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2005/09/13

愛についてのキンゼイ・レポート

キンゼイ・レポートって学生のときに読んだフェミニズムの本とか、「モア・レポート」とか読んでいたらでてきたので興味を持っていたんだけど。
その上、「ゴッド・アンド・モンスター」のビル・コンドン監督・脚本作品、主演はリーアム・ニーソンってわけでかなり期待していた。昨日観ようと思ったら上映開始時間に間に合わなくて(代わりに「メゾン・ド・ヒミコ」を見る)出直してきた。

いやはや、面白い。
キンゼイって人は、すごく抑圧的な父の下で、くそまじめに育っていて昆虫をひたすら採集していたら気がついたら中年になって、教え子の女学生と結婚する。ところが、結婚した時に処女と童貞だったので初夜がうまくいかない。医者のところに相談しに行って、それがきっかけでセックスの行動に興味を持って、人間の性行動の研究を始めるわけだが…

あくまでも大真面目にセックスの研究をしているうちに、好奇心と研究の一助になれば、と助手の男性と寝たり(そしてその事実を速攻で妻に告白)、挙句の果てに妻とその男性と寝させたり、研究室の人たち同士で夫婦交換を奨励したり、とエスカレート。息子にも変態扱いされる始末。女性の性行動の実際を生で観察までしちゃって。

しかし、世間的に逸脱しているといわれていた同性愛や獣姦に興味を持って、性というのは本当に人それぞれだというとてもリベラルな考えの持ち主だった故、世間の大バッシングを受けたり、共産主義者との関わりを追求されたり、研究資金が下りなくなったりと苦労する。学者バカもここまで来ればすごく立派だと思う。そんな彼についていく妻もたいした度量の持ち主だが、ただ耐えたりするだけではなく、彼の妻らしく大胆な所もあったりするのが小気味良い。調査用のインタビューでも、本当にセックスを楽しんでいて、そのことにまったく罪悪感を持っていない様子が現れていて、すごく魅力的だ。

超堅物の父親とキンゼイの関係、そしてさらに息子との関係に連なって行くところはうまい。特に、ジョン・リスゴー演じる父親に、性行動インタビューをするエピソードはとても切なく胸を打つ。

ラスト近く、レズビアンの女性に感謝されるくだりがとても感動的。しかも、この女性を演じているのが、「ゴッド・アンド・モンスター」で忠実な女中を印象的に演じてオスカーにノミネートされたリン・レッドグレーヴというキャスティングが素晴らしい。

リーアム・ニーソンも、この相当な変人である役を演じるのはすごく大変だっただろうと思うけど、見事に、真面目で頑固ゆえちょっと行き過ぎてしまう、でも誠実な博士を演じていて素晴らしかったと思う。保守的な時代の中で、自分を曲げずに、好奇心の赴くままに突っ走って生き抜いた人は美しい。

それにしても、人間の性行動って面白い。本当に何でもありであり、色んな性愛の形があっていいものだと思わされた。

助手を演じたピーター・サースガード(「ニュースの天才」で好演)の正面全裸(チンコ丸出し)シーンにちょっとびっくり。あれはどう考えてもキンゼイを挑発していたんだね。 とても目つきがセクシーだった。その挑発におずおずと乗るキンゼイがなんだか可愛かった。二人の間に愛はないのに、キスシーンがとても美しくて。

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