の危機を乗り越え最新アルバム【St. Anger】を完成させるまでを追ったドキュメンタリー作品である。ロック・バンドのドキュメンタリーとし... [続きを読む]

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