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2005/09/20

ディアギレフの夕べ/Dances Diaghilev パリ・オペラ座バレエ


パリ・オペラ座バレエ団がバレエ・リュスの興行師セルゲイ・ディアギレフを称えて1985年に上演した舞台。
バレエ・リュスの中でも特に人気の高い4作品、「ペトル―シュカ」「薔薇の精」「牧神の午後」「結婚」が上演されている。
残念ながらDVD化されておらず、ビデオも国内盤は入手が難しいようだけど、輸入盤のビデオならアマゾンのマーケットプレイスなどで購入可能。

「ペトルーシカ」(1911年)
台本:イーゴリ・ストラヴィンスキー 振付:ミハエル・フォーキン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー 装置:ブノワ
キャスト:ペトルーシュカ=ティエール・モンヌ、踊り子=モニク・ルディエール

なぜか心を持ってしまい、バレリーナ人形に恋をした人形ペトルーシカの悲劇。カーニバルの猥雑な雰囲気と、純粋なペトルーシュカとの対比が見事。人形っぽい動きというのはすごく難しそう。その上、手足がまるで生きていないかのようにぶらぶらさせながらも踊っているっていうのがすごい。人形の滑稽なメイクの下に隠された哀しみが伝わってきて、息苦しくなる。ペトルーシュカ、バレリーナ、そしてムーア人と3体の人形が箱の中で一緒に踊っているところから興奮させられる。恋に苦しみながらも、臆病で思いを伝えられないペトルーシュカは、バレリーナにも疎んじられ、カーニバルの熱気の中ムーア人に殺されてしまう。亡霊となったペトルーシュカが見世物小屋の屋上から人々を見下ろすエンディングも印象的。

「薔薇の精」(1911年)
台本:ゴーチェの詩による 振付:ミハエル・フォーキン
音楽:ウェーバー「舞踏への招待」(ベルリオーズ編曲) 装置:バクスト 
キャスト:薔薇の精=マニュエル・ルクリ、少女=C・ド・ヴィルピアン

今までも生の舞台でルジマトフとABTのエルマン・コルネホで観たし、映像でもイーゴリ・コールプが踊ったのを見た作品だが、踊る人によってすごく違いが出るのが面白い。
20年も前の舞台だけに、ルグリが若くてほっそりして匂い立つようだ。もちろん、かぐわしい薔薇の香りである。柔らかくしなやかで軽やかだ。ルジマトフがこってりと濃厚で官能的、コルネホが野性的かつ妖精的、コールプが妖しくて宇宙人っぽい?のに対して、一番ノーブルで繊細な感じなのがルグリだと思った。彼が窓から飛び去った後の余韻に浸る少女の表情がまた素敵。

「牧神の午後」(1912年)
台本:マラルメの詩による 振付:ワツラフ・ニジンスキー
音楽:クロード・ドビュッシー 装置:バクスト
キャスト:牧神=シャルル・ジュード、ニンフ=マリ・クロード・ピエトラガラ

半獣半神の牧神がニンフ(妖精)たちの一人と戯れ、彼女が去ったあと、その衣装をもらって岩に上に敷き、横たわって悶える。常に顔は横向きとエジプトの壁画を思わせるような構成。跳躍や回転は一切なく、内股のパという斬新な作品。舞台装置もすごく凝っている。牧神は常に吼えたり身をよじったりしているのだが、演じているシャルル・ジュードの体のラインが美しく、顔立ちや雰囲気も神々しいほどの高貴な印象を湛えているため、上演当初は大変なスキャンダルになったらしいという自慰を思わせるシーンも、驚くほど慎ましやかに見える。

「結婚」(1923)
振付:ブロニスラヴァ・ニジンスカ 音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
装置・衣装:ゴンチャローワ
出演:花婿:ガデル・ベラルピ、花嫁:エリザベット・プラテル

ニジンスキーの妹ブロニスラヴァ・ニジンスカ振付の作品。ロシアの農村の伝統的な結婚式儀礼を舞台にしている。まず、ストラヴィンスキーの、独特のリズムで進む音楽のインパクトがすごく大きい。独唱、コーラス、ピアノ、打楽器と独特の音階を駆使したメロディが耳にいつまでも残る。結婚というお祝いの儀式だというのに、花嫁も花婿も喜びの表現がほとんどなく、重苦しく押し黙ったまま無表情でいる。プラテルとベラルピという美男美女揃いなのがさらに怖い感じというべきか。皆お揃いの白いシャツに黒いスカートやズボンで、シメントリーに、抑制されたステップを淡々と踏むが、その単調な感じがかえって不穏である。解説を読むと、農村の花嫁が子供を産み、労働力として期待された時代、結婚が喜びではなく因習に抑圧されることを表現していると書いてあるが、なるほどそんなイメージである。花嫁の長い付け三つ編は一体何を象徴しているのだろうか?

というわけで、実はこの「結婚」が一番強烈なインパクトがあった。ロイヤル・バレエ版もあるようなのでこれも後で見てみたい。ビデオだけど画質もよく、主演のダンサーたちがそれぞれ大変優れた踊りや演技を見せているので、見ごたえはたっぷり。バレエ・リュスを知る上では必見。

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