なみおか映画祭終了
なみおか映画祭には行ったことはないけど、映画好きの友達で行ったことがあるひとはいるので色々とその噂は聞いていた。なんと映画祭でプリントを買い上げて上映しているということですごいことをやっている、素晴らしい映画祭だと聞いていた。ところが、こんなニュースが…。
<なみおか映画祭>今年限り ポルノ上映で補助金打ち切り
全国の映画ファンに親しまれている青森市の「中世の里なみおか映画祭」の実行委員会は8日、映画祭を大幅に縮小し、今年で最後とすることを決めた。日活ロマンポルノを特集する企画に、市教委が補助金130万円を打ち切り、会場も貸さなくなったため。文化庁は日活ポルノの芸術性を認めて補助を決めていた。
映画祭は92年に「映画館のない町で国内にないような映画祭をやろう」と青森市と合併する前の旧浪岡町で始まり、今年が14回目。これまで国内外からフィルムを買い取るなどして上映してきた。今回は11月19日から23日まで、日活の巨匠と言われた神代辰巳監督を取り上げ、22作品を上映する予定だったが、内容を知った市教委が「補助事業にふさわしくない」として、実行委に補助金を出さないことを伝えていた。
(毎日新聞) - 9月8日22時39分更新
神代辰巳作品が補助事業にふさわしくないから会場すら貸さないしそれどころか映画祭も終わらしてしまうなんて、一体どこの星の出来事ですか。
こういうことを決めた人って、たぶん神代どころか日活ロマンポルノすら観たことがないしポルノってつくだけでやらしーものだと思っているんですね。文化庁のお墨付きだってあるのに。
すごく悲しいこと。
神代作品って本当に素晴らしいです。自分が人間という感情をもつ動物に生まれてよかったと思わせてくれます。特に「赫い髪の女」の宮下順子は凄すぎます。何回でも見たい。私はシネパトスで痴漢にあいながら通いつめました。22作品も神代作品が観られるなんてなんて素晴らしいこと!浪岡まで行ってもいいと思いました。それなのに。
濡れ場がそれほど多いわけでもなく芸術として優れていて、(そもそも人間だったらセックスだってするわけだし両親がセックスしたんだから自分が生まれたわけでしょ~)今の時代これほどの素晴らしい作品は作れないと思う。それなのに、これがふさわしくないんだったら何がふさわしいんでしょうか。
それに教育委員会が口を出しているというのが良くわかりません。 教育上よろしくないんだったら年齢制限もうけて上映すればいい話。
今までだって、ロマンポルノのドキュメンタリー「サディスティック&マゾヒスティック」を上映したり、ハードコアなしーんのある映画だって上映してきたんです、この映画祭では。
浪岡町が青森市に吸収合併されてしまったことも背景の一つにあるようですが(だから、平成の大合併なんて弊害ばかりで文化を破壊して回っていてろくなことがひとつもないんだってば)
なんか恥ずかしいです。
こんな考え方が権力をもっているこの国が嫌になってきました。
そのうち自由にものを言うことも出来なくなるような気がしてきました。 選挙の結果だってあんな体たらくだし。
これが日本の現状だよって、諸外国に知ってもらう必要があると思えてきました。
なみおか映画祭
http://nff.jp/
終了にあたってのプログラム・ディレクターのコメントが掲載されています。必読。
« 9/8 スペイン情熱のバレエGALA | トップページ | 愛についてのキンゼイ・レポート »
「映画」カテゴリの記事
- 11/27 公開 映画「コール・ミー・ダンサー」主演、インド出身のダンサー、マニーシュ・チャウハンにインタビュー(2024.11.22)
- 映画『リル・バック ストリートから世界へ』(2021.08.17)
- セルゲイ・ポルーニン出演映画『シンプルな情熱』7月2日より公開(2021.07.02)
- マシュー・ボーンin シネマ「赤い靴」2月11日劇場公開(2021.02.11)
- 2月6日マシュー・ボーン出演『赤い靴』オンライントークイベント開催(2021.02.03)
以前住んでいた場所の近くにあり、よく通っていた川崎市民ミュージアムは、いろいろと個性的で意表をつく企画展や企画上映会を行なっていて大好きな場所でした。神代作品は昔そこの企画上映会で取り上げられていた時にチラシを観て興味をひかれた覚えがあります。(結局予定が合わず観に行けなかった。)
他と比べるのあまり意味のないことかもしれないし、そもそも映画祭と美術館(兼博物館)が開催する企画上映会とでは単純に比較も出来ないのかもしれませんが、川崎市ってもしかして度量が広いのか?とつい思ってしまいます。
もっとも(転居したので)ここ数年は行っていないし、公式サイトの「過去の映画上映」のページも14年以降更新されていないので、最近は傾向が変わってしまっているかもしれませんが。
公式サイト:「過去の映画上映」
http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/
今調べてみると経営が厳しく、存亡の危機とも言われているようで・・・。悲しい。
夏目房之介の「で?」:よしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』と手塚賞の人々
(のコメント欄に「存亡の危機」説が。)
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/003494.html
平成16年度第1回川崎市市民ミュージアム改善委員会会議録
http://www.city.kawasaki.jp/88/88bunka/home/top/kaigi1.htm
投稿: liyehuku | 2005/09/25 08:34
liyehukuさん、ようこそいらっしゃいました。
川崎市民ミュージアムの映画上映は、いいな~と思いつつなかなか足を運べなかったんです。家からはわりと近いのに。
そうですか~危機なんですね。もっと足を運んでおくべきだったと思うことしきり。(と思うことが最近多すぎていけませんね)
私も以前ほど映画を見なくなってしまったので何も偉そうなことはいえないんです。映画業界で仕事をすると映画を観たくなくなっちゃうんで。
投稿: シマリス | 2005/09/26 02:06