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« チャーリーとチョコレート工場 | トップページ | バレエ/ダンス関係雑誌2題 »

2005/09/27

「四月の雪」

もう少し後で公開される「春の雪」とタイトルをいつも間違えそうになってしまう。あっちは、原作が死ぬほど好きなのに令嬢聡子役があの(自粛)竹内結子という許せないキャスティングなので一生見ません。

ヨン様ってたしかに素敵だとは思うけど、演技はあんまりうまくないよね。というか大根?いつも同じ顔をしているし。たしかに、あまり感情表現をしない役ではあるんだけど。肉体美のほうはさすが。
相手役のソン・イェジンの演技は素晴らしい。悲しみに沈む地味な若い主婦が、彼との出会いを通じて少しずつ色っぽく変わっていき、でも意識不明の夫に対する罪悪感にも揺れる思いを、生活感を漂わせながらも表現していて見事だ。「ラブストーリー」の元気な娘とは完全に別人。それだけにヨン様の大根ぶりが目立ってしまった気がしてしまう。ついでに、意外にもとてもグラマーで、下着姿でのベッドシーンには相当ごっくんときてしまった。

韓国では評判が悪いらしいけど、決して悪い映画ではない。ホ・ジノ監督の演出力は確かだ。互いの配偶者が不倫関係にあり、交通事故に遭って意識不明の重体になった夫と妻。不倫関係を暗示させるデジカメの動画やコンドームといった現場に落ちていた品々が、やりきれない思いに追い討ちをかける。相手の不義を責めたいのに、意識を失っているし自分が介護までもしなければならない。さらに、この事故に巻き込まれたまだ若い被害者が亡くなっており、葬儀に弔問に訪れたところ罵られる。やり場のない怒りと悲しみ。孤独感。そしてやがてそんな二人が傷を埋めあうように接近する。

またもや静謐な映画である。台詞も非常に少ない。そして、主人公の二人以外には、意識不明のお互いの配偶者(意識不明なので当然なにもしない)と、男の同僚と義理の父がちらっと登場するくらいで、二人がすごく孤独に生きていることが痛いほど伝わってくる。植物人間状態となった夫や妻を黙々と看病するだけ。そんな中どうしようもなく惹かれあってしまうのは必然的なことだったのだろう。おもむろに登場するキスシーンやベッドシーンの激しさには、びくっとしてしまうほど驚いてしまった。

演出としては、どのキャラクターに寄り添っているわけでもない。突き放した感じすらする。互いを求め合う姿は激しいのに、どこか陰鬱で冷ややかさすら感じられる。それは恋愛ではないように見える。互いを求めざるをえない状況なのだ。とても悲しいことである。しかもそれは、彼らを不幸のどん底に陥れた不倫と同じことをしてしまっていることなのだから。

いつまでもこの状況が続くわけではなく、二人の配偶者に変化が訪れて、二人の関係に決定的な変化が訪れる。彼女のいなくなった部屋に佇む彼と、その彼の姿をまた別の場所から見守る彼女。「八月のクリスマス」でも、彼女の姿を店の窓からいとおしそうに見つめる主人公の姿があったが、同じような胸を締め付けられる場面である。

ここから先はネタバレになってしまうので多くは書かないが、「八月のクリスマス」や「春の日は過ぎ行く」の終わり方が極めて秀逸だったのに対して、ちょっと安易だったのが残念だった。ただ、ここで終わりなのではなく、ハッピーエンドに見せかけて、実のところ決して明るくはない未来を感じさせるところは、どす黒くていいけど。
撮影が秀逸だった前2作に比べて、この作品ではシネマトグラフィは今一歩だったのが惜しい。

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映画」カテゴリの記事

コメント

シマリスさん、お久しぶりです。
『春の雪』ですが、予告編を見て竹内結子は、ミスキャストだと思いました。
私は原作を読んでないのですが、小栗旬くんと前田亜季ちゃんのペアではいかがでしょう?
『四月の雪』の話題じゃなくて、すみません。

お茶屋さん、本当にご無沙汰しています!お元気でしたか?
私も「春の雪」は予告編を見ただけで倒れそうになりました。妻夫木くんの清顕はまだ許せるにしても…。
小栗くんと前田亜季ちゃんのほうが100倍良いですね。竹内結子はテレビ女優という印象が強すぎるのもいけません。ファンの多い文芸作品なだけに、もう少し何とかならなかったものでしょうか。
「四月の雪」はソン・イェジンが素晴らしくて。彼女なら、「春の雪」の聡子でも行けそうです。かわいいだけでなく本当にしっかりとした演技を見せてくれる人です。

お返事ありがとうございます。
「春の雪」を読み始めました。お顔の描写からすると妻夫木くんで、中味は小栗くんのような(笑)。
ソン・イェジンは、見たことがないですが、韓国の俳優さんは有望な人が多いですね~。
(バレエ公演のレポートも楽しみにしています。シマリスさんのブログを読んでDDD創刊2号を即購入しました。踊るのが好きというのは、舞台を見て伝わってきますよねー。>ルグリ)

お茶屋さん、そういえばバレエ好きでいらっしゃいましたよね!サイトで素敵な感想を読ませていただきました。
小栗くん、私かなりルックスが好みです。デビュー作の「しあわせ家族計画」だってみているんだから。「ロボコン」の彼はすげえカッコよかったです。「春の雪」はまた読み直したいですね。本当に美しい文章で。

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» 四月の雪 [シネクリシェ]
 静謐な恋愛映画という一語に尽きる作品。よぶんなものをつけ加えずに、ただそのこと一本に集中した作品として評価できます。  本国韓国ではあまり [続きを読む]

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